転生したらスーパー戦隊になっていた件   作:盈月さん

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魔王誕生編
31話 災厄の前兆


執務室に居た俺は、リムルからの連絡を受けたので、リムルと水晶玉を通じて話していた。

 

「───というわけでな、子供達のことは無事に解決した、そろそろ先生業も一段落って感じだ」

 

「それは良かった…じゃあ、すぐにでも戻ってくるのか?」

 

子供達が無事、魔素を安定すことが出来たことを聞いた俺は安心し、すぐに帰ってくるのかを聞いた。

 

「いや、子供達に精霊が馴染んだのを確認するまではこっちに居るつもりだ」

 

「…了解、お土産を楽しみにしてるぞ」

 

「ああ、任せといてくれ…それと、そっちの様子はどうだ?」

 

「皆元気だし、至って平和だよ」

 

リムルの質問に、俺は微笑みながら答えた。

だが、あることを思い出したので、それだけリムルに報告することにした。

 

「そう言えば…少し前にヨウム達が来たんだが…新顔が一人居たな…」

 

「新顔?へぇ…」

 

「なんでも、失言したヨウムを倒したのが切っ掛けだとか…」

 

「え!? ヨウムが負かされたのか!?」

 

ヨウムが負けたと俺が言ったら、リムルは驚いた表情を浮かべた。

正直言うと、初めに俺が聞いた時も驚いた。

 

「たいしたもんだな、その新人…戦士系か?」

 

「いや、俺は話したことがないんだが、魔導師(ウィザード)って聞いたな…名前は確か…ミュウラン、ヨウム達の軍事顧問になったとか」

 

リムルの質問に俺は、外に居るヨウム達を見ながら答えた。

 

魔導師(ウィザード)か…どんな奴か気になるな」

 

「当分は滞在するみたいだぞ…もしかしたら、会えるかもしれないな」

 

「それは楽しみだ…じゃあ、俺はそろそろ戻らないと行けないから、またな!」

 

「ああ、皆、お前の帰りを待ってるからな」

 

こうして、俺らは通信を切った。

俺は、このまま何事も起きないと思い、リムルの帰りを待とうと思っていた。

だが、数日後、ソウエイからの知らせで、事態は急変した。

 

────────────

 

「ファルムス王国が戦争準備?」

 

「はい…ですが、ファルムス王国と表立って敵対している人間の国はないため、どこに仕掛けるつもりなのかを探っております…」

 

「わかった、何か摑めたら連絡してくれ」

 

「御意…」

 

ソウエイとの通信を切り、俺は考え込んだ。

この話を聞いていたのは、俺とリグルドとベニマル、そして、報告をしに、途中から来たゴブリナのリリナだった。

 

「あの、何かあったのでしょうか…」

 

途中から来たため、話がつかめていないリリナが訊ねて来た。

 

「うむ…先日、百名程の武装した人間がここへ向かっているのが、報告されたのだ…彼らの所属先をソウエイ殿に、探ってもらっていたのだが…どうにもきな臭い」

 

腕を組んでいるリグルドが答えた。

 

「…リムルに知らせるか…リリナ、リグルを呼んできてくれ、対応を誤らないよう、警備隊に注意喚起しておく、リグルドはリムルに繋げといてくれ」

 

「分かりました…」

 

「承知いたしました」

 

リリナはリグルを呼びに部屋から出て行き、リグルドはリムルと通信を繋がるために、水晶玉に近づいた。

リグルドが通信を繋げようとしたその時、

 

「───ます…応答──…ます…こちら獣王国ユーラザニアのアルビス、テンペストの幹部の方、応答をお願いします。 緊急要請でございます」

 

三獣士のアルビスから連絡が入った。

 

「…エムルだ、緊急だと言ったが、どうしたんだ?」

 

俺が何のようなのか、アルビスに訊ねると、次のアルビスの言葉は信じられないものだった。

 

「エムル様…我が国ユーラザニアは一週間後、魔王ミリムとの交戦状態に入ります」

 

「は?」

 

俺は耳を疑った。

なんでミリムがいきなり、ユーラザニアと交戦状態に入るんだ…!?

俺らが困惑する中、アルビスは続けた。

 

「ついては貴国にて、避難民の受け入れを頼みたいのです。 突然の要請をどうか、お許しください」

 

「おい待て!一体全体、どういうことだ!?」

 

「ど…か、お願い…」

 

俺は問いただそうとしたが、通信は途中で切れた。

 

「なんで、ミリムが…」

 

俺はそう呟いて色々と考えたが、今はそれどころじゃない。

 

「ベニマル、先にベスタ―達にユーラザニアのことを報せてくれ」

 

「承知しました」

 

ベニマルがベスタ―達にユーラザニアのことを報せている間、俺は椅子に座り込み、色々と考えた。

ミリムも気になるが、ファルムス王国の動向も気になる…なんでこう、忙しい時に限って、リムルは居ないし、次々と色々な知らせが入ってくるんだ…何より、胸騒ぎがする…

俺はタイミングを見計らって、ベスタ―達と通信を切り、リムルと通信を繋げ、獣王国(ユーラザニア)のことを話そうとしたが、いくら頑張っても、リムルに繋がらない。

 

「なんで…」

 

もう一度、リムルと繋げようとしたその時、

 

「なっ…!」

 

「くぅ…!」

 

ベニマルとリグルドが、まるで力が抜けたように、その場に崩れこんだ。

 

「二人共、大丈夫か!?」

 

俺は慌てて二人に近づく

 

「す、すみません…エムル様…」

 

辛そうな表情を浮かべるベニマル。

 

「不味いことになったぞ」

 

今度は、窓から光の玉になった獅子王が入ってきた。

 

「どういうことだ、おっちゃん!」

 

俺が獅子王に訊ねると、獅子王は少し顔をこわばらさせ

 

「外を見てみろ、この町に結界が張られている…一つは分からねぇが、もう一つは恐らく…魔物を弱体化させる結界だ…」

 

「っ!!」

 

獅子王の言葉を聞いて、俺は気づいた。

ファルムス王国の奴らが…ここ、魔国連邦(テンペスト)に戦争を仕掛けるつもりのことに…

 

「急いだほうがいいぞ、広場の方で何か、騒ぎが起きていやがった」

 

「分かった、ベニマル!住民や冒険者、商人達を安全な場所に避難するように思念伝達で伝えといてくれ…! 俺は広場に行ってくる!」

 

「承知しました…エムル様、どうかお気をつけて…!」

 

「ああ…ミニティラ、来い!」

 

「ギャォン…!」

 

俺は執務室の窓を全開にあけ、壁に立てかけておいたスカイホーキーにまたがり、寝ていたミニティラを連れて広場へと向かった。

獅子王も俺に続いて光の玉となって付いてきてくれた。

 

「…思い過ごしであってくれ……」

 

そう呟きながら、俺は広場へと向かった。




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