「…リムルとエムル、お主らはどっちが強いのだ?」
「「え?」」
ソファに寝転がって、漫画を読んでいるヴェルドラがそんなことを言ってき、俺とリムルは書類処理していた手を止めた。
「いやなに、どちらが強いか気になってな!」
俺達は溜息を吐いた。
「何言ってんだヴェルドラ…」
「そんなの決まってるだろ」
「「勿論、
俺とリムルはそれぞれの回答におかしな点があったので、互いに顔を見合わせた。
「いや、いやいやいや、リムルが圧倒的に強いだろ…!」
「待て待て待て、不死のお前の方が圧倒的に強いだろ!」
俺とリムルは互いに強いと譲り合うが、このままだと埒が明かない。
どうするか考えていると、漫画を閉じたヴェルドラが立ちあがり
「ならば、本気の三番勝負で決めるのはどうだ?」
「「………それだ!」」
ヴェルドラの言葉に俺らは少しの間、無言の空間を作ったが、ヴェルドラの案を採用した。
こうして、リムルVSエムル三番勝負が幕を開けた。
────────────
「最初の勝負は、我が漫画で見たあっち向いてホイだ!」
ヴェルドラの言葉を聞いた俺達は、早速ヴェルドラに三番勝負の内容を頼んだことを後悔した。
どんな内容が来るかと思ったら、まさかのあっち向いてホイかよ…まぁ、やるしかないな。
「じゃあ、リムルやるか」
「だな…」
俺とリムルは顔を見合わせて頷いた。
正直、少し不安な所がある中、俺とリムルはじゃんけんをした。
「「最初はグー!じゃんけんポン!」」
じゃんけんの結果はあいこだった。
「「あいこでしょ! あいこでしょ! あいこでしょ! あいこでしょ!あいこでしょ! しょ!しょ!しょ!しょ!」」
そう、俺が懸念していたのは永遠と続くじゃんけんだ。
実際、小学校の時に給食で残ったプリンを、俺とリムルがじゃんけんで争ったが、中々決着がつかず、結局は先生に食べられたっということがあったのだ。
「「しょ!しょ!しょ!しょ!しょ!」」
じゃんけんを始めて数時間が経った。
実をいうと、まだあっち向いてホイは一回もしていない。
ここまで続くならもう怖いよ…
「ええい! いつまでやっておるのだ! 我、ワン〇ンマンを読み終えてしまったぞ!」
いつの間にか漫画を読んでいたヴェルドラが文句を言ってきた。
「こうなれば、くじで決めようぞ!」
「うん、それがいい気がする」
ヴェルドラの提案で、くじ引きで決めることになり、くじ引きの結果、リムルが最初にあっち向いてホイをすることになった。
「それじゃあ、行くぞ?」
「ああ、ばっちり来い!」
「あっち向いて~…」
俺はリムルの人差し指に集中した。
「ホイ!」
「っ!」
行き成り言ってきたため、俺は咄嗟に上を向いた。
そして、万能感知で見るとリムルの指は上を指していた。
「や、やってしまったぁー!」
俺は膝から崩れ落ちた。
「フッフッフ、お前が行き成りあっち向いてホイをすると、必ず上を見ることは把握済みなんだよ!」
胸を張ってリムルはドヤ顔した。
正直に言うと、物凄く悔しい…
「ようやく終わったか…ならば、次に行くぞ!」
────────────
場所は、執務室からヴェルドラが封印されていた洞窟の最奥へと移った。
次の勝負は虫相撲、それぞれで用意した昆虫で相撲をすることになった。
「フッフッフ、この勝負、この世界で先に虫相撲していた俺が貰った!」
リムルは相当自信があるようだが、そんなの関係ない。
アイツ、俺の異名を忘れているな…
そう俺は思いつつ、虫相撲が始まった。
リムルの虫はカブトムシで、俺が用意した虫はクワガタだった。
そして、勝負は虫相撲が始まって、すぐに着いた。
「なん…だと…!?」
勝負の結果は俺の圧勝、相当自信があったリムルだったが、俺には敵うことはできない。
「リムル、お前は俺の異名を忘れたのか?」
「……あっ…」
ようやく思い出したリムルが声を漏らした。
何を隠そう、俺の虫相撲の時の異名は、無敗の昆虫使いということに…
事実、俺が育てた昆虫達は、一度も虫相撲で負けたことがないのだ。
「くそぉ、また負けた~…」
どうやらリムルは、俺とは別の人と虫相撲をしていたようで、それも負けたらしい。
まぁ、次の勝負で勝敗が決まるな…
「では、最後の勝負を言うぞ! 最後の勝負はズバリ!! 胸圧な戦いだ!」
「おい、それってまさか…」
「うむ! お主らは今から我が決めた範囲内から出ないように、全力でぶつかり合ってもらおう!」
…最後は結局、実力かよ……というか、最初からそうした方が良かったんじゃ…
俺がそう思っていると、ヴェルドラは洞窟内に円を描き始めた。
恐らく、あの円の中で戦ってことだろう。
俺とリムルは瀕死や気絶することがないので、範囲外に出なかった方の勝ちにしたのだろうな。
「では、互いに位置に着け!」
ヴェルドラの指示通りに、俺達は位置に着いた。
「互いに真剣にやるのだぞ? では、始め!」
ヴェルドラの言葉を聞いた俺達は、見極めながら横に移動し始めた。
「まさか、お前とガチでやり合うことになるとはな…」
「俺は不死だから、遠慮はするなよ?」
「ああ、そっちも…な!」
最初に仕掛けたのはリムルだった。
リムルは黒雷を俺目掛けて放っては、剣を鞘から抜いた。
「トッキュウチェンジ!」
俺はトッキューチェンジャーで、トッキュウ一号へと変身と共に、リムルの攻撃を無効化しては、レールスラッシャーを構えて、リムルに向かって走り出した。
「はっ!」
俺は
一方、リムルも自身の剣に黒炎雷を纏わせて、レールスラッシャーを受け止めた。
俺はレールスラッシャーを予測しにくいよう動かしつつ、リムルに何度も斬りかかったが、リムルはレールスラッシャーを受け流すように、剣を動かした。
「…」
ウチマース!
このままでは分が悪いと判断した俺は、リムルから距離を取っては、トッキュウブラスターをウチマスモードにしては、何発か撃った後、スコープレッシャーをセットした。
「うおっ!」
少し慌てつつも、リムルは剣で弾を弾き飛ばしたが、俺がスコープレッシャーをセットしたトッキュウブラスターを構えると、リムルの前に赤色で一番と書かれたマークが現れた。
ウチマスヨー、ゴチュウイクダサ~イ!ゴチュウイクダサ~イ!
「トッキュウブラスター、発射オーライ!…はっ!」
俺はリムル目掛けて赤色の弾を放った。
俺が放った弾は、トッキュウブラスターから現れた、線路の上を通りながらリムルに向かっていたのだが、
「
俺が放った弾は線路ごと、リムルのスキルに食べられてしまった。
「さぁて、次はこっちの番だ!」
リムルは再び剣に黒炎雷を纏わせ、俺に向かって斬りかかった。
「トッキュウチェンジ!」
トッキューイチゴウレッド~ノリカエテ~オレンジ~!
俺はトッキュウ六号へと変わっては、ユウドウブレイカーで剣を受け止めた。
「くっ!」
俺とリムルは剣で押し合いを始めたが、このままでは炎が俺に移りそうだったため、俺はリムルを蹴り飛ばした。
「おっと!」
後ろへ吹き飛ばされたリムルだったが、地面に剣を突き立て、場外のあと一歩というところで止まった。
「ドリルレッシャー、セット!」
オーライ、オオーラーイ!
ユウドウブレイカーに、作り出したドリルレッシャーをセットした俺は、待機音が鳴る中構えた。
「はぁあぁぁあぁ…!」
「俺も行くか…!」
俺が構えたのを見た、リムルは黒炎雷を纏った剣を構えた。
少し見合っては、俺とリムルは同時に走り出た。
「とりゃぁー!!」
「はぁー!!」
俺とリムルはすれ違う際、互いの剣で斬り、その瞬間、その場で大爆発が起きた。
煙が無くなると、俺はダメージで身体から火花が散ってはその場に跪き、トッキュウ一号に戻ってしまった。
一方、リムルは身体を再生しながら、俺と同様その場に跪いた。
だが、痛覚無効を互いに持っている俺達は、すぐに立ち上がり、それぞれ構えた。
リムルの周りには魔力弾が何個か浮かび上がっていた。
それに対して俺は、他のトッキュウジャーの専用武器を作り出し、レンケツバズカーを作り出した。
「レインボーラッシュ! 山盛り塩漬け!」
技名を叫びながら、俺はエナジーレッシャーをレンケツバズカーにセットし、互いに技を放とうとしたその時、
「リムル様、エムル様…?」
圧が掛かった言葉が聞こえ、俺とリムルは互いに震えながら、声のした方を見ると、そこには冷や汗を出しているヴェルドラと、威圧を放っているシュナが居た。
「お仕事、まだ終わってませんよね?」
「「あっ、あっ…」」
震えが止まらない俺らに、シュナが近寄って来た。
「い、いや~…ヴェルドラがどっちが強いか聞いてきてな…それで…」
リムルが訳を言うも、シュナは威圧を放ったまま、
「だからといって、仕事をサボっていい理由にはなりませんよ?」
「いや、勘弁してk「やりましょうね、お仕事…」
いつもは可愛いと思うシュナの笑顔が、今回は物凄く怖い…
一度、俺とリムルは顔を合わせ、
「「…はい…」」
シュナに返事をした。
こうして、どっちらの方が強いかが、分からないまま、リムルVSエムル三番勝負は幕を閉じた。
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