日本の食文化を守るために変態技術を駆使しまくった結果   作:Haganed

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出汁を取りましょう

 

 

 

 2度目の対談が終わり、1週間の猶予を作ってから早3日ほど経ったある日のこと。つい最近から予定に加わり始めた新機体のデヴァイサーの役目をして感覚を確かめ、今日はこの地下施設で2泊する予定であったが突然会社からの電話が掛かってきたため何の用か確認すると、枢木スザクという少年が『大将』たる青年に会わせて欲しいという内容であった。まさかあの子が訊ねてくるとは思っていなかったため詳細のほどを確認すると、明日話がしたいというもの。今風間はこの場に居ないため電話の予定表を確認し、午後の2時からであれば可能である言伝を頼み予定を追加した。

 

 そして約束の日付、1度だけ見かけたあの時よりも成長した姿で枢木スザクは青年と商談室にて話し合うこととなる。色々と聞かねばならないことがお互いにある為に。

 

 

 

*─────*

 

 

 

 やあやあ、ようこそウチの会社に。いやはや大きくなったもんだねぇスザク君、大学芋要る? 良い店見つけてさ衝動買いしちゃってね、あぁこれ首相の分のお裾分けね。後で渡してくれるとありがたい。

 

 

「はぁ、ありがとうございます……?」

 

 

 疑問形にしなくていいよー、首相にはお世話になってるし……あ、自分が何でこんなにフランクなのか聞きたかったり? いやぁ一方的とはいえ小さい頃を知ってる自分からしたら随分とまぁイケメンに成長したなと感慨深くてさ。迷惑だったらやめるけど。

 

 

「いえ、迷惑なんかじゃ」

 

 

 あ、そう? じゃあこのまま話そうかね。まま、大学芋でも食べながらゆっくりと話し合おうじゃないの。あんまり固くならずにさ…………あ゙あ゙あ゙あ゙美味い、蜂蜜控えめ芋の甘さを目立たせるように作ってるとやっぱ違うねぇ! ささ、遠慮せずに食べて食べて。

 

 

「じゃあ、いただきます」

 

 

 んぐんぐ、ウマウマ。んー……あ、スザク君これ美味しい?

 

 

「はい、とっても……!」

 

 

 それは何より、生産者の方々も喜ばしく思うよ。とまぁ、前置きはさておいて今日ここに来たのは……もしかしてだけどルルーシュ君のことだったりする?

 

 

「んぐんぐ……はい」

 

 

 やっぱりか。あ、口に蜂蜜ついてる。ちょっと動かないでねー。

 

 

「じ、自分でやりますから大丈夫です!」

 

 

 ありゃ、そう。はいこれウェットティッシュ、口全体拭くようにしたら取れるからね。……ん、取れた取れた。で、多分最近のルルーシュ君の様子がおかしいから事情を聞いたら自分に辿り着いた、って感じかな。誰から聞いた?

 

 

「ルルーシュから聞きました。本人は大丈夫だって言ってたんですけど、日に日に焦ってるように見えて。あなたと話す用事があるって事は前に聞いたことがあったので、もしかしたら何か知ってるんじゃって」

 

 

 成程。ま、その予想は当たってると言えば当たってるね。……何せそうさせたのは自分なんだもの、知らないはずがない。

 

 

「何を言ったんですか、ルルーシュに!?」

 

 

 おっとそう焦んないでよ。ゆっくり話をしようじゃないの、時間はたっぷりあるんだからさ。まぁそうさな、所々掻い摘んで言ってしまうと……立ちはだかる壁、ってヤツを言った。というふうになるのかな、カッコつけて言っちゃうとね。

 

 

 

 

 

§─────§

 

 

 

 

 

 まず今の枢木スザクは青年と比べればまだまだ子どもである、同様にルルーシュも。現在小学6年生といったところだろう、多少知能の発達があったとしても小難しい事に関してはまだまだ理解が追いつかない所がある。それを踏まえた上である程度分かりやすく、ルルーシュとの対談で起きたことを青年は伝えた。自分のした行いの内容に関して非難されることも受け入れた。

 

 

「そんな……何でそんな事を、軽々しく言えるんですか」

 

「そう言わざるを得ないからね。特に今のルルーシュ君にとっては」

 

「あなたは何をしたか分かって言ってるんですか!? ルルーシュにとってナナリーは──」

 

「大切な人だからこそ、伝えなきゃならない事はあるんだよ。スザク君」

 

 

 その一言を発し、青年の表情はどこか冷たい雰囲気を纏ったものへと変わる。なんの抑揚もなく言い切った青年の一言で場は静まり、当人は目を瞑って少し長く息を吐いてソファの背もたれに身を預け天井を見上げるように頭を動かす。

 

 

「経験あるから言わせてもらうけど、大切にしている人だからこそ伝えなきゃならない現実ってのはあると自分は考えてる。どれだけ辛かろうと何れ知ってしまうなら、隠してしまうより早く言ってしまった方が良い……いやこれ、ルルーシュ君に言うべきだったかな」

 

 

 その嘲笑は自身に向けられたものであっただろうか、少しの間考えるような素振りのあと頭を横に振って切り替えるような動作をしてスザクと向き合う。

 

 

「それにね、ルルーシュ君がしようとしてる事は実際父親への反抗だけで済むようなものじゃない。この日本に住む国民の安全や根付かれた日本文化、その他諸々を含めたものを危険にしかねない行動だからね」

 

「それって、どういう……」

 

「ハッキリ言っちゃうと、ルルーシュ君は父親と戦争を起こすつもりだってこと」

 

「なっ……ルルーシュがそんな事!」

 

「残念だけど、結果的にそうなっちゃうのよ。でも彼はその選択肢を選んだ。だからこそ、やらなきゃならない行動を彼はする必要がある」

 

「でも、戦争なんて……話し合いで決められない事なんですか?!」

 

「自分の子どもが居るのに日本に戦争仕掛けてきた親だよ? 話が通じる理性なんてあると思う?」

 

「でも、それでも話し合えば!」

 

「……これ言っちゃうのもあれだけどさ、スザク君がそれ言っちゃうと皮肉に聞こえるよ。自分自身が、首相に対して何をしたのか、忘れたわけじゃないよね?」

 

「っ……!」

 

 

 スザクは押し黙る。頭ではルルーシュがやろうとしていることを認めることが出来ない、止めなければならないと考えているものの、同時に彼自身がしでかした未遂事件のことも想起されているため何を言えばいいのか整理がついていないのだ。

 

 青年の方は用意されていた煎茶を飲み、長く息を吐いて未だに整理のつかない状態のスザクにこちらを注目させるように手を叩き自身に注目させてから話を続けた。

 

 

「ま、ルルーシュ君が戦争という選択肢を取るか逃亡する手段を取るのかは、本人に聞いてからじゃないとね。まだ彼は悩んでいる最中だろうし、一度きちんと話し合ってみるのもありだよ」

 

「……もし、ルルーシュが逃亡するって決めたらどうするんですか」

 

「その時はその考えに従うよ。日本以外に逃げられるように手筈を整えて多少の安全性が確保されたら、ブリタニアと戦うための戦力を整える」

 

「結局戦争を起こすんですか!?」

 

「起こすのは自分らじゃない、ブリタニアに居る人間が戦争の引き金を起こすのさ。ま、自分らはブリタニアに赴いて反対勢力に与するだけだよ」

 

「でも、それじゃあルルーシュとナナリーの安全は!」

 

「どの選択肢を取っても、有って無いようなものだよ……だからこそルルーシュ君は戦争する選択肢を選んだんだろうさ、妹を安全な場所に移動させてからね」

 

「そんな……」

 

 

 呆然とするしかない現実を前に打ちひしがれるスザクを他所に、青年は大学芋を1口頬張り口直しに食べる。その大学芋を食べながらではあるが、青年は話題を戻していく。

 

 

「でも、そんな場所は実際あり得ない。世界中何処を探しても無い。結局のところ、そうさせないと思ってても勝手に人は巻き込まれていくものさ。だったら先に言うべきことは全部言う必要がある、どれだけ口汚く罵られようとね」

 

「……それが、ルルーシュの為になるんですか」

 

「なるか、ならないかは本人の気持ちと結果次第だよ。今はまだ分からない事さ」

 

 

 青年は携帯電話を取りだし、メールを打ち込んで送信すると携帯電話をしまってソファから立ち上がる。

 

 

「頭いっぱいになっちゃったから、今日はここでお終いにしよう。帰って寝なさいなスザク君」

 

「ま、待って下さい! まだ、まだ話は!」

 

「いや、このまま話を続けても何にも進まないよ。それに」

 

「それに……?」

 

「次はルルーシュ君と話したら何かが進むかもしれないよ。今日自分の言ったことを思い出しながら色々と聞いてみるといい……頼むよ」

 

 

 その言葉の真意は、今は分からないものの今日はこれでお開きとなり枢木スザクは京都へと帰ることとなり、青年は自宅へと足を向かわせていた。今日の夕食は何にしようか、久しぶりにあれにしようかと考えながらも今後のルルーシュの選択がどのようなものになるか思案し続けていくのであった。

 

 

 

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