SPIDER-MAN Quintessential Quintuplets 作:まゆはちブラック
「いやー悪いね」
宿舎の寝室。多くの生徒がスキーで出払っている中、中野家の長女――
彼女が体調を崩した理由は昨日、
まだ秋とはいえ、夜の倉庫は極寒……薄着であるのなら、風邪をひくのも当然のことだった。
今は
「こんなときに体調を崩すなんて、ついてないなー」
「事故とは不注意が招いた結果です。反省して、日中は大人しくしていてください」
「え~~~」
絶対安静を言い渡されてぶうぶう文句を言う
一生に一度の学校行事だ。体調が悪いといっても微熱が出ている程度なので、
しかし、
時間はまだあるが、それも一瞬。限られた時間での思い出を看病だけに費やしてほしくなかった。
もっと楽しんでほしい……
「あー……
「ですが……」
「大丈夫。私も回復したら合流するから……それとも、マナブ君と顔合わせ辛い?」
「……ッ」
それを目撃して以降、
「あの日、食堂で会ったときには考えもしませんでした……まだ、日も浅いです。まさか、こんなことになるなんて……」
「あはは……ま~あれは事故のようなものだし……」
難しい表情を浮かべる
妹が何に悩んでいるのかは大体把握できるので答えるも、
ここ一ヶ月以上、
以前は同年代の男子を入れることは珍しいことだったが、今は当たり前になっている。距離感も出会った当初と比べれば、より近いものとなっている。
――そう考えれば、恋仲に。
「そんなに悪い人に見えるかな?」
「ッ!そ、そういうわけでは……!」
苦笑する
「ですが」と付け加えると、
「……友人ならまだしも、男女の仲となれば話は別です。私は彼のことを何も知らなさすぎる……。男の人はもっと見極めて選ばないといけません……」
と、自分に言い聞かせるように語る。
母親は父親を信じ、結婚に至った。父親の持つ魅力に惹かれたのだろう。
きっと生涯を共にしてくれる、と。
しかし、現実は違った。
父親は真に”父親になること”を恐れ、逃げ出した。
その結果、心を痛めた母親は最後の最後まで後悔に満ちた人生を送ることになってしまった。
「それが親しい人ほど……」
――だから、警戒する。
愛情を注いで信頼した人に裏切られた辛さ、悲しみは
静かに聞き届けた
「…………
母親の二の舞にならないために警戒しているということは理解していた。
だからこそ、彼らが自分たちを捨てた父親とは違う……断言できないが、そう信じたかった。
一方、宿舎近くのスキー場は、旭高校の生徒を含めた観光客で賑わっていた。
斜面に広がる真っ白な雪原は太陽の光を受けて眩しく輝いていた。
「はぁ……」
大勢の観光客が滑る中、
昨日の倉庫の出来事はすぐに教師の耳に入り、
当然、夜中に誰もいない倉庫にいたことで2時間も説教を食らい、よく眠れなかったこともあって、気持ちは沈んでいた。
そんな
今回も
「(俺がフラれたことを知って、
昂輝は
別に踊るわけでもないのにも関わらず、
そんなことも露知らず、馬鹿にされたと思った昂輝は威厳を取り戻すべく、
「へへへ……それっ!」
昂輝と取り巻きは掬った雪を掌で丸め、テニスボールサイズの雪玉を作ると、余所見をしている
どんなアスリートでも、背後に目がない限り、確実に食らってしまうだろう。
≈「――ッ!?」≈
ただ、それが
スパイダーセンスを持っている
たて続けに雪玉が飛んでくるが、左右後ろにステップで避けていく。
昂輝たちは雪玉を投げ続けるが
「くっそ!何であんなに動けるんだよ!」
涼しい顔で軽々と避ける
人間を超えた身体能力を持つ
「ふんっ!」
ポスッ
「「「あっ」」」
昂輝が渾身の力を込めて真っ直ぐ雪玉を投げ飛ばすと、何かに当たった音が鳴る。
ようやく当たったと思ったのも束の間、当たったものを目にして口をあんぐりと開ける。
「……」
当たったものの正体は強面の男性――生徒指導の教師だった。
ここにいるのは見回りのため、たまたま
生徒指導の教師が怖いのは旭高校の生徒なら誰でも知っており、
そんなに恐れられる教師――しかも顔面に雪玉を当ててしまった。
生徒指導の教師は頭の雪を払って、雪玉が飛んできた方向へ顔を向ける。
青ざめている昂輝たちを目にした瞬間、犯人と断定して眉間にしわを寄せ、大声で怒鳴る。
「ごらぁぁぁーーーッ!!!」
「やっべ!逃げろっ!」
「置いていくなよ~!」
怒号に肩をビクッとすくめた昂輝はブワッと焦燥の汗を流すと、向かっている生徒指導の教師から逃げ出す。
取り巻きたちも雪に足をすくわれて転びながらも、昂輝の後を追って逃げていく。
その様子を
「どーも」
「――わっ!?」
いつの間にいたのか。ニット帽とスキーゴーグルを装着した女性が立っていた。
女性の方は親しげに声をかけるも、驚いた
過剰な反応に不思議そうに顔を覗き込む女性に対し、
「ど、どちらさまで……?」
「
そう言って、女性がスキーゴーグルを上へずらすと、
見知った顔だと知り、
「お、驚かさないでよ~……!心臓が止まるかと思った……」
「ごめんね」
彼女の言葉から悪気はなかったようだ。
なので、
「さっきの凄かったね。雪玉全然当たらなかった」
「えッ!?ああ……!最近、筋トレにハマって……」
「そうなんだ……」
唐突な
昂輝との雪玉のやりとりを
「あれ?
「
そんな話をしていると、
このスキーは自由参加なので宿舎に残っててもいいのだが、遊びに行きたいのが大半だろう。
――仲間外れが嫌いだったな、と
逆鱗に触れてしまったと思った
怒られると内心怯えながら、
「……何かな?」
「彼、何て言ってた?」
「……?彼って……?」
「…………あーーもうっ!」
”彼”と尋ねられるも検討がつかない
痺れを切らして声を荒げると、続けて声を発する。
「スパイダーマンよ!あんた知り合いなんでしょ!?」
「え、あ~……」
昨晩にスパイダーマンとして
あのときは混乱したこともあってすぐに断れず、逃げるように隠れてしまった。
昨晩はずっとその件について悩んでいたが、すぐに倉庫に閉じ込められ、教師の説教で記憶の片隅から吹っ飛んでしまっていた。
「それで返事は?」
目を爛々と輝かせ、返事を待つ
良い答えが返ってくることを期待しているのは明白だった。
「彼は……来られなくなった。困っている人のもとに行かないといけないって……」
「そう……残念」
仮にスパイダーマンとして現れたとしても、自分はお尋ね者の身。学校関係者が見れば、大騒ぎ間違いなしで、林間学校どころじゃなくなってしまう。
姉の異常な惚気に
「……意外。面食いの
「ふふっ、言ってなさい、
「あんまり期待しない方がいいかも……」
変に妄想を膨らませて黄色い声を出す
何せ、そのスパイダーマンの正体は、アンドリューやトムに似ても似つかない……今まさに目にしている
それを耳にした
「……妙に知ったような口ぶりね。あんた、彼の顔知ってるの?」
「あ!いや、知らない。前に見せてくれって言ったけど断られた」
「そう、そうよね。愛する人の前でしか見せないのだわ。ふっふふっ……!」
失言してしまったと一瞬焦る
「――のあぁぁーーーーッ!!?」
ポスッ!
「「「!?」」」
そんなやりとりをしていると、悲鳴が近付いてきたと思うや否や、近くの積雪に衝突する音が聞こえた。
驚いた3人が音の発生源に近寄ると、雪まみれの風太郎が雪の上で寝転んでいる姿があった。
風太郎が倒れている場所から斜面にスキー板の痕が続いているので、大方、コントロールできなくて突っ込んでしまったのだろう。
「いってぇ~~……!」
「平気?フータロー、何やってたの?」
「ああ。
「無理しないでよ」
「善処する……」
だからこそ、無茶なことは他人にもさせたくない。
「上杉さん、見~~つけた………あれ?みんな揃ってる」
そうこうしていると、続いて
「わ~……フータロー君!真っ白けだね!ガトーショコラみたい!」
「美味しく出来上がったよ……言い出しっぺの
「あはは~……ごめん、ごめん」
毒吐く風太郎に
風太郎は責める気で言ったわけではなく軽口でなのだが、とりあえず謝る
「……寝てなくて大丈夫なの?」
「ゴホッゴホッ……へーきへーき。ちょっとだるいだけだからさー」
「あんたね~……」
心配する
姉の奔放ぶりに
「ところで
「考え事したいから、一人で滑るってさ」
「ふ~ん、そっか」
「(これって2人きりになれるんじゃ……?)」
2人きりになれる……すなわち、ダンスのペアに誘うチャンスということを示していた。
林間学校が始まってから周りの目があり、中々誘う機会が伺えなかった。しかし、今、彼女が一人だということはそのリスクを背負う必要はない。まさに千載一遇のチャンスだった。
「よーし!じゃあ、
「は!?まだやるって言ってないけど……第一、鬼ごっこなんて子供っぽいことやってられないわ。やるなら、私抜きでやりなさい」
「えー?小さいとき、サッカーに付き合ってくれたのにー」
「それは昔の話よ。もうごっこ遊びする歳じゃないでしょ?」
「やろーよ、やろーよ!絶対、楽しいのにー!」
参加する意思を見せない
「私もパス。マナブ君が滑り方教えてほしいって」
「………ッ!?」
直前で挙手する
唐突の提案に後退する足が止める――否、止められてしまった。
頼んだ覚えのない頼みに
「うまいね~!その調子!」
「あ、うん……」
その後、特に反対する意見もなく、
「確認したいんだけど……昨日のこと、誰にも言ってない?」
「ッ、もちろん。言えないよ、あんなこと……」
昨晩のことをはっきりと覚えている
当然、これを周囲――特に中野姉妹に話せば、余計な心配を与えてしまう。
辞めてほしくないという善意で行ったとしても、
「……」
「?」
予想とは違う反応に
「マナブ君。
「え?」
口を開く前に
先程とは全く関係ない話に
――新手のからかいか?と疑うも、彼女のいつになく真剣な顔を見て、そうでないことがはっきりとわかる。
「そうだな……彼女はいつも真面目でとっても優しいんだ。頑張ろうって気持ちが人一倍強い。それでいて、どこか抜けてるところがあって……支えてあげたいって思うんだ。不器用で意地っ張りなところがあるけど、そこが逆に良いって――」
「~~~ッ!も、もういいから!
「?」
自分のことじゃないのに妙に恥ずかしがる様子に
「……お願い。良かったら、
彼女は普段だらしない姿を見せることが多いが、たまに真剣な顔を覗かせることがある。今日は特にだ。
このスキー場は自分たちの学校だけでなく、色々な地域から一般客も押し寄せている。
大勢の人間がいるということは、悪いことを企む人間もいるということ。もし、
それに加え、カラカラだった喉を水で潤すように、ダンスを誘うチャンスが巡ってきた。
これを断るわけがない。
「わかった。探してくるよ」
「お願いね」
遠ざかっていく後ろ姿を
「(おかしい……何で見つからないんだ?)」
リフト乗り場、休憩所、駐車場、すれ違う人々を隈なく探したが、それらしき人物も見つかっていなかった。
時間が経つごとに犯罪に巻き込まれている最悪な可能性が浮かび、次第に焦りを募らせていく。
「フータロー?汗、凄いけど……」
「いや、平気だ……」
「休んだ方がいいよ」
――もう一度、探してみるか。
そう思って、リフト乗り場の方へ向かおうとした矢先、聞き慣れた声が耳に入る。
声のした方へ向かうと、休憩所の外壁にもたれかかる風太郎と心配する
――彼らなら何か知ってるかもしれない。
その望みにかけて、2人のもとへ近寄る。
「あ、マナブ」
「上杉。具合悪いの?」
「問題ない……ところで、何の用だ?」
「どこかで
熱っぽい風太郎のことが気がかりであるも、
これだけ広いスキー場であるのなら、どこかで見かけることは十分あり得る。
「いや、見てないな……」
「私も」
しかし、
逆に2人は何かあったのかと尋ねるような視線を向けていた。
見なかった……その返答に
「あ!
後ろから現れた
それを見て、
「こんなところで油断しちゃ駄目ですよ!あとは
一気に2人を見つけて、気分がいい
苦笑する
「
「……?いえ、探しましたけど、見かけもしませんでした」
きょとんと目を丸くする
これだけ探し回り、3人もの人間が動き回っているのに誰も見かけていない。
現状から整理して考察すると、最悪な展開が頭を過る。
――遭難したのではないかと。
整備されているとはいえ、ここは自然に近く、未だ未開の地もある。洞窟の抜け穴に落ちたなど十分あり得る。
更に広々と真っ白な景色が広がっているので、方向感覚もままならないだろう。
「……思ったよりマズイかもしれない…………」
「どういうこと?話、聞かせなさいよ」
神妙な顔を浮かべる
全員がまた集まったことなので、
『……遭難?』
口揃えて声を出す5人に
他の5人は囲むように地図に寄る。
「いくら広いといっても、みんな会ってないなんて不自然だ」
「確かに……そいつは変だな」
全員、先程まで別々の場所にいたのだが、誰も
コール音が鳴っているスマートフォンを耳に当てていた
「電話に出ない……。
「え?うん……。もしかしたら、上級者コースにいるんじゃない?」
「そこは私も行ったけど、いなかったわ」
そう言いながら、
推測が外れ、またも振り出しに戻ってしまい、沈黙が訪れる。
「……ちょうど入れ違ったかも。私、見に行ってくるよ」
「あっ!まだ、ここ見てないかも!」
『えっ』
流石に居ても立ってもいられなくなったのか、
教師から再三注意を受けた
――もし、
緊急事態だと悟った一同の判断は早かった。
「本当にいないかコテージに見に行く」
「私は先生に言ってくるよ!」
「ちょっと待って!?もう少し探してみようよ!」
現状ではやるべきではない、真逆の行動に
「何でよ?場合によっては、レスキューも必要になるかもしれないのよ?」
「えっと……
「……大事って………呆れた」
いつものように冗談っぽく言う
「―――
と、大声で諫める。
妹が危険にあって、今もどこかで助けを求めているかもしれない……。特に姉妹想いが強い
「……ごめんね」
「……ッ」
シュンと縮こまる
「……俺も手伝う。思い当たるところがあるかもしれない」
「駄目だよ、フータロー。具合悪いんでしょ?」
「人手は多い方がいいだろ……!こんな事態に、おちおち寝ていられるかよ」
熱っぽくフラフラとしながらも風太郎は心配する
風太郎はらいはから風邪をもらってしまい、今朝から体調を崩していたのだ。
病に侵された身で冷えたスキー場に行けば、当然症状は悪化の一歩を辿ることとなる。
それでもなお、
はっきりとわからないが、真意は後者であることと願う
「僕に心当たりがある」
怖気づかず、はっきりとした口調。その言葉に一同は耳を留める。
「心当たりって……」
「大丈夫。居場所ははっきりとわかった」
「信じていいのね……?」
訊き返す
「あとは僕に任せて……上杉を誰か先生のところへ連れて行って、休ませてほしい」
「お、おい……
「さっき言っただろ?無理はしないでって」
「……わかった」
風太郎は尚も病態を押して手伝おうとするも、
「
「!」
ぐったりとする風太郎を
突然の依頼に意図が見えない
「もしかして、心当たりって……ここから捜すこと……?」
「……そうだよ」
隣に座る
2人は現在、上級者コースへと続くリフトに乗っていた。
下には真っ白なゲレンデを滑る観光客が小さく見え、地上よりも高いこともあって、少し肌寒さを感じていた。
「確かによく見えそうだけど……ッ!」
「……?どうした――あっ……」
急に黙り込んだ
前のリフトに乗るカップルらしき男女が肩を寄せ合っていちゃついていたのだ。
それを見た
前方の光景に視線を合わせ辛いながらも、
「……君、
「……ッ!?」
単刀直入に尋ねられた
何を言っているのかといった感じで、動揺していた。
しかし、あっと声をあげると、いつものように小悪魔的な笑みを浮かべる。
「やだな~~マナブ君。いくら私がカメレオン女優だからって、偽物あつか――「
いつもなら和やかな表情を見せる
そう、
今日の行動や言動から、昨日までの
確信を持って偽物だと判断した
呆れからなのか……。
嘆息をついた
「……君が
「……ッ!」
「咄嗟に出たかもしれないけど、
この段階で不審に思ったのだが、単に間違えたかもしれないという可能性があり、詮索はしなかった。
だが、この証拠を突きつけられた偽
これだけでも効果絶大だが、
「……次は地図を見るときに目を凝らしていたこと。彼女は視力が悪くないから特に読み辛さはないけど、君は目を凝らしていた……まるで
「……」
「さっき、フードから君の耳が見えたけど、右耳にピアス痕がなかった。ピアスを着けている人なら、ピアッサーで耳たぶに小さな穴が空いてるけど、君の耳には
「……ッ」
その表情はしまったといったものだった。
彼女の反応に確信した
「………
もういいだろと言わんばかりの口調で告げる。
それを口にして、しばしの沈黙の後、偽
その正体は
「………ごめん。ここまで大事にしちゃって。みんなの前だと言い出し辛いだろうから……」
その後、またも沈黙が訪れる。誰も話さないので、風に乗って吹雪く雪がより冷たく感じた。
しばらくすると、
「すみま……せん……でした……。私……確かめたくって……」
「……?確かめるって、何を?」
「それは……」
「お願い……言ってよ。周りには僕たちの知り合いはいないからさ」
今回の変装をした理由を話すことを渋る
今のところ、同じ学校のクラスメイトらしき姿は見当たらなかった。変装してまで行ったことは只事ではないので、
それを受けた
「………昨日、倉庫へ迎えに行ったときに見ちゃったんです………
「………え?僕が
「すみません……!プライベートなことに首を突っ込むことが間違いなのはわかっています!ですが……まだ日も浅くて、あなたのことをよく理解できていないのに恋仲になるなんて、危険だと思って……!
目尻に涙を浮かべて謝罪を述べる
実の父親のこともあり、
いくら姉のためとはいえ、周りの人間をひっかきまわして行うほどのことではない。信頼を確かめるどころか、嘘を通し続けて自分の信頼を失うことかもしれない事態に陥った。
散々困らせたことに
「ははっ、何で謝るの?」
「………え」
予想していたものとは全く違う反応に
「確かに
「で、では……あの倉庫のことは……!」
「あれは事故だよ。彼女を丸太から助けたときにバランスを崩しちゃって………
ないないと否定する
おぼろげながら、そんなことを話していたことを思い出した。
”
つまり、全て
「す、すみません……!私の……思い過ごしでした……」
「あっ……!ああ………いいんだよ。もうしないでね」
「はい……」
それに気付いた
今にも泣きだしそうな雰囲気の彼女に
反省して泣いている人に追い打ちをかけるほど、
リフトの中間地点を通り過ぎた頃、
――ダンスを誘えるチャンスじゃないか、と。
リフトで2人っきりなので、聞き耳を立てられる心配はない。周囲にも知り合いらしき人物は見当たらない。
絶好の機会とはまさにこのことだと
負い目に付け込むような行いかもしれないが、周りを話せる機会は今しかない。
「……あ、あのさ。こんなこと話すべきじゃないかもしれないけど……良かったら………僕と今夜のダンス踊ってくれない?」
◆イースター・エッグ◆
①トム・ホランド
MCU版スパイダーマンを演じた俳優。本名は『トーマス・スタンリー・ホランド』。
スペルは違うが、スパイダーマンの生みの親の1人であるスタン・リーの名前が入っているのは運命としか言いようがなく、スタン・リーも歴代スパイダーマン俳優の中で彼が一番スパイダーマン/ピーター・パーカーに合っていると太鼓判を押している。
トムは「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(2016)でスパイダーマン役として初登場を飾り、続く数多くのMCU作品に出演、活躍した。
ファンの間では、トビー・マグワイアは『最高のピーター・パーカー』、アンドリュー・ガーフィールドは『最高のスパイダーマン』、トム・ホランドは『最高の高校生』と言われ、この3人は「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」(2021)にて共演し、全世界のスパイダーマンファンを熱狂させた。
シンビオートを登場させる?
-
さあ、ノッていこうぜ…(YES)
-
じゃあな、マヌケ(NO)
-
何だよ、ゴブリンJr.…泣くのか?