転生したらスーパー戦隊になっていた件   作:盈月さん

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29話 リムルは人の国へ

俺らは会議室に集められていた。

 

「──という訳で、人間の国に行こうと思う」

 

リムルが人間の国に行こうとしている理由を俺含め、皆に言った。

リムルは、シズさんと言う、大切な人の心残りを無くすために、イングラシアと言う国に行こうとしているみたいだ。

 

「ドワルゴンとは違い、魔物を受け入れてくれるとは限らないからな、今回は人間に化けて、コッソリ潜入するつもりだ」

 

リムルは大丈夫そうに言うが、

 

「…お話はわかりました。 ですが、リムル様がお一人で旅立たれるというのは…」

 

リグルドが心配そうに言うと、それに続くように

 

「左様じゃな、万が一のことがあれば、ジュラの大同盟を根底から、崩壊するやもしれぬ」

 

ハクロウが発言すると、リムルはテーブルの下に影移動で出て来たランガを見ては、

 

「コッソリと言っても、一人旅じゃないぞ、陰に潜んだランガは連れて行くし、それに…」

 

リムルはソウエイの方に視線を向けると、

 

「俺の分身体を一体、リムル様との連絡役に回しておく、何かあれば皆にも、すぐ知らせよう」

 

ソウエイが説明してくれた。

ランガとソウエイが居るなら、大丈夫そうだな…

 

「ということだから、安心して欲しい、案内役も頼むつもりだしな」

 

「案内役?」

 

リムルの言葉に、リグルドが言い返す。

案内役?……ああ、あいつらのことか。

俺は案内役が誰かすぐに分かったが、皆は分からないようで、リムルが説明を始めた。

 

「──なるほど、カバル殿にエレン殿、それにギド殿ですか」

 

「イングラシア王国に行くにはブルムンドを経由するし、彼らなら俺はスライムなのも知ってるしな」

 

「確かに…人間の国に入るのに、我ら魔物が付き添っては、却ってひだねになりかねません…それに、人間であるエムル様が行くとなっても、この国の二人の王が、もし、何かあったら、大変なことになりますし…」

 

「だろ?」

 

確かに、シュナの言うとおりだ。

リムルの護衛と言って、ベニマル達が人の国に一緒に行ったら、逆に怖がられるし、と言って、人間である俺がリムルと行って、俺らに何があったら、魔国連邦(テンペスト)が無くなる可能性もある。

 

「リムル様!」

 

そうこうしていたら、カバル達を呼びに行っていたゴブタが、影移動で帰ってきた。

 

「戻ったか、どうだった?」

 

「大船に乗ったつもりで、任せてくれ!!だそうっす」

 

「引き受けてくれたのか」

 

リムルが聞くと、ゴブタは手で笑顔で答え、それを聞いたリムルはうれしそうな表情を浮かべた。

だが、皆は心配のようで、不安そうな表情を浮かべた。

 

「…わかりました。ですが、くれぐれもご注意くださいね」

 

「ああ、わかってる」

 

シュナの注意を、リムルは平然と返事をした。

 

「リムル様に、もしものことがあれば我らは…ッ」

 

「十分、気を付けるよ」

 

涙を流しながらリグルドが大きめの声で叫び、リムルは少し引き気味に返事をした。

 

「頼んだぞ、ソウエイ」

 

「無論だ」

 

ベニマルはソウエイにリムルを守るよう頼み、ソウエイは当然のように答えた。

こうして、カバル達の到着次第、リムルが人の国へ行くことが決まった。

 

────その晩

 

リムルの庵で俺とリムルは、酒を飲んでいた。

実をいうと、カバル達が思っていたより早く、魔国連邦(テンペスト)に来たため、明日の早朝に出ることになったので、今、リムルと晩酌をしているのだ。

 

「あっ、そうそう、ガゼル王との交渉で、ドワルゴンの薬師達がこっちに来ることになって、完全回復薬(フルポーション)が三本作られるようになるみたいだから、そこのところわかっといてくれ…後、上位回復薬(ハイポーション)魔国連邦(テンペスト)の特産品にしたんだ」

 

「…というと?」

 

「ああ、それはな───

 

リムルから、俺は色々と話を聞いた。

リムルは、冒険者をメインで回復薬を売ろうとしているのだが、カイジン曰く、完全回復薬(フルポーション)を売ろうとしたら、国や貴族しか買えない金額になってしまう。逆に、完全回復薬(フルポーション)を百分の一に薄めた下位回復薬(ローポーション)は、冒険者にとって、一番馴染み深い薬なので、今更どこぞの特産品として、売るのは難しいらしい。そこで、一番特産品にできるのは、完全回復薬(フルポーション)を20分の一に薄めた、上位回復薬(ハイポーション)が、一番有力的だそうだ。上位回復薬(ハイポーション)は、ベテランの冒険者が、いざっという時に、用意する代物で、そこそこのお金を持っているとのこと。

こうして、一番儲かりやすいだろう、上位回復薬(ハイポーション)を特産品にすることにし、リムルがシズさんの心残りを無くすついでに、他国に上位回復薬(ハイポーション)を高値で売るみたいだ。

 

「…頑張れよ、上位回復薬(ハイポーション)を俺らの特産品にすることが出来たら、国庫が潤うことが出来るんだかさ」

 

「分かってるさ」

 

俺は酒を一気に飲み、リムルの方を見ては、

 

「…魔国連邦(テンペスト)のことは俺に任せて、お前は大切な人の心残りを無くしてやってくれ」

 

「……分かった、お前に任せるぞ」

 

「ああ…!」

 

俺とリムルはまた、朝方近くまで酒を楽しんだ。

 

───早朝

 

「よし、と…じゃあ、留守は頼んだぞ」

 

ウオォォオォ!!

イッテラッシャイマセ!!

 

かくして、リムル達は人の国へと出発していった。

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