日本の食文化を守るために変態技術を駆使しまくった結果   作:Haganed

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日本の食文化が消えそうなのは嫌なので徹底抗戦する

 

 

 

 ブリタニアが日本に対する宣戦布告を行ってから5日後のこと。インドネシア方面から攻めてきたブリタニア軍が何の通信もよこさなくなっても、本土から来襲する自国の兵士や司令官にとってそこまで問題視するようなことでは無いとタカをくくっていたのも束の間。瞬く間に第1陣から第3陣となる部隊が日本製のKMFによって壊滅されたことを知るや否や、早急に対応するべく会議を開き、あのKMFの破壊作戦を立案しようとした。しかし、それ自体が全て徒労となる結果になってしまった。

 

 今回実戦投入されたブリタニア側のKMFグラスゴーはあくまでも陸戦仕様且つこの侵攻が初陣。ランドスピナーにより縦横無尽に駆け巡りどのような地形でも一定以上の機動性を確保し、またスラッシュハーケンによる立体的な戦闘をも可能とした事で現行の兵器と比べれば比類なき性能であるのは間違いないのだ。にも関わらずこうも侵攻が遅れているのは、単に日本側がそれらを上回る性能の機体を用意しただけなのだから。

 

 まず飛行状態を維持しながらでの空中戦闘が出来る、これは戦闘において最強のアドバンテージだ。圧倒的に技術力で負けていることをまざまざと思い知らされ一方的な戦闘を展開され手も足も出ず、破壊され鹵獲され捕虜にされと大敗状態。また日本側の機体は損傷を受けたとしても即座に修復され何事も無かったかのように戦闘が行われる為、兵の士気も下がり続ける一方であった。ついでに、捕虜の釈放問題に対しての言及は行われず当初は無視を貫いていたようだが、被害数が多くなるにつれて議論しなければならない問題としても立ちはだかった。

 

 しかしブリタニア側もただやられているのを黙ってみるはずもなく、現在生産されているグラスゴーの防御装甲の強化や飛行ユニットの開発、装備の改良などをすると同時に新たなKMFたる第5世代機の開発も急がせた。とはいえ、それらを全て終える前に侵攻作戦は終了してしまったのだが……圧倒的な個の戦力差を前に、ブリタニア皇帝が何を思い何を感じたのかは分からないが、5ヶ月という時が経った頃には停戦が行われていた。

 

 

 

*─────*

 

 

 

 さて、宣戦布告から2ヶ月が経過して秋の季節になった頃。この時期は食欲の秋というように、本来であれば美味しいもの盛りだくさん食べまくってやると意気込む季節なのだが……生憎、今はブリタニアとの戦争中。全部で50機しかない自分らのKMFはブリタニア側の戦力を削りまくるなど日本軍との共同戦線を張って敵を退かせているけれど、向こうは退却しては補充して侵攻という流れを繰り返しているためいつまで経っても終わらない流れ作業をしている気分に陥る。あー! もう、さっさと終わってくんねぇかなぁ!? 今すぐ秋の味覚を存分に味わいたいってのに何だよこの無駄な時間!

 

 あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙! 栗食べたい! 栗ご飯食いたい! 秋刀魚の塩焼き! 焼き芋! 柿! かぼちゃ! 炊き込みご飯! ぶどう! 牡蠣! 戻り鰹! 松茸ぇええ!

 

 

『大将ォ! 自分も食いたいんすから止まってください!』

 

 

 うるせぇ! 文句あるならブリタニアに吹っかけてこい! 大体相手の予想が外れるぐらい戦ってんだから、ちったぁ引き際覚えて話し合いにもってこうとは思わんのかあのブリクソ! 毎度毎度ブリクソブリクソ言いすぎて鰤に申し訳なくなった俺の気持ち考えてみろよ!

 

 

『訳わかんないです大将、分かるけど分かんないです大将!』

 

『君ら呑気すぎない? いやおかげさまではあるんだがね、もうちょっと緊張感を』

 

 

 そうは言ってもこの繰り返しが何度も続いてるとフラストレーション溜まってくるんですよ! やっぱ戦争なんてするもんじゃないな、美味い飯が食えん! いっそのことブリタニアに攻め込んじまおうかなぁ!?

 

 

『冗談でもそれはアウトです大将』

 

 

 分かってるけどさぁ……。また来たよブリタニア軍、しかも通用しないって分かってるグラスゴーが18体だけって。あ、でもこの機体だけ色違いだ。誰だろ。取り敢えず上陸される前にぶっ壊せば良いか、行くよ。

 

 

『了解』

 

 

 機体を飛び立たせ、ナノマシンによって生成されたMURASAMEを持っていざ吶喊。相手側の攻撃はいつもの如く避けたり斬ったりして回避し、何もさせぬままパイルバンカーKAGUDUCHIを生成してぶちかます。更に超至近距離で迷わずHINAWAを生成してブッパ、2機のグラスゴーのコックピットを貫いて3機目のグラスゴーを潰したところで弾は止まり、あとは流れ作業のように斬っていく。担当していた9機全て撃破したところで一緒にいた仲間から連絡が入ってきた。あー1機降りちゃったか、しかもあの色つきが。リカバリーできる? ……出来るなら良し。こっちの手助けは? 要らない? りょーかい。

 

 おん? まだ何か用? …………はぁ? 決闘だぁ? 無視でいいよそんなの『そこな大将とやら! 聴こえているだろう!』うわうるさっ。あーオープンチャンネルで愚痴ってたのが聞こえてたっぽいなこれ。ったく、そっち行くからこっち守ってて。はーやだやだ決闘なんて古臭い。

 

 

 

 

§─────§

 

 

 

 

 1VS1の決闘を望んだパイロットは時間にしておよそ35秒という1分未満の時間で負けてしまった。だがこの時間は相対するKMFにとっては掛けすぎたと思うほどに耐え凌いだことを意味する、普通であれば10秒ともたず敵はスクラップにされるのが目に見えるほどの機動性を有しているのにも関わらず持ちこたえたのだ。とはいえ最終的にはMURASAMEによって機体脚部を両断され動けなくされ、勝手に起動した脱出装置が作動しパイロットの女は外へと放り出され機体は死体蹴りのごとくKAGUDUCHIで突き刺して、確実に動かせないように始末した。

 

 ひと段落終えた所で日本側のKMFのコックピットから何の手伝いも無しに操縦者である大将が降り立った。見ればまだ若き青年であったが、その目に活気は溢れておらずどこか達観したような雰囲気を醸し出していた。ただその大将と呼ばれている青年は、相対した女性パイロットに品定めするかような視線を向けながら何かを考えているようだ。そして何を思ったのか右太腿に取り付けられた小さなボンベを持って、あろうことか敵である女性パイロットに近づいてきた。咄嗟のことで身構えられたが、溜息をついたそのパイロットはボンベから何かを噴射させた。

 

 目を閉じて覚悟を決めていたのも束の間、何の異常も起きないことを不思議がり恐る恐る目を開ければ何かやり終えた青年は自身の首に着けているチョーカーに触れる。虚空から現れでた手錠に驚きを隠せない様子に対し淡々と青年は告げる。

 

 

「悪いが、これからアンタを捕虜として捕らえさせてもらう。自死なんて考えるなよ、実行しても生命維持機能を緊急稼働させるからな」

 

「ま、待て待て待て! さっきといい今といい、何をした!?」

 

「悪いが自分らの機密情報ってヤツでね。ま、報告で聞いたと思うがコイツ(KMF)の自動修復機能と同じシステムを使って、アンタの傷の修復とこれの生成をやっただけだ」

 

 

 まるで魔法のような出来事を何事も無かったかのように言ってみせた青年の言葉の真偽を確かめるべく自身の顔を触り、戦闘中に出来たであろう額の傷跡が塞がっていることを知るも呆気なく手錠を嵌められて連行されていった。日本軍のもとまで到着し無事に捕虜を引き渡すと青年の乗ったKMFは持ち場に戻ろうとしたが、捕虜となった女性パイロットが呼び止め青年に向けて質問を投げかけた。“何のために戦いを望んだのか”と。色々と聞きたいことは胸中にあったものの全てを聞ける訳では無いと知っているため、この質問を選んだ。結果として、彼女は驚きを越して呆れて笑ってしまうことになるのだが。

 

 

 

「この国の食文化を守るため」

 

 

 

 それだけを言い残し、持ち場へと戻って行ったのだった。

 

 

 

 




【鬼神兵:容姿】
・カラスの頭蓋骨上部を上嘴側を下に向けて仮面のようにした顔面に赤く光るカメラアイ、額に2本の角が生えている。

・胴体部分は縦長な三側錐三角柱の形をしており、コックピットの収納に必要な大きさを確保するため他部位と比べて大きく厚い。背面側の両腕部付近には某ドットでブラスなライザーの背面ユニットのような展開式フロートシステムが取り付けられている。尚エナジーウィングによる飛行ではない。

・両腕部、両脚部はともにグラスゴーよりも2回りほど細いが衝撃に反応して瞬時に硬化するナノマシンによって耐久性は高く、破壊されたとしても一瞬で修復する。

・エナジーパックは胴体に内蔵されており、充電を行えば再度使用可能。およそ8万5000回ほど繰り返して使用可能。

・全体的に黒橡(くろつるばみ)色、角は紫色をしている。オリ主の機体は角の色が山吹色になっている。

連載に変えるべきか、短編のままで良いか

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