転生したらスーパー戦隊になっていた件   作:盈月さん

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63話 緊急事態

「──拝謁の僥倖賜りましたこと、誠にありがたく」

 

「アダルマンその辺で」

 

「ですがシュナ様…!」

 

「その辺で!」

 

長いな…

俺とリムルは会議室で、アダルマンの長い挨拶を聞いていて、余りの長さだったため、シュナがアダルマンの挨拶を途中でやめさせた。

俺らはソーカ達から武装したヒナタがこの町を目指して出発し、それを追うように四人の聖騎士(ホーリーナイト)が出立した、という報告を受けた。

しかし、俺らは西方聖教会についての情報がないため、かつてルミナス教の高層を務めていたアダルマンに、色々と話を聞くことになったのだ。

 

「神聖法皇国ルベリオンは、神ルミナスを頂点と定める宗教国家です。私が枢機卿だった頃は、今程の武力や権力は持っておらず、ルミナス教の布教に従事することでした。しかし、"七曜"が立て直しを行ったことで、変わったのです」

 

「「七曜…?」」

 

俺とリムルは、アダルマンが言っていた七曜という単語を復唱した。

 

「はい、偉大なる英雄(笑)、ルベリオンの最高顧問とされている老人共です。今もご存命しやがっていることでしょう」

 

「嫌いなんだな…」

 

アダルマンは俺らに七曜について、嫌悪を感じるオーラを出しつつ説明してくれた。

 

「申し訳ございません。私は七曜に嵌められ、命と信仰を失うことになったので…友人の秘術"輪廻転生(リンカーネーション)"により、死霊(ワイト)となって復活したのです」

 

なるほど、それは七曜を恨むな…

俺はアダルマンが七曜に恨んでいる理由を聞いては納得してしまった。

 

「ともかくルベリオンの方針には、七曜が絡んでいると思われます。実力のほどは措いとくとして、ヒナタ・サカグチとて奴らの発言は無下にできないことでしょう」

 

アダルマンの話を聞く限り、七曜は覚えといた方がいいな。

その他にも俺らはアダルマンから、傘下の国に駐屯している神殿騎士団(テンプルナイツ)、神と法皇のみ忠誠を誓う法皇直属近衛師団(ルークジーニアス)、そして聖騎士団(クルセーダーズ)についての情報を聞いた。

何故、アダルマンが情報のソースが古くなかった理由は、

 

「私もクレイマンの幹部だったので、一応情報を与えられていました…まぁ、意見は求められていませんでしたが」

 

一応クレイマンに情報を貰っていたらしい…思わぬところでクレイマンが役に立ったな。

 

「お二方、法皇直属近衛師団(ルークジーニアス)聖騎士(ホーリーナイト)には"十大聖人"と呼ばれる"仙人"級の者達がいますので、くれぐれもお気を付けください」

 

仙人?聖人じゃなくて?

俺が首を傾げていると、

 

《解。人が過酷な修練を積んだ果てに至る存在進化です。魔物で例えると"魔王種"が近いでしょう。"聖人"は仙人の更なる上、覚醒魔王に値します。》

 

智慧之王(ラファエル)さんが説明してくれた。

それにしても魔王種に近いって…もしかして俺と同じ、もしくはそれ以上の実力を持った奴らが十人ほど居るのか…

俺が考えこんでいると、部屋にディアブロが入って来た。

入って来たディアブロは、浮かない表情をしていた。

 

「リムル様、エムル様…ご報告があります…レイヒムが何者かによって殺されました」

 

「「えっ?」」

 

俺とリムルは少し驚いた表情を浮かべた。

 

「それにともなってラーゼンから報告で──『「悪魔の謀略によって大司教が殺害された」という情報が魔法通信で広まっております。それに呼応し、周辺各国の神殿騎士団(テンプルナイツ)がファルムス王国に向かって動き出しました。』とのことです」

 

ディアブロがラーゼンからの報告を俺らに伝えてくれた。

周辺各国はファルムス王国の内乱に関わろうとはしないと思うから…目的は

 

「大司教殺しの悪魔討伐…」

 

ソウエイが俺が思っていたことを言ってくれた。

 

「…ヨウムの後ろ盾になっている悪魔が大司教を殺した…そんな情報が出回っている以上、他国や有力な貴族達は討伐するために動く上に、新王の方を援助を行って、逆にヨウムへの援助は少なくなるだろうな」

 

大司教が悪魔に殺されたと言う情報が出回ることによって、生じる問題を俺が述べると、

 

「はい、エムル様の言う通り…先程配下から報告があり、神殿騎士団(テンプルナイツ)、総勢三万が悪魔討伐に動き出しました」

 

ソウエイが先程得た情報を伝えてくれた。

三万…ファルムス王国が俺らに襲撃を行った数と同じだ。

新王の軍+神殿騎士団(テンプルナイツ)を今回はヨウム自身に勝ってもらう必要がある。俺らの所からハクロウやゴブタ達を送り出すつもりだから負ける心配はないだろうが、本気で戦うとなるとファルムスに決定的なダメージが入るはずだ。

 

「…最悪、今回は諦めるって手もある。俺が残りの債権を放棄すれば、新王は先王を攻撃する理由がなくなるしな…」

 

リムルがそう弱音を吐くと、リムルを膝の上に乗せているシオンが、リムルの顔を見ながら、

 

「駄目です!そんなことをしてしまったら、リムル様が舐められてしまいます!」

 

と、リムルに対して怒り、リムルを隣で座っていた俺の膝の上に置いた後、立ち上がってはディアブロの方を向き、

 

「ディアブロ!お前の失態だぞ!お前がこのまま与えられた仕事をほうきするつもりならば、私が引き取ってしまうぞ!」

 

胸を張って、後輩であるディアブロに対して厳しい言葉を言い放った。

 

「そうですよ、貴方も小さい失敗で落ち込んでいる場合じゃありません。後、分かりにくいですが、今のはシオンなりの激励です」

 

「しゅ、シュナ様…!」

 

ディアブロを励ますようにシュナは声をかけ、それと共にシオンの先程の言葉は、激励だったことをディアブロに伝えた。

シオンの奴、偶には粋なことをするじゃん。

 

「まぁ、今問題なのは大司教殺しが誰かって話だろ?それがディアブロじゃないことを証明すればいい話だ」

 

俺がシオンに対して尊敬していると、俺の膝の上にいるリムルがディアブロにそう言った。

 

「では、私がこのまま続けてしまっていいのでしょうか?」

 

ディアブロは少し不安そうな表情でリムルに訊ね、それに対してリムルは怒ることなく、

 

「もちろんだ、それともシオンに代わってもらうか?」

 

ディアブロがこのまま作戦を続けるのを承諾した。

それに対しディアブロは、

 

「いえ──是非とも最後まで、私にお任せください」

 

と、跪いて返事をした。

 

「おう、キッチリと汚名返上して来い!…それで?どうするつもりなんだ?」

 

「はい、真犯人を見つけ出そうと思います。そして優しく問いただしてみるとしましょう」

 

リムルの質問に、立ち直ったディアブロは優しさなんて微塵もない奴の笑顔となった。

 

「一応言っとくが、関係のない奴は殺すなよ?」

 

「ええ、分かっております…リムル様やエムル様の意を叛くような真似はしませんよ」

 

ベニマルが一応釘を刺してみたが、その心配はなさそうだ。

 

「…三万となると、こちらから送る部隊を再編成しときますね」

 

「ああ、頼むよベニマル君」

 

三万の軍勢の対策をするとベニマルは俺らに告げてくれた。

ホント、頼もしいなベニマルは…

そう思いながら、俺は用意してくれた紅茶を片手にクッキーを食べ始めた。




余裕があるので、大晦日は三本立てにしようと思います!
そのため、少し投稿時間を変更するので、ご了承ください。

12月31日(土)
17時 第64話 18時 第65話 
の以上となっております!

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