ルルーシュがランスロットに追われる数分前、ルルーシュは荒れていた。敵の新型であろうランスロットを数による人海戦術で潰そうとしたがそれすらことごとくランスロットによってテロリストのサザーランドを次々に撃破されていく。
彼の練っていた戦略通りに、事は進んでいたはずなのにランスロットという一つの
「くっ…敵は、本当に一機だけなのか…?」
この時のルルーシュは知る由もないだろう。そのランスロットのパイロットは友人である撃たれたはずのスザクが乗っているのだから。
しかし、戦略が瓦解したとはいえどもルルーシュは冷静になる。
「(落ち着け…!俺にはまだ切札が残っている。
ルルーシュが考えている間にそのランスロットがルルーシュが隠れている廃ビルの会場にハーケンで登り、ルルーシュが乗る純血派使用のサザーランドに攻撃する。ルルーシュはとっさの操縦でサザーランドの腕を交差させてランスロットの一撃を防ぐ。
「こいつか?俺の作戦を!?」
「お前が指揮官だな!」
皮肉にも相手が友人であることを知らないルルーシュとスザク。互いの機体はランドスピナーで機体を押し合っていた。
「たかがパイロットが!よくも!」
機体同士が押し合うあまりに廃ビルの会場の足場が崩れ落ち、ルルーシュとスザクはそのまま落ちていく。先に地面についたのはルルーシュのサザーランドだった。
「…仕方ない!ここで脱出を!…ッ?!」
ルルーシュは脱出装置レバーを手にかけようとしたときに画面に映ったのはランスロットがそのまま回転蹴りを仕掛けてくる光景だった。ルルーシュは即座に防御するが、パワーがランスロットにあったのかそのまま機体が吹き飛ばされ、倒れこんでしまう。そして止めを刺そうとランスロットが腕部のスラッシュハーケンをサザーランドに向ける。
「くっ…!(やられる?!)」
ついに追い詰められたルルーシュを、カレンが不意打ちでランスロットに襲い掛かる。
「おい!借りは返すぞ!」
だが第七世代と第四世代のナイトメアフレームの差は一目瞭然。
しかもカレン機に至っては既に限界以上に駆使したために本調子ではなかったことから彼女の脱出機能は数秒後に発動してしまい、カレンもその場を離脱した。
そしてルルーシュのサザーランドはそのまま廃ビルから脱出し、これまでの行動を反省して学ぶのだった。
「(学ばないとな。実戦の要は人間か)…ッ!」
そう考えている最中、レーダーに反応があり高速でルルーシュに向かっていた。そう、ランスロットがルルーシュの後を追いかけてきたのだ。
「さっきの白いやつか!?しつこい!」
ルルーシュはアサルトライフルで応戦しようとしたその時にレーダーに新たな機影を捕捉する。それはK-1と呼称された健一が乗る戦術機だった。すると戦術機から通信が入る。
《そこのサザーランド、お前がCPか?時間を稼ぐ!すぐに離脱しろ!》
「戦術機!?まさかK-1か!?」
まさかの切札が向こうから来てくれたことにルルーシュは心の中で感謝しつつもこれを好機ととらえて健一の言われた通りに離脱し、だいぶ離れたところで脱出するのだった。
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場所は変わり、G1ベース内ではランスロットが戦術機と接敵した瞬間、その戦術機はランスロットに落とされることなく互角かそれ以上に戦っていた。性能だけみればこちらの新型と同等と思えるが戦術機は既に七年前の兵器として旧式化された存在。それなのに相手は破壊から免れた第三世代の戦術機に対してこちらは試験機とはいえ第七世代と互角に渡り合っているだと!?と最早悪い冗談か何かとしか思えなかった。
その時に特派側もランスロットが交戦している戦術機とそれを扱うパイロットに驚いていた。主にロイドがである。
「な?!噓でしょ!?僕のランスロット並みの動きを……あの戦術機が!?」
「スザク君もそうですが、あの戦術機のパイロットの動きは3次元機動を容易く行っています!このままじゃ今のスザク君でも……」
セシルはこのまま戦闘が長引けばランスロットの活動限界時間が来てしまうことに危険視していた。しかしロイドは自身が作った第七世代のランスロットやデヴァイサーであるスザクの心配していたが、それよりもランスロットが戦っている第三世代の戦術機である不知火とそれを扱うパイロットが気になっていた。
「(僕の作ったランスロット並みに動かせる
そう小声でロイドは呟きながらもランスロットと不知火の戦いをモニター越しで見届けていた。
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現在の健一はブリタニアの新型であるKMFことランスロットに苦戦していた。幸いなのはランスロットの武装が腕部と脚部の強化スラッシュハーケンだけでこちらはフル装備。それなのに敵パイロットの技量が高かったためか運動性能は第三世代の不知火・弐型を超えていた。
ランスロットは腕部のスラッシュハーケンを突出させ、手刀のように攻撃を仕掛けてくる。攻撃を回避しながらも突撃砲で牽制するも、そのランスロットは右腕部を盾にするように構えると右腕部の外回りに薄緑色のエネルギーシールドこと“ブレイズルミナス”を発生させて健一の攻撃を“捻じ曲げる”事で攻撃をを防いだ。
「エネルギーシールド!?ブリタニアはこんなものを作っていたのか。…ならこれで!」
そこで彼は突撃砲の大口径砲で砲撃するも、ランスロットのブレイズルミナスに弾かれるのだった。
「ちっ!エネルギーシールドの前じゃ、大口径砲も豆鉄砲も当然か…!」
突撃砲の残弾も残りわずかで、跳躍ユニットの推進剤も50%も下回っていた。これ以上の長期戦は拙いと判断したその時に、IFFが外れた二機のサザーランドが出てきた。その二機は健一の乗る戦術機ではなくランスロットを標的にアサルトライフルを撃つ。
「サザーランドが敵の新型KMFに攻撃?IFFが外れているのを見るに味方か?…しかし、思わぬ味方だな。扇グループの者か?」
謎の二機のサザーランドに疑問を持ちながらも健一は二機のサザーランドを援護しつつもランスロットに攻撃を継続するのだった。
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時間は少し遡る……
シンジュクゲットーが戦場となり、ルルーシュが扇グループを利用してブリタニア軍に反撃する少し前のことだ。ある場所にて二人の男女がいた。その男女は双子であり、ブリタニア人であり日本人でもあるハーフ。兄の“マリオ・ディゼル”と、妹の“マーヤ・ディゼル”がいた。
その二人は七年前までは日本人として過ごしていたが原作通り戦争が起き両親が死亡。その後、日本人の血が流れていることを隠しながら、二人は両親の後輩であった義母クラリスのもとでブリタニア人として過ごしており、アッシュフォード学園にも通っている。
七年前のブリタニア侵攻から、二人はクラリスに引き取られるまでの記憶が欠落し、その間どのように生活していたのか、本人も思い出せずにいる。日本人が虐げられている現状や自身の家族を奪ったことなどからブリタニアに対しては良い感情を抱いておらず、学園に関してもクラスメイトからすら存在をほぼ認識されていないレベルで不登校気味となっている。
偽善と思いながらもシンジュクゲットーで知り合った日本人の孤児たちに食料や医薬品を支援するなど交流を重ねる日々を過ごしていたが、ブリタニア軍のシンジュクゲットー掃討作戦に孤児たちと共に巻き込まれる。どうにか彼女たちを安全な場所に逃がそうと必死に奮闘するも叶わず、孤児たちは目の前で死亡してしまう。
この時のマリオは平然と人を殺すことができるブリタニアに対する怒りが増し、マーヤは孤児である“陽菜”、“まり”、“とも”、が死んだことを悲しみ、ブリタニアの憎悪が増した。
(どうしてそんなに簡単に人を殺す?)
(日本人だから?戦争に負けた国の人間の命は、そんなに軽いの?)
(そんなに容易く奪っていいものなのか?)
(そんなに容易く奪っていいものなの?)
「「いいや、違う。絶対に違う…!」」
その際に二人はブリタニアに復讐を果たすため、生き残るために行動をとった。その時に二人は偶然にも乗り捨てられてあった二機のサザーランドを発見する。
どうやらルルーシュの指揮下にいた二機のサザーランドを操縦していた日本人が怖気ついたのかサザーランドを乗り捨て、放棄されたものだと思われる。そんな偶然を見逃す二人ではなく、二人はそれぞれサザーランドに乗り込み、武装や機体の状態を確認する。
「兄さん、そっちのサザーランドは?」
「あぁ。機体自体は問題ない。ほぼ無傷で乗り捨てられたようだ」
そうして互いに武装や機体の状態を確認し終えたその時にブリタニア軍のサザーランドがやってきたのだ。
《IFFが外されている?貴様ら、テロリストか……!》
「「テロリストなんかじゃない!」」
二人はブリタニア軍のナイトメアに向かって叫んだ。ブリタニア軍のサザーランドのパイロットは相手は二人を素人であると判断した。
《やはりか!だが、素人共がナイトメアを使おうなどと……な!?》
しかし、その判断が甘かった。マリオとマーヤのサザーランドが突撃してきてブリタニア軍のサザーランドがアサルトライフルで応戦する。この時のマリオとマーヤはシンジュクゲットーで偶然からサザーランドに乗り込んだのが“生まれて初めての実戦”かつ“初のナイトメアフレームへの騎乗”であるにも関わらず、ランドスピナーとスラッシュハーケンを駆使した壁走りなどの3次元機動を披露し、一般兵の乗るサザーランドを圧倒した。
「そうやって人を人と思わないから!」
そうしてマーヤの一撃がブリタニア軍のサザーランドに叩き込まれる。
《ぐあっ!サザーランドでそんな挙動が出来るだなんて!こいつら、何者だ!?》
被弾した箇所が悪かったのかサザーランドのパイロットが脱出装置レバーを引いて機体からコックピットユニットが射出され脱出する。しかし……
「お前たちを、決して許さない!」
《なっ!?待―――》
それを許さないが如くマリオのサザーランドがアサルトライフルで脱出したであろうコックピットユニットを迎撃。コックピットユニットはアサルトライフルの弾幕に耐えられるわけもなく被弾して爆散。そのパイロットの命を刈り取った。
初めて人を殺したマリオ。マーヤはそんなマリオに大丈夫かどうか声をかける。
「兄さん。大丈夫?」
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……あぁ、大丈夫。俺はまだ……!」
「無理をしないで。まだ戦いは始まったばかりよ」
「わかっている。陽菜たちの仇を討つためにも、このままクロヴィスのいる検問に向かうぞ」
「えぇ。行きましょう」
マリオは初めて人を殺したことに罪悪感を感じていたが、それを怒りで無理やり罪悪感を押し殺し、無謀と自覚しつつも二人でクロヴィスに復讐すべくG1ベースに向かうのだった。その際に日本人が開発した対ナイトメア戦を想定した第三世代の戦術機である不知火の改修機が敵の新型であろう白いKMFことランスロットと交戦しているのを目撃する。
「兄さん、あれって…!」
「戦術機の不知火!?それも改修機か?破壊から免れてまだ残っていたのか?」
「それよりもどうするの?あの戦術機を助ける?それとも……」
「迂回したいがあの白い機体、戦術機を倒した後に俺たちを狙う可能性がある。ここで破壊するぞ!」
「わかったわ!」
そうして二人はランスロットを破壊するために健一の乗る戦術機の援護に回るのだった。この二人が戦闘に介入したことでこの世界の本来の正史が大きく狂い始めることを今の二人と健一は知る由もない。
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二機のサザーランドが援護してくれるものの、ランスロットのブレイズルミナスに苦戦を強いられている。二機のサザーランドがランドスピナーとスラッシュハーケンを駆使した壁走りなどの3次元機動で翻弄しようとするも、ランスロットのスザクの方が一枚上手であった。その中で健一の不知火も87式突撃砲で援護しつつもXCIWS-2B試作近接戦闘長刀で切りかかる。しかし、寸でのところで躱され、お返しと言わんばかりに蹴りをお見舞いしてくる。
健一もその蹴りを回避し、互いに激しい攻防戦を繰り広げた。しかし、そう長くは続かなかった。先ほどの二機のサザーランドの内一機が機体限界を迎えたのか動かなくなったのだ。
「機体がもたない!」
「脱出しろ、マーヤ!俺が援護する!」
マーヤは脱出装置レバーを引き、コックピットユニットを射出させる。しかし、ここで問題が発生した。それはコックピットユニットに搭載されている緊急用パラシュートが開かなかったのだ。
「そんな!このままじゃ――あぁっ!」
「マーヤ!!」
マーヤの異常に気付いたのかマーヤのもとに向かうマリオ。さらに最悪なことにマーヤのコックピットユニットは隣の廃ビルに直撃し、その廃ビルの耐久値が限界を迎えたのか廃ビルが崩れだす。その時に健一やスザクのレーダーに崩れていく廃ビルの上階で生体反応が確認される。その反応した場所を見てみると、そこには赤子を抱えた女性がビルから落ちているのだ。
「「…!?拙いっ!」」
この時の健一は咄嗟の判断で敵に背を向けることになってしまうが、落ちていく女性を救助を優先し、跳躍ユニットで跳ぶ。するとスザクも彼と同じ判断をしたのか腕部のスラッシュハーケンを地面に撃ちこみ、その勢いで跳んだ。その結果、二人がかりで落下する女性を優しく受け止め、ゆっくりと地面に着地した。そして健一は女性を地面に下ろし、避難場所を示して逃げるように伝える。
その時にランスロットは何もしてこなかった。むしろ何もしてこなかったことに感謝するばかりだった。ランスロットがこちらに目を向けた際に健一はランスロットに向けて不知火のマニピュレーターの親指部分を立ててグッジョブのサインを作る。
その時に健一は援護してくれた二機のサザーランド一機が脱出した際に廃ビルに突っ込んでしまったのを目撃したために助けに向かおうとしたときに唯依から緊急の通信が入る。
《武田さん!聞こえる?今すぐ避難所に来て!》
「唯依か?どうした」
《敵が避難所を特定したわ!このままじゃ避難した住民が!》
「なんだって!?直ぐに向かう!」
唯依の報告内容に健一は跳躍ユニットで飛翔し、急ぎ扇たちが避難している場所に向かうのだった。その際にランスロットは追撃してこなかった。
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スザクは今まで以上に冷汗をかいていた。マニュアル以上の性能を有していたランスロットが日本の第三世代の戦術機不知火の改修機に苦戦を強いられていたのだ。崩れた廃ビルから民間人が落ちてきたときに一緒に助けに向かったことに一瞬だけ共感を持てたが、今は敵同士であると頭で理解していたのだが、不知火に目を向けたその時に不知火からグッジョブのハンドサインを送ってきたのだ。そのグッジョブのサインに困惑しかけたスザク。その時に不知火がまるで急用を思いだしたかのように跳躍ユニットで飛翔し、どこかに飛んで行ってしまうのだった。
この時のランスロットのエナジーフィラーのエネルギー残量が活動限界ギリギリまで消費していた。このまま戦い続けていたら先にエナジーが底をついて動けなくなってしまうことを想像しただけで冷汗が止まらなかった。
「あの不知火の衛士……僕の想像以上に強かった。あれを動かしている衛士はいったい……」
不知火のパイロットの正体が気になると同時にもっと強くならなくてはならないとスザクは心に強く誓うのだった。残っているエナジーで一旦特派のトレーラーに戻り、ランスロットのエナジーフィラーの交換を行うのだった。
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健一が向かった避難所では扇たちが避難したであろう場所に到着するや否やブリタニア軍が扇たちや避難民を包囲していた。唯依たちは現在敵のナイトメアに足止めされていて向かうことができずにいた。
このままでは扇たちや避難民諸共ブリタニアに皆殺しにされてしまう。そう健一が理解した瞬間、行動は早かった。XCIWS-2B試作近接戦闘長刀を手に、そのままブリタニアの装甲車を両断し、破壊する。そして外部スピーカーを通して彼は避難民に告げる。
「避難民は目を閉じてくれ!ここからはR指定クラスだ!」
そう告げた時にブリタニアの歩兵部隊が突然現れた戦術機の出現に混乱していた。
「せ…戦術機!?いったい何処から!?」
「う…撃て!撃てっ!!」
アサルトライフルで応戦するが、戦術機の装甲の前では豆鉄砲も当然だった。そして彼はXCIWS-2B試作近接戦闘長刀を使い、そのままブリタニアの歩兵部隊を斬滅する。
その際にブリタニアの戦闘車両も攻撃しようとするがそれよりも先に不知火が74式可動兵装担架システムに担架している87式突撃砲で迎撃され、破壊される。イレブンを追いつめていた筈のブリタニアが逆に追いつめられるという悪夢のような光景をブリタニアの歩兵部隊の指揮官が唖然としながらも思考が停止していた。
そして思考ができるようになった時には既に指揮官を残してブリタニアの歩兵部隊は全滅しており、残っているのは戦術機である不知火だけであった。その時の不知火が持つXCIWS-2B試作近接戦闘長刀やボディには屠ったブリタニアの歩兵部隊の返り血が付着していた。
それが逆に指揮官や避難していた日本人たちにとって恐怖を抱いた。まるで鬼神がブリタニア軍の歩兵部隊を血祭りにあげたかのように。
「ひ…ひぃ!?ま、待て!お、俺が……いや、クロヴィス殿下がこんな命令を下したのが悪いんだ!だからころさないでくれ!お、俺はまだ死にたくない!?」
不知火の前で命乞いをする指揮官。自身の責任をこのエリア11を統治しているクロヴィスに擦り付けてまででも生き延びたいという生存本能が働いた結果だろう。
しかし……現実は非常であると同時に因果応報であることを健一から告げられる。
「そう……人は誰だって死にたくはない。それは人種を問わずに共通することだ。やり遂げたいことがある。やり残したことがある。他にもいろいろと理由があるが人として生きる目的でもある」
「そ……それじゃあ「しかしだ」……へっ?」
「ここにいる日本人はお前たちの無用な殺生の所為でそんなことを言うことができなかった。お前たちが数多に奪ってきたその代償、その命を持って償え」
それは死刑宣告。健一はXCIWS-2B試作近接戦闘長刀を上に掲げ、それを指揮官の方に振り下ろすように調整する。
「……っ!?待―――」
指揮官の声を聴くことなくXCIWS-2B試作近接戦闘長刀は振り下ろされ、指揮官は長刀によって縦に真っ二つとなって絶命した。その時に丁度戦いが終わりを告げるようにクロヴィスがブリタニア軍に停戦命令を下していた。
唯依たちが戻ってきた時には扇グループを除く避難民は健一のことをまるで鬼神がブリタニアに天罰と言わんばかりにブリタニア軍の歩兵部隊を皆殺しにした恐怖の対象として捉えていた。助けられたはずなのにこんな危険な人物に助けられてうれしくも思わなかった。
この時に健一は、相手がブリタニアの軍人であったとしても戦術機を通して生身の人間を虐殺したことに罪悪感を覚え、皆が見えないところで機体から降りて、物陰の隅っこで嘔吐してしまうのだった。
「……あの時は扇たちや避難民を殺されないようにするためだったとはいえ、生身の人間を戦術機越しで殺してしまった。これじゃあ俺は、人でなしだな…」
そう自身に皮肉をつぶやきながらも今日を生き延びたのだった。生き延びた健一は自身の愛機である不知火を見つめながらも束の間の休息を得るのだった。