転生したらスーパー戦隊になっていた件   作:盈月さん

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13話 魔国連邦

リムルの下に向かっていると

 

「エムル様」

 

と、声が聞こえたので、後ろを振り返ると、ハクロウが歩いていた。

 

「エムル様も向かわれるのですか?」

 

「まぁな…でも決着がついたな」

 

「ですな…」

 

俺らが着いた時には、おっさんが高笑いしながら負けを認めた。

 

「ほっほっほっ、お見事でしたなリムル様」

 

「ハクロウ…それにエムルも」

 

ハクロウの声で俺達に気づいたリムルは、俺らの方に顔を向けた。

 

「ですが、打ち込みの方はまだまだ…明日からもっと厳しくせんとなりませんな」

 

「うへぇ」

 

ハクロウの言葉に、リムルは嫌そうな声を上げる。

ハクロウはリムルの部下達だけではなく、リムルと俺にも剣術を教え込んでくれている。

なお、今の俺の実力だと、スキル(スーパー戦隊の力)を使ってもハクロウには勝てない。

リムルとハクロウが話していると、ハクロウに気づいたおっさんが、

 

「失礼ですが、剣鬼殿ではありませんか?」

 

目を見開いてハクロウに尋ねた。

 

「…先ほどの剣気、如何なる猛者かと思ってみれば、ずいぶんと成長なされた」

 

ん?

 

「剣鬼殿にそう言って頂けるとは、恐縮です」

 

え?

 

「ふむ、森に迷っていた小僧に剣を教えたのは、懐しき思い出」

 

え?

 

「あれから300年になりますか」

 

え?なに?ハクロウとおっさんって知り合いなのか?

魔力感知でリムルの様子を見てみると、リムルも驚いていた。

…てことは、あのおっさんとリムルと俺は、兄弟子ってことになるのか?

そうこうしていたら、おっさんは

 

「さぁ、早く案内してくれリムル」

 

勢いよく、リムルの背中を叩いた。

どうやら知り合いらしい…

 

「上空から見たかぎりじゃ美しい町並みだったぞ? 美味い酒くらいあるのだろう?」

 

「…まぁ、あるけど」

 

────────────

 

そして、おっさん達…武装国家ドワルゴンのガゼル王と幹部達がやってきたその晩に、宴が始まった。

 

「「魔物の危険度?」」

 

ガゼル王の言葉に、俺とリムルははもりながら、言い返す。

 

「そうだ、大まかな区分だがな」

 

ガゼル王は魔物の危険度を教えてくれた。

 

「”災害級(ハザード)””災厄級(カラミティ)””災禍級(ディザスター)”と上がっていく、例えば豚頭帝(オークロード)災害級(ハザード)だ、軍勢は別だがな」

 

なるほどな、でもリムルが倒した時は魔王に進化してたが…

 

「魔王はどこに区分されるんだ?」

 

俺と同じことを考えていたのか、リムルがガゼル王に尋ねる。

ガゼル王は酒を飲みながら答えた。

 

「魔王ならば災禍級(ディザスター)だな、怒れる魔王など災禍そのものだ、うっかり出会っても手を出すなよ」

 

後に付け足すようにガゼル王は助けてやらんぞと言った。

リムルはそれに対して、

 

「出さないって」

 

笑って返事をした。

 

「それにしても、ここの料理は美味いな」

 

「まぁ、魔物を美味い料理に調理できる、料理人が居るからな!…あっ、出されている料理には魔物を使ってないからな」

 

「……リムルよ、あの人間はどのような食生活をしてるのだ?」

 

「…」

 

俺が笑って答えたら、ガゼル王は少し心配した顔で、リムルに尋ねるが、リムルは顔を背けた。

にしても、魔王ねぇ…どんな奴が魔王なんだろうな…!

しばらくの間、料理と酒を楽しんでいたら、

 

「リムル、エムルよ。俺と盟約を結ぶつもりはあるか?」

 

それを聞いて、俺とリムルは目を見開いて驚いた。

何言ってんだこのおっさん。

 

「二人揃って、「何言ってんだこのオッサン」みたいな顔をすんじゃない」

 

ガゼル王はツッコミをした後、話を続ける。

 

「この町は素晴らしい造りをしていた。ここはいずれ交易路の中心都市となるだろう…後ろ盾となる国があれば、便利だぞ?」

 

少しの間があり、リムルが喋る。

 

「…いいのかよ、それは俺達を…魔物の集団を国として認めるということだぞ?」

 

「無論だ、これ王として言っておる。当然だが、善意の言葉ではない…双方の国に利のある話だ」

 

「…俺達をだまそうとしてないよな?」

 

俺が疑いのまなざしでガゼル王を見ると、ガゼル王は笑いながら

 

「ふははははっ、恩師や樹妖精(ドライアド)を前に、その主らを謀ろうなどとはせん…条件は取りあえず二つだ…一つ、国家の危機に際しての相互協力、二つ、相互技術提供の確約……なに、答えは急がずともよい、よく考えるがよい」

 

ガゼル王は酒が入ったコップを口に運び、酒を飲む。

ガゼル王が一口、酒を飲んだ後、リムルは決断した。

 

「…いや、この話、喜んで受けたいと思う」

 

リムルの決断を聞いたガゼル王は、ふっと笑い

 

「王者に相応しき決断力だ、さすがは俺の弟弟子よ!」

 

リムルの事を褒めながら、背中を叩いた。

だが、これは願ってもない話だ。

本来なら何十年以上も魔物の町が人間や、亜人に受け入れられるには時間がかかると俺とリムルは思っていた。

まさかこんなに早く、認めてもらえるとはな…

 

「で、お前達の国の名はなんというのだ?」

 

え?

ガゼル王の言葉にリムルはチラッとこっちらを見てきたが、俺達は首を横に振った。

 

「いや…まだ国という段階でもなかったからな、俺とエムルはジュラの森大同盟の盟主と副盟主だけど、国王ってワケじゃないし…」

 

「リムル様とエムル様を王と認めぬ者がいたならば、このシオンが…」

 

シオンは剛力丸を取り出し、鞘から抜こうとしていた。

 

「ちょ!しまいなさい!」

 

俺が注意すると、シオンは寂しそうな顔をした。

 

「国の主を決めるって話ならリムル様とエムル様で決まりだと思うぜ…力ある者に従うのは、魔物の本能だが、少なくとも俺たちは、それだけで配下になったわけじゃないしな」

 

ベニマル達はリムルと俺を推した。

 

「待て待て、国の主は一人しか駄目だろ」

 

「エムルの言うとおりだ、しかも、ここには森の管理者だってい───

 

「あら?別に陛下が二人居てもいいと思いますよ、リムル陛下、エムル陛下」

 

トレイニーさんは笑顔で言い、コクコクと酒を飲み進めている。

俺とリムルがトレイニーさんをジト目で見ていると、

 

「ここの王は貴様ら以外におらんようだな」

 

ガゼル王がそれぞれの頭に手をのせて来た。

 

「では明日の朝までに国名を考えておけ、そして今夜は酒に付き合え」

 

「「考える時間くれないのかよ!!」」

 

なんだかんだで、ドワーフ達との宴会は、朝方近くまで続いた。

なお、国名は宴会の合間を縫って、俺とリムルで話し合った。

 

─────翌日

 

魔方陣が書かれているテーブルを挟んで、ガゼル王達とリムルと俺達が向か遭っていた。

 

「では、これよりドワルゴンと、ジュラ・テンペスト連邦国における協定に証として、両国の代表による調印を行います」

 

俺達のこの盟約は、魔法により保証され、世に公開される。

俺達の国の名前は『ジュラ・テンペスト連邦国』蜥蜴人族(リザードマン)樹人族(トレント)など、支配地域を持つ種族も加わるので「連邦」にしたのだ。

リムルが名前を書いた後、次は俺の名前を書く、まだこの世界の字は書けないため、少し前にリムルに教えて貰った文字を書く。

何故か、文字だけは読めるんだよな…

俺が書き終わった瞬間、光の玉が出てきて、はるか上空に昇って行っては、上空で炸裂した。

そして、この瞬間、俺たちの国の名が、初めて世に知られることになる。

ちなみに、この町の首都は中央都市「リムル」、リムルは恥ずかしいのでやめさせたかったようだが、皆で押し切った。

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