オラリオに失望するのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
「………………………」
「……………………」
18階層の森の中。ベルとレフィーヤは走り疲れて項垂れながらも、お互い気まずそうにしていた。
「…………あの」
「…………言わないでください」
「でも………」
「言わないでください!」
「迷子だよね、僕達」
「言わないでって言ったのに!」
でも現状をしっかり把握しなくてはならない。
二人は迷子になっている。
「あ、貴方が逃げるからです!」
「だ、だって殺されるかと…………」
「そんな事しません! ちょっとお仕置きするだけです!」
「お、お仕置き!? それは、井戸に沈めたり岩にくくりつけて山から転がしたり木に吊るして蜂蜜をかけて虫に群がらせたり煙突に嵌めて下で湿った薪を燃やしたり牛4頭に手足を引かせたりする!?」
「しませんよ!? なんですかそれ!」
「えっと、お祖父ちゃんがお義母さんの布団に入ろうとしたり下着盗んだりするとやられてた…………」
彼の祖父は神なのでは? 正しく神をも恐れぬ所業ということか。
「そんな事しません。えっと……………げ、拳骨とか?」
「げ……
ギュッと目を閉じ少し震えながら衝撃に備えるベル。Lv.1の差があるとはいえ後衛相手に怯え過ぎでは? いや、これはなにかトラウマを刺激されてる?
「…………? あ、あの………」
レフィーヤが考え込んでいると片目だけあけ上目遣いで見てくるベル。
「………もうしません。追いかけ回してしまいましたから」
なんか変な趣味に目覚めてしまいそうなので、レフィーヤは目を逸らした。
これはあれだ。きっと、弟とかに憧れていたからに違いない。子供を可愛いと思うあれに決まっている。
「とにかく、キャンプに戻りましょう。何時モンスターに襲われるか解りませんからね」
「え? ここって、モンスター生まれないんじゃ………」
「それでも別の階層から迷い込んできます。食料となる果実もありますからね。ベルは初めての18階層ですから、私のあとに付いてきてください」
「う、うん! でも、方向とかは………」
「任せてください、考えがあります」
フフンと胸を張るレフィーヤ。おお、と感心するベル。
「明かりを消して極力戦闘は避けます。ええっと、風下は」
「あ、あっちかな」
「え?」
「たぶん、あってると思う。昔はよく野山で遊んでいたので………」
事実森の中の移動にも慣れていた。余計なことをせず、しかしレフィーヤの言いつけを守りながら自分に出来ることはしっかりする。
「【ロキ・ファミリア】の人達って、本当にすごいな。レフィーヤは後衛で魔導師なのに、探索者みたいで…………なんか、すごく頼りがいがあるっていうか」
「なななっ! 何ですか藪から棒に!? おだてたって何も出ませんよ!」
突然の褒め殺しに耳まで真っ赤にするレフィーヤ。
でもそれを言うなら………
「貴方だって、18階層は初めてなんて思えないぐらい良く動けてると思います」
「本当!?」
「か、勘違いしないでくださいね! ホメてるんじゃなくて、私の
「ありがとう!」
「〜〜〜〜!?」
言ってて恥ずかしくなってきた。ベルは素直に喜ぶし………。これが俗に言う可愛いというやつなのだろうか?
「…………それと、まだ言ってませんでした」
「?」
「ランクアップ、おめでとうございます。本当に師匠の記録を超えちゃいましたね。一ヶ月半でミノタウロスなんて、流石に誰も達成してませんよ」
「……………!」
「まあ、既にティオナさんにも言われ…………な、なんですかその顔?」
と、ベルが目と口を大きく開けてほうけているので思わずぎょっとするレフィーヤ。
「あ、いや………何も言ってくれなかったから、忘れたのかなって」
「………ティオナさんも言ってたし、私が言う必要もないって思っただけです」
「うん、でも。やっぱり嬉しいな………あの言葉を聞いて、認めてくれたのは貴方だから…………うん、嬉しい。ありがとう!」
また顔が熱くなる。今度は何で!?
きっと、自分が最初に言いたかった言葉をティオナに取られたと子供っぽい嫉妬をしたのが今更恥ずかしくなったのだ。そうなのだ!
「レフィーヤ……? ………っ!」
「……!」
ハッと二人ほぼ同時に振り返る。
人の気配。だけど、これは隠れるように? モンスターを警戒しているのだろうか? それにしては、正規ルートを外れすぎている。
「…………僕達を探しに来たとか…」
「だったらもう少し人数が居ます。モンスターも出るんですよ?」
物陰に隠れ様子を窺う。
現れたのは、白いローブを着た人影。
「…………
「
レフィーヤ達は知る由もないが、数日前の
ただ、それを発見したのはレフィーヤ達だけ。
(………どうしよう)
戦う必要はない。この階層で何をしているのか、或いは目的地を割り出しフィン達に伝えるだけで良い。問題は、
一人には出来ない。
「………すいません、ついてきてくれますか?」
「……………うん」
レフィーヤの言葉にベルは表情から何かを察したのか頷き、二人で
やってきたのは階層の東の端。古代の遺跡の
水晶に身を隠しながら追跡する。決して見失わぬように、その背に視線を向け。だから、足元に気づかなかった。
「…………え?」
「!?」
ガバリと地面が開き、二人を飲み込んだ。
カーリー・ファミリアのバーチェがどうなるかは決めてるんですよ。アルガナはどうしよう
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フィンに任せる
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ヴァルドに調き─鍛錬されたティオネが勝つ
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ヴァルド「戦士の作法を教えてやろう」
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船止めるためにぶん投げた石で船ごと沈む