聖side
???「ほら、飲めよ!」
???「なんだ、飲めねえのかよ!」
またこの夢・・・?
???「おい、寂しい弁当だなぁ!」
???「ほら、私達がカラフルにしてやるよ!」
???「あはははは!ちゃんと食べなよ!」
もう嫌だ・・・
???「あはははは!」
???「ほら、飛べよ!」
誰か・・・助けて・・・!
私がそう叫んだ瞬間、どこからか手が伸びてくる。白い・・・でも、どこか見覚えのあるて手。誰でもいい・・・!この地獄から・・・!!
聖「はっ!!」
あ、あれ・・・?ここは・・・?私は確か戻ってきて、ゲーマドライバーをなんとか作り上げてそれで・・・。思い出そうとすると、突然気持ち悪さを感じる。胃の方から何かが物凄い勢いで上がってくる感覚・・・。抑えようとすると遅く、全て吐き出してしまう。シーツ等は全て真っ赤に染ってしまった。やば、怒られるかな・・・。そんな事を思ってるとドアをノックされた。
聖「はい・・・」
ローゼン「失礼します。聖様、お身体・・・の方は大丈夫ではなさそうですね。」
聖「あはは・・・す、すみません・・・」
ローゼン「今、誰か「聖様!目が覚めたのですね!」・・・レイヴェル様。彼女の側へ。私は他の方を呼んできます。」
レイヴェル「は、はい。ありがとうございますわ。ローゼン様。」
レイヴェル「聖様・・・」
聖「ごめんね、迷惑掛けちゃって・・・」
レイヴェル「本当ですわ・・・!なんで・・・!なんでそんなに無茶をするんですか・・・!!」
ああ・・・本気で心配してくれている・・・。私、何やってんだろ・・・。ひとりぼっちになるのが怖いくせにわざわざ自分からひとりぼっちになろうとして・・・。
でも、私はひとり。この、『ハイスクールDxD』という世界において、私以上の異物は無い。なら、もう消えてしまおう。私は所詮、たんなる害。みんなの記憶を消して居なくなってしまおう。・・・でも、レイヴェルだけには話しておきたい。こんな私を愛してくれているレイヴェルには・・・
聖「・・・レイヴェル。今からとっても大事な話をしていい?」
レイヴェル「え?」
私はゲーマドライバーを装着して特殊なステージへ移動する。その場所は何も無い真っ白な空間。エナジーアイテムでさえも存在しない特殊なステージ。
聖「・・・私ね。ここで生まれたんだ。」
レイヴェル「な、何を言っていますの・・・?」
それから私は全て話した。何もかも包み隠さずに。どうせ記憶を消すからレイヴェルは覚えていない。それどころか、仮の記憶を植え付けられる。悪いけど、こうするしかないの。
聖「・・・これが、私の全て。」
レイヴェル「わ、私達が物語の住人ですか・・・。」
聖「ごめんね、レイヴェル。私は所詮異物でしかないの。どこまで行ってもね。」
レイヴェル「・・・前に見た悪夢というのは、聖様の過去だったのですね。」
聖「・・・うん。私は弱いの。偉そうな事を散々言っておきながらね。」
レイヴェル「・・・そんなの、私も同じですわ。誰だって、弱いものです。」
聖「私は物語を知ってた。だから対処出来ただけ。言わば単なるカンニングだよ。」
レイヴェル「・・・だからなんだと言うのですか!あなたが、その転生者だったとしても関係ありませんわ!私は貴方という人間を好きになったのですから!」
聖「・・・無理だよ。私は「無理等ありませんわ!」え?」
レイヴェル「私はあなたが転生者だとしても愛します!例えこの世界が物語だとしても、現在を生きる私には関係ありません!この愛しい気持ちも、この悲しい気持ちも、書き手程度には分かるはずありませんわ!」
聖「でも、私は・・・」
レイヴェル「私はいつものあなたが大好きなのです!笑っている所も、誰に対しても態度を変えない所も、ゲームを作っているところも、大切なものを命をかけて守る所も!その全てが好きなのです!」
聖「なんで・・・?なんで私を拒絶しないのさ・・・!私は!」
私が言葉を発せようとした瞬間にレイヴェルは抱きついた。力強くも優しく、そして暖かい。あの時と一緒だ・・・。
レイヴェル「拒絶も否定も出来るはずありませんわ・・・!だって、そんな事をする理由がありませんもの・・・」
聖「わ、わた・・・私・・・!私は・・・!」
レイヴェル「・・・もしかすれば、今この瞬間も誰かが書き残した物語かもしれません。それでも、私達は今を生きているのです。この悲しみも私達だけのものですわ。聖様・・・いえ、聖。」
ずるいよ・・・。こんな時に名前で呼ばれたら消えれないじゃん・・・!
レイヴェル「聖、勝手に居なくなったりしたら承知しませんわよ?確か、日本にはこんな言葉がありましたわね。「地獄の底まで追いかける」。もし、あなたが居なくなったとしても必ずみつけてさしあげます。安心なさってください、私は悪魔ですから地獄を知り尽くしております。」
聖「分かった・・・。もう、私は居なくなったりもしない。この世界で過去を捨てて生きていく。みんなと一緒に。」
レイヴェル「そうですわね。・・・まだ、聖を抱きしめていても?」
聖「奇遇だね・・・。私もまだ抱きしめられたかったんだ。」
レイヴェルは私を認めてくれた。もう、私はこの世界の害なんかじゃない。私は、この世界でたった一人しかいない兵藤聖。もう過去は全て捨て去った。私はこの世界でみんなと道を歩む。絶対に。