俺がスカイホーキーで広場に向かっていると、ある物が見えた。
それは日本人だろう男が、シュナを拳で殴ろうとしている所だった。
「やめろ!」
俺はスカイホーキーをフルスロットルにし、男目掛けて、スカイホーキーを蹴り飛ばした。
「なに!?…ぐはっ!!」
俺は地面に転がりながら着地しながら、男の方を見た。
男の腹に、スカイホーキーの先端が突き刺さり、勢いよく男を吹き飛ばしていった。
「へぇ、やっぱり来たか…」
剣を持った別の男が俺を見ていたが、今はそれどころじゃない。
「え、エムル様…」
ハクロウの声がし、声の方を見ると、ハクロウが傷だらけになっていた。
そして、ハクロウの隣には傷だらけのゴブタが倒れていた。
「シュナ、何があった!?」
警備隊とシオンに守られているシュナに俺が聞くと、シュナは顔を下に向けながら答えてくれた。
「襲撃です。 警備隊の一人が絡まれまして、そこからあの者達と交戦に至ったのです…そして、結界が張られてから、商人や冒険者に紛れた者達が…」
それを聞き、改めて周りを見渡す。
露店や家は壊されており、あちらこちらで警備隊が倒れている。
…リムルが約束した、人を襲わないが裏目に出たか……!
「分かった、後は俺に任せろおっちゃん!」
「おうよ!お供なれども、暴れるぜ!!」
俺は襲撃者に面を向けては、忍者一番刀を作り出した。
「小僧、お前の能力
持っていた超絶勝負チェンジャーに入った獅子王が忠告してくれる。
どうで、魔素の減りが多いなっと思ったわけだ。
そう思いつつ、忍者一番刀に忍シュリケンをセットし、変と書かれている場所を押した。
ザ・ヘンゲ!ニンニンニン!ニンニニンニン!
「シュリケン変化!」ニンニンニン!ニンニニンニン!
俺は勢いよく忍シュリケンを回した。
アカジャー!ニンジャー!
「それが変身か…」
アカニンジャーとなった俺は、続けざまに超絶勝負チェンジャーも回した。
チョーゼツ ニンジャー!
「暴れてあっぱれ!アカニンジャー!」
アカニンジャー超絶となった俺は、決めセリフと決めポーズを取った。
「忍ぶどころか、暴れるぜ!!」
俺はアカニンジャー超絶となったことで、素早く移動し、一気に剣を持っている男と距離を詰め、斬りかかる。
「うっ…!」
男は慌てて剣で防御し、剣と刀の押し合いが始めった。
「テメェ!さっきはよくも!」
後ろから先ほど吹き飛ばした男が殴りかかってくるが、俺が消えるように移動したため、簡単に避けられた。
「チッ!」
「悪いな…一気に決めさせてもらう!」
俺は勝負チェンジャーを忍者一番刀にセットする。
N・I・N・I・NIN・NININ
待機音と共に、忍者一番刀が炎を纏って刃がどんどんと伸びていく。
「超~絶…シュリケン斬!」イチバンショウブ!
掛け声とともに忍者一番刀を振り回し、男達目掛けて振り下ろした。
忍者一番刀の刃が敵めがけて更に伸びてそのまま一刀両断したその時、
「この騒ぎは何事か!」
男達を切る直前で俺は刃を止めた。
声の方を見ると馬にまたがった騎士達がやってきた。
騎士の数はおよそ百名。
「魔物の国と聞き、調査に来てみればこの騒ぎとは…我らは人類の法に従い加勢する!」
「待て!」
俺は変身を解き、騎士たちの目の前に立ち塞がった。
「貴様、何のつもりだ!」
「この騒ぎは向こうが仕掛けて来たものだ…証人なら多くいるぞ」
「ふっ、何見苦しい言い訳を…! この騒ぎは明らか、魔物が仕掛けてとしか思えんだろ! もしやお主…人に化けた魔物だな!? それならば、今ここで我らが成敗してくれる!」
俺が声を上げて、止めようとしたら騎士は無茶苦茶な理由で、俺だけではなく、成り行きを見守っていた市民たちにも斬りかかった。
「っ!」
俺は軽々と避ける事が出来たが、魔物達は弱体化しているため、動きが鈍くなっている。
周囲で上がる悲鳴。
皆の悲鳴を聞き、俺は少し動揺しかけたが首を横に振り行動に出た。
「ミニティラ…!」
「ギャォン!」
子供に向けて剣を振ろうとしていた騎士を、弾き飛ばしていたミニティラに向けて獣電池を投げた。
ガブリッチョ!
小さかったミニティラは、本来の姿であるガブティラへと姿を変えた。
「な、なんだアイツ!?」
ガブティラを見た騎士達は、驚き動揺していた。
「ガブティラ!騎士達を追い返せ!」
「ギャォオン!!」
「に、逃げろー!!」
ガブティラの叫びにビビった騎士達が逃げ出し始める。
「ふっ、こけおどしが」
だが、ビビったのは十数名のみだったようで、他の者達は再び市民達に襲い掛かった。
「…っ!皆聞け! 四人以上で集まり、仲間を守れ!何としても絶対に死ぬな!これは命令だ!!」
俺は声を張り上げて、皆に言った。
「おっちゃん!皆を守ってくれ!」
「おうよ!」
超絶勝負チェンジャーから出た獅子王は、市民達を守りながら避難誘導を始めた。
「人手が足りないな……仕方ない」
俺はギリギリまで魔力を使い、金色の剣を作り出すと、剣が人の姿へと変わっていた。
「ズバーン!」
俺が作り出したのは大剣人ズバーン、ボウケンジャーの七人目の戦士だ。
「ズバーン…そうそうで悪いが、皆を助けてやってくれ」
「ズンズン!」
返事をしたズバーンは獅子王が向かった方とは別の方面へと向かっていた。
「エムル様、どうか避難を…!」
シオンが俺に避難するように言ってきたが、俺は首を横に振り、
「俺はリムルからこの国を預かってるんだ…逃げるわけにはいかない…!」
「…」
俺はそれだけ言い、シオンの返事を聞かずに逃げ遅れた者達を助け始めた。
「はっ!」
「エムル様…! ありがとうございます!」
俺は親子を襲っていた騎士の剣を受け止めては、蹴り飛ばした。
「いいから、早く逃げろ…ベニマルが避難をしてくれているはずだ」
「分かりました…」
母親だろうゴブリナは、俺に一礼したのち、小さいホブゴブリンを抱えて逃げて行った。
「…」
怒りが沸々と湧き上がってくる中、俺は他に居ないか走り出した。
「キャアァァ!!」
子供の悲鳴が聞こえ、そちらの方に向かった。
そこには、あの男と騎士が子供達を襲おうとしていた。
「ぐっ!」
俺は身をていして子供達を守るために、背中を男と騎士に向けた。
だが、いつになっても痛みが来なかった。
不思議に思っていると、地面に何かが落ちた音がし、俺は振り返った。
俺の視線の先には、角が欠け、腹部から血が出ているシオンが、俺を守るように立っていた。
「……シオンっ!!」
俺は忍者一番刀を振って、騎士と男を追い払ったのち、倒れこむシオンを抱えた。
「も、申しわ…ご、ざい…ません……エ、ムル様……命令を…背いて、し…まって…」
「いいから、喋るな!!」
虫の息になっているシオンに対して俺は喋らないように言ったが、シオンは
「……どうか…お許し…を──」
力を振り絞り言った言葉を最後に、シオンは目を瞑った。
シオンの息と心肺が止まったことを確認した俺に、シオンを殺した者や無能すぎる自分に対する怒りや憎しみ、どうしてこうなったかの後悔、シオンや町の者を失った悲しみなどの、激しい感情が俺の頭の中で渦巻いていた。
ブツッ
俺の頭の中で、激しい感情が渦巻いている中、何かが切れる音が聞こえた。
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