転生したらスーパー戦隊になっていた件   作:盈月さん

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26話 獣王国との取引

獣王国(ユーラザニア)の使節団が訪ねてきたその夜、新築した和風の迎賓館で歓迎の宴を催しているのだが…

 

「ああ幸せ…♡」

 

えらく酒のウケがいい…

特にアルビルに…一瞬、酒好きのオッサンかなっと思ったのは秘密にしとかないとな…

ちなみに、獅子王こと、おっちゃんは端の方にヒョウタンに入った酒を渡したら、大人しく飲んでいる。

 

「おい誰だ!樽ごと渡したのは…!」

 

アルビルが下半身蛇になり、尻尾を器用に使って樽を持ち上げ、樽ごと酒を飲んでいる。

アルビルの周辺には、既に空となった樽があちらこちらに転がっていた。

どんだけ飲むんだよこの人……これは同僚に止めてもらう必要があるな…

そう思いながら、俺はスフィアの方を視線を向けると、スフィアが完全に虎になっていて、酒が入った盃をペロペロと、猫のように飲んでいた。

完全に虎だよ…驚きのあまり、声も出なかった。

リムルの方は、声を上げて驚いていた。

 

「この姿、他人に見せていいのか…?」

 

「特段、見せてはいけないものではないのですが…些か、お恥ずかしいですな。 油断しすぎで」

 

俺の質問に部下が恥ずかしそうに答えた。

というか、あれも酒だし……もしかして、"三獣士"の中でフォビオが一番まともなのでは…?

 

「ああ… りんごのブランデーがどんどん空に…」

 

どんどん空になっていく酒樽を見ながらリムルが呟く。

 

「あまり量は造れませんの?」

 

また一つ、酒樽を空にしたアルビルがしょんぼりとした顔で聞いてきた。

アルビスは後、何杯飲むつもりなんだ。

 

「あ、客人に振る舞うのがメインだから気にしないでくれ、果物は試験的にしか使ってなくて、森からの恵みに頼ってるんだ」

 

「酒はまだ嗜好品だから、皆には行き渡ってないしな」

 

一口、酒を飲んだ俺がリムルの説明に付け加えると、アルビルは少し考え始め、

 

「…では良い考えがございます。 我がユーラザニアの果物をこちらにまわすよう、手配いたしましょう」

 

「「えっ!?いいのか?」」

 

俺とリムルが喜びながら、アルビルとスフィアの方を振り返ると、二人は「それで酒を造ってこっちにも寄越せ」っと、言わんばかりに、目で訴えかけていた。

 

「割合は?」

 

「細かいことは任せる! オレは美味い酒が飲めればそれでいい」

 

なるほど、雑務はこっちに丸投げかよ、物々交換となると色々と難しい…

俺とリムルは顔を見合わせ、頷いた。

 

「ゴブタ、それが終わってからでいいから、商人詰め所にいる代表を呼んできてくれ」

 

「はいっす」

 

リムルは腹踊りをしていたゴブタに頼み、商人詰め所から代表を呼んでくるように頼んだ。

 

「そういえばさ、リムル様とエムル様って、よく息が合うよな…」

 

「「そうか?」」

 

俺とリムルは首をかしげながら答えた。

 

「ほら今だってさ…」

 

「確かに、お二人ってよく息が合いますね」

 

酒を飲みながらシオンが、スフィアに共感した。

 

「思念伝達で合わせてるのか?」

 

「「してないって」

 

「…」

 

スフィアの質問に、俺とリムルがまた息ぴったりに否定したため、スフィアは疑いの目で俺らを見ている。

本当に会話していないんだけどね…完全に誤解してるな、あの目は…

だが、スフィアの言う通りだ。 よく俺とリムルは色々と息が合う時がある。

なんでだろか? 俺とリムルは会うのは、豚頭帝(オークロード)戦の前に会った時が初めてだったし……うーん、考えるほど分からないな…なんでこんなにも俺とリムルは息が合うのだろうか…

俺が考えていると少しばかり頭痛がした。

前世のことを思い出そうと頑張ると、それを阻むように頭痛がいつも来る。 となると、俺の前世が関わっているのだろうが…今は完全に思い出せないな。

というか、俺の転生には、色々と不思議なことがあるんだよな…俺は向こうで死んで気が付いたら素っ裸で森の中に居た。そして、魔力感知を手に入れてないのに言語を理解することが出来て、字は書けないが読める…この三つが謎なのだが、原因が全くもって分からないんだよな…それらしいスキルもなかったし…どうなってるんだ?

 

「リ、リムル様、エムル様これは一体…!」

 

俺が酒が入ったコップを片手に持って考えていると、腹芸が終わったゴブタが、商人詰め所から呼んできた代表の犬頭族(コボルト)のコビーがやって来た。

ちなみにだが、コビーと言う名は、リムルが名づけた訳ではない。

 

「じゃ、あとよろしく」

 

「えぇ!?」 

 

どうやらリムルは、コビーに丸投げするようだ。

てか、取引を酒の席でまとめるものなのか? まぁ、何がともあれ、他国との交流の始まりとしては、上々だと思う。

 

────────────

 

使節団の到着から数日後、アルビスとスフィアは大量のお土産()を持って、獣王国(ユーラザニア)へ帰って行ったが、彼女たちの配下達は魔国連邦(テンペスト)の首都、リムルに滞在し続けている。

なんでも、魔国連邦(ウチ)の技術を色々と学んで来いって、言われているらしい。

ある者は、ドワーフの職人から技術を学んだり、またある者は、俺らの役に立つっと言って、警備隊に混ざったりしている。

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