日本の食文化を守るために変態技術を駆使しまくった結果   作:Haganed

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【幕間】ちょっと1品、付け合わせ

 

 

 

 〜対策とこれからのマリネ〜

 

 

 

 『大将』たる青年が全てを荒らしまくって壊した日から数日が経過した頃、色々とあったことを記述しよう。まずは日本から技術横領が起きかけていた件についてだが、残りの関係者も風間の乗っていた鬼神兵で追いつき捕えてお縄に頂戴。出してしまった被害は亡命しようとしていた国賊を捕らえた、というていで解決して青年側から払う必要は無くなった。ラッキー、と思った束の間なぜあのような場所に居たのか話す必要が生まれたため色々と悩みながらも、言うべき部分のみを伝えて隠すべき部分は隠し通し、途中嘘も混ぜながら何とか凌ぎ切るが桐原公にはあまり通用しなかった為その御仁だけに本当のことを伝えて便宜を謀って貰うことになった。

 

 次にC.C.に関する事だが、ひとまずの案として彼女はあの国営開発製造所の地下にある部屋の1つを使って匿うこととなり、マオと呼ばれた少年の処遇も話し合いの結果として、C.C.と同じように地下の1部屋を充てて使わせることにした。問題をまた抱え込むことになったものの現状安全かつ2人が一緒に居れるような場所といえば此処ぐらいなものであるため致し方ないと言えばそれまでなのだが。

 

 兎も角、この1件によりこれまで以上に国内の監視を強めていかなくてはならなくなり、何かの動きも少しずつ活性化してきた事実に対しての策を練る必要を駆り立たせた。ここでといったタイミングで青年の会社で運用されているククリナイフ型警棒と盾一式と警棒と盾のセット運用体制の特許出願を行い、各警備会社への流布を促そうと動きが始まっていくのであった。

 

 そして現在、地下施設の防音室でC.C.とマオ、青年が集まって今回の騒動に関わる組織についての情報共有が行われていた。マオに関しては“この場所に居た方がC.C.と一緒に居られる確率は高い”、“関わった組織がC.C.を実験台にして彼女を苦しませるかもしれない”といった文言に付け加えてオムライスをご馳走して懐柔。日本食文化が作り上げた洋食文化をじわじわと浸透させながら警戒心を解き、先の文言によってマオは協力者兼保護対象として迎え入れられたのであった。

 

 

「ギアス饗団ねぇ……」

 

「やっぱり、って思ってるって事はアンタ知ってたの?」

 

「あーそこね、まぁ知ってはいるなウン。そこを説明すると、ちとばかし荒唐無稽な内容になるがな」

 

「どういう意味だ?」

 

「……転、生? うわ何これ、変な知識がいっぱいある」

 

「あーそこは説明するから、本当のこと言ってるのか確認だけにしてくれ」

 

 

 そうして漸く、桐原公にさえ話さなかった自身に関する情報をこの2人に話した。この世界の裏で存在するギアスという名の力の概要、C.C.がそれを与えるコード保持者であること、自身が生まれ落ちて意識が目覚めた時にはこの世界を知っていたこと、何故か頭の中にあったオーバーテクノロジーの知識、一方的な形ではあるがこの世界が本来辿る筈であった未来を捻じ曲げたことなどなど……それらを伝え終えたところでC.C.は頭を抱える。マオはギアスの効力によって青年の言ったことが事実であることを認識していながらも、既知の外にある全てに対して理解が追いついていないようであった。

 

 

「言っとくが、これで自分が知ってること大体全部言ったぞ。何の関係も無いはずの自分がお前さん捜すような真似、本当ならすることも無いんでね」

 

「……それで転生、か。馬鹿馬鹿しい事この上ない話だが、色々と考えてみればお前みたいな破天荒すぎる奴が饗団に居たらすぐに覚えていただろうな。私が知らないのも当然か」

 

「理解していただけたようで何より」

 

「 ? ? ? 」

 

「マオの方はもう少し時間が掛かりそうだな。で、お前は一体どうするつもりだ?」

 

「何が?」

 

「ギアス饗団に対してだ。恐らくマオに助言したのも奴らの誰か、事を起こしてマオと私が保護下に入ったことは直ぐにでも勘づく。下手に受け身になればこちらが危うくなるぞ」

 

「そこなんだよなぁ……敵は異能の持ち主、脳への働きかけを外部から簡単に行えるチート共。ギアスキャンセラー、は無理だとしてもせめてEUに居るBRS(ブレインレイドシステム)の関係者の協力が欲しいが」

 

「……簡単には事が運べない、か」

 

「ブリタニア内部にも味方はいるが、それ以上に現状は敵が多すぎる。一先ずの問題が中華連邦との関係を構築する方に専念したい。一応こっちもギアスへの対抗手段が無い訳では無いからな」

 

「中華? EUではなく?」

 

「バッカお前、先にEUと協力体制取っちゃったら板挟みになっちゃうでしょうが」

 

「ああ、成程」

 

「……それだけじゃないでしょ」

 

 

 漸く意識が現実に戻ったであろうマオの言葉に注目する、しまったというような表情で青年は頭を抱えた。

 

 

「アンタが中華と手を結びたいのは「はーいそこまで」むぐっ」

 

「悪いがそっから先は言うなよ? お前が聴いたのは、自分のしょうもないプライドに関わる事なんだ。それを言ったらここには住ませないぞ」

 

「ご、ごめん……」

 

「分かればよろしい。さて、そろそろ戻るぞ。自分にも用事が残ってるんでね」

 

 

 青年のその一言で全員部屋から退出することになり、マオはあまり表に出すことの無い秘密を抱えることになってしまったが、それが何なのかはここに記すべきではないだろう。

 

 

 

 〜再会を願うサラダ〜

 

 

 

 ある日、青年とC.C.は鬼神兵団の1人にしてP.S.S.社員の『南雲(なぐも)』が運転する自動車に乗ってある場所へと赴いていた。下町の風景が映し流れていく中、ある1箇所の店の前で停まった。今は準備中の小さな看板が扉に付けられたフックに立て掛けられているが、今日の用事はC.C.をここに連れてくることであった。助手席に乗っている青年が後ろに向きC.C.に話しかける。

 

 

「着いたぞ。ドアは自分が開けた方がいいか?」

 

「いや、そこの奴がハンドルから手を離してもらえば良い。自分で行くさ」

 

「そうかい。南雲、鍵開けて」

 

「あいっす」

 

 

 後部座席の鍵を解錠しC.C.は1人外へと出る。扉が閉まり、C.C.は閉店中の【ゆきや】へと入っていく。その後ろ姿を眺めながら青年が1人何かに思い耽る様子を南雲は見て、彼に話しかける。

 

 

「大将」

 

「んぁ?」

 

「何か考え事してました?」

 

「……まぁ、してたな。今さっき中断されたが」

 

「あー、すんません」

 

「良い、構わん。何度考えても何にも結論が変わらない、他愛もない考え事だしな」

 

「……彼女、C.C.さんでしたっけ。またユキさんと会える日が来ると良いっすよね」

 

「そうだな。会える日が何時になるか分からんが、出来るだけ早く会わせたいもんだな」

 

「そうっすねぇ」

 

 

 暫くして、C.C.はユキと共に店から出てきた。後部座席に乗ったC.C.が窓を開けて扉を隔てた状態で、またの再会を約束したところでユキは青年に“C.C.ちゃんをよろしく頼むね”とだけ言い、それを青年は了承した。窓が閉まり車が出ていくまでの間、C.C.とユキはお互いに手を振って暫しの別れを惜しむ。やがて大通りに出る頃にはC.C.は前に向き直っていた。

 

 

「……今日は付き合わせてすまなかった」

 

「気にするな。こういうのは会える時に会った方が良い」

 

「そう、だな」

 

 

 車のエンジン音とカーラジオから流れる音楽だけが、この時間を彩っていくのであった。

 

 

 

 〜秘密のコールスロー〜

 

 

 

 地下施設の食堂。ここで作られる料理の全てが大将たる青年が考案したレシピで構成されており、下手な料理人を雇うよりも大将の味覚を信じろと鬼神兵団の中で周知の事実になっている根拠から、栄養や味の面からして信頼出来る料理が食べられる場所となっている。その食堂にて、遅めの昼食を食べている青年とC.C.、マオが居た。それぞれ鯛の昆布締め定食、ピザ、ハンバーグプレートを食べていたところにマオがある疑問を投げかけてきた。

 

 

「そういえばさ、アンタ何であのデカブツ投げられたの?」

 

「いきなりだな」

 

「いやだって、普通あんなのただの人間が持ち上げることすら出来ないじゃん。それをあろうことか投げ飛ばしてぶん殴ってさ、どういうことなのかって」

 

「ふむ、それは是非私も聞きたいな」

 

「……ま、別に言ってもいいか」

 

 

 少しの思案の後そう判断した青年は、箸を箸置きに置いて緑茶を飲んで一息ついたところで説明し始めた。

 

 

「そうさな。ナノマシンの適合手術を受けたから、っていうのも語弊があるな。あれ自分がズルしてるから出来たみたいなもんだし」

 

「ズル?」

 

「ウチの鬼神兵団のメンバーはパイロット全員にその適合手術を受けさせてるんだがな、普通は手術してもKMFを投げられる膂力は手に入らん。じゃあ何で自分は出来たのかってところだが、ぶっちゃけると自分の身体が一部ナノマシンで出来てるからだな」

 

「……は?」

 

「いやぁ、1番初めに適合手術やったの自分なんだがな。当時出来上がった制御装置は拒絶反応がある事が判明してな」

 

「……いや嘘でしょ、コイツ本気で言ってる」

 

「マジだぞ。で、その拒絶反応と生命維持機能が作用しあって、拒絶反応が終わった頃には肉体の4割がナノマシン製になってたのさ。なんで人間には出せない膂力が出せる訳だ」

 

「お前は馬鹿なのか?」 

 

「馬鹿じゃなきゃやってないんだよねぇ、これが」

 

 

 まさかの自分の命と引き換えに肉体をナノマシンに置き換えていたとは夢にも思うまい、死に急ぎたいのかと思わせる過去にC.C.とマオはドン引きし、何食わぬ顔でまた箸を持って食事を再開したところでラクシャータがシーフードパエリアを持って青年らの席に近寄ってきた。

 

 

「隣座るわよ」

 

「あいよー」

 

 

 特にどうとも思わずにラクシャータを隣に座らせ、食事をし続ける青年。その食事途中、彼女が1枚の昆布締めを食べ青年がパエリアをあーんして食べていたのは、完全な蛇足なのだろう。多分。

 

 

 

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