レイヴェルside
こ、ここが冥府・・・!す、全てが枯れ果てていますわね・・・。しかし、歩を進める事におかしい点が出てくる。それは、死神が
アザゼル「チッ・・・。薄気味悪い場所が更に薄気味悪くなってるな。」
サーゼクス「これもあの神の策略か・・・?」
更に歩を進めていくと負のオーラを纏った神殿が現れようやく一柱の死神が見えた。あれは確かハーデス様・・・?
ハーデス『む?ほう、鴉と蝙蝠だけだと思っていたが、よもや白龍皇まで来るとはな。』
サーゼクス「レーティングゲームぶりでございます。ハーデス様。此度の事前のアポ無しの訪問、お詫び申し上げます。」
ハーデス『構わぬ。・・・なるほど。そこの蝙蝠はあの小娘との約束を果たしに来たわけだ。』
レイヴェル「っ!」
目を向けられた瞬間、まるで心臓を鷲掴みされた感覚に陥る。こ、これが冥府の最高神・・・!!よく聖は親交を持てたものですわね・・・!!
サーゼクス「今回は『サマエルの事だろう?』・・・ええ。何故、全勢力で使用禁止されている蛇を解き放ったのです?」
ハーデス『儂はあの小娘に従っただけだ。それに報酬もしっかりと貰えたからな。』
アザゼル「報酬だと・・・?どういう事だ!!」
ハーデス『あの小娘からの報酬はお主らの悔しそうな表情だ。久しく笑ったわ。』
アザゼル「っ!!この骸骨ジジイが・・・!!」
レイヴェル「アザゼル先生!落ち着いてください!ハーデス様、私はレイヴェル・フェニックスと申します。発言をお許しください。あなたが協力したのは、聖が生まれ変わる事ですね?」
ハーデス『ああ。その通りだ。』
サーゼクス「生まれ変わる・・・?」
ハーデス『着いてくるといい。あの小娘はコキュートスにいる。』
ハーデス神は立ち上がり奥の大木へと足を進める。サーゼクス様達も訝しみながらもついて行くしか無いため、その後を追う。
ヴァーリ「ハーデス神。何故あなた以外の死神がいない?」
ハーデス『なに、たまの休みは必要だろう。』
アザゼル「こんなにブラックな所でも中身はホワイトってか?冗談は骨だけにしておけ。」
ハーデス『ファファファ!使い潰すよりは断然良かろうて。』
階段を降り切れば重々しく門が開く。そこには巫女服を着た聖と姿がほとんど薄れたサマエルがいた。
サーゼクス「あれがサマエルなのか・・・?」
アザゼル「おい、どういう事だ!何故サマエルがあんな状態になっている!」
ハーデス『あれは小娘の養分へとなるのだ。彼奴もようやく解放されるだろうて。存在ごと消えてな。』
そ、存在ごと!?次第にサマエルは粒子となり完全に消えた。そ、それにこの場にあったあらゆる負のオーラも一瞬で消えた・・・。しかし、聖は虚ろな目を浮かべその目は何も映していない。
ハーデス『フェニックスの小娘よ。後は貴様の仕事だ。』
レイヴェル「わ、私の・・・?」
一瞬なんの事か分からなかったものの、テーブルの上に置かれていたゲーマドライバーとガシャットを見て思いつく。聖の部屋にあったガシャットを。
私はベルトと白黒のマイティアクションXを取り、二つのガシャットを起動させる。
ガシャットを刺した途端、突然聖にノイズが走りあらゆる場所が震え出す。こ、これはなんですの!?ま、まさか、失敗!?震えとノイズが収まると聖は下を向く。
レイヴェル「ひ、聖・・・?聖なんですの・・・?」
正直怖い。私のせいでまた聖がいなくなる事が。でもこれしか方法は・・・!
聖「んッん〜!!完全復活〜!!」
アザゼル「な!?お、おい!本当に聖なのか!?」
聖「そうだよ〜。って、ヴァーリ君もいるじゃん。」
レイヴェル「聖!!」
私は思いっきり聖に抱きつく。聖が居なくなった時は本当に怖かった。本当にこの人は私を不安にさせる。聖は私の頭を優しく撫でてくれる。この優しさは聖そのものですわ・・・。
聖「ハーデス様。この度は御協力、誠にありがとうございました。」
ハーデス『ファファファ!まさか本当に蘇るとは思ってもいなかったがな。』
サーゼクス「・・・聖さん。話してくれるかい?何故この様な事をしたのかを。」
聖「ええ。最初からお話します。でもその前にレイヴェルに聞かなければならない事がありますので。」
レイヴェル「・・・あなたはあの時、わざと神器を明け渡し、自らサマエルの攻撃を受けに行った。その理由は、人間として死にパラドと同じ『バグスター』として新たな生を受ける為。」
聖「正解だよ。さて、経緯をお話しましょうか。」
聖は全て話してくれた。夏休みの際にハーデス神から英雄派の存在を聞いていたこと。その際、サマエルを使った自殺を思いついたこと。その為の下準備も全て。
聖「そして、今の私は兵藤聖であって兵藤聖ではありません。言ってしまえば『オリジナル』の兵藤聖の『コピー』です。『オリジナル』は魂が完全消滅しましたから。しかし、記憶や能力等は全て受け継いでいます。」
私はそこまで聞いて聖にビンタをする。今までの怒りや悲しみも込めて。
レイヴェル「もう二度と!!こんな事をしないでください!!するとしても一言言ってください!!」
聖「・・・分かった。ごめんなさい。」
聖は素直に私に頭を下げる。正直まだ言いたいことは沢山ある。それでも・・・
レイヴェル「また・・・会えてよかった・・・!」
私は再度、聖を抱きしめて温もりを感じる。