「あっ…」
言葉を漏らし、リムルがふらついて、座り込む。
「大丈夫か…?」
「あ、ああ…物凄く眠いが…」
俺はリムルの目の前でしゃがみ込み、意識を確認する。
リムルは相当眠そうで、気を抜いたらぐっすり寝そうだ。
「…生き残っている奴はどうする」
「ああ…それか…」
魔力感知に一人残っているのが分かる。
「他の奴に任せる…ランガ」
「ここに…!」
影からランガが飛び出て来た。
「よしよしいい子だ…ランガ、最重要命令だ、俺をエムルと守りながら町に戻ってくれ……ついでに、そこの捕虜も連れていけ…捕虜はエムルやカバル達に預けてやれ………」
リムルは、眠気が限界なのか、スライムの姿へと変わった。
「あと…生き残っている奴は…」
俺はスライム姿のリムルを持ち上げると、リムルは周辺の
「…魔法を使うだったら、俺の魔素を使え…魔王に進化した時、魔素が必要になる可能性があるだろ…」
「……確かに…なら、魔素を貰うぞ…
リムルは俺から必要分の魔素を取り、魔法を使い始めた。
「俺の役に立ちやがれ!!」
リムルは魔法で悪魔を召喚した。
呼び出された悪魔は三人、召喚の対価として周辺に横たわっていた死体が黒い靄になり、跡形もなく消え去って行った。
「クフフフフ…懐かしき気配、新たなる魔王の誕生…」
真ん中の悪魔が、少し不気味な笑みを浮かべる。
「いいかお前ら、死んだふりをして隠れている奴が一人いる…そいつを捕まえて、エムルかランガに届けろ……二人とも、町の皆との顔つなぎを頼むぞ」
「了解…」
「はッ」
リムルから仕事を貰った悪魔は、
「実に素晴らしい! これほどの供物に、初仕事…光栄の極みで少々張り切ってしまいます。 どうか、今後もお仕えしても宜しいでしょうか…?」
歓喜に打ち震えていた。
…リムルの奴、変なのを呼び出してないか?
そうこうしていると、リムルは完全に寝てしまった。
リムルは寝たのを確認した俺は、スカイホーキーに跨り、リムルをしっかりと抱えた。
ランガに乗ってもよかったのだが、ランガには捕虜を連れてきて欲しいので、俺がスカイホーキーに乗って、リムルを連れ帰ることになったのだ。
「エムル様、どうかお気を付けて…」
「あ、ああ…そっちも頼むぞ」
「承知しております…」
悪魔は深々と頭を下げ、俺とランガを見送ってくれた。
────────────
俺とランガは、眠るリムルと捕虜を連れて、街道を使って町に向かっていた。
その道中に、声が聞こえて来た。
《告。 個体名リムル=テンペストの魔王への進化が開始されます。 その完了と同時に、系譜の者達への
リムルが言っていた世界の言葉が聞こえた。
「エムル様、先程の声は…!」
走りながら尻尾を振るランガに俺は答えた。
「世界の言葉だ…リムルは、魔王へと進化を始めたんだ」
俺は微笑み、寝ているリムルを突いた。
頼むぞリムル…シオン達を、皆を蘇らせてくれな。
そうこうしていると、俺達は町に着いた。
俺はスライム姿のリムルをシュナに渡し、死なないように被膜魔法をかけた捕虜はカバルやヨウム達に見とくよう頼んだ。
シュナはリムルをマントで包み、台座の上にそっと置いた。
町の住民達は、リムルが無事進化することを願い、その場で祈り続けている。
そして、俺らの頭の中で世界の言葉が響き渡った。
《告。 個体名:リムル=テンペストの魔王への進化が完了しました。 続いて、系譜の者達への
次の瞬間、俺に
「ね、寝るな……皆に何かあったら…!」
俺はそう自分に言い聞かせながら周りを見た。
周りを見ると、多くの者達がその場に倒れ、寝ていた。
だが、ベニマルは俺と同様に、眠気に逆らっていた。
俺とベニマルが眠気に逆らっていたその時、眠っていたリムルが人の姿へと変わり、立ち上がった。
「…告。 後は任せて眠りにつきなさい。」
その言葉を聞いた俺達は安心し、眠りについた。
────────────
《確認しました。個体名エムル=テンペストの魔王種への進化を開始します…成功しました。 個体エムル=テンペストは種族:
世界の言葉が聞こえる中、俺は辺りを見渡した。
俺の周りには、様々な映像が流れており、とある映像に俺は目を止めた。
《新規スキル『万能感知・魔力操作・覇気・多重結界・天眼』を獲得………成功しました。》
俺が見ている映像には、二人の少年がアイスを食べていた。
その映像の周りには、二人の少年が川遊びや、勉強会、雪遊びなどの様々なことをしていた。
映像を見たとき、俺は、前世の事を全て思い出した。
《新規耐性『痛覚無効・物理攻撃無効・自然影響耐性・状態異常耐性・精神攻撃耐性・聖魔攻撃耐性』を獲得──成功しました。》
そうだ、なんでこんなにも大切なことを忘れてたんだろう…俺の名は───
親友だ。
そして、エムルこと、五永 雄太の心の声に答えるように、世界の言葉が鳴り響いた。
《確認しました。ユニークスキル
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