転生したらスーパー戦隊になっていた件   作:盈月さん

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16話 ミリムの今後の会議

ミリムがテンペストに来たその晩、俺たちはベニマル達を集めて会議をしていた。

なお、ミリムはシュナとシオン達と、お風呂に入っている。

 

「────という訳で、魔王ミリムの滞在が決まった。一人で出歩かれるのも不安なので、常に誰か側で見てやって欲しい」

 

「ちょっといいか、旦那」

 

「どうした?」

 

手を上げたのは、テンペストの鍛冶師、ドワーフのカイジンだった。

カイジンは続けるように喋った。

 

「魔王ミリムの動向も気になるが、俺ぁ他の魔王の出方にも気を付けた方がいいと思うぜ」

 

「どういう意味だ?」

 

カイジンの言葉に、俺は首をかしげながら聞く。

 

「魔王は何名かいるんだが、彼らは仲間同士ってわけじゃないんだよ。互いににらみをきかせ牽制し合ってる間柄だ」

 

カイジンに続くように、ハクロウがさらに詳しく説明してくれた。

 

「いかにも、しかもリムル様とエムル様は、ジュラ・テンペスト連邦国の盟主と副盟主というお立場…そのリムル様とエムル様が、ミリム様との友好を宣言し、ミリム様がこの国へ滞在している…つまり、「テンペストが魔王ミリムと同盟を結んだ」…事の経緯を知らぬ、他の魔王達にはそう見えるでしょうな」

 

「同盟が事実なら、今まで配下を持つ事すらなかった魔王ミリムの勢力が一気に増すことになり、魔王間の力の均衡が崩れる。そして…それを面白く思わない魔王も居るかもしれないってことです」

 

ベニマルが、俺とリムルがミリムと友好関係を宣言したことによって、乗じる問題を言ってくれた。

確かに…ミリムは見た感じ、圧倒的に強そうだ…そんな中、強い者が多いテンペストが同盟を結んだことにより、まさに鬼に金棒状態だ。

もしかしたら、魔王同士の勢力争いに巻き込まれる可能性もある。

どうしたものか…

 

「しかし実際にお帰り頂こうとしても無理なのでは…言っても聞いて下さるとは思いません」

 

リグルドの言葉は正しい、ミリムは絶対に聞かないだろうな。

それに、無理矢理帰らせようとして、機嫌を損なわれても後が怖い。

 

「飽きて去ってくれるのを待つしかないか…」

 

「だな」

 

リムルの言う通り、飽きて去ってくれるまで待つしかない。

でも、あの調子だと帰るのか…?

 

「ですが、敵対するのなら他の魔王を相手にする方がマシです、魔王ミリムは正しく天災ですので」

 

天災ね…聞く限りやばそうだ。

 

「じゃあ、敵対する魔王が現れたら、その時考えよう」

 

リムルの提案は投げやりだが、今はそれしかないな。

こうして、会議はミリムが飽きて帰ってくれるまで待つっと言うことになった。

ちなみに、ミリムの世話係はリムルに(押し)決めた。

 

────翌日

 

俺とリムル、ミリムの三人でリムルの庵にて朝食を食べていた。

なんで俺も居るんだろう…

果物のジャム(砂糖不使用)が乗っているパンモドキに野菜のスープ、牛乳(牛鹿の乳)を食べながら思っていた。

 

「野菜のスープなのに、美味しいのだ!」

 

「牛鹿の燻製肉が入ってるからな」

 

どうやら、ミリムはここの食べ物を気に入っているらしい…一体、今までどんな食事をしていたんだよ…

すると、何かをひらめいたリムルが提案してくる。

 

「ミリム、飯が終わったら製作工房に連れて行ってやるよ…エムルも行こうぜ、お前だってそろそろ自分用の服とかほしいだろ…」

 

確かに、俺もリムルのような戦闘時用の服とかが欲しい…よし、折角だし行くか。

 

「だな、飯を食い終わったら、製作工房に行くか」

 

「うむ!ワタシも可愛い服が欲しいのだ!」

 

さっさと朝食を済ました俺たちは、製作工房へ向かった。

 

「おお~~~~~っ、すごいのだ!服だらけなのだ!」

 

ミリムがキラキラと目をかがやせて、様々な服を見ている。

どうして、女物の服が多いのかが疑問だが、触れない方は身のためだと思い、あえて言わなかった。

 

「てことでエムル、後は任せるぞ」

 

そう言い、リムルは去っていった。

あの野郎!逃げやがった!…くそ、してやられた…!

まぁ、ついでに俺の服も見繕ってもらうか

 

「シュナ、俺もリムルが前、戦闘時に着ていた服…戦闘時用の服を見繕ってほしいんだけど…」

 

「分かりました、では、どんな感じにしますか?」

 

「そうだな~…」

 

俺の頭の中は、スーパー戦隊の者達が着ていた服を思い浮かべていた。

う~ん…何がいいんだろう…?

色々な衣装を思い浮かべて考えていたが、俺は決めた。

紙がないので、木の板に服装を書いていく。

よし、あの人の衣装にするか

書いたのは伊賀崎天晴の服だった。

 

「こうゆうのできるか?」

 

「はい、できますよ…採寸をする準備をするので、少しばかり待ってくださいね」

 

シュナは一礼して、サイズを測る用意をするためにどこかに行った。

その間、他の女性陣がミリムに色々な服を着せていっている。

しばらくして、シュナが採寸道具を持ってきた。

 

「それでは採寸しますね~」

 

そう言いながら、シュナは採寸を始めた。

 

「色合いはどんな感じがいいですか?」

 

「そうだな~…」

 

流石に赤だと、違和感が出てくる。

俺の髪色は白銀だよな…

 

「…上の服はシルバーグレーにしてくれ、下は…シュナに任せていいか?」

 

「はい!お任せください」

 

そして、着々とシュナが採寸してくれていると、

 

「なぁなぁ、エムル!お前も何か着るのだ!」

 

「はい?」

 

ゴスロリ格好のミリムが、突然言ってきた。

 

「いや、いやいやいや!俺男だからな!そういうのは嫌なんだが!?」

 

採寸が終わった俺は、首を振りながら断った。

 

「いいから、着るのだ!」

 

両手を激しく振って駄々を捏ねるミリム。

 

「無理に決まってるだろ!なぁ、シュ──

 

俺がシュナや他の女性陣の方を見ると、シュナはキラキラとした目で白い色のワンピースを持っていた。

 

「シュ、シュナ…?」

 

おい、まさか…シュナ?嘘だよな?

 

「…エムル様、申し訳ございません…我々もどうしてもエムル様の女装姿が見たくて…!」

 

「…」

 

絶望で膝から崩れ落ちる俺。

それと、なんでここにこんなにも沢山の女性物の服があるのも何となくわかった。

リムル、お前…着せ替え人形にされたのだな。

そんなこと思いながら扉の方を見るが、シュナはそれに気づき、

 

「エムル様…これは折角のチャンスなのです…逃がすわけにはいきません!」

 

シュナは扉の前に立ち塞がった。

 

「エムル様、どうかお許しを…!」

 

他の女性陣が俺を囲い、ジリジリろと迫ってきた。

 

「わはははは!観念するのだエムル!」

 

誇らしげな顔で宣言するミリム。

どうにかして、この状況を打破する方法は…!

すると、突然ミリムが壁の方を向いて睨んだと思ったら、工房が飛び出て行った。

 

「ミリム様!?」

 

「シュナ!俺が後を追うから!リムルやソウエイ達に連絡をしといてくれ」

 

「わ、分かりました…!」

 

俺はスカイホーキーを作り出し、フルスロットルで飛びつつ、魔力感知を使いながらミリムの後を追った。

ミリムが向かった先は広場だった。

俺が降りようとスピードを落とした瞬間、

 

「豹牙爆炎掌!」

 

聞いたことのない声が聞こえたと思った瞬間、炎が上空に巻き上げられた。

 

「…」

 

開いた口が塞がらないとはこのことだろうか、俺はしばらく上空を見上げていたが、顔を横に振り、下を見る。

下では泡を吹いて気絶している魔人とミリムがその魔人を見ていた。

ゆっくりと下に降りていくと、丁度リムルも来た所だった。

 

「ソウエイ、どうしたんだこの騒ぎ…」

 

場に居たソウエイは、俺らに身体を向けて、跪いた。

 

「は、連絡を遅れ申し訳ありません…実は警戒網を抜けた反応がありまして──」

 

「来てみると複数人の魔人が広場におりました」

 

ソウエイは何があったのか説明してくれた。

 

(ここはいい町だな、魔王カリオン様が支配するのに相応しい、そうは思わんか?)

 

「リーダーらしき男の言葉にリグルド殿が答えた途端…」

 

(ご冗談を…)

 

なるほど、リグルドを殴ったと

 

「リグルド、大丈夫か!?」

 

「リムル様…それにエムル様も…っ」

 

殴られたと思われる顔を手で隠して、しゃがみ込んでいたリグルドにリムルが近寄る。

 

「いやなに、この程度どうということもございません」

 

そう言ったリグルドは、顔半分がえぐれており、まるでターミネーターみたいになっていた。

だが、今ので大体分かった…魔人がリグルドを殴ったのに気づいたミリムが、飛んで行ったんだろうな…

 

「……エムル…なんでミリムが居るんだ?」

 

リムルはミリムの方を向き、ミリムがリーダーと思われる魔人を気絶させているのを見て、俺に聞いてきた。

 

「どうやらミリムがそこの侵入者に気づいたみたいなんだよ…そんで、工房から飛び出て俺が追いかけたら……これよ」

 

「まぁ、本気で動いたミリムを止められる者はいないしな」

 

「それもそうだな…」

 

俺とリムルが会話していると、ミリムがこちらに気づいたようで

 

「おお、リムルよ。あやつが舐めた真似をしおったからワタシが、お仕置きしておいたのだ」

 

「私を庇ってくださったのです。あまり叱らないであげてください…」

 

俺とリムルが頭を悩ましていると、回復中のリグルドが言ってきた。

 

「…しかし奴らは、魔王カリオンの部下だと言っておりました。先に手を出したのは向こうですが…」

 

「アイツらの報告次第で、俺らの印象が悪くなると…」

 

「その通りです、エムル様…」

 

「……」

 

俺とリムルは少し考えこむ。

 

「…俺らの許可なく、暴れないと約束してなかったか?」

 

「うぇ!?」

 

どうやらリムルは、取りあえずミリムを叱ることにしたらしい。

 

「これは…これは違うのだ! この町の者ではないからセーフ、そうセーフなのだ!」

 

必死に言い訳を言うミリムだが、リムルにそんなことは通じるわけがなく

 

「アウトだよ、だがまあ今回は、昼飯ヌキで許してやるか」

 

「ヒドイ!ヒドイのだ!!」

 

どうやらミリムは、昼飯ヌキは嫌なようで、泣き叫び始めた。

 

「くそう、これも全てこいつが悪いのだ、一発では飽き足らぬ…っ」

 

「やめろーー!!」

 

ミリムが気絶した魔人にもう一発、パンチを食らわそうとしていたため、俺は間割って入ったが、俺はそのまま頭にミリムのパンチを諸に喰らった。

 

「がはっ!」

 

ミリムのパンチの威力がありすぎて、俺は盛大に吹っ飛んだ。

 

「え、エムルーーー!!」

 

吹き飛ぶ俺を見たリムルが、俺の名前を叫ぶ。

俺が地面を抉りながら突き進む中、

 

《確認しました。物理攻撃耐性を獲得…成功しました》

 

い、今はそれどころじゃねぇよ…!

そう思いながら、俺は気絶した。

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