オラリオに失望するのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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迷宮の休息地(裏)

Q.ヴァルド君が誰かと付き合った場合、その子を大事にしてくれるのかい?『PN主神(おや)目線』

A.します。まあ発展アビリティのせいで殆先に死ぬけどね。

 

Q.ヴァルド君が誰かと付き合った場合、独占欲強かったりするのかい?『PN帽子の似合うイケメン』

A.強いよ。男と仲良さそうな光景を見ると明らかに嫉妬してくれるので女の子たちの心臓もたないかもね

 

Q.実際彼は誰かの付き合う気じたいはあるのか?『PN愚者』

A.ないよ。最悪黒竜に手傷でも負わせて英雄の助力になれるなら死んでもいいと思ってるから。死にたくはないけど生き残りたいと強く願えない限りは恋仲になることはない

 

Q.破綻者! 破綻者! 破綻者! もういっそ恩恵を封じて戦えぬように手足を切り取って誰の目にも映らない場所の地下深くで超硬金属(アダマンタイト)で出来た部屋に閉じ込め超硬金属(アダマンタイト)の鎖で縛り上げるしかないの?

A.彼奴自力でステイタスの封印解くし『不死身』持ちだから新しい四肢生やして出ていくだけだよ。それにたとえお前しかいない場所を用意しても世界を滅ぼしうる黒竜と滅ぼされる人類がいる限りお前だけを見ることは(ナイフが人を突き刺す音)

 


 

 

 沈む。沈む。

 引きずり込まれる。そうでなくともアイズはもとより泳げない。

 水の中では風も呼べない。そもそも呪文を唱えられない。

 締め付けてくる力はLv.4程度。Lv.6のアイズには致命的にはならない。だが、肺の中の空気を絞り出すには十分な力。

 ゴボッと吐き出した瞬間僅かに緩む触手。空気の代わりに水が入り込む。

 

「────!?」

 

 溺れさせるのに、慣れている。

 本能………いや、経験だろう。水を呑み、パニックになるアイズ。

 水面に手を伸ばし、白い光を腕に纏わせ飛び込んできたベルが目に映る。

 

 

 

(取れない……! すごい力!)

 

 超大型級の体躯に相応しい力。触手を抜こうとするベルに全く攻撃が来ないのは、ベルを敵と認識していない。アイズを捕えるためなら後回しにしてもいい獲物だと思われている。

 

(………っ!!)

 

 と、アイズの水着が溶けていくことに気付くベル。

 水の中でぼやけているとはいえ、思わず吹き出すベル。

 潜水可能時間が減った。『潜水』の発展アビリティを持ってないとはいえ人理を外れた冒険者。常人よりは潜れるとはいえ、後2分もないだろう。

 ベルは標的を変え本体を狙う。武器はないので殴ってみるが、水の中で力が入らず、ヌメヌメした体液で拳が滑る。

 いや、水の中でなくともこのブヨブヨした肉体ではLv.2のベルではまともなダメージを与えられるかどうか………。

 

「………っ!!」

 

 殴るのを諦め、群生していた竹を割って作った即席の槍を強く握りしめる。

 ダンジョン産だけあり、ササクレが皮膚を貫き肉に突き刺さる。その痛みを我慢して、狙うは目玉。

 

「〜〜〜!?」

 

 意識を大して向けていなかったベルからの攻撃にのたうつ温泉の主。触手が緩んだのを見逃さず、ベルは温泉の主を踏みつける。

 蓄積(チャージ)を開放。今この瞬間、Lv.3上位にも匹敵しうる力となった脚力で打ち出されたベルの体は水を掻き分け解放されたアイズを掴み水面へと向かう。

 だが、勢いが落ちる。

 再び蓄積(チャージ)。と、ベルの足に絡みつく触手。標的を脅威となるアイズではなく、己に傷をつけたベルに変えたようだ。

 

(2秒………でも、この距離なら!)

 

 アイズを水面に向けて投げるベル。アイズが水面を突き破り、落ちてこない。陸地に乗り上げたようだ。だがベルはチャージ時間こそ短いとはいえ【英雄願望(アルゴノゥト)】の連続使用により虚脱感が襲う。

 グンッと勢い良く水底へと引きずり込まれる。体に触手が絡みつかずとも、水圧がベルの胸の奥から残った空気を吐き出させた。

 

 

 

「ちぃ、鬱陶しい!」

 

 突如襲ってきた魚型のモンスターに蹴りを放つベート。表面のヌメヌメとした粘液に足が滑り、それでも第一級の脚力は凄まじく2メートルはある大型級を蹴り飛ばした。

 が、あまり効いていない。弾力のある肉が衝撃を殺した。

 

(…………打撃耐性だけならクソ花より上だな)

 

 そんなモンスターが、5体。硫黄の匂いで鼻が利きづらかったとはいえ獣人であるベートをして襲ってくるまで気付なかった。

 ダーク・ファンガスなどと同じ潜伏による待ち伏せタイプ。だというのに、中層にあるまじきステイタス。

 

「強化種ね!」

「わかってんだよんなこたぁ! おい魔力馬鹿! さっさと魔法打て! って、なに目ぇつぶってやがる!!」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! でも、目を開けるなんて無理ですぅ!」

 

 ベートのヴァナルガンドが見えかけている。ここにいるのが少し先の未来のとある恋愛暴走発情少女(アマゾネス)ならば目をかっぴらいていたのだろうが、お年頃エルフのレフィーヤは目を開けられない。

 

「素っ裸で戦うなんてレベルが高いわ。流石【凶狼(ヴァナルガンド)】ね!」

「なんでてめぇは普通に服着てんだぁ!?」

火精霊の護符(サラマンダー・ウール)、さっきそこで見つけたの」

 

 何気に勘が鋭いアリーゼは違和感を覚え周囲を探索し、この場の被害者の遺品を見つけたのだ。まあそれを伝える前にモンスターが現れたのだが……。

 

「シャアアアアアア!!」

「とと……【花開け(アルガ)!!】」

 

 炎を纏った蹴りが表面の粘液を蒸発させ肉を焼きながら温泉魚を吹き飛ばす。

 吹き飛ばされた温泉魚は火傷に温泉の水をかける。みるみる傷が塞がっていく。

 

「!? なんて効能、この温泉、侮れないわ!」

「ええ、モンスターを倒した後もう一風呂するのもありかもしれません」

「いやおかしいだろうがどう考えても!」

 

 思わず突っ込むベート。アリーゼの方はふざけているのだろうが、命のあれはマジだ。

 この温泉、モンスターにのみ高い回復効果もあるようだ。

 もとより優れた耐久値に加え、回復による持久戦。下手に時間をかければ服が溶かされ素っ裸にされる。戦いにくいことこの上ない。

 

「面倒くせえ」

 

 ベートは舌打ちして、正面からモンスターに突っ込む。大口を開けて飲み込もうとする温泉魚。その上顎を掴み………()()()()()()

 

「んなぁ!?」

「まじかよ………」

 

 多くの冒険者を見てきたが第一級の戦いを見たことがないリリは自分の知る冒険者と比べあまりに隔絶した力に目を見開き、ヴェルフもドンびく。

 ベートは牙がびっしり生えた上顎を桜花と千草に襲いかかろうとした温泉魚に叩きつける。

 ゾギャッと突き刺さった牙が温泉魚の表皮を抉り取る。グロテスクな光景に千草が腰を抜かす。

 肉が剥き出しになった温泉魚がのたうち温泉に浸かろうとし、ベートの蹴りが突き刺さる。

 脂肪と滑った表皮がなくなり直接打ち込まれた一撃は温泉魚の体を爆散させた。

 

「ベートさん!」

 

 と、レフィーヤがベートにむかい短剣を二本投げる。岸辺に置かれて無事だった服を抱えてしっかり体も隠していた。

 

「まあ良くやった」

 

 刃物を手にした以上、もはやこの程度のモンスターは相手にならない。一瞬で残りも解体した。

 

「ロキの子つっよ…………あれに追いつくの大変だぜ? あれに追いつくなんて難しいぜ。まずは身近な……………あれ、ベル君とヴァレン某君は!?」

 

 と、ヘスティアの言葉にハッとする一同。

 

 

 

 

「ベル! っ………【目覚めよ(テンペスト)】!!」

 

 ゲホゲホと水を吐き出したアイズは魔法を温泉湖に向けて放つ。が………

 

「!? 効果が、薄い?」

 

 超大型級のモンスターさえ両断しうるアイズの(エアリアル)は、水面を数メートル切り裂くも温泉の主まで届かなかった。

 もう一度魔法を放つ。今度は刺突のように一転に集中して………。

 

「また………!?」

 

 この水、魔力の伝達率が異様に高い。霧散してしまう。

 

「っ!!」

 

 水中の光に気づき上に跳ぶアイズ。温泉の主の雷撃だ。魔力を通す温泉の特性で速度と効果範囲が増している。

 

「っ!!」

 

 アイズは泳げない。飛び込んでも、二人揃って溺れるだけ。誰か助けを呼ぶべき? でも、その間にベルが………!

 息を大きく吸い込み、意を決してアイズは飛び込む。ベルの片足に巻き付いた触手をLv.6の腕力を以って引きちぎる。

 

「!!」

「っ!」

 

 触手を蹴りつけ弾きながら敢えて沈んでいく。

 ベルは……息をしていない。アイズを庇い息を吐き尽くしたのだろう。

 

(……………ごめん)

 

 迷惑かけてしまったことと、これから行うことを先に心の中で謝り、唇を重ね息を吹き込む。

 ゴボッとベルが空気を吐き出し、慌てて口を抑える。

 

「──────!!」

 

 と、本体が突っ込んでくる温泉の主。触手と違い、弾き飛ばすことはできない。

 

(水底を………蹴る!!)

 

 Lv.6の脚力は水の抵抗を押しのけ二人の体を一気に水面まで持っていく。同時に全身に襲いかかる激痛。また、雷撃だ………。

 

「────ッ! 【テン……ペスト】!!」

 

 それでも無理やり詠唱する。風の球体が、水を弾き飛ばす。最大出力、アイズ達を追ってきた温泉の主ごと弾き飛ばした。

 

「【吹き荒れろ(テンペスト)】!!」

 

 水底に潜る時間は与えない。神速の追撃、水面の水を弾きながら、魔力を奪われ威力が減衰するも圧縮された空気の刃は温泉の主の体を大きく抉る。

 

「ギィアアアアアアアア!?」

「!!」

 

 外した。

 体を大きく抉られながらも、まだ活きている。温泉へと浸かる温泉の主。傷が、癒えていく!?

 まずい、とアイズが追撃しようとして、リィンと澄んだ鈴の音が聞こえた。

 

「げほ、はぁ…………【ファイアボルト】!!」

 

 魔砲の如き魔法が放たれる。特性は、炎。温泉に触れた途端に魔力が散るも、その高温を以って水蒸気爆発が起きる。

 

「アイズさん!」

「うん! 【吹き荒べ(テンペスト)】! リル・ラファーガ!!」

 

 風を纏った突撃(チャージ)が、温泉の主を魔石ごと吹き飛ばした。

 

 

 

 

「アイズさん! ベル! 服を持ってきました!」

 

 レフィーヤが二人の服を持ってやってくると、二人は別々の岩場の陰に隠れていた。

 

「モンスターは現れませんでしたか?」

「出た……水着、溶かされた」

「アイズさんも………って、まさかベルに見られたんじゃ!?」

「んだとぉ!? おい、どうなんだ兎野郎!」

 

 レフィーヤの言葉にベルに詰め寄るベート。

 

「見てません! 見てません! 水の中なので、ぼんやりとしか見えませんでしたぁ!」

「ぼんやりとは見えたんじゃないですかぁ!!」

 

 素直すぎるベルにレフィーヤが叫ぶ。ベートもくっ、と悔しげに顔を歪めていた。

 

「まって、レフィーヤ………モンスターのせい、だから」

「それは、そうですけど」

「うう……ごめんなさい、アイズさん………」

「ううん、私の方こそ………ごめんなさい」

「? どうしてアイズさんが謝るんですか?」

「………………本当に、ごめんなさい」

「え? ちょ、何があったんですか!?」

 

 

 

 

 

 ブロロロ。

 霧の奥で音が響く。モンスターの唸り声とは違う、不可思議な音。

 

「霧が出てきましたね」

「霧が出てきましたねぇ………どうします、師匠? 結構濃いですけど、停めます?」

「…………いえ、抜けました」

「ああ、そうですね…………ちょうど良く街もありますよ」

 


 

復活!

 

Q.結局何でここの奴等こんなに強かったの?『PNアニメ視聴者(仮)』

A.何処かの英雄が異端児達と似たような場所を利用する際先に罠の怪物(ギミック・モンスター)を全滅させ続けた結果、モンスターは転生してるため罠の怪物(ギミック・モンスター)は強化種になるのを本能で優先するようになったから

 

 

 

 

温泉の効能

汗疹 荒れ性 しもやけ 湿疹 冷え性 うちみ くじき 肩こり 痔 魔法分散 やけど 擦り傷 腰痛 疲労回復 高血圧性 

モンスター、異端児(ゼノス)の方は癒やしの効果が倍増します。

そろそろ100話。さて、どんな話書こう

  • ツンギレ猫と妹猫との馴れ初め
  • 町娘との出会い
  • 異端児との出会い
  • ロキ・ファミリア入りたて
  • ルノアとクロエとの出会い
  • 輝夜とデート
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