今更同情なんてしないが、リムルがクレイマンに与えた死で少しでも反省することを願おう。
会場が静まり返った中、ギィが拍手を始めた。
「見事だ。お前を今日から魔王と名乗ることを許そう…異論があるやつは居るか?」
ギィが他の魔王に聞くと、それに最初に答えたのはラミリスだった。
「ないない!ワタシはリムルのこと信じてたし! なんなら、リムルにエムルも弟子として認めてやっても…」
「「あっ、そういうの間に合ってるから」」
「食い気味!?」
ラミリスが調子に乗って言ったことを、俺とリムルはラミリスの申し出をきっぱりと断った。
「ふふん、リムルとエムルは私の
「!!!?」
ミリムが放った言葉が、ラミリスに止めを刺すように刺さり、そのままラミリスはショックで魂が抜けたような表情を浮かべ、トレイニーさんとベレッタに心配されていた。
そこまで言ってはいないんだがな…
「私は誰が魔王になろうと、興味がない…好きにすればいい」
ラミリスの次に、興味がなさそうな表情でレオンが答えた。
「ま、いいんじゃない?」
「うむ、ヴェルドラが認めるのなら、これ以上の保証はないだろう」
レオンの次は後ろで腕を組んでいるディーノが答え、それに続くようにダクリュールがヴェルドラの方を見ながら答えた。
ヴェルドラとダクリュールはよく戦っていたためか、信頼関係があるらしい。
そして、カリオンもフレイも、リムルが魔王と名乗るのに賛成みたいだ。
となると、後は…
俺と同じことを思っているだろうリムルは、俺と同じように最後の魔王の方に顔を向けた。
「余としては、卑劣な人間と絡んでいる下賤なスライムが魔王を名乗るなど、断じて認めたくないが」
魔王ヴァレンタイは反対か…なんかの拍子で、敵視されたら後々めんどくさいな。
てか、ヴェルドラが滅ぼした都の魔王らしいし。
「クァーハッハッハッハ! 下郎、我が友達を侮辱するか」
おいコラ!…頼むからめんどくさいことにしないでくれ…!
「おいミルスよ、従者の躾がなっておらんな、我が教育してやろうか?」
笑顔で魔王ヴァレンタイが連れて来た従者の一人である、メイドに話しかけるヴェルドラだったが、メイドは少々苛立ちながら、
「私に話しておいてですか? 私は魔王ヴァレンタイ様の侍女に過ぎませんが」
「ん?」
メイドの返事を聞いたヴェルドラは不思議そうな顔をした。
ヴェルドラが不思議そうな顔をしていると、ミリムが近づいてきては
「おい駄目だぞヴェルドラよ、バレンタインは正体を隠しているのだ、今の魔王が代理なのは皆には内緒なのだぞ?」
「何ぃ!?」
ヴェルドラとミリムは互いに、普通の人が聞こえるほどの音量で内緒話をした。
そのため、色々とばらされたメイドはミリムに対して怒りのオーラを向け、それに気づいたミリムは下手な口笛を始めた。
まぁ、やっぱりかとしか言いようがないな…俺らも薄々そうじゃないか思っていたし。
「忌々しい邪竜め、どれだけ我の邪魔をすれば気が済むんじゃ…それに妾の名前も忘れおって…もうよい、妾のことはバレンタインと呼ぶがいい」
相当苛立っているメイドこと、バレンタインは黒い靄のようなもの出しては、メイド服から黒が基調のドレスの姿へと変わっていった。
…代理である魔王ヴァレンタイも相当な
バレンタインの
「宜しいのですか、ルミナス様」
ヴァレンタイが連れて来た執事の従者がバレンタインに訊ねると、バレンタインは一度溜息を吐き、
「致し方あるまい、もはや正体を偽るのは不可能…あの邪竜のせいでな」
カリオンやフレイなどの、比較的新しい魔王達の反応を一回見ては、ヴェルドラを睨んだ。
「わ、我悪くしないし、隠しているの知らなかったし~…バラしたのはミリムだし…」
睨まれたヴェルドラはこっそりと俺らの後ろに隠れるように移動して来た。
案の定、都を滅ぼされた怒りはまだ続いているらしい。
「ミルスじゃなくて、ルミナスか…そうそうそうだあったわ」
ヴェルドラが名前を間違えて覚えていたことを確認している中、俺はあること思い出した。
そう言えば、ルミナスって確か西方聖教会が信仰している神も同じ名前だったような…
俺が考えていると、ルミナスはヴァレンタイの方を見ては、
「ロイ、少し気になることがある、貴様は先に戻っておれ」
と、命令した。
「しかしルミナス様…」
それに対してヴァレンタイことロイは、ルミナスに何かを言おうとしたが、
「この前、貴様が追い払った道化の格好をした侵入者、クレイマンの奴と何か関係があるかも知れぬ、戻って聖神殿の警備を厳重にするよう伝えるのじゃ」
「───承知」
ルミナスが命令の内容をロイ言い、命令を受けたロイは一礼しては、吸血鬼らしく無数の蝙蝠となって飛んで行った。
だけど、西方聖教会との関係が気になるな…名前が同じだけかもしれないけど…
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