転生したらスーパー戦隊になっていた件   作:盈月さん

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08話 ジュラの大森林副盟主

豚頭魔王(オーク・ディザスター)討伐の翌日。

 

「どうするつもりだ?」

 

会議前に俺はリムルに尋ねた。

 

「実はな俺はこうしたいんだ」

 

リムルが思っていることを聞いた俺は驚いた。

 

「確かにそれは夢物語かもしれないな…だが、俺もどっちかと言うとそっちの方がいいな」

 

リムルが思っていることは夢物語かもしれない。

だが、俺的にもそっちの方がいいと思い、賛成することにした。

 

「でも、それならこうした方が良くないか?」

 

「ほうほう、確かにいいかもしれないな…!」

 

会議までの時間、俺とリムルは案を出し合って話し合った。

そして、会議の時間となった。

湿地帯中央に仮設されたテントに、各々の種族の代表が集っていた。

この会議の出席者はリムルの鬼人とリムル、そして何故か居させられている俺。

リザードマンからは首領と新鋭隊長と副隊長、ガビルはどうやら反逆していたらしく、連れていかれた。

ガビルに連れてこられた数人のゴブリン達、樹人族(トレント)のトレイニーさん…そして、オーク達10名、飢餓者(ウエルモノ)の影響がなくなって、理性的な様子だが、その分罪の重さを自覚しているため、今にも死にそうな顔になっている。

 

「…えっー」

 

俺の膝の上に乗っかているスライム姿のリムルが話を始めた。この議会の議長はリムルなのだが、何故俺がリムルを膝の上に乗せる必要があるのかが、疑問だ…

 

「こういう会議は初めてで苦手なんだ…だから思ったことだけを言う、そのあとは民まで検討して欲しい」

 

まあ、戦後の会議なんて中々しないよな…

 

「まず最初に明言するが、俺はオークに罪を問う考えはない」

 

リムルの言葉で、オーク達が戸惑い始める。

正直、俺も驚いたがリムルは続けた。

 

「被害の大きいリザードマンからしては不服だろうが、聞いてくれ…彼らが武力蜂起に至った原因と現在の状況を話す」

 

リムルが話したのは、オークを襲った大飢饉、そしてゲルミュッドによる暗躍。

 

「────なるほど、大飢饉…それにゲルミュッドなる魔人の存在ですか…」

 

少し納得気味にリザードマンの首領は言った。

 

「だからと言って、侵略行為が許されないのは当然だが、逼迫した状況から分かる通り、彼らに賠償できるだけのた蓄えはない……っていうのはまぁ、建前なんだけどな」

 

「建前?」

 

リムルの建前という発言にリザードマンの首領は不思議そうに聞いた。

 

「では、本音の方を伺ってもよろしいかな?」

 

「……オークの罪は全て、俺が引き受けた。文句があるなら俺に言え」

 

リムルの言葉に、会議前に聞かされていた俺と鬼人達以外は少し驚いた表情をした。中でも、オーク達が一番驚いていた。

 

「お、お待ち頂きたい!いくらなんでも、それでは道理が…」

 

オークの中で一番上だろう、フードを被ったオークがリムルに申し出たが、

 

「それが魔王ゲルドとの約束だ」

 

リムルの次の言葉を聞いて黙り込んだ。

 

「なるほど…しかし、それは少々ずるいお答えですな」

 

まぁ、簡単には受け入れられないだろうな…

だが、リムルはここで引き下がるつもりはないようだ。

 

「魔物に共通する、唯一不変の法律(ルール)がある…弱肉強食、立ち向かった時点で、覚悟はできていたはずだ」

 

少し不満そうだったリザードマンの首領に対し、ベニマルが発言した。

ベニマルを見たリザードマンの首領は驚きながら、

 

「そなたは、ソウエイ殿と同じ鬼人か!」

 

と、言った後、納得した様子で

 

「弱肉強食…確かにその通り…駄々を捏ねては、リザードマンの沽券が下がりましょう」

 

「いいのか?」

 

「もとより、この戦の勝者はリムル様です。あなたの決定に異論などありません」

 

おぉ!なんて、素直なんだ…人間じゃあこうはいかないぞ。

 

「しかし、それはそれとして…どうしても確認せねばならぬことがございます」

 

「オークの罪を問わぬということは、生き残った彼らを全てをこの森にて、受け入れるおつもりですか?」

 

「確かにな、戦で数が減ったとはいえ、15万は下らないだろう」

 

確かにな…リムルから聞いた話だと、15万という数字は戦士だけの数ではなかった。

飢饉から逃れるため、全部族総出で出てきたらしい。

 

「エムルと共に考えたけど…夢物語のように聞こえるかもしれないが、森にすむ各種族間で、大同盟を結べたらどうだろうか」

 

「大同盟…」

 

大同盟ね…ありかもしれないな。

 

「オーク達には、ひとまず各地に散ってもらうが、その土地土地で労働力を提供してもらいたい」

 

「その見返りに我らは食糧や住む場所を提供するということですか?」

 

「そうだ…住む家なんかの技術支援は俺達の町の職人に頼む、もちろんタダじゃないぞ、ウチも人手不足だからオークの労働は当てにしてる…技術を身につけたら、そのうち自分たちの町を作ればいい。各地に散った者達とも一緒に住めるようになるだろう…最終的に他種族共生国家とか出来たら、面白いんだけどな」

 

リムルの説明を聞いた、リザードマン達やゴブリン、オーク達が驚いた顔で固まっていたり、ザワついていた。

 

「わ、我々がその同盟に、参加してもよろしいのでしょうか…」

 

少し不安そうな表情でオーク達が聞いてきた。

 

「ちゃんと働けよ?サボることは許さんからな?」

 

「もちろん…もちろんです!!」

 

リムルの言葉を聞いたオーク達は、リムルに向かって跪いた。

 

「…我らも異論はありません。ぜひ協力させて頂きたい」

 

今度はリザードマンが跪いた。

何やってるんだ?…同盟を結ぶために何か儀式でもあるのか…?

俺とリムルが跪こうとした瞬間

 

「何をなさろうとしておられるのですか?」

 

「「え?そういう儀式?みたいなのがあるんじゃ(ないか?」」

 

止めに入ったシオンに対して、息ぴったりに俺達は尋ねた。

 

「ありません、本当にもう、リムル様とエムル様(・・・・)は…」

 

次は鬼人達が跪き、後ろにはゴブリン達も跪いていた。

うん?今、シオンの奴…俺のことを様付けしたよな…?

俺と(恐らくリムルも)頭の上にはてなを浮かべていたら、

 

「よろしいでしょう…では森の管理者として、わたくしトレイニーが宣誓します」

 

トレイニーさんが何か言い始めた。

 

「リムル様をジュラの大森林の新たなる盟主、エムル様をジュラの大森林を副盟主として認め、その名の下に”ジュラの森大同盟”は成立しました!!」

 

はぁ!?リムルは分かるが、なんで俺が副盟主なんだよ!?…俺、数日前に来たばかりだぞ!!

待て待て待て!トレイニーさんが盟主じゃないのか!?森の管理者だろ!!?

そんな俺の思いとは裏腹に、トレイニーさんも跪いた。

…………………

 

「じゃあ、あの、そういうことみたいなんで、よろしく頼む」

 

「俺からもよろしく頼む」

 

ハハッ!!

 

こうして冷や汗が止まらない俺達を置き去りして、ジュラの森大同盟は成立した。

 

「き、休憩!いったん休憩にするぞ!!」

 

リムルが休憩を宣言した後、すぐさま俺はリムルを連れて、離れた場所に連れて行った。

 

「おいリムル!どういうことだ!!」

 

俺は思いっきりリムルを引っ張った。

 

「俺が聞きたいよ!!」

 

俺らが少し口論をしていたら、トレイニーさんがやってきた。

 

「あらあら、リムル様にエムル様…」

 

軽くお辞儀をしたトレイニーさんに俺は問い詰めた。

 

「なんで、俺が副盟主なんだよ!俺、数日前に来たばかりなんだが!!?」

 

怒っている俺に対して、トレイニーさんは澄ました顔で

 

「聞きましたよ、エムル様はリムル様と同郷の上に、不思議な力を扱うことができると…リムル様だけが盟主だと、大変だろうと思いまして、エムル様を副盟主にしたのです…実際、先程の大同盟を考えたのは、リムル様とエムル様のお二人なのでしょう?」

 

納得のいく事を言われたため、俺は何も言えなくなった。

トレイニーさん…なんて、食えない人なんだ…

俺は頭を抱えてリムルとトレイニーさんと共に会議場に戻った。

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