日本の食文化を守るために変態技術を駆使しまくった結果 作:Haganed
〜ぽんずでさっぱり〜
亡命宣言から早数日、現在ルルーシュはあの地下施設でXR:ヒューマノイドの試験操作という名目で仮想体を動かして遊んでいる最中であった。何せ機械によってどんな姿の人物にでもなれる上に子どもという制限のある状態から解放され、同じ世界なのに全てが新鮮味に溢れたような見え方であったため夢中になっていったのである。この辺はまだまだ子どもといったところだが、やろうとしている事が事であるため更にルルーシュの中の芽生えつつある厨二心を刺激しているのもあるのだろう。
仮想体の操作実験ということでモニタリングも行われているが、そんなのお構い無しに動かしているとノイズキャンセリング仕様のヘッドフォンが何故か外されたため視界共有ゴーグルを取り外して後ろを振り向くと、そこには青年の姿がニコニコと笑みを浮かべながらルルーシュを見ていた。
「楽しんでるね、ルルーシュ君」
「アンタか……一体何の用だ?」
「んもー、突然ヘッドフォン外したのはごめんて。ただ遊びすぎてる所あれだけど、帰る時間が迫ってるって伝えに来たの」
「何、もう?!」
「慌てなくて良いよー、少し遅れる連絡はしたし。ま、少し急ぎ目で着替えた方が間に合いはするけどね」
それを聞いてルルーシュは青年を追い出し、急ぎ着替えて慌てて廊下へと出て行ったところを待っていた青年に捕まり、「急ぐなら自分に任せなさいな」と言ってナノマシンによるパワーアシストを使用し1分もかからずエレベーター前に到着し、地上に出たところでなるべく迷惑をかけず素早く外へと出て自前のトライクに乗り込み発進した。
安全のためにヘルメットは両者被っているものの、肉体への安全性は心許無い。バイクよりかは安定しているが事故に対しての不安は拭えない、けれど青年は浪漫のためだけにこれを愛用している。ついでにルルーシュもこのトライクに若干の興味を示し始めているが、青年の影響で買ったと思われかねないので変な我慢をしていたり。
高速道路を走り1時間ほど、交通の便のために引っ越したマンションに到着すると青年と共にルルーシュはエレベーターに乗って15階の1部屋の扉前まで辿り着いたところで、青年はルルーシュに向けて挨拶を交わす。
「それじゃ、また予定日に来るからねー……あぁ、そういや前あげたジャム。どうだった?」
「なぜ今……お陰様で、ティータイムの時間が少し華やかになった」
「ん、それは良い事だ。とっても良い、またテキトーになんか贈るよ。じゃあねー」
そう言って青年はマンションから去って行き、ルルーシュは玄関を開けて部屋で使用人と待つナナリーの元へと歩んでいく。なんてことの無い日常の一幕が、この激動の年にあった。
〜ゴマだれでコク旨〜
いつもの地下施設の一室で青年は体内に埋め込んだナノマシン制御装置のアップグレードを終えた頃、ラクシャータと共に食堂にでも向かおうとしていた所にC.C.が立ち塞がった。青年に用があるので少しの間貸してほしいとラクシャータに向かって言い、別に良いということで青年はC.C.と2人きりで使われていない倉庫部屋に着いた。
「いーきなりなに? 飯行きたいから早目に頼むよ」
「幾つか聞きたいことがあってな。1つは……そう、最近お前が連れてきたルルーシュのことだ」
「ルルーシュ? ……あぁ、そういやそうか。普通に関係あったわな、あの皇帝と元皇后サマと」
「まぁな……元気そうだったか?」
「……まだ見かけてない? それともワザと会わないようにしてる?」
「良いから早く言え」
「あーはいはい。元気にやってるよ、毎度のこと自分に悪態つく位にはね。妹ちゃんの方も元気そうだった」
「そうか……」
「しっかし難儀なモンだよなぁ、あの2人も。自分の親から道具みたいな扱いされてまぁ……あのクソアマが肉体的に死んで日本に来たのは却って良かったのかもな」
「……待て、お前今なんと?」
「んあ、あぁ……知らなかった? ルルーシュ君とナナリーちゃんの母親、魂だけになって生きてるぞ。別の人間の体に入り込んでな」
「本当なのか、先程のは」
「今更嘘言うとでも?」
その青年の発言に対して暫し考え込む様子を見せると、C.C.は青年の方を改めて見て口を開く。
「もし本当であれば、何か手立てはあるのか?」
「あのクソアマに対して?」
「あぁ」
「無い。奴さんは魂だけの状態だもの、魂に干渉できる技術は今の所無いしな。打つ手なし」
「……ならばだが、その解決策が必要だろう」
「まぁ、要るねぇ」
「私と契約してみる気は無いか」
「無いけど」
即答されたため若干拍子抜けしたものの、すぐに立ち直って何事も無かったように振る舞い始めるが、正直無駄な事だろう。
「やはりする気は無いか」
「面倒だしねぇ。あと能力の方は別に、もう持ってるし要らないし」
「……ならば、1つ頼まれてくれないか」
「ん?」
「もしかすれば、私はルルーシュにギアスを与えることがあるやもしれん。もし契約してあの子がギアスを手に入れる事があったもしても、その時はあの子の支えになってほしい」
「……支えをルルーシュ君が欲しがった時は、そうすることにするよ」
それで会話が終わったあと、青年とC.C.は廊下へと出てそれぞれ目的の場所へと向かう。しかし青年は内心、面倒くさいと思いながらC.C.へと向けるはずの言葉を虚空へと吐き出した。
「それはアンタの役目だろうに」
〜その他、色々な出汁〜
ある日のこと、突然オンラインのグループチャットのURLが青年の元に届いた。網膜に投影した映像からURLを開くと画面越しに映っていたのは久しぶりに見る、ノネット・エニアグラムの顔であった。
『やあやあ大将殿、久方ぶりだな!』
「急に何? というか今連絡してて大丈夫なのか?」
『その辺は心配するな、人払いも盗聴対策も済ませている』
「ああ、そう」
少し呆れたような声色を出す青年は、ひとまず思考を切り替えて今回彼女が連絡した理由を聞き出した。シュナイゼルの方から青年に向けて集めた情報などを伝える役目を担ったので、ブリタニアの近況や情報などを伝えに来たのである。あとは単に話したかっただけとのこと。最後の方は兎も角、今のシュナイゼルは忙しい身なので協力者の1人となった彼女に頼むのは考えられる行動ではあった。
彼女から現在のブリタニアの内部状況の荒れ様や皇族内の不信感などを幾つか聞いて、シュナイゼルからの調査結果のほどを確認したが未だにこれと言った進展は無しとのこと。その結果を聞き届けたあと、どうしたものかと考えようとしたところでノネットから尋ねられた。
『ところで大将殿、今更聞くのもなんだが』
「あん?」
『いつも大将殿と呼んでいたから気にしてなかったが、貴殿の名を聞いていなかったなと』
「あぁ……ま、そっちの方がネームバリューあるしな。聞いてないのも無理はない」
『でだでだ大将殿、聞くが名を何という? ふと気になって夜の眠りが浅くなって仕方ないんだ』
「どうでも良いでしょそんなこと、夜は何も考えず寝ろよ」
『あーあー! 大将殿のせいで夜更かし気味になってしまった責任とってほしいんだがなぁ!』
「大声で喋るなアホ! 大体、自分の名前は秘匿情報にしてるんだ。自分の口から教えられる訳ないだろ」
『おや? シュナイゼル殿下は知っていそうな感じだったが』
「あぁあれ、シュナイゼルが掴んだの偽名の方だ。多分、
『ほぉ〜、で名前は?』
「言うわけないでしょうが」
それから暫く、青年の名前を聞こうとして却下されたり雑談したりしていたという。青年曰く、まあまあ疲れたとのことらしい。