「そう言えばエムルよ、お主…前世のリムルと親友だったそうだな」
「そうだけど…」
洞窟内を歩いていると、ヴェルドラがそんなことを聞いてきたので、答えた。
俺はリムルの方を見ると、リムルは俺から顔そらした。
あの反応的に、リムルはヴェルドラに言ったのだろうな。
まぁ、どうせ何も起きないだろうし、いいか…
俺がそう思っていると、
「ならば、リムル同様、我と盟友だな!」
「「はぁ?」」
ヴェルドラが意味が分からないことを言ってきたため、俺とリムルはその場にフリーズした。
一体全体意味が分からない…あれか? 友達の友達はまた友達理論なのかこいつ?
「なんでそうなるんだよ…!」
「クワーハッハッハッハ! 別に良いではないか!」
胸を張って笑うヴェルドラに対して、俺は頭を抱えた。
これから先、色々と面倒くさいことになりそうだな…
「あーっ、分かったよ…これからよろしく頼むぞ、ヴェルドラ」
「うむ! 我の方こそよろしく頼むぞ!」
俺とヴェルドラは、洞窟内を歩きながら固い握手を交わした。
そうこうしていると、俺らは洞窟から出れたのだが、入口付近が何やら騒がしい。
「ソフィア殿、落ち着いて下され! リムル様はお考えがあって、エムル様と洞窟にこもっておられるのです」
「だが、リムル様は三日前に、そして、エムル様が丸一日経っても洞窟から出てこないんだぜ!? しかも、あの伝説の暴風竜が復活したんだろ!? 主らが危険かもしれないのに、手をこまねいているつもりなのかよ!」
洞窟の前では、獣王戦士団の者達とガビル達が口論していた。
「煩いネコですね、大人しくしない潰しま「やめろディアブロ! それじゃあ仲裁になってねえ!」
ソフィアに殺意を向けているディアブロをベニマルが止めた。
ナイスだベニマル…今のディアブロ、普通にソフィアを潰そうとしていたぞ。
「リムル様とエムル様がご無事なのは間違いないが、ヴェルドラ様が復活なされたとなると、我らとしても迂闊に動けないのだ。 とにかくここは我々に任せて────」
ベニマルが獣王戦士団を宥めていると、
「あー…心配かけたな皆」
リムルが少し申し訳なさそうに、皆に声をかけた。
「悪い悪い、俺達で色々としてたんだよ」
「リムル様、エムル様!……と…」
俺らの姿を見た皆は安堵していたが、目線はすぐに、人の姿をしているヴェルドラへと向いた。
「とにかく安心しました。何せ、あの暴風竜ヴェルドラの気配が復活したのです…一体何が起こったのかと」
安堵しているアルビスの言葉を聞きながら、リムルはヴェルドラを皆の前へと押し出しては、
「皆に紹介しておこう、こちら、ヴェルドラ君です! ちょっと人見知りだけど、皆も仲良くしてあげてください」
「なっ! 馬鹿を言うな! 我は人見知りでないぞ!?」
笑顔でヴェルドラを紹介した。
リムルに人見知りと言われたヴェルドラは、なにやら人見知りではないと、言い訳を言い始めたが、皆はそれどころではないそうで、驚きのあまり口を開けて、突っ立ていた。
「ヴェルドラ、自己紹介をしてやってくれ、皆、お前の
「む、それもそうだな」
俺の助言にヴェルドラは納得し、軽く咳払いをした。
「我は暴風竜ヴェルドラ=テンペストである! 我が貴様らの主らである、リムルとエムルとどういう関係なのか気になっておるだろう! 知りたいか!? 知りたかろう!!」
えっ、はっ、え?何言ってんだヴェルドラは!
驚いている俺とリムル以外の者達はとても気になっているようで、何名かが頷いた。
「友達だ!!」
ヴェルドラは胸を張り、ドヤ顔をしながら言い張った。
トモダチ!!!!?
一方、それを聞いた皆は一度、目を見開いてフリーズしていたが、すぐに正気に戻っては大声で叫んだ。
やめてくれ、俺達が恥ずかしいから…
俺とリムルが顔を真っ赤にしていたら、リムルの影から、何かの情報を手に入れただろうソウエイがやって来た。
「リムル様、エムル様、クレイマンの動向ですが…」
ソウエイはヴェルドラを見ると、何かを察した顔をした。
「後にした方がよろしいでしょうか?」
小さな声でソウエイが聞いてきたが、恥ずかしい思いをするここから早く逃げたい俺らは
「むしろ、この恥ずかしい空気変えたいから、調査結果は会議室で聞こう」
「そうだな、ソウエイ、この場に居ない幹部達と、ヨウムやカバル達も全員を大会議室に招集してくれ」
「承知」
リムルは報告を聞くと、ソウエイに伝え、会議室とこの場の空間を能力で繋げ始めた。
俺は、リムルが空間を繋げている間、ソウエイに頼み込み、この場に居ない者達を集めるように言った。
「リムルにエムルよ、何かあったのか?」
皆と喋っていたヴェルドラが、俺らに気づいて訊ねて来た。
「ああ、今後の方針を決める準備が整ったんだよ」
「ふむ、我にも手伝えることはないか?」
俺らの傍にヴェルドラは聞きながら近寄ってきて、リムルは微笑んで
「もちろんある」
と言った。
────────────
大会議室で会議を始める前に、執務室で俺とリムル、シオン、ベニマルがソウエイの報告を聞いていた。
「───クレイマンが軍を?」
「は、進軍経路を見るに、忘れられた竜の都を目指しているかと」
忘れられた竜の都…ミリムの領地か…
「その数はおよそ三万…」
ソウエイの報告を聞いていた途中に、万能感知に反応があった。
来たのは俺たちの知り合いだった。
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