皇歴2009年に日本が日本義勇兵召集令を発令してから民間人の一部が義勇兵として義勇軍として編成された。その中にはまだ20も満たない少年少女がブリタニアに対抗するために日本関西地方の都道府県“京都”にて2007年に建てられた日本衛士養成学校で戦術機を使った訓練が行われていた。
その中にはこの世界には存在しない筈の人物たちがいた。“篁 唯依”、“甲斐 志摩子”、“石見 安芸”、“能登 和泉”、“山城 上総”。この五人は本来“トータルイクリプス”という世界の住人の筈なのだが、
彼女たちは2010年の4月にてこの衛士養育学校に入学し、ブリタニアから日本を守るために戦術機を扱う一人前の衛士として日々訓練を行っていた。
今日も今日とて彼女たちの訓練が始まる。そんな彼女たちの訓練を務める教官は健一の父である正利が彼女たちの教官として一人前の衛士として鍛え上げるのだった。
「よぉし、改めて御浚いするぞ。戦術歩行戦闘機――すなわち戦術機は己の鎧でもあり、武器でもある。これを上手く自分の手足の様に動かせるようにすることだ。総員、戦術機に搭乗次第飛行訓練に移る。遅れるなよ?一人でも遅れたらグランド一周だ」
「「「了解っ!」」」
そうして彼女たちは訓練用に回された第一世代戦術機である撃震に乗り込み、飛行訓練場所に向かうのだった。
その飛行訓練は低空飛行を現にしており、高度が高すぎるとブリタニアの長距離対空ミサイルの餌食になるとのこと。ブリタニアのミサイルの件は日本政府の諜報部によってもたらされた情報だ。その情報によると約100m以上高度を取った戦術機に反応し、その戦術機にミサイルが発射されるというブリタニアの対戦術機迎撃手段の一つのようだ。
その結果、ミサイルの射程圏内に入らないよう低空飛行を徹底しているのだ。
「いいか?低く、早く、這うように飛ぶんだ。間違って高度を上げるとブリタニアのミサイルの餌食だからな?その点は注意するんだぞ。それと六番機、高度が高いぞ。ミサイルに食われるぞ」
正利は訓練兵の彼女たちを徹底的に扱き、飛行訓練を終え次第次の訓練に移るのだった。次の訓練は跳躍ユニットを使用せず戦術機の歩行訓練及び接敵訓練を行う。
「移動隊形にシフト。接敵前進、3000m地点でウェッジ・ワン。つまり、攻撃隊形傘壱型だ。注意して進め」
彼女たちが駆る戦術機は接敵前進し、そこでブリタニアのKMFを見立てた標的的である戦術機が表示される。彼女たちは接敵した際に突撃砲を構えるが……
「きゃあぁっ!」
「うわっあぅ!」
突如として表示されるために逆に驚いてたじろいでしまう。中にはたじろいで他の戦術機とぶつかるという新兵にありがちなミスが発生していた。
「ありゃりゃ……これはひどいな。はーいお前たち、何処から敵が出て来てもビビったら負けだ。逆にすぐ撃墜されるぞ。という訳で全員死亡、戻ったら連帯責任で全員グランド十周な?」
「「「えぇ~~っ!?」」」
歩行訓練と接敵訓練を終えた後に彼女たちは正利の言われた通りグランドを十周し、ある程度休憩した後に健一が開発したシミュレーションユニットでチーム戦による模擬戦を行うのだった。この訓練では味方との連携が重要になるため如何に味方と上手く連携して敵を倒すか重要になっている。
「味方との連携を第一にな。例え最後の一人となっても諦めないように。諦めたらそこで人生終了だからな」
その次に個人戦で74式近接戦闘長刀による一対一や一対多の戦闘訓練を行う。それぞれ彼女たちの上昇し、訓練から五ヶ月が経とうとしていた。
そして五ヶ月が経った皇歴2010年 9月5日
今日は訓練はなく、それぞれ非番であったために上総は教官に打ち勝つために自主練を行い、上総を除く唯依たちは京都にある団子屋で談笑しつつひと時の平和を満喫していた。向こう側の彼女たちとの違いは武家であるかないかの違いだった。
そんな中、唯依はブリタニアとの戦争にある不安を抱いていた。それは、日本がブリタニアとの戦争に勝ったとして、その先に未来があるのか?と。その不安が少しづつ大きくなっていき、未来が曇ってしまってその先が見えないでいた。
そんな唯依の様子を見た安芸は唯依に声をかける。
「どしたの唯依~?なんか深刻な顔をしちゃって~」
「えっ?……ああ、武田教官の用意した訓練のことを思い出しちゃって」
唯依は自身の不安を漏れ出さないよう嘘をついた。それを聞いた和泉と志摩子は正利の訓練方法についてのことに食いついた。
「あ~、武田教官の教官対訓練兵たちの模擬戦闘のことね?」
「教官と訓練兵の私たちじゃあ経験が違いすぎて一方的に負け続けたもんね。うう……嫌なことを思い出しちゃった」
「シミュレーションで教官も私たちと同じ撃震で相手してきたもんね。しかもハンデとして教官は突撃砲を一門しか持たなかったのにも拘らず、敵を倒してはその敵の武器をそのまま使用して武器の補充なんかした挙句、次のハンデでは長刀のみで私たちを蹴散らしたんでだよね。…もう最悪」
次々と語られる正利の人並み外れた発想と技量に彼女たちの空気が若干重くなる。そんな話題から切り替えようと安芸が話題を変える。
「も~~、んな過去の重い話忘れようよ~。私たちは未来に向いて生きようぜ~」
「未来って言えば、三日後にまた教官との模擬戦があるの、忘れないでね」
せっかく話題を切り替えたのに正利の模擬戦のことに安芸は不貞腐れてしまう。
「あ~~もう、あの鬼教官め~~!あいつには血も涙もないのかよ~~」
「そうは言っても、昨日の教官との模擬戦で教官が自分に勝てなかったら三日後に再び模擬戦を行うって言ってたでしょ?それも、また負けたら今度はグランド十周だって言ってたし……」
「そうかも知れないけどさ~、あの教官強すぎるしブリタニアのナイトメアと違って戦術機での訓練だし、ナイトメアに対して有効なのか分かんないんだよ?」
そんな不貞腐れる安芸に唯依は補足をいれる。
「でも、それだけブリタニアのナイトメアには注意がいるってことよ。ブリタニアの中には精鋭部隊もいるって教官も言っていたし、万が一その精鋭部隊と戦えるように厳しくしているんでしょ?」
「唯依の言う通りだよ。武田教官、第一次日本防衛戦でブリタニアと戦って生き延びた人なんだし、ちゃんと――」
唯依に続くように志摩子も言うと、安芸は何かをひらめいたようだ。
「――その通りだよ志摩子!生き残るための戦訓なら余計、別の話を聞きたいと思わないか?」
「そりゃあ、そうだけど……」
「ほぉ……そりゃあどんな話だ?」
すると彼女たち以外の声がした。安芸を除く唯依たちは一瞬青ざめたが安芸は気づかぬまま言い続ける。
「鬼教官のヤツ、あそこまで私たちを痛めつけるSっ気のあるヤツなんだよ!もしかしたら、私たちを無知のまま戦場に送ろうとしてる……か…も……」
今頃になってようやく気付いたのか安芸はサビついたネジのようギギギッ…と首を後ろに向けるとそこには正利がいたのだった。
「誰が無知のまま訓練兵を戦場に送ろうとする鬼教官だって。石見訓練兵?」
「あ…あと。えっと、その……」
「……まぁぶっちゃけ俺以外の教官だったら間違いなくアウトの発言だからな。幸いにも今日は非番だから見逃すけど、今後は迂闊な発言は控えろよな」
「きょ…教官……」
まさかの許されたと思った安芸。しかし、現実は非常だった。
「ただまぁ、元気すぎるのが分かったから三日後の訓練、安芸だけグランド二週追加な」
「そ……そんな~~!」
「「「アハハハ……」」」
安芸のやらかしに唯依たちは気の毒に思いながらも彼女達は何気ない日常を過ごしていた。すると唯依は談笑中にキーホルダーを落としてしまう。
「あっ…いけない」
落としたキーホルダーを拾うおと手を伸ばしたその時に、唯依以外の手がキーホルダーを拾おうとしたのを見て顔を上げると、そこには唯依と同じ年に近い男性と目が合った。この瞬間、唯依の中の何かが小さくときめいた。この出会いこそ唯依にとって健一との最初の出会いだった。
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唯依たちが団子屋で談笑する前、健一は戦術機の武御雷を使って京都に来ていた。彼はここがいつブリタニアが攻め込んできてこの綺麗な景色と文化、伝統が失われるのかわからない以上思い残すことのないように京都を満喫するのだった。戦術機に関しては日本軍に見つからないよう光学迷彩とステルスを駆使して移動し、とある森の茂みの中に隠している。
そんな彼は団子屋に訪れ、団子を一つ貰おうと立ち寄った。その時に談笑していたであろう女子学生たちと教師の中の一女子学生がキーホルダーを落としたのをみかける。当時の彼は、そのキーホルダーを拾って落としたことと伝えようとした時に彼女もキーホルダーを拾おうと手を伸ばそうとした。その時に彼は拾うのを止め、落としたことを伝えようと顔を上げた時に彼女の顔を見て驚きを表情には出さ差なかったものの、内心彼は驚いていた。
何故マブラヴのキャラことトータルイクリプスの篁 唯依がいるのか当時の彼は一時的に思考が停止してしまった。せめて声だけでもかけようとした。
「「あ、あの……」」
まさかの唯依とダブってしまい、余計に同声を掛けたものかと考えていると、唯依が先にお礼を言う。
「あ…ありがとうございます」
「い、いや。気にすることじゃない……」
お互いに初対面だというのにギクシャクな感じだった。そんな時に健一の父親である正利が声をかけてきた。
「お、健一!お前、京都に来ていたのか?」
「んなっ!?おっ、おっ、おっ、おっ、おっ、親父ぃ!!??」
健一もまさか父親が京都にいることに気付けなかった。正利に続いて和泉たちも唯依が固まっている様子と見て声を掛けた。
「どうしたの唯依?…顔、少し赤いよ?」
「ん~~?もしかして、そこの人に一目惚れしちゃったとかだったり~~?」
「へぇっ!?///」
安芸が冗談のつもりで言ったつもりが唯依はこういった話は初心な為に余計に彼女の頬は再び真っ赤に染まってしまう。健一は唯依以外にも和泉や安芸、志摩子といったトータルイクリプスの“帝都燃ゆ”で戦死したメンバーが一人除いて揃っていることに内心驚いていた。もしかしたら山城 上総もこの世界にいるのかもしれないと思いつつも、下手な誤解を生みたくないと健一は場の空気を変える為に正利に何故京都にいるのか問いだすのだった。
「そ…それよりもだ。なんで親父が京都にいるんだ?親父は確か軍の関係上しばらくの間家を空けるって言ってたが、それが京都だなんて聞いてないぞ!?」
「ああ~~、言わなかったもんな。俺は確かに軍の関係上、家を出たがそれが新兵たちを養育する教官を務めることになるとは思わなんだ」
健一は何故父が此処にいるのかの話をしている時に志摩子が健一に対していったい誰なのかを正利に聞いた。
「あのぅ、教官?この方は親族の方ですか?先ほどこの方が教官を親父と言ってましたが……」
「うん?おぉ、言ってなかったな。こいつは俺の息子の武田 健一だ。お前たちが操縦する戦術機開発の生みの親だぞ」
「なっ!?おい、親父!余計なことは言うなって!只でさえ俺は……」
健一がこれ以上の混乱を招きたくなかったのか戦術機開発の生みの親であることを隠して旅行していたのだが、正利の暴露発言で無意味に終わった。その結果、唯依たちが健一が戦術機開発の生みの親であることに驚いていた。
「嘘……それじゃあ貴方が……」
「戦術機を生み出した唯一の鬼才……!」
どうやら彼女たちにとって健一は素顔を隠された謎多き男性アイドル的な存在だった。その後は唯依を除く和泉たちから健一に対して質問攻めされることなった。出来ればバレないように京都を満喫しようとした彼の計画は正利の暴露発言によって破綻するのだった。
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一方の日本北九州では、ブリタニアがまたいつ攻めてくるかわからない為に戦術機3機編成で北九州海域の哨戒任務を3部隊によるローテーションで行われていた。すると1機がレーダーに反応をキャッチした。
「これは……!CP、CP!こちらズールー1!緊急事態だ!」
《こちらCP。ズールー1、報告が不明瞭だ。正確に報告せよ》
「ブリタニアの艦隊を補足した。その数……30隻!恐らくブリタニアの第二次日本上陸艦隊だ!至急司令部に報告を!」
《了解した。ズールー1は直ぐにその海域から離脱せよ》
「こちらズールー1、了解!」
そうしてズールー1はすぐに海域から離脱するために跳躍ユニットのエンジンを吹かして離脱する。その際にブリタニア艦隊から艦砲射撃が始まった。どうやら北九州にある基地を狙っての砲撃らしく、基地にいた者たちはブリタニア艦隊の艦砲射撃によって壊滅する。更には沖縄地方や中国・四国地方でもブリタニアの別働艦隊により壊滅したとの報告が日本政府に凶報として伝わる。
三ヶ所の基地が攻撃されたことで指揮系統に一時的な混乱が生じた。その隙にブリタニア艦隊は再び海と空から上陸部隊を展開した。今回ブリタニアが実行した第二次上陸作戦は沖縄地方を始めとし九州地方、中国・四国地方の三ヶ所を攻め込み、三ヶ所を制圧次第、日本を制圧するという電撃作戦を実行したのだ。
日本は前回の戦いでブリタニアが再び同じ場所を狙って進撃してくることを予期して各地方に戦術機部隊を配置した。しかし、それをブリタニアが逆手にとって全体ではなく、西日本から一点に戦力を集中し、そこから日本の各地方を制圧するという作戦にでたのだ。
ブリタニアに攻撃の隙を与えてしまった日本は、近畿地方で戦力を終結させて防衛線を構築するのだった。
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この情報は正利にも伝わっていた。正利は軍上層部にて指示を受け取っていたのだが……
「はぁっ!?訓練兵を新兵として出撃させろ?馬鹿を言うんじゃねぇ!まだ訓練してから半年も経ってないひよっこばかりなんだぞ!」
正利の言う通りまだ養育が完了していない訓練兵を戦場に駆り出すよう軍上層部からの指示を受けたのだが、当然の様に正利はこれに反発。しかし、軍上層部はこれは日本政府の勅命であると同時にブリタニアに対する徹底抗戦の意思を示すための手段であると説明を受ける。
「……何っ、日本政府からの勅命だと?それとブリタニアに対する徹底抗戦の意思を示すための?俺たち軍隊は政府の太鼓持ちじゃないんだぞ!気に入られようが気に入るまいが……うぉっ!?もしもし?もしもーしっ!?」
これ以上の口論に付き合ってられなかったのか、軍上層部から一方的に通信を切られてしまう。
「えぇい、くそっ!今訓練兵を前線に出しても無駄死にさせるだけだってのに。上の連中は…!」
正利は納得のいかないまま命令通りに唯依たちを含める訓練兵たちを嵐山に仮設補給基地として運用している“嵐山仮設補給基地”に移動させるのだった。
皇歴2010年 9月8日
正利の嵐山仮設補給基地招集命令によって集められた唯依たち。時刻は既に夜の21時を過ぎていた。緊張する唯依達を尻目に正利と副官の“如月 佳織”がブリーフィングルームへ入出した。上総は声を張り上げ号令する。
「敬礼!」
そう言うと唯依達は一斉に敬礼する。遅れて正利と如月が敬礼をした。
「休め」
正利はそう言うと全員が休めの姿勢になる。
「座れ」
「着席」
如月の指示の元、唯依達は着席した。
「さて、皆は聞いているかもしれないが確認するぞ。三日前に日本海近郊にてブリタニア軍と思われる艦隊が哨戒中の部隊が発見、海軍はまだ回復しきれていないために敵の上陸を許してしまった。防衛戦は陸軍が全力で迎撃に当たっている」
そう言うと如月は端末を操作しスクリーンに映像を映し出す。其処には赤と緑の矢印でブリタニア侵攻と日本軍の防衛を表していた。
「現在ブリタニアの師団規模の敵KMFは九州を制圧、中国・四国に上陸した。此方が堕ちるのも時間の問題だ。そこで日本陸軍と空軍がブリタニア軍の本州中部進行を阻止するべく、京都前面に防衛線を構築。一応九州の生き残りが出来るだけブリタニア軍の進行を妨害しているが、あまり期待しないほうが良い」
その言葉に唯依達は息を呑んだ。そう、自分達の初陣は直ぐそこなのだという事を正利の普段見せない鋭い目と滲み出る闘気で否応無く理解してしまった。唯依達は普段の正利とのギャップに戸惑いながらも覚悟をした。
しかし、時がそれを許してくれないのか基地全体に警報が鳴る。それは敵が接近して来たことを意味していた。
「警報……!」
「外からだな?基地の外周辺に向かうぞ!」
正利が唯依たちを連れて基地の外に出る。そこで見たものは、山の奥で山火事が上がっていて夜空にはぽつぽつと光が出たり消えたししていた。これを見た唯依たちは、光や山火事の原因の正体がブリタニア軍の攻撃であると同時に……
「なんで……防衛線は?」
「…突破されたのよ」
唯依の言う通りだった。ブリタニア軍が防衛線を突破し、ここまで来たのだ。その時に安芸が上空に中破した戦術機二機を見つける。先行している機体は右肩が無くなっており、後方の機体は右足を欠損していた。
「おい、アレ!」
「補給か?」
「違う…」
和泉たちが考察している中、後方で飛んでいた戦術機が後方からやって来たミサイルによって撃墜される。
「「「あぁっ!!」」」
「ブリタニアの長距離ミサイル!」
友軍機が堕とされたことに先行していた戦術機がランダム回避軌道を行うもののミサイルを振り切れず直撃を受けてしまい、そのまま墜落して爆散する。正利も既に前線が崩壊してブリタニアがここまで迫ってきていることを悟ってしまう。
「ちぃっ!もう連中がここまで進軍してきたか!如月、此処の指揮を任せる!俺は前線で味方の援護に向かう!」
「了解です。お前たち、聞いたな?既にブリタニア軍がここまで来ている。全衛士は戦術機への搭乗を急げ!」
「「「りょ…了解!」」」
正利が別行動をし、如月が代理で指揮をとり、唯依たちに戦術機の搭乗を急がせる。唯依たちは急ぎ戦術機へと向かい、唯依たちが乗ることになっている撃震の改良機“瑞鶴”に乗り込み、機体の各パラメーターをチェックする。
「ブリタニアの進軍速度が速すぎる!」
「何で…後方の補給基地にまで?」
「いいえ、ここはもう最前線よ。……回せー!」
唯依の掛け声を合図に整備班が退避する。そして各戦術機の跳躍ユニットのエンジンが起動する。
全戦術機が起動完了し、唯依たちは出撃用のカタパルトに向かった。そこには如月が乗る赤いカラーリングを施した瑞鶴がいた。
「ブリタニア斥候軍、なおも接近中。敵KMFの総数およそ200。先頭はライフルとランス、大盾装備のグラスゴー。後続に大型キャノン砲装備。面制圧用のミサイル装備はその最後尾だ」
如月機の瑞鶴が先行して出撃する。それに続くように唯依たちもカタパルトデッキに乗る。
「お父様、どうか私たちをお守りください。……ブラスト・オフ!!」
そうして唯依も山吹色の瑞鶴で出撃するのだった。近畿地方からブリタニアの進行を止めるために。