ダライアス・レポート ~天才と呼ばれたくない技術屋の開発奮闘記~ 作:雑草弁士
[File1「其の名はジャック」]
ジャックは自分の
その
……その行く手には、抵抗できない徒歩の仲間達がいる。
『
ジャックの機体は
また射撃武器である『
勝てる可能性はほとんど無い。しかし、彼と仲間が助かる可能性もまた、これしかないのだ。
ジャックは残る魔力を機体に漲らせると、死んだふりをやめて全砲門を撃ち放った。
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[File2「画期的な新型機?」]
「ちっくしょう、何が新型だ! 従来機とたいして変わらんじゃないか!」
煤まみれ、泥まみれになりつつ、チェスターは味方の基地に辿り着いた。徒歩で、である。
彼は自分の乗機たる
なお彼が乗っていた新型機と称する物は、その機体のテストを兼ねて無償供与されていた物である。
チェスターの本来の乗機は大破しており使えない状況だった。そこへテスト機供与の話である。
しかし無償という美味しい話にうかうかと乗った過去の自分を、彼は罵倒したい気分だった。
「まあ脱出装置は確かな様だけどよ。肝心な戦闘能力が元の機体と大差無いんじゃ……。乗りやすくはあったが」
「おう、生きて帰って来たな」
整備主任のオヤジが、チェスターに向かい声をかけて来る。
「済まんが、戦線が押され気味だそうだ。また出てもらえるか?」
「鬼かッ!! 機体がねーよ!!」
「あるぞ、ほれ」
オヤジが指差す先にはチェスターが先ほどまで乗っていたのとまったく同型の、完全に型にはめたかの様に瓜二つの機体、八メートルサイズの人型兵器、
「ま、まてよオイ。機体にゃ一機ごとにクセがある。それに慣れないうちに戦闘になんか……」
「つべこべ言わずに、乗れッ!!」
チェスターはオヤジと徒弟の整備士達に、強引に
(……!? こ、こいつ、手足の様に動く!?)
「おまえが前回乗った時に、データ取っておいて、それをデータカートリッジで移殖したんだよ。
専用機やらカスタム機やらでは意味無いシステムだし、一般兵用の安物に積むにゃ
『やっぱり安物だったのか!?』
「おうよ。だがな、ただの安物じゃねえぞ。値段は従来機の三分の二、しかし機体能力は従来機からなんら劣ってない。しかし問題はそこじゃねえ。
量産性、整備性、そして稼働率。あらゆる物が桁外れだ。あれを見な?」
オヤジが指差す先に機体の頭部、機外の映像を得るための眼である
それだけではない。その後ろからは中破、大破した同型の
整備士が、いっせいにその損傷機に取りつくと、無事な部分をひっぺがし、それを使ってあっという間に一機の機体を組み上げてしまった。
『う、嘘だろ? こんな短時間に?』
「ほんとも、ほんとだ。ある程度の残骸が残ってりゃ、ニコイチ、サンコイチ、ヨンコイチであっと言う間に機体を復旧できる。個々のパーツの頑丈さが桁外れで、故障が少ない。
俺たち整備の人間からすれば、夢の新型機だ」
チェスターは開いた口が塞がらなかった。
「ダライアスって奴が設計して、組合が制作、製造した
さあ、出撃しろ!」
たしかに戦術的、戦略的には大きな意味のある機体だ。特にチェスターの様な中堅
(でもなあ……。やっぱり高性能機、乗りたいよなあ……)
チェスターはため息を吐きつつ、再出撃した。