オラリオに失望するのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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精霊の血筋

追加情報

ヴァルドは元々口下手だけど落ち込んだり慌てると更に口下手になるよ

後寝不足になるとテンションがハイになるから今の不眠Eだと2年ぐらい不休で漆黒のモンスターと戦わせ続けたら一話のテンションになる

 

 


 

 

「あ、そうそうそれと、バベルの他にダンジョンの出入口があるわ」

 

 唐突に切り出された言葉に一同が目を見開く。

 

「嘗てヴァルドが探して見つけられなかった出入り口。そうでなければ説明がつかない闇派閥(イヴィルス)の動き………私達は最近増えた軽犯罪の対処で忙しいし」

「軽犯罪なのに?」

「あら、軽くたって傷つく人はいるのよ? オラリオの危機に対処するためにオラリオの人々を放っておくなんて私達の正義が許さない」

 

 ティオネの言葉にそう返すアリーゼ。正論だったので、言葉に詰まる。

 

「それじゃあ、私はヘスティア様達の護衛に戻るわ」

「俺もアミッドの下に戻る」

 

 そう言うと二人は天幕から出ていった。

 

 

 

 

 

 そして別の天幕。

 ヒリュテ姉妹、レフィーヤ、アリシア、アキ、椿などの女性陣が集まっていた。

 事が大きくなってきた。バベル以外のダンジョンの出入り口など想像もしてなかった。と言うか、そんなものがあったらダンジョンが封じられているという前提が崩れる。

 ただ、今彼女達が気になるのは………

 

「アイズの事かな〜」

 

 あの怪物、アイズ曰く精霊はアイズに反応して、アイズもまたあれを精霊だとまっさきに気付いていた。何か関係しているのだろう………。

 

「『精霊』に『アリア』………思い浮かぶのは迷宮神聖譚(ダンジョンオラトリア)かなぁ」

「じゃあなに、アイズがその精霊って言うつもり? それって『古代』の話でしょう?」

 

 アイズは精霊ではない。それは対面すれば解るのだ。

 

「あ、ほら! 子供とか!」

「精霊は子供を産めないでしょうが」

「そっか………あのお師匠さんなら知ってるかな? 精霊と契約してるんでしょ?」

「「精霊と契約!?」」

 

 と、その場に居なかったエルフ二人が反応した。

 

「ど、どういうことですかティオナ! 精霊と、契約!? 現代ではエルフの王族ですら出来ていないのに!」

「し、知らないよ! ていうか精霊と契約してるの英雄譚でもエルフ以外の割合が多いじゃん!」

「うぐ………っ!」

 

 精霊を崇めるエルフだが、その精霊はエルフよりも怪物と戦う事を決意した他種族の英雄と契約する割合が多い。まあ英雄のサポートをするために遣わされたのだからとある古代のエルフに言わせれば『恥知らず(引き籠もり)』のエルフと契約する理由があまりないのだ。

 

「契約した経緯は言ってたじゃない」

「あ、そうだった! 怪我したその子を酒場の店員さんと一緒に我が子のように育てたんだっけ? いいよね〜、英雄譚みたい!」

「精霊との親子関係……? ヒューマンが、精霊の父?」

「アイズはその逆パターンとか?」

「だとしても、アイズを精霊と誤認するものなの?」

「ヴェル吉のように精霊の血を継いでいればそういうこともあるのではないか?」

 

 と、椿があっけらかんと言い放った言葉に視線が集まる。

 

「「「……………え?」」」

 

 

 

 

「…………なんで俺はここに連れてこられたんだ」

 

 椿に無理矢理引っ張ってこられて不機嫌そうな赤毛の青年。女子だらけの天幕の中気まずいというのもあるのだろう。

 

「此奴はヴェルフ・クロッゾ。ベル・クラネルのパーティメンバーで、【ヘファイストス・ファミリア(ウチ)】の下っ端だ」

「クロッゾ?」

「あれ、何処かで聞いたことあるような?」

 

 レフィーヤとティオナが首を傾げていると、アキがぴんっと尾を立たせた。

 

「クロッゾって………もしかして呪われた魔剣鍛冶師の?」

「そうとも、彼の王国(ラキア)で不敗神話を築き上げた『クロッゾの魔剣』……その男はそれを何世代に渡って作り続けた鍛冶貴族の末裔だ」

 

 鼻高々に告げる椿に対して、ヴェルフの顔は不愉快そうに歪む。周りの者たちはそれに気づかないほど驚愕していた。

 『クロッゾの魔剣』。

 世界に名を知らしめる伝説の武器。詠唱を必要としない代わりに劣化した魔法しか放てぬはずの魔剣の常識を覆す正式魔法(オリジナル)をも超える『海を焼き払った』伝説を遺す世界最強の魔剣。

 

「まあ手前もそれに劣らぬ武器を鍛ったと自負しているが」

「それは、本当なのですか!?」

「おうとも! まああれは素材による部分が大きく」

「そちらではありません! その男が、同胞の里を幾つも焼き払った忌まわしきクロッゾだということです!」

 

 クロッゾの魔剣はエルフとの戦争にも使われた。エルフの住まう数多の森を焼き払い、里を失ったエルフが今も尚その怨みを伝播させている。

 その怒りを継ぐアリシアに睨まれたヴェルフは眉をひそめるだけだった。再び口を開こうとするアリシア、が………

 

「祖先の禍根を持ち出すなよアリシア。その理屈で言うのなら、『古代』、同胞すら見捨てて森に引き篭ったエルフ共は今もなお世界から嫌われなくてはならん」

 

 何時からそこに居たのか、ヴァルドがボロ雑巾のようになったベルを抱えて立っていた。

 

「ベル!? な、何があったんだ!?」

「鍛えていた」

 

 具体的には【英雄願望(アルゴノゥト)】の蓄積(チャージ)中動けないのをなんとかしたいと言ったベルに「今からチャージ中攻撃する。避けなければ当てる、チャージが途切れても当てる」とその辺の枝で殴り飛ばすという特訓だ。

 

「う、うう………ヴェルフ?」

「だ、大丈夫かベル………」

「うん、なんとか……………」

 

 ぐったりしたベルを抱えてやるヴェルフ。

 

「それから椿、家を捨てた男の家事情を他者に軽々しく話すな」

「む………」

「お前がお前の信念を持っているのは解る。だが、どうでもいいことだ」

「確かに手前とヴェル吉の考えは別だがなあ」

 

 今のはヴェルフの信念を椿が下らぬ意地と切り捨てるなら、ヴェルフが椿の考えを聞き入れないのは当たり前だ的な意味になる。

 

「家を、捨てた?」

「ああ、此奴は自分の『血』を忌み嫌っておる。手前より強力な魔剣が打てるくせに、魔剣造りを強制され国を飛び出すほどにな」

「さっきから人のことペラペラしゃべんな!」

 

 と、ヴェルフが叫ぶ。クロッゾである、それだけを理由に敵意を向けたアリシアはバツが悪そうな顔をするが取り合わない。気にするだけ無駄だということだろう。

 

「で、結局俺を呼んだのはどんな理由があるってんだよ?」

「えっと……その前に確認だけど、本当に精霊の血をひいてるの?」

「ああ、まあ………『初代』が精霊をモンスターから庇った際重症を負って、それを精霊が血を分け与えて癒やしたらしい」

 

 男は命を繋いだどころか、精霊由来の不思議な力にも目覚めたらしい。それがクロッゾの魔剣。皮肉なことに、エルフの森を焼き払ったのはエルフが崇める精霊のもの。

 

「精霊かぁ……そう言えば師匠もモンスターから救い出した精霊と契約してるんでしたっけ?」

「ああ………」

「あれ? でもさっきは」

「あれは2柱目だ」

 

 つまり、2柱の精霊と契約している? ベルとティオナは英雄譚から飛び出してきたかのようなヴァルドにキラキラした視線を向けている。

 

「で、本題なんだけどあんた他にも精霊から血を分け与えられた人間知らない?」

「あん? いや、知らねえよ。古代の先祖の話だぞ」

「精霊から血を………? えっと、湖の騎士ランスロー、とか?」

 

 と、ベルが記憶から英雄の話を引っ張り出す。

 

「確か、湖に住んでた精霊に育てられていたって………血については知りませんけど、幼少期からいたならあるいは」

「おお、アルゴノゥト君英雄譚詳しいの!?」

「え、えっと………少し、は?」

「じゃあ、騎士ガラードが助けようとする人の名前は?」

「王女アルティス様……」

「じゃあじゃあ、竜殺しのジェルジオが倒した怪物の住処は?」

「シレイナの湖畔……」

「じゃあじゃあじゃあ、その時に竜を倒した武器は?」

「槍と見紛う聖剣………と、乙女の(リボン)

「すごい!」

 

 質問するたびにズズイと接近してくるティオナに困惑するベル。

 

「それじゃあ──」

「はいはい、そこまで」

 

 と、さらなる質問をしようとしたティオナをティオネが止める。

 

「精霊アリアは知ってる?」

「アリア………英雄アルバートに生涯付き従った風の精霊ですか?」

「そう。その精霊が誰かに血を分け与えたとか、そんな話はない?」

「………ん? んん〜〜??」

 

 その質問にベルは記憶を引っ張り出そうとしながら唸る。

 

「えっと、そんな話は特に………」

「じゃあアリアを庇って重症を負ったヒューマンの話とかは? 後はその子孫が居るとか」

「い、居たんだとは思いますけど………特別書かれていたってことは………あ、でも……英雄アルバートに子供がいたって話なら」

「えー!? なにそれ、あたし聞いたことなーい!」

 

 ベルが口にした内容にティオナが驚く。

 

「アルゴノゥト君が読んだのって、もしかして千年前に書かれた原本(オリジナル)?」

「あ、いえ………祖父が…………あ、でもお祖父ちゃん神様だし、直接見てたのかも」

「神様? おじいさんが?」

 

 どういう事、と視線を育て親のヴァルドに向けるティオナ達。

 

「…………ベルの父が所属していた【ファミリア】の主神だ。ベルを育てていた………あの神は最初の神々の中にも居た、古代の地上を観察していた神だ。神時代前とは言え信憑性は高い」

 

 神の手記と聞きまたしても驚きを隠せない一同。ティオナだけはその話を聞きたいのかとてもウズウズして今にもベルに飛びつきそうだ。

 

「ていうか、アイズの師匠なら何か知ってるんじゃ」

「知っている」

「じゃあ、アイズって何者?」

「何故それをお前達に教えなくてはならない」

 

 と、喧嘩売ってるような言葉にティオネ達が顔を歪めるがティオナはん〜、と顎に手を当てる。

 

「それって、アイズをおいていった自分がアイズの秘密を軽々しく話せないってこと?」

「最初からそう言っている」

「言ってないよ!? さっきのアリーゼの翻訳聞いてなかったら「お前たちに教えることなんてない」って喧嘩売られてるようにしか思えないよ!?」

「………………?」

「なんでそこで不思議そうな顔をするかなあ」

 


 

前述したとおりなので今回は素です

言葉が足らねえなあ

カーリー・ファミリアのバーチェがどうなるかは決めてるんですよ。アルガナはどうしよう

  • フィンに任せる
  • ヴァルドに調き─鍛錬されたティオネが勝つ
  • ヴァルド「戦士の作法を教えてやろう」
  • 船止めるためにぶん投げた石で船ごと沈む
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