グラム家の日常
「アハハハ」「面白いなー」
「もう学校へ通うのも慣れたなあ。最初は恐る恐る電車に乗って学校へ行ってたけど今はもう笑い話でもしながら学校に行けるよなぁ」
「うん、ほんとだねぇ」
「にしても昨日のアニメは面白かったなあ」
「ドラえもんでしょ?」
「うん、旧世界でも大人気だったらしいね」
「そういえば今日ってなに学校でするんだっけ?」
「またかよリゲル、おまえいつもそうだよなあ」
「今日は『初等数学』だねえ。そろそろニホンの小学校の内容も終わるよ。」
「トムは割と真面目だな」
「失礼な言い方だな、兄ちゃんは」
「まぁ、自分らぐらい年長だと、どうもニホン本土の学校に合わせようと進度が早い。1年生のガキはいいなあ。ゆっくりで。
「おい、見ろよ。すごい数のヒコーキだぜ。」
突然そうリゲルは言うと電車の窓に顔を押し当てる。俺にも見せろよ。
「ほんとだ....僕、学校の『てれび』ではみたことあるけど実物は初めて見るかも。」
「俺もだ」「俺も」
電車の中を見るとみんな窓に釘付けだ。
「なぁなぁあれ、全部自衛隊の飛行機じゃね?」「だよな旅客機じゃなさそうだし」
『アニキ』
俺らは日本本土からきた人をそう言う。なんでそう言うのかも意味もよくわからないが彼らが使ってた言葉をそのまま使ってる。
ほんとなんだろうこの言葉。
そのアニキ達も不思議そうに見てるから本土でも珍しいことなんだろうか?
彼らの話からするとジエイタイのヒコーキらしいが。
学校に着いてからもジエイタイのヒコーキの話題で持ちきりだった。そこで俺らは親がジエイタイに入ったっていうやつらに聞いて回ったものの、まだ一番最初の基礎の訓練とかで詳しくは知らないが、このニシーミ市やサマワ湾を挟んで向こうにあるナーミ市とその近辺を防衛する第17師団っていうやつが新設されたらしい。そいつの親も訓練を終え次第配属されるそうだが、遂に当たりを引き当てた。
「で、さっきのジエイタイのヒコーキとかは、新設されるのもあるんだけど、輸送訓練も含めているってことか?」
「うんそうだよ、この前まで本土に住んでいたんだけどお父さんが今回配備される部隊に所属することになったんだってさ」
「へー、そうなんだぁ」
こうしてそれなりの収穫を得た帰り道。リゲルが例のヒコーキについての話をし始めた。
「全く、最初に答えたやつはなんのために親がジエイタイに入ってるんだか。」
「リゲル、それはいくらなんでも違うだろう。」
「ジエイタイに入れるようになったのも数ヶ月前かららしいからねえ、まだ基礎の訓練中というのも納得だよ。」
ふーん。トム詳しいな。
「この間家の『いんたーねっと』で見たんだ。」
「数ヶ月前っつーともう訓練は終わってんじゃねえの?前住んでたとこの近所のおっさんなんて1週間で戦場に行ったなんて言ってたぜ。」
「それニホンとサマワ王国の戦争の時だろ。その時はサマワ王国の方は日本から見たら骨董品のような武器なんだから自動小銃を撃ちまくる訓練とは違うだろ」
「俺もそう思うね、ジエイタイは傭兵とか入れてないらしいし。」
そこら辺よくわからんな。社会の教科書でも読んでみるか。
「ふ、よくわかんねーな。ニホンは....ってここもニホンか。ハハハ。そうだっ、港行こうぜ港。また船員の兄ちゃんが何かくれるかもしれないぞ。」
唐突にリゲルは俺との手を掴んで港の方へ駆け出す。意外に遠いんだぜ....
「つ、ついた。」「もう疲れたよ。」
「なーにへばってんだ。この間みたいにジュースとかもらえるかもしれんだろ。」
そういえば飲み掛けだけど冷たいジュースと食べかけのお菓子もらったな。
「ほら、船が.....あ。」
「どうしたリゲル、ジュースでも落ちてた....か....」
なんだあれ、いつもは緑とか白の船がいっぱいとまってるはずの港にそれが一隻もいない....?
いや隅に追いやられてるのか。
「な....なんだよあの灰色のでかい船。」「それも何隻いるんだ?」
港ではその灰色の船を岸壁に並べようとちっちゃい船が右往左往していて、今も湾外には入港しようとする灰色の船が停泊している。
「これも....ジエイタイの船なの?」「ジエイタイって何しにここまできたんだよ。今までこんなに集まったことあったか?」
一体何をしようとしているんだ。俺の新しい祖国は....
時間は1週間前に遡る……
次話…『火種』です。
毎度ありがとうございます!
テスト前なので少しペースが落ちるかもしれません。
応援してくれると嬉しいです。
大晦日までに完結できると思います?
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気合いで!
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