オラリオに失望するのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
ジャガーノート。
しかし反面物理的な耐久値は低い。
「
魔法を受ける際に淡く輝く。あれは魔力を反応しているにしては魔法や接近に対して発動までの一瞬にバラつきがあった。
とはいえよほどの高速魔法でもない限り、ジャガーノートの反撃を考慮した距離で放つ魔法は反射されるだろうが。
「シャアアアアア!!」
迫りくる冒険者を敵ではなくただの標的として排除しようと動くジャガーノート。左の爪は溶けて使えないが、右腕は健在。
振るわれる絶死の一撃。防御不能の最強の一撃が………
「ガッ!?」
「つぅ!」
防がれた。標的の中で特に小さいすばしっこい小人の槍に。
「っ………よし!」
とことん殲滅優先。ただただ殺すだけで、寿命も短く地上に向かうことすら決してありえぬ殺戮機構。正しい対処法は逃げ続けることだろうに、これを
負けていられない!!
「オオオ!」
「ギッ!」
防がれると思いもしなかったのか、隙を晒すジャガーノートの顔にフィンの槍が迫る。
本来の獲物には劣るがそれでも第二級相当の攻撃力。装甲を貫き目尻に槍が刺さる。
グルリと回転し遠心力で振り落としたジャガーノートは距離を取り、迫る魔力に気付いた。
即座に飛んできた炎を反射し………
「死ね」
その炎を吸収した銀靴がジャガーノートの横腹にめり込む。
「!!?」
炎に紛れたベートに反応が遅れ、第一級前衛の一撃に痩躯な体が吹き飛ばされる。追撃とばかりに迫る双子に気付いたジャガーノートは尻尾を振り回し体勢を変え二人に破爪を放った。
「ぐあ!?」
「んぎゃ!!」
「ちぃ!」
「キシャアアア!!」
吹き飛ばされた二人を見てベートが舌打ちしながらジャガーノートに迫るも、長い尾を叩きつけられる。破爪のみならずその尾も十分な威力を備えベートを吹き飛ばした。
「【どうか力を貸して欲しい】」
「【終末の前触れよ、白き雪よ。黄昏を前に渦を巻け】」
ピクリと魔力に反応するジャガーノート。先程の炎よりも尚高い魔力。装甲が剥がれかけた今、脅威になりえる。
故に本能のまま襲いかかる。
駆け引きはなく、ただ近くの標的、或いは己の障害になりえる敵を……
「させない!!」
風を纏い、一気に加速したアイズがジャガーノートを追い抜きデスペレートを振るう。顎を打ち上げられ顔の半分が破壊されるジャガーノート。
普通のモンスターならソレで止まる。あいにくジャガーノートは普通じゃない!
「ガギャアアアア!!」
「!!」
爪を振り上げる。剣を振り切ったアイズに、防ぐすべはない。
「【盾となれ破邪の
瞬間、レフィーヤが障壁魔法を召喚する。破爪は防げない。だから、腕を邪魔するように!
「!?」
殻が勢いよく純白の障壁にぶつかり、弾かれる。明確な隙……
「やってくれたなてめぇぇぇぇ!!」
「すんごい痛かったんだからねえ!!」
ティオネとティオナが渾身の拳を叩き込む。殻の亀裂が広がり、右側の装甲が大きく剥がれた。
「いまっす!!」
ラウルの号令のもと魔剣や魔法が飛び出す。盾はない。回避を………
「!?」
飛び出したジャガーノートだが、空中で動きが止まる。見ればガレスがジャガーノートの尾を掴み引き止めていた。
「ぬう、ぐう!!」
全身の筋肉が引きちぎれるかと思うほどの脚力。それでもなんとか抑え込み、魔法に向かってぶん投げるガレス。
「ふんぬあああ!!」
「ギイイイイ!?」
魔法をもろに浴び装甲が剥がれていく。オリジナルには劣る魔剣と、Lv.3の短文詠唱。致命傷にこそならないが耐久の低いジャガーノートには無視できないダメージ。
「逃さない!!」
「ガギ!?」
雷を纏ったレミリアが迫る。立ち上がろうとしているジャガーノートに避けるすべはない。まだ装甲に覆われている後ろ足で蹴りつける。
「させるか!」
それをロイドが防ぐ。痩躯とはいえ超大型級のジャガーノートを高速で動かす脚力はLv.4の前衛を軽々吹き飛ばす。
だが、それた。
レミリアが魔剣をジャガーノートの足に突き刺す。
「カッ──!!」
暴発。ジャガーノートの足が内側から爆ぜ、機動力を完全に奪われる。
「ガ、ギャアアアア!!」
尾を地面に叩きつけ、振り回す。破片が四方八方に散弾のごとく飛び散る。
「つぅ!」
「ぐぅ!」
「あう!」
精霊の魔法でぼろぼろになった装備や人体を貫くには十分な威力。だが、ダメージを負いすぎた。殲滅は不可能。ならば後で生まれる母の子に処理を任せ、少しでも動けるものを減らし…
「ルアアアアアア!!」
「ガアアアアア!!」
「グギャ!?」
傷だらけになりながらも闘志の消えぬ人狼と狂気を宿した赤い瞳の小人の一撃が残った手足と外殻を破壊した。武器も機動力も盾すら失ったジャガーノートは身を蛇のように捩り逃げ出そうとし…………
「いかせるかああ!!」
ガレスの拳が半分以上なくなっていた顎を完全に砕く。
目も失い、高い察知能力で周りの数は把握するも何をしてくるか見えない。闇雲に暴れまわる。
「【我が名はアールヴ】!」
「!!」
魔力の高まり。魔法が来る!
防ぐ手段はない。攻撃を避けるために僅かに開いた包囲の隙間から逃れようとするジャガーノートの体を、一本の槍が地面に縫い付ける。
「【ウィン・フィンブルヴェトル】!!」
放たれる吹雪は、ジャガーノートの命を永遠に凍結した。
「そうか、59階層であれを倒したのか………」
「あれすっごく強いのよね〜」
フィンの報告を聞いたヴァルドとアリーゼは過去を思い返す。
「半数以上がなすすべもなく殺された。大した体たらくだ」
「あ、因みに私達のことじゃなくて間に合わなかった自分を責めてるのよ、これで」
ヴァルドの言葉にむっと顔を顰めたティオナだったがアリーゼの言葉にそうなの? と視線を向ける。
「当時の俺は第一級。此奴等より上だった」
「自分はLv.5で、私達は第二級。自分がちゃんとしなきゃいけなかったって言ってるわ」
「だが、アストレアの言葉もある。もう俺には関係ない」
「女神アストレアから、彼女達は彼女達のやるべきことをやろうとした。責任を感じるなと言われたから自分を責めるのはやめにした、と言っている」
「……………アリーゼもリヴェリアもなんで分かるの?」
「長い付き合いだから」
「愛よ!」
「っ!?」
ちょっとした小ネタ
「ヴァルド〜、アーニャったら全然元気がないの。まるで人形みたいに無表情! 拾ってきたのは貴方なんだから、元気付けるの手伝って!」
「断る」
「そんな事言わないで! ほら、は〜や〜く〜!」
「俺には関係ない」
「はいはい、そういうことにしてあげる。さ、いこっ」
そしてヴァルドはアーニャを励ましに行った。ちょうどその日の護衛達は首を傾げた。なお
「(アーニャがアレンについて行けないと知りながら、それでもある程度後を追えるように鍛えてしまった俺がどのような言葉をかければわからないから)断る」
「(やれるだけやる。だがアレンはあれでアーニャを心配している。放り出したばかりで俺が関わっていると知るとまた荒れそうだから)俺には関係ない(ことにしておいてくれ)」
という意味になる。
またある時
「師匠、私………強く、なれてる?」
「期待外れ」
「っ!! あ、うぅ………」
「だが、まだ続ける」
「う、うん」
それを見ていたフィンは容赦ないねと思いガレスは顔を顰め、リヴェリアは呆れて後でアイズに
「(曲がりなりにも半年でLv.2になったのだから、もっと強くしてやれると思っていた。結局体の鍛え方や剣を少し教えただけで大したことをしてやれなかった。師として選んでくれたのに)期待外れ(ですまない)」
「だが(少しでも強くなれていることは確かだ。お前が)まだ(俺を師と思ってくれるなら)続ける」
という意味だと説明した。
ヴァルドは同じことを言われても理解できるから言葉が足りてないと言われても全部言ってる気になってる。
リヴェリアは文法を学ばせたがテストの作文はヴァルド語を解せない者には煽ってるようにしか思えない文になり矯正を諦めた。
カーリー・ファミリアのバーチェがどうなるかは決めてるんですよ。アルガナはどうしよう
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フィンに任せる
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ヴァルドに調き─鍛錬されたティオネが勝つ
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ヴァルド「戦士の作法を教えてやろう」
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船止めるためにぶん投げた石で船ごと沈む