41話 テンペストの復活祭
ふと、目を開けた。
「おはようございます、エムル様」
目を開けた俺の視界に、笑顔のシオンが話しかけてく来てくれた。
「ああ……おはよう、シオン…」
俺は嬉しくて、つい涙を出してしまったため、バレないよう顔を下に向けた。
「エムル様、ご覧ください」
俺は庭の方を見ると、全員が俺に対して跪いており、
「我ら一同、一名の欠落なく、無事に生還いたしました!!」
と言ってくれた。
良かった、本当に良かった…
俺は心から安堵し、喜んだ。
「…エムル様、この度はご命令に背き…悲しませてしまい、申し訳ございませんでした…」
シオンが膝をつき、頭を下げて俺に対して謝った。
シオンの光景を見た俺は少し黙り込んでから、口を開いた。
「…確かに、シオンは俺の生き残れと言う命令に背いた……だけど、リムルのお蔭で、こうやってシオン含め、皆が生きてるんだ…これからもリムルに仕えることを詫びにするよ…!」
俺の言葉を聞いたシオンは顔を上げ、
「はいっ! お任せください!」
元気よく返事をしてくれた。
元気のいいシオンの返事を聞いた俺は、笑みを浮かべた。
だが、いつまでも喜びに浸っているわけには行かない。
まずは、リムルの様子だ。
「シオン、リムルはどうだ?」
俺の問いにシオンは、笑みを浮かべて答えてくれた。
「リムル様なら今は庵で休んでおられます…恐らく、もうしばらくかかるかと…」
なるほど…リムルはまだ寝ているのか…
「じゃあ、俺は早速仕事してくるから…シオン、リムルの世話を頼んだぞ」
「お任せください…!」
シオンは元気に返事をして、見送ってくれた。
────────────
俺の庵から中央広場に移動した俺は、ベニマルとリグルドに会った。
「エムル様! お目覚めになられたのですか!」
「エムル様、お目覚めになられたのですね…」
「ああ、ついさっきな…で、皆の状態はどうだ?」
俺の問いにベニマルが答えてくれた。
「本調子ではない者も居ますが、多くの者が大丈夫そうです」
「そうか…」
それを聞いた俺は考え込んだ。
確か、もう少ししたら
「ベニマル、ゲルドに動ける者を集めて瓦礫の撤去を始めてくれって、言って来てくれ、リグルドはシュナと料理人たちに、炊き出しの準備を始めるように伝えてくれ」
「承知しました」
「御意!」
二人はそれぞれ、ゲルドとシュナに命令を伝えるために去って行った。
それから数日が経ち、
避難民の中には、警備隊の避難に従おうとしない者が居たらしいが、アルビスとスフィア、リグルの説得で落ちたらしい。
なお、フォビオはカリオンとミリムの戦いの顛末を見届けるために残ったらしいが、後日、瀕死のフォビオが見つかった。
フォビオの表情を見る限り、何となく顛末は分かるが、報告はリムルが起きてから聞くと伝えた。
そして、リムルが魔王になって一週間後、リムルが目覚めたそうだ。
そして、リグルドの提案で、急遽祭りが決まった。
急遽で祭りが開催されるのが、ウチの凄いことの一つだよな…
リムルの色々と話したいことがあるんだが…居ないな。
俺はリムルを探していたのだが、どこにもリムルは居なかった。
そうこうしていると、祭りが始まり、俺は酒が入ったコップを片手に持って探していたら、一人で椅子に並んで飲んでいるリムルを見つけた。
「よっ、魔王化おめでとうさん」
「エムル」
俺はリムルの隣に座り込んだ。
「なぁ、リムル…少し話が」
俺がリムルに話しかけようとしたその時、
「我が君、魔王と成られましたこと、心よりお祝い申し上げます」
リムルが眠る前に召喚した悪魔がリムルの魔王化を祝いの言葉を伝えに来た。
それに対して、リムルは
「誰だお前?」
っと、衝撃なことを悪魔に放った。
その言葉を聞いた悪魔は、相当ショックだったのか、ふらついた。
「…っ、ご冗談を…悪魔である私
これは悪魔が可哀そうだな…助け舟を出すか
「リムル、こいつはお前が眠る前に呼び出した悪魔だぞ」
「エムル様…!」
俺の言葉を聞いた悪魔の顔が明るくなったが、
「色々と手伝ってもらって助かったよ、もう帰っていいよ」
何を思ってか、リムルが止めを刺すような言葉を言い、それを聞いた悪魔は今にも泣きそうな顔になる。
それに対して、リムルは何か勝手に、納得していた。
「…リムル」
「ん?どうした?」
「アイツ、泣きそうだぞ…」
「えっ!? あれか? 報酬が足りなかったのか?」
「いえ、先だってお願いしておりました通り、配下の末席に加えて頂きたいのです」
悪魔は俺らに向かって跪いた。
「……リムル、別にいいんじゃねぇか? 配下にしたって…仲間が増えるから、俺は大ばんざいだぞ」
俺の言葉を聞いたリムルは、少し考えこみ決断した。
「………………分かった、今日からお前は、俺らの仲間だ」
「おおお! 感謝します我が君!!」
「我が君はやめろ…これからは、リムルと呼ぶように」
「リムル様…甘美な響きです」
リムルと悪魔の会話を俺は聞きながら、酒を少し飲んだ。
「そう言えば、お前は名前があるのか?」
「私など名もなき悪魔で十分でございます」
俺の質問に、悪魔は名前がないようで、名もなき悪魔で良いと言った。
だけど、名前が無かったら不便だよなぁ…
「…じゃあ、お前の名は"ディアブロ"だ…その名に相応しく、俺らの役に立ってくれ」
リムルは悪魔こと、ディアブロに名前を与えた。
なるほど、悪魔だからディアブロね…案外いい名前なのかもしれないな。
「おおっ!」
そして、案の定リムルから大量の魔素が取られていった。
ディアブロは黒い靄で全身を纏い、進化を始めた。
しばらくすると、靄から執事服へと衣替えしたディアブロが現れた。
そして、そこにベニマルが三獣士を引き連れてやってきた。
俺とリムルはディアブロ達と共に、三獣士の話、ミリム対カリオンの戦いの顛末を聞くためにリムルの庵へと移動した。
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