転生したらスーパー戦隊になっていた件   作:盈月さん

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今回は、第三者視点で、短めです。


40話 誕生する魔王

中央広場では、ほぼ全ての魔物達が深い眠りに就いていた。

人間や魔女、ドワーフ達は、エムルとベニマルを寝かせたリムルの姿をした、究極能力(アルティメットスキル)智慧之王(ラファエル)を見ていた。

身体に巻き付けた白いマントに美しく流れる銀髪。

ラファエルは、感情の無い瞳で周囲を見渡しては、視線をエムルに向ける。

 

「…告。 個体名エムル=テンペストの保有スキル、ユニークスキル大親友(バディ)を通して、個体名エムル=テンペストとの魂の回路を接続…成功しました。 並びに、個体名エムル=テンペストの更なる進化を始めます。」

 

眠るエムルの頭に、ラファエルは手を置いては目を閉じ、エムルの更なる進化を始めた。

 

《「不死者(シヲコバムモノ)」の進化を希求、エクストラスキル「血液操作」を統合(イケニエ)魔王への進化(ハーベストフェスティバル)祝福(ギフト)を得て進化…───成功しました。 ユニークスキル「不死者(シヲコバムモノ)」は究極能力(アルティメットスキル)不死之王(イーコール)」に進化しました。》

 

エムルのユニークスキル不死者(シヲコバムモノ)が、究極能力不死之王(イーコール)に進化したことを確認したラファエルは、ゆっくりと目を開けた。

 

「……告。 個体名エムル=テンペストの進化が完了しました。 これより、"反魂の秘術"を始めます。」

 

ラファエルは、ゆっくりと死んだ者の遺体が安置されている場所の中心部分へと向かった。

 

「告。 智慧之王(ラファエル)の名において命ずる。 「暴食者(グラトニー)」改め、究極能力(アルティメットスキル)暴食之王(ベルゼビュート)」よ、結界内の全ての魔素を喰らい尽くせ──ひと欠片の魂さえも残さずに。」

 

ラファエルに命じられた暴食之王(ベルゼビュート)は、結界ごと町中の魔素などを喰らい始めた。

暴食之王(ベルゼビュート)が魔素を喰らい始めたその時、空が真っ黒の雲に包まれる。

暴食之王(ベルゼビュート)により、町中に漂っていた魔素はきれいさっぱり消え去り、ラファエルは反魂の秘術を始めた。

 

「告。 魔素量(エネルギー)が足りません。 代行処置として、個体名エムル=テンペストから魔素量(エネルギー)を吸収…既定の魔素量(エネルギー)に達しました。"反魂の秘術"を再開します。」

 

ラファエルは途中で魔素が足りなくなったため、ユニークスキル大親友(バディ)を通じて、エムルから魔素を取っては、反魂の秘術を再開した。

ラファエルが反魂の秘術を行っている時、

 

「只今戻りました、我が君」

 

悪魔召喚で呼び出された三人の悪魔たちが町に来ており、リムルへ向けて頭を下げたが、ラファエルは見向きもせず、作業を続けた。

悪魔たちは、儀式の邪魔にならないように静かに見守っていた。

だが、あることに察した、悪魔の一人である上位魔将(アークデーモン)が口を開いた。

 

「失礼ながら申し上げます。 どうも魔素量(エネルギー)が足らぬようですが…」

 

上位魔将(アークデーモン)の質問に、ラファエルは一度顔を向け、答えた。

 

「…是。 必要量を満たしておりません。 生命力を消費し代用します。」

 

「お待ちください我が君! 代用にご自身の生命を用いずとも…っ」

 

生命力を消費して、"死者蘇生の秘術"を行おうとしていたラファエルを上位魔将(アークデーモン)は止めて、配下である上位悪魔(グレーターデーモン)をチラッと見ては、ある提案をした。

 

「…良き考えがあります。 この者達をお役立てください、主の役に立つことこそが、我らにとって最大の喜びなのですから」

 

上位魔将(アークデーモン)の提案を聞いたラファエルは、少し考えこんではその案に賛成した。

賛成したラファエルは、暴食之王(ベルゼビュート)で二体の上位悪魔(グレーターデーモン)を喰らい、魔素へと還元した。

 

「既定の魔素量に達したことを確認しました。 これより、"死者蘇生の秘術"を再開します。」

 

反魂の秘術、死者蘇生の秘術…この二つの秘術の行使と、制御には想像を絶する魔素量が必要になる。

成功確率は3.14%…この数値は魔王へと進化をする前に出されたモノ。

だが、進化を果たした今──

ラファエルが魂を皆に入れたとき、全員の傷が癒され、雲が晴れて光が差し込む。

 

「…」

 

反魂の秘術と死者蘇生の秘術を終えたラファエルはふらつき、スライムの姿へとなった。

スライムの姿へとなったラファエルを、上位魔将(アークデーモン)が拾い上げ、台座へと移動させた。

魔国連邦(テンペスト)の中央広場に眩い光が差し込む中、シオンの指がピクッと動き、シオンはゆっくりと目を開けた。




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