転生したらスーパー戦隊になっていた件   作:盈月さん

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17話 鬼人稽古

「ちょっ!タンマタンマ!!」

 

「稽古をつけて欲しいと言ってきたのはエムル様ですぞ」

 

会話しながら俺はシンケンレッドで、指南役である鬼人、ハクロウと稽古をしていた。

無限ループのように剣を撃ち込んでくるハクロウと防衛一方の俺。

どうしてこうなったというと…遡ること数時間前

 

────数時間前

 

ふと、目を覚ますと天井が見えた。

頭がくらくらする…

頭を押さえながら俺はベットから上半身だけ起こした。

頭がクラクラするのは無理もない、魔人を一発で気絶させるパンチを人間が頭に喰らったのだ。普通ならば、死ぬのだろうが…俺のスキル不死者(シヲコバムモノ)によって助かったのだろう。

ハハッ…スキル様々だな…

 

「エムル様、起きられましたか」

 

シュナが俺の傍にやってくる。

 

「えっと…俺は確かミリムのパンチを諸に喰らって…」

 

そこからのまったく記憶がない…気絶したのだろうな。

 

「えぇ、それで頭が凄いことになっていたので…ある程度再生するまで待ったのち、ここへ運んだのです」

 

「…」

 

俺の頭どうなってたんだよ…

そんなことを思いながら、あることを思い出した。

 

「そういえば、あの魔人らはどうなった?」

 

「嗚呼、魔王カリオンの部下のフォビオのことですね、あの人たちならもう帰ってしまいましたよ」

 

「うん?」

 

俺は頭の上にハテナを浮かべた。

 

「……俺が気絶してから何時間たった?」

 

「三日ですよ」

 

「はい?」

 

「ですから三日ですよ、エムル様が寝ていたのは…」

 

…俺、そんなに寝ていたのか!?ま、まずは状況を聞くことにするか

 

「…俺が寝ている間、何があったんだ?」

 

「実は───

 

シュナ曰く、魔人の名は先程、言っていた"黒豹牙(コクヒョウガ)"フォビオという獣人族(ライカンスロープ)だったらしい、しかも魔王カリオンの幹部。

フォビオが来た理由は、どうやら魔王カリオンが前の豚頭帝(オークロード)との戦いを見ていたようで、俺らか、豚頭帝(オークロード)…つまり、あの戦いで生き残った方をスカウトして来いとのことだ。

フォビオを帰らせた後、それを聞いたリムルがミリムに問い詰めたところ、ミリムと他の魔王達が共謀し、豚頭帝(オークロード)を魔王にさせようとしていたとのことだ。

だから、ミリムが来たのか…確かミリムって配下とか居ないんだっけ?

 

「まぁ、大体の状況は分かった…取りあえず、腹が減ったから何かくれない?」

 

「……そ、それがですね…」

 

「?」

 

シュナが少し顔がこばわるのを見て、俺は疑問だったが、その答えはすぐ分かった。

 

「エムル様!お昼お持ちしました!」

 

部屋に入ってきたのは、ダークマターを器に入れたシオンだった。

ダークマターから物凄い異臭がしたため、俺は鼻をつまみ、シュナは着物の袖で鼻を覆う。

 

「最近、エムル様が魔物を使った料理を食べていると聞いたので、私も作ってみ」ました!」

 

う、嘘だろ…!ただでさえ、普通の食材でダークマターを作り出すシオンが、魔物を使って料理したら……ど、どうにかして回避する方法は…!

俺が必死に考えてると、ふと、あることを思いつく。

 

「し、シオン…料理はうれしいんだが、俺は三日間寝ていたから身体がなまってるんだ…だから、ハクロウに稽古を先につけて欲しいんだ…だからな、それを置いといたら冷めてしまうから、ベニマルとかに食べさせてあげて…」

 

「そうですか…」

 

寂しげな顔をしたシオンは、料理を持って失礼しますとだけ、言い出て行った。

すまんな、ベニマル…

 

「それじゃあ、ハクロウと戦ってくるか…」

 

「気負つけてくださいね」

 

「嗚呼…」

 

シュナを部屋に残し、俺はハクロウの下へ向かった。

 

────現在

 

「ぐわぁー!」

 

ハクロウの剣で吹き飛ばされ、木にぶつかって止まる。

その際、変身が解除されてしまう。

 

「まだまだですな、エムル様…」

 

「まだまだ…!」

 

次に俺はリュウソウチェンジャーを作り出し、左腕に付け、次は赤い色のリュウソウルを作り出しては、ナイトモードへと変える。

 

「リュウソウチェンジ!」

 

そう叫んでは、リュウソウルをリュウソウチェンジャーに装填する。

 

ケ・ボーン! ワッセイ!ワッセイ!ソウ!ソウ!ソウ!ワッセイ!ワッセイ!ソレ!ソレ!ソレ!ソレ

 

待機音が鳴り終わったのと同時に、バイザーを回す。

 

リュウ SO COOL! ウワ~ッハッハッハッハァ!

 

俺はリュウソウレッドへと姿を変えた。

 

「栄光の騎士!リュウソウレッド!…ソウルを一つに、行くぞ!」

 

名乗った後、俺はリュウソウケンを片手にハクロウに斬りかかる。

 

「その意気ですぞ、エムル様」

 

しかし、俺の剣はすぐにはじき返されたため、距離を取る。

 

「…」ツヨソウル!

 

リュウソウケンにツヨソウルを装填しては、恐竜の頭部を二回程動かす。

 

リュウ、ソウ、ソウ、ソウ!コノカンジ!

 

更にリズムに合わせて恐竜の頭部を四回程動かしながら、ハクロウに向かって走り出す。

 

「はあぁー!」

 

ツヨソウルの効果により身体能力を強化し、ハクロウに斬りかかる。

 

「ふむ、身体強化ですか…」

 

流石はハクロウだ、剣を受け止めただけで、俺がしたことが分かるらしい。

 

「まだまだ!」

 

無造作に剣を勢いよく振り続けては、少しずつハクロウを押していく。

 

「確かにそのお力はお強い…じゃが…」

 

俺の腹にハクロウの剣が三連撃で入ってくる。

 

「がはっ!」

 

吹き飛ばされた俺は地面に転がり、その際にツヨソウルの竜装が強制解除される。

 

「まだまだ使えこなされてませんな」

 

「くっ…!」

 

ハクロウの言う通りだ。実際、俺はスーパー戦隊の力を使えこなせていない…まぁ、何百人もいるスーパー戦隊の力を一人が使うとなると、全員の力を習得するには時間がかかる。

まぁ、そこは時間をかけるしかないな、目指せ!ゴーカイジャー並みの使いこなし!

 

「余所見しているとは余裕そうですな、エムル様」

 

「えっ…」

 

こうして、俺はハクロウに数時間叩きのめされた。

 

────

 

「し、死ぬ…」

 

やっとの思いで、俺は自分の庵に戻ってきた。

 

「遅かったな」

 

声が聞こえた、縁側に居たのはスライム姿のリムルだった。

 

「ハクロウに殺されかけたよ…」

 

「死なないのに?」

 

軽く笑うリムル。

 

「痛いモノは痛いんだよ…で、何か用?」

 

リムルが何用もなく俺の所に来るはずがないと思った俺は、リムルに尋ねる。

 

「ふっふっふ…実はな、ある計画を進めることになったんだ?」

 

「ある計画?」

 

「そう!その名も、ヨウム英雄化計画!!」

 

「…ヨウム、英雄化計画…?」

 

ヨウムって誰?

俺がそんなこと思っているが、リムルは話を続けた。

 

「実はな───

 

リムル曰く、前に、リムルが人の国に流した豚頭帝(オークロード)の噂を調査するために、国からもらえる防衛費を着服していたクソ伯爵が、金をケチって派遣させたヨウム達と偶々森の中で、ゴブタ達があったらしい。

リムルがヨウムと話していたのだが、ヨウムが見た目と違って、いい奴だと判断したリムルが、英雄化計画をすることにしたらしい。

元々はリムルが豚頭帝(オークロード)を倒したのだが、人達と国交を結びたいリムルにとって、それは少し都合が悪いらしい。

まぁ、豚頭帝(オークロード)を倒した魔物の集団となると、人からしたら豚頭帝(オークロード)より脅威になるな。

そこで、ヨウム達を英雄だとでっち上げ、リムルや俺らは、勇敢な英雄に装備や食料を渡したいい魔物の集団とアピールするのと、人間である俺と英雄が居ることで安全だとアピールするつもりらしい。

 

「…なるほど、ヨウム達は英雄と称賛を受けることができ、俺らは人に安全だとアピールすることが出来ると…まさに、win-winな関係だな…」

 

「だろ~?」

 

リムルの説明を受け、俺は納得した。

 

「…てことは、これからヨウム達がハクロウの稽古に参加するのか?」

 

「当分はな」

 

正直な所、俺は心の中で喜んだ。

だって、ハクロウのしごきが少し楽になるからだ。

 

「あっ、そうそう…酒を持ってきたから、飲もうぜ…!」

 

そう言い、リムルは酒を取り出したのち、人の姿へと変わる。

 

「んじゃあ、頂きますか!」

 

こうして、月を見ながら俺達は酒を楽しんだ。

酒のせいか、途中で頭が痛くなり、それと共に誰かと酒を飲んでいる記憶が見えるが、視界に入っていた全員の顔に黒い靄がかかっていて、よくわからなかった。

これは、俺の前世の記憶が少しずつ戻っているっということか?

まぁ、今は酒を楽しむか…!

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