転生したらスーパー戦隊になっていた件   作:盈月さん

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46話 人魔会談【前編】

来たのは、ブルムンド王国の自由組合支部長(ギルドマスター)、フューズだった。

話を聞くと、どうやら魔国連邦(ウチ)との間で結ばれた安全保障条約に従い、魔国連邦(テンペスト)と共に、ファルムス王国と戦ってくれるつもりだったらしく、本体の到着に時間が掛かるので、フューズが数名を引き連れて、先に来てくれたらしい。

ブルムンドの行動は、心からありがたいのだが……もう戦い終わったんだよな……

 

「え~っと、フューズ君、実は───

 

リムルがファルムス王国との戦いは終わったことを、フューズに伝えた。

 

「は?終わった? どういうことですか!? ミョルマイル達、商人や冒険者からの話だと、ファルムスの宣戦布告からまだ二週間も経ってないでしょう!?」

 

リムルの言葉に、フューズが大声で驚きながらっ訊ねて来た。

そして、リグルド曰く、ブルムンドに使者を送ったそうなのだが、恐らく、途中で入違ってしまったのだろうとのこと。

どこから説明するか…

俺らが頭を悩ませていると、

 

《告。 30騎の接近を確認──先頭はガゼル・ドワルゴです。》

 

ラファエルさんが、ガゼル王が来ていることを報告してくれて、俺らは空を見上げると、ガゼル王とその部下達がペガサスに跨って空を飛んでいて、俺らの目の前へと降り立った。

 

「──久しいな、リムルにエムル。リムルよ、魔王になったらしいな?」

 

「まあね、ちょっと色々あってさ」

 

ガゼル王に言葉を聞く限り、恐らくベスタ―辺りがリムルが魔王になったことを報告したのだろうな、そんでもって、今回はその確認と…

ガゼル王とリムルが少し話していると、

 

「魔王…? 一体どういうことですか? 魔王…?」

 

ガゼル王のリムルが魔王になったと言う言葉に、フューズが血相を変えた。

流石に、魔王は聞き捨てにならなかったようで、フューズはリムルに問い詰め始めた。

 

「…ガゼル王の言うとおりだよ、必要があったから魔王になった。 ファルムス軍はそのための生贄に「待て、リムルよ」

 

フューズの質問に、リムルが答えようとしていたら、途中でガゼル王が止めた。

 

「知っているのなら、俺にも聞かせて欲しい…ファルムス王国軍が進軍中、なぜ行方不明(・・・・)になった。 その理由を」

 

ガゼル王の言葉で、俺は大体理解した。

ガゼル王達は、俺とリムルが三万もの軍勢を虐殺したことを有耶無耶にしようとしてくれていることを…

それもそうだ、本人たちの気分次第で、大量の軍勢を滅ぼせる者達は、準備などが掛かる核兵器以上に恐ろしい。

"隠蔽"というと、聞こえは悪いが、混乱を煽るのを避けるためには仕方ないな。

 

「ま、そう言うことだ。 今、ファルムス王国軍は行方不明なんだよ」

 

俺が笑顔でフューズに言うも、フューズは怖い顔をした。

まあさっき、リムルが生贄にしたって、言ってるしな…

フューズは少し悩んだのち、深いため息を吐いた。

 

「疲れているせいか、幻聴が聞こえたそうだ…ファルムス軍は行方不明、分かりました…ですが、対策会議には俺も出席させてもらいますよ、俺らだけ、傍観するわけには行かないので…」

 

「もちろんだ」

 

リムルから、対策会議の参加の許可を貰ったフューズは、深いため息を吐きながらシュナに案内され、トイレに向かった。

さて、どうしたものか…

これからの会議をどうするか、俺が悩んでいると

 

《告。 個体名ソーカが、害意の無い数名の者達をこちらに案内しています。なお、そのうちの一人は人造人間(ホムンクルス)の肉体に憑依させております。》

 

ラファエルさんからまた報告が来た。

また客人か…それより人造人間(ホルンクス)ってなんだ?

 

《解。人造人間(ホルンクス)は、人造的に作り出した肉体に、精神体(スピリチュアルボディ)を憑依させた者を指します。》

 

俺の問いに、ラファエルさんが答えてくれた。

マジで有能だなラファエルさんは…

そうしていたら、ソーカが数名の男たちを連れてやって来た。

 

「リムル様、エムル様」

 

男達を案内していたソーカが、俺達の傍に近寄って来ては説明してくれた。

どうやら、魔導王朝サリオンの使者らしく、人造人間(ホルンクス)の男はサリオンの公爵家らしい。

俺達がソーカと話していたら、

 

「リムル…そうですか、貴方が私の娘を誑かした魔王リムルですか!!」

 

公爵が俺らに向けて、すごそうな大魔法をぶっ放すために詠唱を始めた。

 

《告。 火炎、および爆発の合成魔法です。 魔法制御を自前で行う高騰術式が展開されています。》

 

いや、そんな解説よりも! 止めないと不味っ!!

俺がスーパー戦隊の力で止めようとしたら、公爵の頭に思いっきりエレンの張り手が入った。

エレン!? なんで!?

俺が驚いていると、さらに驚く言葉が聞こえた。

 

「ちょっとぉ、何しに来たのよぉ、パパ!」

 

パ……パパぁ!!?

俺は目を見開いて驚いた。

 

「いやー申し訳ない。娘が魔王に攫われたと報告を受けたもので、慌ててしまったのです」

 

「いいえ閣下、キチンと報告致しました」

 

「パパの早とちりじゃないのよぅ」

 

…あの人、相当な親バカみたいだな。

そこから、エレンが紹介してくれた。

エレンのお父さんこと、魔導王朝サリオンの大公爵、エラルド・グリムワルト。

エラルドはエレンの件と、俺たちを見極めるために来たらしい。

 

「リムル様、エムル様…いつもの会議室では入らりきれないやもしれません」

 

リグルドが小声で言ってきた。

確かに、全員で会議するとなると、いつもの会議室では入りきらなそうだな。

リグルド後から、今別の場所を準備しているから、しばらく耐えてください、と付け足した。

その後、ヴェルドラが来たため、全員がリムルや俺に説明を求めて来たので、俺はリムルに丸投げして逃げて来た。

 

────────────

 

準備が整った大会議室で、全員がそれぞれの代表が席に着き、シュナがガゼル王、アルビス、フューズ、エラルド、リムルの順に紹介し、俺達は後の世に人魔会談と称される会議を始めた。

後、上半身裸だったヴェルドラは、ちゃんとした衣装を着させてから漫画と、俺がラファエルさん頼み込んで、俺の記憶を元に、俺が好きなスーパー戦隊ベスト3を脳内に転写させて見せているため、既に没頭している。

ちなみに、俺が選んだのは、侍戦隊シンケンジャー、海賊戦隊ゴーカイジャー、獣電戦隊キョウリュウジャーの三つだ。

まず、俺が自身の前世の事と、外遊からの帰国時にヒナタに襲われ、何とかして帰って来た時には襲撃の後だったこと、そして魔王に至る経緯を話した。

リムルの話が終わると、俺も前世の事と俺自身の力であるスーパー戦隊のこと、そして襲撃の際、多くの者を殺したことを全て話した。

俺の話が終わると、リムルが口を開いた。

 

「でだ───事実は俺とエムルが言った通りだが、公にする筋書きは大きく変える」

 

リムルの発言に多くの者達が騒めき始める。

リムルとガゼル王、エラルドは、ファルムス軍は天災である"暴風竜"…ヴェルドラによって、捕虜を除いて全て行方不明になり、新たな魔王によって、ヴェルドラが大人しくなった、ということにすると決めていた。

これは三人が密談で決めたことで、俺は大親友(バディ)の意思疎通を秘かにつなげて、コッソリと三人の会話を聞いていたため、俺は知っていた。

 

「反対が居る奴は居るか? 特にヴェルドラには、俺らの罪をかぶってもらうことになるが…」

 

「特に問題はないぞ、我はお前らと(カルマ)を共に背負うと決めていた。 暴風の威を存分に使うがよい」

 

リムルがこれでいいかとヴェルドラに聞くと、ヴェルドラはソファに寝ころびながら、頼もしいことを言ってくれた。

だが、そこからある問題が上がった。

 

「捕虜はどうするのだリムルよ、そやつ等から真実が語られるかもしれないぞ」

 

ガゼル王の言う通りだ。

いくら俺らが隠蔽したところで、捕虜が話す可能性もある。

だが、リムルは既に対策案を考えているため、皆にその対策案を言った。

 

「…ああ、ファルムスを一度滅ぼし、国民から人気が篤い英雄ヨウムを王に据える、新しい国に生まれ変わらせる」

 

リムルが対策案を言っている中、座っていたヨウムが立ち上がった。

皆からは様々な声が上がる中、ガゼル王が英雄覇気を発動させて、ヨウムを試した。

ガゼル王の覇気を耐えたヨウムは、根性と覚悟をガゼル王に伝えたため、ガゼル王はヨウムを認めて、何かがあった時、頼るように言った。

さらに、フューズがファルムスに居る知り合いの貴族が居るから、助力が出来ると言ってくれた。

すると

 

「プハハハハ! これは愉快だ! 国を跨いで本音で語り合うとは…これでは警戒している私の方が滑稽です…では、私なりの結論を答える前に、リムル殿とエムル殿、ひとつ伺えたい」

 

「ちょっとぉパパ! 勿体ぶらずに、さっさと答えてよぉ!」

 

エレンに促進されたエドマリスは、エレンに少し待っといてっと宥めていた。

ははっ…公爵形無しだな。

エラルドがエレンを宥めていると、

 

「…それで、聞こうかエラルド」

 

俺と同じことを思っただろうリムルが、雰囲気を作るために、魔王覇気を放った。

 

「…では魔王リムルに魔人エムルよ、貴殿らはその力をどう扱うおつもりで?」

 

一瞬、リムルの魔王覇気に怯んだが、すぐに態勢を戻しては、俺とリムルに質問をした。

 

「──何だ、そんなことか、俺とエムルは俺らが望むままに暮らしやすい世界を創りたい、出来るだけ皆が笑って暮らせる豊かな国をな…」

 

「そんな、夢物語のようなことを…っ」

 

リムルの言葉にエラルドは反論を言った。

そこで、俺は口を開きながら、立ち上がった。

 

「確かに、俺達はやろうとしているのは夢物語かもしれない…だからこその、俺らの力だ。俺らはこの力を使って叶える。 力ない理想は戯言だし、理想なき力は虚しいだけだ。 俺達はただ力を求めている趣味なんてないしさ」

 

俺は言いながら歩いていき、リムルの横に立ち、エドマリスの質問に答えた。

俺の回答を聞いたエラルドは少し立ちすくんでいた。

 

「…は、ははは…はははははっ、これは愉快ですな魔王リムル、魔人エムルよ!……失礼しました。 私は魔導王朝サリオンよりの使者として貴国───ジュラ・テンペスト連邦国との国交樹立を希望致します」

 

「その話、是非ともお受けしたい。 こちらからも善き関係を築きたいと思っていた」

 

こうして、魔国連邦(テンペスト)と魔導王朝サリオンとの国交が結ばれたのだ。




やべぇ、いつも以上に長くなってしまった。

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