転生したらスーパー戦隊になっていた件   作:盈月さん

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25話 獣人との仕合い

「お初にお目にかかります。 ジュラの大森林の盟主様、副盟主様」

 

車の扉が開き、綺麗な女性が錫杖を片手に降りて来た。

 

「私はカリオン様の三銃士が一人、"黄蛇角(オウダカク)"のアルビスといいます」

 

「初めまして俺が───

 

リムルが自己紹介をしようとした時、

 

「弱小なるスライムが盟主?それに、矮小で小賢しく卑怯な人間が副盟主だと?馬鹿にしてんのか!?」

 

別の車の扉が勢いよく開き、そこから虎のような耳が頭に生えている白髪の女性が出て来た。

 

「しかもだ、副盟主だけではなく、別の人間とも絡んでいるとは、魔物の風上にも置けねぇ」

 

白髪の女性は、イラ立っている様子で言い張った。

 

「控えなさいスフィア。 カリオン様の顔に泥を塗るつもりですか?」

 

 

「うるさいぞアルビス、オレに命令するな」

 

アルビスがスフィアという獣人を止めようとするが、スフィアは喧嘩腰を続けた。

俺とリムルに暴言を吐いたため、皆の気配が不穏なものへ変化する。

頼むから、喧嘩だけはしないでくれよな…

俺は内心ハラハラしていた。

 

「…ずいぶんな物言いだな、エムルは俺と同郷だし、このヨウムは俺の友人で、同じ師についた弟弟子でもあるんだが」

 

「お、おいリムルの旦那…」

 

リムルの言葉に対してスフィアは、

 

「それがどうした?」

 

スフィアは関係ないように吐き捨てた。

 

「…リムル、これは俺らの実力を見せた方がいいよな」

 

「だな…」

 

「おいおい、平和的にいくんじゃないのかよ!?」

 

ヨウムが止めようとしてきたが、それとこれとは話が別なのだ。

確かに、俺達は平和的に行きたい…だが、向こうが仕掛けてくるのはまた別だ。

 

「それでいいよな、アルビスさん」

 

俺がアルビスの方を向いて聞くと、アルビスはため息を吐いた後、

 

「いいでしょう、立会人は私がやります…それと、グルーシス、貴方はあの人間の相手をなさい」

 

「え?」

 

アルビスは虎車の御者をしていたグルーシスという獣人が指名され、指名されたグルーシスは少しばかり嫌そうに承諾した。

 

「リムル、俺に行かせてくれ…色々と試したいことがあるからさ…!」

 

「………分かった」

 

俺は両手を合わせて頼んだ。

それを見たリムルは少し嫌そうな顔をしたが、了承してくれた。

対戦カードは、俺対スフィア、ヨウム対グルーシスとなった。

俺とスフィアは向かいあい、俺は龍虎之戟とアバタロウギアドンドラゴクウのを作り出した。

 

「副盟主がどんなものか…この俺、"白虎爪(ビャッコソウ)"のスフィアが確かめてやる!」

 

「俺はジュラの大森林副盟主、エムル=テンペストだ。 よろしく頼むぜ、スフィアさん!」

 

変身する前に、自己紹介を済ませ、俺は刃の根元にあるギアテーブルにアバタロウギアドンドラゴクウをセットした。

 

ドラ!ドラ!ドラゴン!! ドラ!ドラ!ドラゴン!!

 

「行くぜ!」

 

「あぶな!……アバター…チェンジ!」

 

待機音が鳴る中、スフィアが殴りかかってきた。

変身中は攻撃しないのがお約束だろが!

そう思いながら、俺はスフィアの攻撃を避け、龍虎之戟の柄部分のトリガーを押した。

 

チョウイチリュウ! アチョーーッ!!

 

俺はドンドラゴクウへと変身した。

 

「ほう、それが噂に聞く変身か」

 

どうやら、俺の変身は結構広まっているらしい。

まぁ、このまま行くか。

 

「覚醒…!ドンドラゴクウ!!……さぁ来い!」

 

「ああ、遠慮なくいくぜ!」

 

スフィアは、雷のように早く移動しては、俺との間を詰め、殴りかかってきたが、俺は龍虎之戟の柄部分で受け止め、連続で刃の部分でスフィアを突こうとしたが、あっさりと避けられた。

 

「中々やるな!」

 

「まだまだ!」

 

今度は、俺から近づき刃を当てようと、龍虎之戟の刃と柄部分の両方を使って、斬りかかったり、柄部分で殴ろうとするも、それぞれ手で防御された。

 

「今度は…こっちだ!」

 

「おっと!…せい!ほ~~…ほわちゃ!」

 

スフィアの雷を纏った拳を柄で防御したのち、俺は龍虎之戟を回し、勢いよく突き、スフィアは刃を避けようとしたため、バランスを崩した。

そこを狙った俺は、柄部分でスフィアを弾き飛ばした。

 

「止めだ!」

 

そう言い、俺は再び龍虎之戟の柄部分のトリガーを長押した。

 

ドラゴンオウギ!

 

待機音が鳴る中、俺は龍虎之戟を何度か回しては、構えた。

 

「…いいぞ、見せてみろ」

 

「ああ、見せてやるよ…これが、英雄(ヒーロー)達の力だ!…ライトニングドラゴンフラ───」

 

「本能を解き放て!!そして俺をもっと楽───

 

「そこまで」

 

俺がスフィアに必殺技をぶつけようとした時、下半身が蛇になっているアルビルが持っていた錫杖で止めに入った。

 

「…もう十分です、このあたりに致しましょう」

 

「…ちっ、いいトコだったのに」

 

そう言いながらスフィアは、頭を掻いた。

あー…ちょっとやり過ぎたな。

そう思いながら、俺は変身を解除した。

 

「剣をおろせヨウム」

 

「旦那」

 

困惑していたヨウムはリムルの指示でゆっくりと剣を下した。

 

「それで? 俺達は合格なのか?」

 

「ええ、堪能させていただきました」

 

「合格!?ってことはまさか、この仕合いは…」

 

「ああ、どうやら俺達は、試されていたらしいな」

 

リムルとヨウムが話し合っている時、車から乗っていた獣人達が、ゾロゾロと降りてきた。

すると、スフィアは右拳を上げ、

 

「見たか、お前ら。彼は強く度胸もある。 我らが友誼を結ぶに相応しい相手だ。 彼らとその友人を軽んじることは、カリオン様に対する不敬と思え、わかったな!!」

 

「ははッ」

 

スフィアの言葉に獣人達は、跪いて返事をした。

 

「スフィア様の言われる通りだ。 獣人とこれだけやり合える人間は滅多にいない」

 

「…嬉しいね」

 

別で戦っていたグルーシスとヨウムは、握手を交わしていた。

 

「貴方方と貴方方の国と縁が出来たことに感謝します」

 

アルビスの言葉を聞いた俺とリムルは、互いに顔を合わせ、答えた。

 

「こちらこそ」

 

「「ようこそ、魔国連邦(テンペスト)へ!」」

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