SPIDER-MAN Quintessential Quintuplets 作:まゆはちブラック
※注意
時系列は原作漫画4話から5話の間に当たりますが、原作とは日数が異なっているのでご了承ください。
生活の始まりを告げる穏やかな時間に不穏な事件が発生していた。
「おら!さっさと金を入れろ!」
コンビニで2人組の男がレジの金を狙って強盗をしていた。
手元でナイフをちらつかせており、抵抗すれば殺されてしまう。
従うしかなかった店員の男性はレジから金を引き出すと、カウンターに投げ渡されたカバンに詰めていく。
「こ、これで全部です……」
「へへっ……よし!ずらかるぞ!」
「おう!」
カバンを受け取った強盗は金がちゃんと入ってるか確認すると、仲間を連れて退散する。
──店長に何て説明すれば……。店員が悩んでいた矢先、空からやってきた赤と青の人影が出入口から出た強盗に迫る。
ピシュッ!
「おぉわッ!?」
バキッ!
「のわぁぁぁぁーーー!?」
「!?」
その人影は強盗の1人をウェブで近くの電柱に吊り上げ、もう1人の強盗には鉄拳を加えて壁に叩きつける。
突然の出来事に店員は驚いていると、出入口から強盗が盗んだ金が入ったカバンがカウンターに放り投げられる。
店員は赤と青の人影にお礼を告げようと外に出るが、すでに姿をくらましていた。
謎の人物がコンビニ強盗を倒した。このニュースは瞬く間に広がり、大きな話題となった。
彼の行動はこれだけにとどまらなかった。
ある日。街中で貴婦人漂うショルダーバッグを肩に背負っておばあさんが歩いていた。
すると──
「いただき!」
「あっ!?ひったくりよーーーーー!!」
後ろから突然バイクが迫りくると、操縦する男はおばあさんのショルダーバッグをひったくった。
おばあさんは周りに助けを求めて大声で叫ぶが、巻き込まれたくない皆は知らないふりを通そうとする。
誰も助けてくれない現実におばあさんは悲観する。
「へへっ、ちょろいも──おわッ!?」
ひったくり犯はヘルメットの下でほくそ笑むが、次の瞬間、前方に張り巡らされた巨大な蜘蛛の巣にバイクごと衝突する。
ひったくり犯は逃げようともがくが、蜘蛛の巣の粘着力の前にはビクともしない。バイクもくっついたままタイヤをクルクルと回しているばかりだ。
その間におばあさんの手元にショルダーバッグが空から戻ってくる。
誰がやったのか疑問に思っていると、ショルダーバッグの小物入れ用ポケットに名刺サイズの紙が入っていることに気付く。
「『あなたの親愛なる隣人 スパイダーマン』?」
おばあさんは紙に書かれている文字を読む。
スパイダーマンと名乗るマスクを被った謎の人物の活躍は暴漢に襲われている女性、かつあげされている男子中学生、ダンプカーに引かれそうになる老人の救助……多岐に渡っていった。
この自警活動はニュース、新聞、SNSといった情報媒体で大きく取り上げられた。
「見かけは蜘蛛だけど………あんな親切な人はいないわ」
「スパイダーマンは俺たち一般市民を守ってくれてんだ」
「怪しい人。事件なら警察に任せればいいのに……」
「法律違反のイカレた奴だ。俺は認めねぇ!」
テレビ番組では目撃者の街頭インタビューが連日のように流れていた。
彼を賞賛するものもいれば、逆に否定するものもいる。特に警察は彼を認める姿勢ではなかった。
世間の反応はまさに賛否両論だった。
ピシュッ!
そんな人々がいる街中をウェブスイングしながら飛び回る赤と青の人影。人影はオズコープタワーの屋上に設置されている鉄塔の側面に飛びつく。
東から差し込む朝日が全身を照らす。そこにいるのは、鋭い目つきの赤いマスクに、蜘蛛の巣が全身に張り巡らされ、胸元と背中には蜘蛛のシンボルマークがついている赤と青のヒーローだった。
その正体は
いつまでもくじけても叔父はもう帰ってこない。大いなる力を授かったからにはそれ相応の責任を負わなければならない。
深く理解した
それが叔父への贖罪と望みだと信じて……。
ピシュッ!
「フォォォォォーーーーーーーーッ!!!」
スパイダーマンはウェブを近くのビルに引っつけると、高揚感溢れる雄叫びを上げながら今日も空を飛んでいった。
「スパイダーマンは誰だ……?フンッ!犯罪者に決まってるだろう!自警団気取りのゴロツキ野郎だ!そいつが何で一面だッ!!」
スパイダーマンが自警活動を始めて一週間が経った頃。社員が慌ただしく働く新聞社『デイリー・ビューグル』の編集長──
デイリー・ビューグルはT市一番の新聞社で様々な情報をいち早く正確に伝えることで有名だ。アメリカ育ちの編集長による豪快な経営もあって、新聞社でのシェアはトップを維持している。
ギラギラとした目つきで自慢のひげをこすりながら不満を漏らす
「話題の人物です。この前もビルの火災から14人も救い出しました」
「自分で火を放ったんだろう。その証拠に何かあるとすぐ現れ……見ろ!急いで現場から逃げてるじゃないか!」
「どこかで人を救うためですよ。彼は英雄です!」
新聞記事に写るブレブレのスパイダーマンの写真を指差しながら指摘する
もちろんだが、スパイダーマンこと
それに対して
「じゃあ、マスクは何だ?何故、顔を隠す?奴が善人だと言うのなら、堂々と顔を見せればいいじゃないか!」
「編集長。彼にもきっと事情があるんですよ」
「事情ってのは悪巧みのことか?きっと自作自演をしているに違いない。顔を隠しているのが何よりの証拠だ!覆面をつけている奴は信用ならん!」
憎々しげに言い放った
タバコを口に咥え、ライターで火をつけようとすると──
「編集長。ここは禁煙です」
「~~ッ!日本はどこもかしこも禁煙ばかりでろくに吸えんッ!!」
秘書の
苛立つ
「ですが、編集長。この新聞、
「……ッ、売り切れ?」
「
比呂は耳を止めた
スクープのこともあるが、何よりスパイダーマンのことに興味を持ってもらおうと。
それを聞いた
「明日の朝の一面は写真入りのスパイダーマンで行こう!ネットニュースの方もだ!」
──読者の関心がスパイダーマンに向いているのならそれに応じるのが記者だ。
スパイダーマンのことは気に入らなくても、
やる気に満ちている
「ところが写真は1枚も無いんです。この1週間、どのカメラマンも街中を駆けずり回っているんですが………」
「ほぉう……?シャイなのか。すると、あれか?Tバックの
窓から外の景色を眺めながら、スパイダーマンと報道を使って戦うことを宣言する
敵意を向ける彼の姿に比呂と細田は目を丸くしながら顔を見合わせるのだった。
その頃、
下駄箱で上履きに履き替え、教室に向かって歩いていた。
廊下ではいつものように行き交う生徒たちが和気あいあいと雑談していた。
「なぁ、知ってるか?スパイダーマンのこと!」
「知ってる、知ってる!」
「今朝も車上荒らしを捕まえたんだろ?凄いよな~……」
色々な話題が飛び交うが、ここ最近の話題は世間と同じく、スパイダーマンのことばかりだった。
学生である彼らもテレビやSNSを通して知っており、スパイダーマンのニュースは1週間、Twitterのトレンド1位を独占している。
どこにいっても自分の活躍する話が聞こえ、
だけど、有頂天にならない。あくまでそっと微笑む程度だ。
「スパイダーマンの素顔ってどんななんだろ?」
「きっとイケメンよ!レオナルド・ディカプリオ似だったりして!」
「ジェイク・ギレンホールに似てるかも!」
「(その正体はすぐ近くにいるけどね)」
廊下の端でたむろしている3人組の女子の会話を聞いて、
──スパイダーマンの正体が自分だと知ったら彼女たちはどんな反応を見せるだろうか?
気になりはするが、自分の正体を明かすわけにはいかない。富や名声を得るために戦っているのではなく、純粋に人助けのために戦っているのだと
「おはよう、
「あ、涼介。おはよう」
そんなことを思っていると、階段を上がった先で涼介と出会う。リュックを背負っていないことから、早く登校してきたことがわかる。
涼介と
明るい表情を浮かべていた涼介だが、一変して気まずそうな表情でそっと尋ねる。
「その……もう、平気か?叔父さんのこと」
「大丈夫だよ。もう立ち直った。いつまでも引きずってちゃ、叔父さんに怒られるからね」
「そうか……俺も母を亡くした。辛いときはいつでも力になる」
「ありがとう、涼介」
親友の気遣いに
涼介は幼い頃から
葬式にも父親共々顔を出してくれて、
友人関係に恵まれていると改めて実感した
しばらくして教室の前につき、涼介と別れた
教室内はいつも通りの光景で、友達と喋っていたり、静かに自習している者がいる。
「あ、おい……」
「?」
自分の席に座り、リュックから教材を取り出していると、前から昂輝が話しかけてくる。
その様子はいつものガキ大将っぷりは鳴りを潜め、どこか話しかけにくそうだった。
疑問に思った
「……叔父さんのこと、残念だったな。その………何だ………?元気だせよ」
「ッ!?」
昂輝から出た気遣いの言葉に
普段の彼の態度からは想像がつかない”相手を思いやる”という行動に、嘘じゃないかと一瞬疑った。
しかし、彼は気分は顔に出るタイプだ。物悲しそうな表情をしていることから、本心で言っていることは間違いない。
「ありがとう昂輝。僕は平気。でも、周りに聞かれても大丈夫?キャラに合ってないよ?」
「~~ッ!?馬鹿!勘違いするなよ!これはお前の叔母さんへの伝言だ!お前のことは嫌いだけど、叔父さんも叔母さんも良い人だ!ぜーーーたいッ、勘違いすんなよ!!フンッ!」
「(良かった。昂輝がしんみりするなんてのは似合ってない………。でも、あいつも案外悪い奴じゃないかもな……)」
元の調子に戻った昂輝を見て
昂輝をからかった理由は落ち込んでほしくなく、いつも通りの彼になってほしかったからだ。
ちょっと不親切にしてしまったかと思うが、この方が彼には効き目があるだろう。
こうやって気遣ってくれる意外な一面に遭遇した
そんなことを考えていると、次は
「おはようございます。
「あ!やあ、おはよう……」
憧れの人に挨拶をされて言葉が詰まりそうになりながらもぎこちない笑顔で挨拶を返す
変わらぬ美しさに
「あの、盗み聞きするつもりはなかったのですが……先程、叔父さまを亡くしたとか………」
「ああ、そうだよ。でも、気にしなくていいよ。もう過ぎたことだし………」
「そうですか……わかりました」
彼女も心配しに来てくれたようだが、この様子だと他にも言いたいことがあるようだ。
「……
「え?」
突然のお誘いに
誰もいない場所で男女2人きりでする大事な話………それは”告白”。
漫画やアニメしかないシチュエーションかと思っていたが、まさか自分が体験することになるとは。
──僕にもついに春が来たか!と今の季節は秋ながらも妄想に浸っていると、中々返事が返ってこない
「あの……?他にご予定が?」
「あっ!いや、大丈夫!すぐに」
「良かったです。では、お昼に屋上でお待ちしてますね!」
了承を得た
「(笑顔もやっぱり素敵だ……)」
その後、HRで担任の先生が色々と話すが、
とにかく、早く昼休みが来ることを待ち望んだ……。
そして、昼休み。多くの生徒が食堂へ向かう中、
待ちに待った時間だけあり、その足は軽やかだった。
「(何て言われるんだろう?『好きです』なんて言われたら僕は………!)」
告白のシチュエーションを妄想する
期待を膨らませながら屋上に着くと、彼女はすでにそこにいた。
「………やあ、話って何?」
深呼吸して気持ちを落ち着かせてから話しかける。できるだけ平穏を装って。
思っていたことを膨らませていると、期待が外れたときにかえって失望感が大きくなるので、期待半の心構えで臨む。
「はい。実は、私たちの”家庭教師”をお願いしたいのです」
「ん?家庭教師?」
同級生同士の会話としては聞き慣れない単語に
告白じゃないことに若干残念がりながらも、事情を聞くことにした。
「私たちは今、父が依頼した家庭教師………
「上杉って、あの上杉
「はい………ですが、彼酷いんですよ!?勉強できることは尊敬しますけど、性格が酷くて!100点の答案用紙を見せびらかしたり、私が個人的に勉強を教えてくださいと頼んだときは断ったのにお金絡みのこととなると掌を返してズカズカと偉そうに!おまけに………ふ、太るぞって………ッ!!」
「そ、そうなのか……」
恨めしそうに話す
風太郎とは同じクラスで、定期テストではいつも
彼とは1年生のときに話したことはあるが、自分の才能で相手を見下している姿勢に抵抗感があり、それ以来話していない。
悪評は周りから散々耳にするが、優しそうな彼女がここまで言うのだから、相当に酷いのだろう。
「そこで、私は父に家庭教師を変えてもらおうと相談しました。同級生の方からあなたは勉強が得意で、上杉君と同じ学年1位……しかも彼以上に頭が良いかもしれないと聞きましたから。……家庭教師を変えることは反対されました。不服ですが。その代わりに家庭教師を増やすことを提案されました」
「はぁ……」
「私から話せることはここまでです。詳しいことは父から聞いてください」
ハイテンポに説明されて圧巻されながらも
すでに通話状態になっており、いつでも話せる状態だった。
通話相手が好きな女の子の父親とあり、緊張する
「変わりました。
《
「そうです」
《僕は中野 マルオ。彼女ら五つ子の父親だ。君のことは
「はい……」
電話越しのマルオに賞賛されているにも関わらず、何故か
電話から聞こえるマルオは言葉こそ良いものの、声は全く人情味を感じず、まるで機械が喋っているように感じた。それにどこか自分の娘を他人行儀にしてる気がしてならなかった。
不安な
《上杉君に頼んでいるが、5人相手では中々回らず手を焼いていると思う。そこでだ。是非、君には上杉君と協力し、娘たち全員を卒業まで導いてやってほしい》
「卒業まで?」
《ああ。彼女たちは学力の方は自信がなくてね、高校生活を最後まで過ごせない可能性が非常に高い。せめて高校は卒業してほしい、というのが僕の願い……その手助けをしてほしい。なに、報酬は払う。1人につき5000円───5人を教えるから1日25000円。週3~4日のシフトだから、月に約30万だ。どうかね?》
マルオに問われた
リビングでは叔母である
元々そんなに裕福ではなかったが、働き手である叔父の
置かれている状況も考えると、断るという選択肢は彼にはなかった。
それに──
「(彼女の近くにいれるから……)」
上杉 風太郎という嫌な奴がオマケでついてくるが、好きな女の子と親しくなれる可能性がある。
「わかりました。その話、お引き受けします」
《そうか、感謝するよ。さっそくだが、今日から取り掛かってくれ。顔合わせも併せて……。君のことは十分に期待しているよ。それでは失礼する》
承諾を受け取ったマルオはそう告げると、通話を切った。
「携帯ありがとう」
「いえ………それで家庭教師の件は?」
「ああ、やるよ?困ってるのに断るなんてできないからね」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
その返事を聞き、
少しは信頼できる人が傍についてくれることは彼女にとって大きなプラスだ。
「……えーとっ、
「構いませんよ」
「よし……
「よろしくお願いします!
細くて白い手が触れて
食堂以来、改めて挨拶を交わした2人だったが……
ぐうぅ~~~……
と唐突に大きな空腹音が鳴る。
まさかと思って
この様子から空腹音の音源は
「お昼だし、まずは何か食べよう?」
「は、はい………」
この後、
放課後。
「高いなーー……」
黒薔薇女子校に通っていた経歴、1日25000円ものアルバイト料を考えれば、富裕層であることはわかっていたが予想を遥かに超えている規模に頭が痛くなる。
流石にオズコープタワーほどではないがそれでもかなりの高さで、月に150万円以上はするだろう。
「
「ッ、
先にエレベーターに乗り込んだ
エレベーターは途中で乗り降りしてくる人もいて止まったりしたが、25階を過ぎてからは2人っきりとなり、あっという間に彼女たちが住む部屋がある最上階──30階へと到着した。
連れられた
親友の涼介の家と似た、いかにも金持ちが住んでいる内装だなと
顔が瓜二つの4人の女子を、目つきが悪い男子が後ろから追うような構図だ。
目つきが悪い男子──上杉 風太郎は催促させる。
「ほらほら、休憩終わりだ。さっさと始めるぞ」
「えー!もう休憩終わり?フータロー君、もうちょっといいんじゃない?」
「何が『もうちょっといいんじゃない?』だ!10分間休憩だっつってるのに、お前ら
「ケチー」
「あーやだやだ。もう少し静かにするってこと学んでほしいわね」
ショートヘアーの女子の言い分に風太郎は青筋を立てて拒否する。受け入れてもらえなかったショートヘアーの女子は子供っぽく愚痴り、横にいたロングヘアーの女子はうるさそうに毒を吐く。
困り果てている風太郎を見て、
風太郎は相変わらず口が悪いが、それよりも生徒である彼女たちの積極的ではない態度が気にかかった。
「ただいま帰りました」
「あ、おかえりー」
「おかえり、
一方、
「
「はい。その通りですよ。彼も私たちの家庭教師をして下さるんです」
『えっ!?』
その疑問にさらっと答える
もっとも、4姉妹は想像していたのと違う反応で、風太郎は不安からくる反応だった。
風太郎は冷や汗をかきながら
「待て待て
「ご安心ください。父はあなたを解雇するつもりはありません。アルバイト料もこれまでですし、2人で協力するという条件だけ増えただけです。私としては本っ当に不服ですけど………」
「聞こえてるぞ」
人は自分の悪口ほど敏感になるというものである。
とりあえず風太郎がひと安心したところで、
「……ど、どうも始めまして。
『………』
ぎこちない笑顔で自己紹介をするが、姉妹たちの反応は薄かった。居心地の悪い空気に
場の悪い空気を察した
「あっ、
末の妹から紹介を受けた4姉妹は少しは信頼したのか、それぞれ異なった反応を
この反応から同じ顔でも性格が違うことが
自己紹介も終わり、これからどうしようかと考えていると、
「あまかいさん!あまかいさんってどういう字なんですか?」
「え?えーーっと、君は
「はい!」
「うん。僕の苗字は天の海って書いて、
「へー……凄い名前ですね!この辺りじゃあまり見ないです」
「ははっ、そうだね。君の妹にも同じこと言われたよ」
フレンドリーな
元気でとっつきやすそうな雰囲気に
そうしていると、次は
「マナブ君。お姉さんからも質問いいかなー?」
「いいよ?どうぞ?」
「
「……ん?」
質問の意図がわからず、思わず訊き返す
どういう関係と訊かれた
どっちなんだと首を傾げる
「
「……」
小悪魔な笑みを浮かべながら尋ねる
男女間でのそういう関係。1つは友達関係。もう1つは恋人関係だ。
小学生で男女が仲良くするとはやし立てるアレと同じだ。
「そ、そういう関係?
反対に
それはとぼけているのでなく、本当に意味がわかっていない様子で、質問するぐらいだ。
意外な鈍感っぷりに
「いや、彼女とはただの友達だよ。同じクラスだからね。アルバイトも彼女の電話を借りて引き受けたんだ」
「そうかそうか。でも、本当に
「そうだよ?」
「ふーん……そっか」
それを聞いて
しかし、返答が期待通りじゃなかったのか少しつまらなそうだった。
視線が気になり、顔を向けると、
「えーとっ………何?気に障ることでもしたかな?」
「別に。新しい家庭教師がくるって言うから期待してたけど、あんたみたいなダサい奴でガッカリしてるのよ………。上杉だけでもキツイのにこんなオタクがきたんじゃ、ますますモチベーションが下がっちゃうわ……」
「オ、オタクって………」
別人とはいえ、
この暴言とも言える発言に
「
「何よ、
「違います!確かに上杉君は最低で人としての暖かさは微塵もないですが、
「おい、さらっと俺の悪口言っただろ」
風太郎がツッコミを入れるが
「たった一回の恩だけで信用するなんて、見る目がないんじゃない?そんなんだからいつまでも瘦せないのよ!この、肉まんおばけ!」
「に、肉ま………!あなただって人のこと言えないじゃないですか!好みのタイプは全部顔でしか判断していないじゃないですか!大事な性格は考えず!
「言ってくれるわね……!三段腹予備軍のくせに!」
「むぅ~~!もう許しません……!」
言い争った
今にも喧嘩しそうな2人を
「どうしたの?」
「マナブにいいこと教えてあげる……。
「
姉妹のわちゃわちゃと言い争うさまに
「なあ、その……よろしくな?」
「ああ、よろしく。君、大変だったんだね……」
「まあな。勉強しようとしたら逃げられるわ、暴言を吐かれるわ、睡眠薬を盛られるわ………。お前も注意しておいた方がいい。特に
遠くを眺めながら忠告してくる風太郎を見て、
確かに彼の性格は褒められるものではないが、個性が強い彼女たちの扱いには苦労しているようだ。特に睡眠薬を盛るだなんてやりすぎだ。
──これは一筋縄ではいかないな、と
その音に姉妹たちは静かになる。
「そこまでだ。ただでさえ予定より遅れているんだ。昨日や一昨日の分も含めて勉強するぞ」
そう言って風太郎はさっそく勉強を始めようとするが………
「あ、ごめん!バイトがあるんだー」
「私もバスケ部のお手伝いがあるの忘れてましたー!」
「パス。友達と遊ぶから」
残された姉妹は
「大丈夫……?」
「大丈夫、大丈夫。もう慣れた。あははは……」
そう言って笑う風太郎だが、目は死んだように全く笑っていなかった。
家庭教師初日にして
「(勉強を教える前に、”勉強嫌い”を治さないと……)」
勉強を教えるのは簡単だが、勉強嫌いを治すとなると難易度は変わる。精神的な面での教育をしなければならないとわかった
しかし、だからといって
いつも苦労をかけている
生活費や自分の学費のためにも、ここで諦めるわけにはいかない。
「………とりあえず、君たちだけでも勉強しない?」
「御意……」
「そうですね」
提案を促すと、承諾した
風太郎は
最初は風太郎と
ちなみに
「(眼鏡かけるんだ……)」
勉強の最中、
意外な共通点に
「
「あー、それね。違うよ。『Go get'em tiger』は変わった言い回しで、”やっつけちゃって”とか、”頑張って”っていう励ましの意味があるんだよ」
「なるほど……そうなんですね!ありがとうございます!」
不安を感じていた
こうして、
この出会いがまた自分の運命を大きく動かすことになるとは、このときの
◆イースター・エッグ◆
①レオナルド・ディカプリオ
ピーター・パーカー/スパイダーマン役の候補だったというネタ。
スパイダーマンの映画計画は映像化権と共に様々な映像会社の手に渡っていった。
カロルコ・ピクチャーズに渡った際、ジェームズ・キャメロン監督がメガホンを取る予定だった。そのときの主役として指名されたのが、レオナルド・ディカプリオ。
トビー・マグワイアとは子役時代からの親友でもある。
権利がソニー・ピクチャーズに移り、サム・ライミ版でもレオナルドに主役をやってもらおうとしていたが、彼は申し訳なく思いながらも拒否。レオナルドがサム・ライミ監督に紹介したのが、トビーである。
サム・ライミ監督は「サイダーハウス・ルール」(1999)という映画で笑顔ながらも哀愁漂う演技がピーター・パーカー/スパイダーマンにふさわしいと考え、彼にオファーを送ったという。
②ジェイク・ギレンホール
彼もレオナルドと同じく、スパイダーマン役の候補だったというネタ。
トビー・マグワイアはサム・ライミ版「スパイダーマン」(2002)の翌年の「シー・ビスケット」(2003)という映画で乗馬の際に腰を痛めた。その際にスター病にかかったのではないのかというありもしない噂が広まり、これを受けたソニー・ピクチャーズは制作中だった「スパイダーマン2」(2004)からトビーを降板させ、ジェイク・ギレンホールを主役に据えようとした。
これを聞いたトビーのエージェント、さらには「シー・ビスケット」の制作会社の社長がトビーを主役から降ろさないように説得して承諾。トビーは腰の治療を終え、無事に撮影へ挑んだ。
なお、ジェイク・ギレンホールは「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」(2019)にてヒーローになり替わろうと企むヴィラン──ミステリオ役を演じた。
③アンドリュー・ガーフィールド
マーク・ウェブ監督の「アメイジング・スパイダーマン」シリーズにて、主人公であるピーター・パーカー/スパイダーマンを演じた俳優。彼は幼い頃からスパイダーマンのファンで、ハロウィンで仮装したり、コミコンでコスプレするほど。トビー・マグワイアのスパイダーマンをみたときは感動したという。
当時はサム・ライミ版が終わってから間もない頃もあり、ピーター・パーカー=トビー・マグワイアのイメージがついていたため、トビーのピーターと比べて明るめでイケメンすぎる彼は多くのファンに批判された。
しかし、スーツを着たときの彼のシルエットは原作のスパイダーマンそのもので、それに関してはファンからは高評価を受け、『最高のスパイダーマン』と今なお評されている。
④『Go get'em tiger』
意味は「やっつけちゃって」という明るめの言葉。tigerは虎の他に強い人、親愛なる人のことを指し、虎は負けそうになってもあきらめずに最後まで獲物を得るまで戦い続けることに起因する。
原作のMJはピーターを励ます際の口癖としてtigerと呼ぶ。この台詞はサム・ライミ版「スパイダーマン2」(2004)にて、MJがピーターを見送る際に使われた。「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」(2021)でもベティ・ブラントがこの台詞を発している。
ちなみにMCU版のベティ・ブラントの日本語吹き替えと
スパイダーマンを増やす?
-
YES!(ヒロインなし)
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YES!(オリジナルヒロイン)
-
YES!(五つ子の中からヒロイン)
-
NO
-
It's Morbin time