転生したらスーパー戦隊になっていた件   作:盈月さん

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24話 獣王国との外交

「…ミニティラ、似合うか?」

 

「ギャォン…!」

 

俺は庵で、獣王国(ユーラザニア)に向かう使節団のために、シュナが用意してくれたタキシードに身を包んでいた。

 

「エムル様、そろそろ時間ですよ」

 

庭からシオンが声をかけてくれた。俺の所に来たと言うことは、リムルの方にはシュナが行ってるんだろうな。

 

「ああ、今行くよ」

 

俺はシオンの後に続いて、広場にある演説台に向かった。

使節団のメンバーは、幹部候補のホブゴブリン数名と取り纏め役のリグル、そして使節団の団長にはベニマルを任命した。

俺とリムルは演説台に登っていく、俺とリムルの姿を見た皆は、歓喜の声を上げてくれた。

予定では、先にリムルの言葉からだ。

俺がどんなこと言うのか、気になっていたら

 

「諸君、是非とも頑張ってきてくれたまえ!」

 

と、リムルは短めの言葉で済まそうとしていた。

…そんだけ!?

俺がそう思っていると

 

「…それだけですか?」

 

シュナがそれでいいのか、不安そうな顔で言った。

 

「えー…じゃあもう少しだけ、いいか、お前ら、今回は、相手と今後も付き合っていけるのかを見極めるという目的がある。 我慢しながらじゃないと付き合えそうもないのなら、そんな関係はいらん。 お前達の後ろには、俺にエムル、そして仲間たちがいる…恐れず自分の意思はキッチリ伝えろ、友誼を結べる相手か否か、その目で確かめて欲しい。 頼んだぞ!」

 

ウオォォオォオ!

 

リムルの演説に皆が歓喜の声を上げる。

ちなみにだが、俺は演説を胡麻化してパスした。

俺達は演説台から降り、ベニマルの下に向かった。

 

「任せたぞ、ベニマル」

 

「は、カリオンが信用に足る人物か、この目で見極めてきます」

 

「だからって言って、ケンカとかするなよ…」

 

「…はい」

 

俺が釘を刺すと、するつもりだったのか、ベニマルが少し残念そうな顔をした。

…なんだろう、とても不安になってきた。

 

「リグル達も頑張ってくれ、良い点はどんどん取り入れたいからな」

 

「見聞を広めて参ります!」

 

…うん、リグルは大丈夫そうだな。

 

「では行くぞ!」

 

「はい!」

 

ベニマルが、手を振りながら牙狼族が引っ張る狼車に乗り込み、他の者達もそれぞれの狼車に乗り込んでいく。

こうして、ベニマルが率いる使節団は、皆に見送れながら出発した。

うん、彼らなら心配はないだろうな…ベニマル以外……ま、まぁ後はこっちの準備だ。

 

「迎賓館の料理人はどうだ?」

 

綺麗で立派な建物が立ち並ぶ区画に俺とリムル、それにシュナとシオンが歩いてやってきた。リムルがシュナに聞くとシュナは笑みを浮かべて

 

「はい十全に」

 

リムルの質問に答えてくれた。

確か、シュナが料理の盛り付けの指導をしていて、ガゼル王が連れて来たベスタ―と言う元大臣が、皆に貴族に対するマナーを指導していたんだっけ?まぁ、これならこっちの準備は良さげだな。

そう思っていたら、ヨウム一行が魔国連邦(テンペスト)によってきた。

俺らがヨウムと酒を飲んでいる場所は、アメリカのホワイトハウスをイメージした執務館の一部屋だ。

 

「──なんか忙しそうな時に来ちまったかな」

 

そう言いながら、風呂上がりのヨウムはテーブルを挟んで、長椅子に座っていた。

 

「いやいいよ、せっかくだし接客の練習相手になってやってくれ」

 

俺の隣に座っているリムルが答える。

 

「接客?誰か来んの?」

 

「ああ、もうじき魔王カリオンところから使節団が来るんだよ」

 

酒を口に含みながらヨウムが聞き、リムルが答えると、ヨウムはその場で固まり、次の瞬間、口に含んでいた酒を俺の顔に目掛けて、吹いてきた。

 

「ゴホッゴホッ!…悪い、エムルさん!」

 

「……ま、まぁ…驚くのは当たり前だな…」

 

近くにあった布で、俺は顔に付いた酒を拭き始めた。

酷い目に遭ったな…しかも、リムルに関しては素早く離れやがった。

 

「で、でも…魔王カリオンって…」

 

「まぁ話せば長いんだぞが…」

 

俺が顔を拭いている中、リムルがヨウムに事の経緯を説明してくれた。

 

「──というわけで、国交樹立のチャンスってワケなんだよ」

 

「は、ははぁ…なるほど…それにしても魔王かぁ…その配下ならさぞおっかないのが来るんだろうな…」

 

そう言いながら、俺と自身のコップに酒を注いでくれるヨウム。

確かに、どんな奴が来るのだろうか気になるな。

 

「どうだろうな、別にケンカが目的じゃないし」

 

「だな、使節団の送り合いだから、ケンカはないと思うな」

 

俺はコップに入った酒の一口飲む。

 

「でも、不測の事態に備えてあちらには、ベニマルさんを行かせたんだろう? 向こうだって、同じように考えるんじゃねぇのかなぁ」

 

「だとしても関係ないな、下手に手を出して、チャンスをふいにしたくないし」

 

リムルの言葉にヨウムは、確かに、という表情を浮かべた。

 

「だからって、お前らも使者にケンカ売るなよ?」

 

「俺も手下どもも、そこまでバカじゃねーですって」

 

「それもそうか」

 

俺とヨウムは笑い合ったが、

 

「そういや、ハクロウが会いたがってぞ、腕が鈍ってないか、確かめたいってさ」

 

「師匠が!?一気に酔いが醒めた」

 

リムルの発言で、ヨウムは一気に酔いが醒めたらしい。

 

────数日後

 

魔国連邦(テンペスト)に入る門前で、獣王国(ユーラザニア)からの使者を待っていた。

 

「…来たか」

 

シオンに抱えられているスライム姿のリムルが呟く。

獣王国(ユーラザニア)の使者が乗ってきたのは、馬車ならぬ虎車だった。

虎車を見ながら、このまま穏便に行くことを願った。

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