(スターウォーズとグラブルの二次創作は)初投稿です。
どっちも世界観が深いので、筆者が把握しきれていない設定などで原作との乖離が生じるかもしれません。ご注意ください。
ここら遥か彼方の銀河系。
2つの物体が宇宙を駆ける。
宇宙船だ。
前方を飛ぶ宇宙船は様々な軌道で舞う。それを後方から付かず離れずの位置で追うもう一機。
どうやら前を飛ぶ青い機体は後ろの機体に追われており、振り切りたいようだった。
ピピピッ! ピピピッ! ピピピッ!
機体がターゲティングされ警報音が操縦席内に響く。
それにも負けない音量で男は相棒に向かって叫んだ。
「クソッ! まだ振り切れないか! R6、ハイパードライブの準備はどうだ?」
『────!』
「準備完了だな、飛ぶぞ!!」
倒されるレバー。
ハイパースペースに侵入したその機体は直線方向に超光速に乗って動き出す。目指すのは誰も知らないような辺境惑星。
そこで潜み生き延びるため、彼は碌な座標設定もせずに飛び立った。
そこで新しい出会いが待っているとも知らずに。
◆◆◆
モニカ・ヴァイスヴィントはその日もアマルティア島の秩序の騎空団、第四騎空艇団本部にて事務仕事に追われていた。
リーシャが戻ってきて少しは仕事が減ったものの事件は絶えない。
ファータ・グランデ全体の活動を統括する責任者の一人である彼女の元に各部署からの報告書が舞い込んでこない日はなく、ここ最近はずっと書類と格闘していた。
「よし、とりあえずこんなものだろうか。少し休憩を挟むとしよう」
とはいえ彼女にとってこれは日常茶飯事。ひとつの遅滞もなくあらかた書類を片付けた彼女は、大好きなスイーツを取り出して一息つこうとしていた。
ゴォォォン!!
その轟音が彼女の耳に届いたのは、ちょうど棚からケーキの入った箱を取り出そうとした時だった。
「な、なんだ!?」
執務室の窓から外を見ると、島の森林地帯から煙が立ち上っているのが見えた。火事だろうか? 森に広がり街に到達すると危険だ。すぐに消火にあたらなくては───!
「モニカさん、大変です!」
そう思案している時に部下の一人が部屋に駆け込んできた。きっと今見えている煙について報告しにきたのだろう。
「あぁ、分かっている。火事だろう? すぐに人を───」
「違うんです!」
しかし、返ってきたのは否定の言葉。モニカは続く言葉を聞いて驚愕する。
「空から何かが、降ってんきたんです!」
「なんだとっ!?」
アマルティアの街のすぐ外で、その物体は動き出す。
同時にカバーが外れ、中からローブを着た男が降り立った。
「ここは……どこだ?」
R6というひとつのドロイドと、銀河を追われた元ジェダイの騎士はそうして空の世界へと足を踏み入れた。
グランブルーファンタジー
スターウォーズ エピソードグランブルー────。
「ほら、見えてきましたよ! アマルティアです」
ルリアはそう言って甲板から空に浮かぶ島を指さす。
アマルティア島。
秩序の騎空団の第四騎空艇団が本部を置くその島にあなたは依頼で荷物を運んでいた。
内容は秩序の騎空団への補給物資。
モニカやリーシャなどの第四騎空艇団の面々と面識が深いあなたは、度々彼らの頼み事を依頼として引き受けていた。今回の物資輸送もあなたの仲間であるリーシャから頼まれたものである。
「いつもいつもありがとうございます、団長さん」
「これくれぇどうってことねぇよな? 仲間の頼みなんだしよ!」
そう言って胸を叩きながらあなたの傍らを飛ぶ赤い龍はビィ。あなたの大事な大事な相棒だ。
「もしよろしければ、到着した後になにかお礼でもさせてください。モニカさんも、皆さんと会いたがっていると思いますし」
「いいですね! 久しぶりにみんなでスイーツを───ってあれ? 見てください、街の向こう側から煙が……」
そこでルリアは異変に気づいた。
アマルティアの街は秩序の騎空団の建物が中心に建っており、そこからピラミッドのように四方に坂が広がるようになっている。
ルリアが指さしたのは、あなたたちが飛んでいるこちら側とは反対側に広がる大地の方の森である。
その光景を見て何か起こっていると察したあなた達は急いで騎空艇を港に付けることにした。速度を出し、アマルティアへと向かう。
「あっ、リーシャ船団長! お疲れ様です!」
港に着くと秩序の騎空団員があなたたちを迎える。手には荷物のリストが記載されているであろう書類の束があった。
彼があなたたちの運び入れた荷物を受け取ってくれると言う。あなたは仲間に指示をして運び出すように言う。
しかし急いできた割にはなんというか、通常運転だ。港は滞りなく運営ができているようで、緊急事態という雰囲気ではない。……それでも少しザワついているか?
「お疲れ様です。ここに来る際に森の方から煙が見えたのですが何かあったのですか?」
「あぁ、あれのことですね。ご心配をおかけしました。今のところ、特に大事にはなっておりません。火元も鎮火しました。ただ……」
リーシャの問いに対してその騎空団員はなんでもない事のように答えたが、最後の方になって言い淀んだ。
「ただ、どうしたのです?」
「いえ、本当に問題はないのですが、どうにも処理が面倒な事案になりそうでして。とはいえ帰ってきたばかりの船団長がわざわざ出向くようなことでもないかな……と思いまして」
「この後本部に寄る予定でしたので気を使う必要はありません。しかし、事件にもなっていないのに処理が面倒……とは?」
「いや、その……事件ではあるんですよ。空から謎の物体が降ってくるという」
「はい?」
突拍子もない返答をされてついリーシャはそう聞き返してしまった。荷物係の彼は困惑した表情をしながら語り出す。今日の午前中、何があったのかを。
「いえ、ですから、空から何かが落ちてきたんです。あの煙はその飛翔体から出てるものでして。しかもそれには人が乗っていたとかで」
「???」
ますます困惑していく一同。説明するよりも見せた方がはやいですね、と彼は一人仲間を呼びつけると、モニカの元まであなた達を案内するように行った。
ルリア、ビィ、リーシャとあなたは促されるまま件の人物の元へと向かう。これが、彼らと新しい世界との邂逅を齎すのだった。
「で? もう一度名前を伺ってもよろしいかな」
「えぇ、構いません。俺はフェトル・ナジュムと言います。そちらの方は貴方の友人ということでよろしいのかな?」
案内された部屋であなたはモニカとフェトルと名乗る男と出会った。彼の問いにあなたは首肯しながら、その男のことを観察する。
男の風体はこの辺りのものとは違った。肌色の道着のような服に茶色のローブを羽織る彼の姿は、どこか浮いている。
「うおっ!?」
突然、傍らのビィが驚いて飛び退いた。何があったのか、あなたは彼の視線の先を見ると……円柱状の鉄の塊が動いていた。
「そしてこちらがR6。俺の大事な友人だ」
「わぁ!? ろ、ロボットですか?」
「あぁ、ドロイドだ。彼は賢いよ」
同じく驚いたルリアを落ち着かせるような優しい声でフェトルは答えた。あなたはこの2人(?)の雰囲気がここにいる誰とも異なることに違和感と既視感を感じるだろう。
あなたはモニカに問う。
「いや、それが私にもよく分からないんだ。空から降ってきたというのだけが確かでな……」
「空から……ですか?」
「あぁ」
モニカはこれまでに起こったことをあなたに話し始める。
最初、轟音と共に森の方から煙が昇り始め、モニカを含む秩序の騎空団の面々は急いで調査に向かった。
そこには地面を抉り、半分埋まってしまった大きな物体と、その物体が発する炎を必死に消そうと、身につけていたであろうローブを叩きつけている男がいた。
『あぁ、クソ! R6、起きろ! お前の力が必要だ! R6? おーい!』
『……っ、とりあえず私達も消化作業に入ろう。貴公、我々も手伝おう!』
『っと、ここの方々か! 助かる!』
その風貌に困惑しながらも、火が森に燃え移って森林火災になることを危惧したモニカたちは、迅速に火元を消化した。元々火事だと想定して道具を持ってきていた判断は正しかったという訳だ。
『それで貴公、名前はなんというのだ? 何処から来た? 街の人間が言うには空から降ってきたとの事だが……』
『ははは、お騒がせして申し訳ない。俺はフェトル・ナジュム。しがない機械の修理屋なのだが……。ふむ、何処から来たのかを答える前にこちらからも質問していいかな?』
『なんだ?』
『銀河帝国……という言葉を聞いたことは?』
『帝国……? 少し前に無くなったエルステ帝国のことか?』
『なるほど……。これは少し話す必要がありそうだ』
それがあなたたちがこの島に降り立つまでにあった出来事だ。
それからモニカはあなたたちがここに来るまでフェトルに色々と聞いていたのだが……。
「なんというか出てくる単語が違う世界のものと思えるものばかりでな……。素性もよく分からないし、どう対処したらいいものかと困っていたんだ」
「違う世界のもの……ですか?」
「あぁ。彼が言うには……彼はこの空のずっとずっと上からやってきたらしいんだ」
「宇宙……と俺たちは呼んでいるが……。ふむ、やはり文明レベルが俺いた場所と違いすぎるな」
あなたは彼らの話を聞いて先程の既視感の正体を看破した。これはこれまで度々体験してきた異世界の人々と交流した時の感覚に似ている。
「異世界か……ふむ。君たちからしたら似たようなものか。そうだな、俺は異世界人だ。俺の船に乗ってここにやってきたね。
しかし、君はなかなか面白い体験をしてきているみたいだな。普通、初対面の人に異世界人かどうか尋ねる人はいないよ」
そう指摘されてあなたは少し顔を赤く染めた。少し無礼だっただろうか? あなたはすぐに頭を下げる。
「別に怒ってないよ。いや、君がどういう人なのか興味が湧いただけなんだ」
そう言うフェトルに、そう言えば自分たちは彼に名乗っていないなと思ったあなたは自らの名を教える。仲間であるルリアやビィ、今来たばかりのリーシャも同じように自己紹介をするだろう。
自分たちはこの空の世界で騎空団を率いて旅しており、あなたは自分がその団長であることも付け加えた。モニカとはその旅の途中で知り合い、公私共に良くしてもらっている仲であると伝えた。
「騎空団?」
「そうだぜ! オイラたちは騎空艇に乗って色んなところで依頼をこなしながら星の島イスタルシアを目指してんだ」
「傭兵とは違うのか?」
「傭兵は多くの場合船を持たない個人を指すことが多いな。それに仕事の内容も異なる。人員の他に騎空艇を貸し出すこともできるから、荷物運びなんかも依頼されるんだ」
「ほぉ、なるほどな……」
交通手段の提供から戦闘員の派遣、村の農作業の手伝いから戦術指南、果ては国同士の外交の場にて見届け人として招かれることもあり、適当な報酬を提示すればありとあらゆることを騎空団はやってくれる。
フェトルは彼らの在り方について深く感心したようで、しばし考えてから口を開いた。
「団長たちは騎空団としてかなり腕は立つのか?」
「当たり前だぜ! コイツとオイラたちがこれまでどれだげ冒険をしてきたと思ってるんだ」
「あぁ、ビィの言う通りだ。彼らは相当の強者だよ。我々だけでなく各国とも繋がりの深い存在だ」
「では団長、折り入って頼みがあるんだがいいかな?」
「察しがいいな。俺を団長たちの騎空団に一時的に加えて欲しい。ダメだろうか?」
フェトルは言う。今の彼にはこの世界で生活していけるだけの基盤がない。彼が持っていた【クレジット】なる通過はここでは使えない。そうなると色々と困るので騎空団で働きたいということだった。
「一時的……というのはどういうことなんでしょう?」
「俺が元いた場所に帰れるようになるまでは……ということだ。諸事情があって本来ならひとつの場所に長居できない身分でな。とっとと船を修理してここから去りたいんだ。だが……」
「金も材料もないんじゃどうしようもないってわけか」
「あぁ。材料さえあれば修理は俺とR6でできる。だからできれば俺の故障した船も直るまで置かせてもらいたいんだが、どうだろうか? 迷惑なら断ってくれても構わないが……」
申し訳なさそうに言うフェトルに対してあなたはきっぱりと言い放った。あなたにとって仲間が増えていくことは喜ばしいことである。仲間になりたいという者を拒む道理があなたにはない。
「即答とは……。団長は器が大きいのか純粋なだけなのか……。ありがとう。これからよろしく頼む」
「はい! よろしくお願いしますフェトルさん!」
「道着の兄ちゃん、よろしくな!」
そしてそれはあなたの相棒たちも同様だ。ここに新たな騎空団員が誕生した。
新キャラクター加入!
「しがない機械技師のフェトル・ナジュムだ。R6共々よろしく頼む」
『────!』
クエストをクリアしたためフェトル・ナジュムが仲間になりました
◆◆◆
ピピピッ! ピピピッ! ピピピッ!
ズドォーン!!!!
…………。
「ダメです。やはり一切の通信が不通です」
「そうか。トルーパー、ご苦労」
ファータ・グランデとは違う空域にそれは落ちた。
流星となってこの世界にやってきたのはフェトル・ナジュムだけではなかった。彼女たちもまた、彼を追ってここに辿り着いたのだ。
「座標も掴めません。アウターリムより更に外、帝国の支配圏外かと思われます」
「あぁ……それは見れば分かる。そこらに浮いている船を見てみろ。この惑星独自のものなのだろうが技術レベルが低すぎる」
そこは空に島が浮き、そこに人が住まう世界。しかし彼女たちに驚きはない。たとえ大地がないガス惑星であっても、海ばかりの惑星であっても、生物が住める環境ならばそこには国があった。それは彼女たちの文明にとっては当たり前のことである。
問題なのは未知の生物がいた事であろう。
フェトルを追ってハイパースペースを抜けてやってきたこの星の宙域で、彼らは何者かに船を強襲された。
正体不明の敵の攻撃に晒され、フェトルを追跡することも叶わずに彼女らはこの空の世界に落ちるしかなかった。
一時は反乱軍の新たな拠点であるのかと考えを巡らせた彼女であったが、この世界を少し調べてそれはないと断じた。
いくらなんでも技術が後退しすぎている。反乱軍も生物の集まりである以上、最低限の衣食住、インフラが確保されていなければ戦うこともできないだろう。
この星ではその最低限すら整えるのが難しいだろう。ここは資源は豊富そうに見えるが、いくらなんでも銀河の中心たる帝国から離れすぎている。
資源を活用させるための機材や人員の輸送は必須であるのに、ここではコストが嵩みすぎる。
もし仮にそのような大規模輸送をやっていたとしても、今の今まで帝国になんの情報も入らなかったというのはさすがに有り得ない。
故にここは、本当にただの、銀河社会から隔絶された地であるだけなのだ。
さて、であるならばだ。
「奴もここに落ちている可能性が高い。ここが未開拓地域であるのならば、奴の協力者がこの星にいるとは思えない。先程襲ってきた生物も、本能のまま我々を攻撃してきただけなのだろう。
そんなものが奴だけを見逃すとも考え辛い。ジェダイもこの星に墜落していると断定した上で調査にあたる」
「了解しました、尋問官」
ナル・グランデのとある島にて彼女たちは動き出す。ジェダイを殺すためならばどんな手段も厭わない彼女たちは、この空の世界の住人に対してもそれを強いるだろう。
しかしフェトルと彼女たちは未だ瘴流域を挟んだ別空域にいた。彼と同じく今はまだ宇宙に上がれない彼女たちが、彼を発見することは容易ではないだろう。
何処かに瘴流域をものともしない騎空団がいなければ……。
他作品のこともあるのでゆっくり更新でちまちま書いていきます。