みょん・仮面ライダー   作:さげみ沢 黒白

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序盤はほとんど原作仮面ライダーのトレースみたいなものなので悪しからず。

タイトルがシン・みたいになってしますがまぁ偶然というかたまたまというかなんというか……

昔に思いついた、ライダースーツ姿の妖夢みたいなのをそのまま形にした感じです。拙い文章ですがよろしければ第一話よろしくお願いします。


誕生!バッタショッカー

 ~幻想郷 某所~

 

「く、ううむ。 」

 

 白い髪の少女。魂魄妖夢は薄暗い部屋で目を覚ました。目の前には数人の白衣を着た男女が彼女の顔を覗き込んでいる。

 

(彼らは……一体……な、両手足が鎖か何かで繋がれていて、動かない……! )

 

「ここはどこなんですか! 私を、家に帰してください」

 

 妖夢は懇願した。そのとき、どこからともなく男とも女ともとれぬ、奇妙な声が聞こえてきた。

 

「フッフッフッフッフッ、魂魄妖夢。よくぞ我が昇華(ショッカー)に来てくれた」

 

(しょっかー……? なに……それ……?)

 

「我々は強者を求める。君は我々昇華に選ばれた栄光の少女なのだよ」

 

「そんな……私は、しょっかー?に入ったつもりなんてありませんっ! 」

 

 妖夢は叫んだ、彼らが一体なにをしているのか、自分はなにをされるのか、その恐怖を紛らわせたい、その一心だった。

 

「フッフッフッフッフッ、遅いのだ妖夢。君は君自身の意思に関わらず我々昇華の一員にほぼなってしまっているのだ」

 

 そして謎の声は絶望的な事実をかたる。

 

「君が意識を失ってはや1週間。その間に昇華の改造グループは君の体に改造手術を施した。君は今や改造人間なのだ」

 

 改造人間。もはや自分はただの半人半霊ではないと、普通の妖怪や人間とは異なってしまったのかと、絶望しそうになる……が

 

「改造人間? はっ、ふざけないで頂きたい、そんなこと信じるもんか」

 

 妖夢は強がった。そうでもしなければ今すぐ絶望のそこに落ちてしまいそうで……

 

 だが声の主は、なにより現実は、底抜けに残酷だった。

 

「信じざるを得ないようにみせてあげようじゃないか」

 

 謎の声がそう言うと唐突に彼女の体に強風を数秒間あてられる。そして、それが終わると近くにいた白衣の男がしゃべりだす

 

「君の身体に、今から10万Vの電気をながす。ただの人間であれば、一瞬で黒焦げの死体になる」

 

 白衣の男は淡々と語り続ける。

 

「しかし君は改造され、その体に風力エネルギーを蓄えた」

 

 そして機械のスイッチが作動する。

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」

 

 電流が妖夢の体を駆け巡る。痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

 

 痛みでどうにかなりそうだった。

 

 だが……それだけだった。

 

「火傷一つ、君の体には残らない。ただその苦痛は、脳改造が行われていないだけだ。脳改造が済み、指令のままに動くようになれば、君は完璧なっ、昇華の一員になれるっ!」

 

 力強く男は言った。電流が止まる。

 

 妖夢は息も絶え絶えだった。それでもまだ抵抗の意思は残っていた。

 

「ハァ……ハァ……死んだって……あなたたちの思い通りになんて……なるつもりは……ありまs「誰しもが最初はそう思う! そして誰しもが昇華に改造されたことに感謝するようになる!」ッ……」

 

「魂魄妖夢の脳改造を開始する」

 

(そんな、もう私は私ではなくなってしまうんだ。幽々子様、せめてもう一度、そのお顔がみたい……)

 

 そのとき、唐突に部屋の明かりがきえる。

 

「何事だ!」

 

 外から誰かが入ってきて

 

「魔力炉がやられました」

 

 と報告した。

 

「くっ、全員ついてこい」

 

 男はその場にいた全員を伴って部屋から出ていった。

 

 

 

 

 誰もいなくなった手術室。妖夢は両手に力をこめる。

 

 ガッキィィィィィーン

 

(は、外れた)

 

 彼女を手術台に貼り付けていた鎖は物の見事に砕け散った。

 

 そのとき、ドアが開き一人の男が入ってきた。

 

「だれ……って師匠じゃないですか! 」

 

「久しいの妖夢」

 

 そこにいたのは彼女の祖父であり師匠、魂魄妖忌であった。

 

「師匠どうしてこんなところに……」

 

「その説明はあとだ。今は逃げることだけ考えよ」

 

「逃げるったってどうやって……」

 

 戸惑う妖夢に妖忌はうえをみるように促す。

 

「まさか、天井から……それこそ無理ですよ、こんなに高さがあるのに」

 

「妖夢よ。お前が今引きちぎった鉄の留め金は鬼ですら簡単には破壊できないよう強化が施されていた。だがそれを苦もなく切った。お前は改造人間なのだ」

 

「皮肉にも昇華がお前の体に風力エネルギーを充填したためにお前の体には爆発的なエネルギーが蓄積されている」

 

「そんな……ことが……」

 

 だがもはやその事実は受け入れざるを得ない……

 

「急がなければ奴らが戻ってきてしまう。さぁ、はやく」

 

「くっ……」

 

 妖夢は奥歯を強く噛み締めた。だが今の彼女にはしょっかーにくだるか、ここから逃げるしかないのだ。

 

「わかり……ました……」

 

 妖夢は妖忌を抱え、思い切り飛び上がった。

 

 その後、妖忌の案内によって彼女、「昇華怪人(ショッカーかいじん) バッタショッカー」のために用意されたバイクに乗り込み昇華の秘密基地を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 幻想郷の森の中を颯爽と走るバイクが一台。二人の半人半霊がうっすらと暖かな春の空気を切りながらバイクを走らせていた。

 

「幽々子様が! 」

 

 妖夢は妖忌から告げられた言葉に唖然とする。彼女の主である西行寺幽々子の身に危険が迫っていると言うのだ。

 

「あぁ、わしが奴らを裏切ったことで奴らは幽々子様に手を出すかもしれぬ。急ぐのだ」

 

「そもそも、師匠はなぜあんなところに」

 

「その話をするにはまず、奴らの目的について語らねばならぬ」

 

 妖忌は少しづつながらも妖夢に悪の秘密結社 昇華(ショッカー)について語った。

 

「奴らの目的は幻想郷を次の段階へ進めることだだ」

 

「次の……段階……? 」

 

 妖夢は首を傾げる。

 

「そうだ。お前がそうされたように奴らは幻想郷の住人を改造してさらに高位の存在に高めつつ、人と妖の差を埋めようとしていたのだ。ワシはその考えに賛同し、奴らに協力していたのだが、それは奴らの一側面でしか無かった」

 

 妖夢は唾を飲み込む。

 

「ワシは改造手術を行うと同時に脳改造を行うことや個人の意思とは関係なしに多くの幻想郷住人が誘拐され、無理やり改造されていることを知った。何故昇華に忠誠を誓わせねばならないのか、何故無理やり改造するのか最初のうちはわからなかった。だが調べていくうちに連中の真の目的が幻想から現実への侵攻であることがわかったのだ」

 

「現実への侵攻……ですか 」

 

「知っての通り幻想郷は忘れ去られたものたちの世界。時代の発達とともに衰退してしまった妖怪や妖精たちの最後の楽園だ。だが昇華はそれを認めなかった。この世界に生きる生命を知覚せず、身勝手に忘れていった外の世界を憎んだ。だから昇華は幻想郷に住むものたちをより現実に近づけ、外の世界へ進行しようとしていたのだ」

 

「そんな……」

 

「だが気づいたときにはもう遅かった。そのときにはお前を昇華の改造人間に推薦してしまっていたのだ」

 

「なっ……師匠が……私を……」

 

「お前ならば新しい幻想郷の担い手になってくれると考えたからな。だがそれは間違いだった。ワシはすぐさま手術を取りやめるよう言ったがもし我々の邪魔をすれば幽々子様へ危害を加えると言われてしまったのだ。妖夢よ、不甲斐ない祖父で本当にすまない」

 

 妖夢はしばらく俯いていた。が

 

「今はそんなことよりも幽々子様です。あんな奴らに幽々子様は傷つけさせません! 」

 

 妖夢はバイクのエンジンを蒸かし、全速力で白玉楼へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―白玉楼―

 

 白玉楼、そこは死後、魂が彷徨う果て。地獄に向かう前の一つの安息場、だがそこにはあまりにもグロテスクな光景が広がるだけだった。

 

(なんなのこいつら、倒しても倒してもキリがない……)

 

 この白玉楼の主人である西行寺幽々子のメンタルと霊力はもはや枯渇寸前だった。

 

 突如として現れた黒服ベレー帽達。最初こそ苦もなく撃退していたが、あまりの数にも参ってしまっていたのだ。

 

(妖夢、あなたは今どこにいるの? せめて最後にもう一度だけ顔をみたかったわ)

 

 幽霊としての最後を自覚した。が、それは少女の声でかき消されることになる。

 

「幽々子様ー!」

 

(その声は)

 

「妖夢! 」

 

 妖夢は刀を携え颯爽と黒服ベレー帽、もとい昇華戦闘員の中へ突っ込み一閃、多くの戦闘員を叩ききった。いつもとは違い、緑色の筋骨隆々の肉体ではあったがそれは紛れもなく魂魄妖夢、その人だった。

 

「大丈夫ですか、幽々子様」

 

 そこにかつての従者である妖忌も駆けつける。

 

「妖忌まで、それに妖夢その格好は」

 

「今はそんなことを話している場合ではございませんぞ」

 

 実際、戦闘員はまだまだたくさんいる。

 

「幽々子様に指一本だって触れさせません! 」

 

 幽々子を守りつつ妖夢は戦闘員を切りつける。刀を一閃振るうごとに一度に三人は吹き飛ばすことができる。

 

(すごい、これが改造された体。しかもこの刀もすごい、いつも使ってる刀よりも何倍も重くて何倍もしなやかに切れる)

 

 彼女が手にしている刀はここに来る寸前に妖忌から渡されたものである。名を台風刀。彼女の腰についたベルト、タイフーンと同様に風車の回転と共に刀を強化し、爆発的な斬れ味を発揮するのである。

 

 だが技術と経験なら妖忌も負けてはいない。迫り来る敵に対して一瞬のうちに刀を何度も振り短い時間で何人もの戦闘員を葬っていた。

 

「ハァッ! 」

 

「てやっ! 」

 

 そして大量にいた戦闘員たちは1人残らずその場に倒れることとなった。

 

「はぁ、これで一安心ですね」

 

 妖夢は胸を撫で下ろすがしかしそれを少し離れた茂みから覗く怪しい影があった。昇華の改造人間、昇華怪人 クモショッカーである。怪人は幽々子に向かって毒矢を飛ばした。

 

「危ない! 」

 

 だがその存在にすんでのところで気づいた妖忌は幽々子を庇って毒矢を受けてしまう。

 

「ぐっ、うう〜」

 

「師匠! 」

 

 妖夢が駆け寄る。

 

「何やってんですか師匠」

 

「すまんな妖夢、幽々子様も本当に申し訳ございません」

 

「妖忌……」

 

「妖夢よ、最後に一つ頼みをしていいか」

 

「なんですか? 師匠」

 

「幽々子様とそして、この幻想郷を、任せたぞ……」

 

 そう言い終えると妖忌の体は徐々に溶けてゆく。そして遺体すら残らずその魂は散っていった。

 

「全く、あの毒矢は一日一本しかないというのに……まぁいい、残り二人はこの手で始末すればいいか」

 

 くぐもった声と共にぬっと現れるクモショッカー。その姿は正に異形。蜘蛛の巣のような模様が入った覆面を被った首から下は蜘蛛をそのまま人型にしたような姿をしていた。分かりやすくいえば二足歩行のアラクネであった。

 

「何者なのあなた」

 

「俺は貴様と同じ昇華の怪人 クモショッカー、貴様らを抹殺するために派遣された昇華のエリートだ。裏切り者のバッタショッカーとその主よ、今日が貴様らの命日と心得るがいい」

 

 そんなことをいうクモショッカーに対し、妖夢は睨みつけながらこう返す。

 

「あまり強い言葉は使わないほうがいいですよ。死んだあとから後悔しても遅いですので」

 

「ほう、つまり貴様は俺を倒すことができると? 」

 

「ええ、今の私に斬れないものは……一つもない! 」

 

 二人の怪人が睨み合う。本能でわかる。この戦いは一瞬で決着がつく。

 

 じり……じり……とお互いの出方を伺う。先に動いたのはクモショッカーだ。

 

 クモショッカーは手からクモの巣状のネットを射出する。

 

 妖夢はそれを刀で絡めとる。その瞬間! 彼女の体に蓄えられていた風力エネルギーが爆発的な身体能力を発揮させる。強化された肉体と刀はクモショッカーに妖夢が踏み込んだことを認識させた瞬間にその体を切り裂いていた。

 

 たとえネットが絡んでいたとしても台風刀の斬れ味が落ちることはないのだ。

 

「バ……バカな……」

 

 クモショッカーはその場に倒れ込む。そして、体は次第に溶けて消えてしまった。

 

「……」

 

 クモショッカーが倒れたところをじっと妖夢は見つめる。だが今はそんなことをしている場合ではない。幽々子をどこかに逃がさなくては。

 

 妖夢は幽々子の元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 幻想郷のどこかを一台のバイクが走る。魂魄妖夢は改造された悲しみを背負い、走り抜ける。ゆけ! 魂魄妖夢! これ以上昇華の手によって悲しみを増やさないために ! 戦え! 魂魄妖夢!

 

 




戦闘シーンは短いですが次回以降はそれなりに見どころになるように作るからお兄さん許して

怪人のネーミングについてなにか案がございましたら是非感想へ

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