機動戦士ガンダムSEED ~哀・戦士~   作:単眼駄猪介

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やっぱり意見をぶつけるって大事だね(現実でできるとは言わない)
読者様方の意見や知識を反映しつつ、頑張りたい。
感性がズレてるのかおかしいのかは解りませんが、鳥頭な作者の書く作品をこれからも読んでくれると嬉しいです。

トリガーハッピーを自覚しながら11話を初投稿。




ep11 砂の大地で

 

 

アムロの帰還からアークエンジェルはゆっくりとインド洋に向かっていた。

ムウの覚悟とアムロの脱走はアークエンジェルのメンバーに大きく影響を与え、足りなくなっていたパイロットに臨時で候補するクルーもいた。

 

「子供に戦争やらせて俺達大人がいつまでもぬくぬくとしてられません!」

 

とは、マリューにスカイグラスパーのパイロットに志願しにきた代表のジョブ・ジョン伍長の言葉である。

まだアークエンジェルに待ち受ける障害物は多い。

その障害物の中で一番大きいものが、アークエンジェルに今、立ち塞がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

独房から出てからアムロはムウのためのOS調整に掛かりっきりだった。

自分のこれまでのデータを元手にシミュレーターで調整してムウ専用のOSをムウのこれからの相棒となるストライク二号機にアップロードする。

そんな作業を続ける毎日だ。

しかし、それを苦とは思わない。

もうそれが自分にとって生き残るための道で、ムウというアークエンジェルのクルーからも慕われる人物を死なせない為にも、アムロは黙々と作業を行う。

マードックやムウから甘めのコーヒーや食事を受け取りながらも、アムロは戦闘とは違う戦いを行っていた。

そして、それが終盤になったとき、遂に砂漠の虎の牙がアークエンジェルに襲いかかる。

 

「敵、10時の方向!」

 

「第一次戦闘配備!各員は位置について!」

 

「機種はバクゥ五機、ディン三機、ジンオーカーが二機、陸上戦艦一隻!」

 

「スレッジハマーを装填、指示で一斉射よ!」

 

「了解ですッ!」

 

あわだたしくブリッジが騒ぐ中、アムロはストライクのコクピットに座り、深呼吸を繰り返す。

ムウもまた、己の精神を統一すべく深呼吸をする。

アムロのガンダムにはエールストライカーが。

ムウのガンダムにはランチャーストライカーが装着される。

 

「ムウさん、無理して前には出ないで下さいよ」

 

「解ってるさ。モビルスーツ初心者はしっかり後ろで撃ってるよ。んで、ジョン、俺のスカイグラスパーを壊してくれるなよ?」

 

緊張を少し解すために、軽く会話する二人から唐突に会話のボールを渡されたジョンはいきなりの事で慌てる。

 

「え?あ、いや、その……気を付けます!」

 

「ククッ……そう固くなるな。あまり気を引き締め過ぎると悪影響だからな。ただ俺たちを空からサポートしてくれればいい。解ったな?」

 

「了解であります!」

 

「んおっと、まずは俺か」

 

アークエンジェルのカタパルトハッチが開き、ムウは会話を止めて己のガンダムをカタパルトの上に乗せる。

 

「カタパルトとの接続確認!出撃、どうぞ!」

 

「ムウ・ラ・フラガ、ランチャーストライクで出るぜ!」

 

カタパルトから射出されたムウのストライクはスラスターを焚いて空を滑空する。

アークエンジェルの甲板に着地する頃にはジョンのスカイグラスパーがガトリングスマッシュストライカーを装備して飛び立つ。

そしてアムロもまた、ガンダムをカタパルトの上へと歩みを進める。

志願して臨時オペレーターをする女性からの指示に従い、ガンダムを動かすアムロは先日出会ったアロハシャツを着ていた男を思い出す。

もしかしたら、あの部隊にはあの人がいるかもしれない。

そう思うと、無性にやりたくなくなる。

だが、それを振り払いアムロは決意を示すために、アムロは言う。

 

「ストライクガンダム、アムロ・レイ、行きます!」

 

戦場に大天使の腹から悪魔は降り立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「二機のG?予備のパイロットでもいたのか?」

 

足つきから出てきた二機のモビルスーツにバルトフェルドは予想の違いに眉を潜める。

しかし、まだ誤差の範囲だ。

間に合わせの戦力強化でどうにかなるほど、自分達をどうにかできるとは思えない。

そんな余裕もあり、作戦の変更はなかった。

戦闘機とGが二機。

決して油断はできないが今の戦力でも充分対応可能だと思えた。

が、翼を生やしたG…エールストライクがビームライフルの代わりだろうか、テスターのマシンガンを手にしている。

それが火を吹いた時、バルトフェルドは口につけていたコーヒーを思わず吹いてしまう。

 

「ん"んっ!?」

 

「隊長!?まさか何かヤバイ事が!?」

 

吹いてからだんまりしているバルトフェルドに副官のダコスタは、まさかこちらの作戦を上回る動きを相手がしているのかと予測するが全くそんなことはなかった。

 

「………口内炎なの忘れてた」

 

「………………………」

 

どう表現すれば良いのか解らない微妙なコメディ空間とは裏腹に、戦場では銃弾による応酬が始まっていた。

 

「そこっ!」

 

「くっ……!カスッたか!?」

 

一機のバクゥの翼に被弾させたエールストライクは、その機動力で戦場をかきまわしていた。

 

「熱で精度が下がるのは変わらないけど……ビームライフルよりは弾切れを気にしなくていい……!」

 

そんなチョイスでテスターのマシンガンを持たせているアムロは、バクゥやディンをチクチクと攻撃しながらトドメの一撃をムウのストライクに任せる。

つまりは遊撃兼回避盾のストライクで相手を誘導、撹乱し、誘導された敵をメビウス・ゼロで培ってきた射撃の技術でムウが撃破を狙う。

ムウにモビルスーツ戦闘を経験させ、尚且つ安全性を考慮した作戦となっている。

ジョンのスカイグラスパーはアークエンジェルの護衛で、ディンを近付けさせないようにビーム砲で牽制するのみである。

無理に前に出せば必ず落とされると考えての配置だった。

この作戦の要はアムロであるのは変わらない。

負担も大きいこの戦法は経験値から見ればアムロしか適任はいないため、アムロは少しでも気を抜く事は許されない。

しかし、今のアムロは戦士として精神的に成長し、割り切った。

割り切ってしまった。

故に、隙あらばアムロはその銃口を知人だろうが容赦なく向ける。

 

「ま、前!?」

 

誘い出されたバクゥ二機がランチャーとエールに挟まれる形で追い込まれ、散開するがムウはアグニでしっかり機体の上半身を消し飛ばし、アムロはマシンガンを後ろの足に当てて破壊し、横転したところにバクゥの首根っこを掴み、動きを封じる。

 

「あぐっ!?も、持ち上げられている!?」

 

バクゥのパイロットは重力に引かれる方向を便りに現状を把握する。

が、彼が思考できたのはそこまでだった。

 

「や、野郎!?盾にしやがったッ!?」

 

バクゥから放たれたミサイルが盾にされたバクゥに当たり、爆発が起きる。

煙が去るとそこにはもう既にストライクの姿はなく、ミサイルを撃ったバクゥの真上に跳躍していた。

 

「アラート!?どこからだ!?」

 

「前に出過ぎるから!」

 

左手で抜刀していたビームサーベルをバクゥの胴体に突き刺し、機能を停止させる。

そこからまたジャンプで逃げると、そのバクゥは爆炎に飲まれる。

その光景を見ていたブリッジにいるクルーたちは己を鼓舞し、士気が上がる。

 

「アムロ君が、アムロ君があんな戦い方を………!」

 

不甲斐なさ、情けなさを持ちながらもその戦いにマリューもナタルも引き込まれる。

 

「本当に……本当にクルーゼやバルトフェルドに勝てるかもしれない、彼なら……!」

 

そんな淡い期待を寄せるナタル。

それを知るよしもないアムロは息をつく暇もなく、ストライクを常に動かし続ける。

マードックに叱られるな、と苦笑するも動きの遅いジンオーカーを発見してすぐにマシンガンで破壊する。

後ろからの砲撃も何となく避け、レールガン装備のバクゥにアーマーシュナイダーを投げてコクピット近くに刺さる。

 

「グカァッ!?……ッ!プラントに栄光あれぇっ!」

 

バクゥのパイロットは己の命日を悟り、特攻を仕掛けた。

しかし真横からミサイルとガトリングによってエールストライクにぶつかる前に爆発四散する。

 

「今のは危なかったんじゃないの?」

 

「ええ、助かりました」

 

実はシールドを投げて止めてた、とは言わないアムロ。

どのみち助けられた事は事実なので、感謝を伝えつつバッテリーの残量を確認する。

 

「バッテリーはまだ少し余裕がある……問題は推進剤か……!」

 

バッテリーの消費より推進剤が上回るという、前代未聞の状況を作り出していた。

どのみち噴射部分が焼き付いているので、アムロはガトリングスマッシュストライカーを要請する。

 

「ジョンさん!」

 

「わかった!ビーコンを送る!」

 

史上初の地上において、空中換装を始めるアムロとジョン。

シミュレーターで何度か練習はしているので、換装は滞りなく行われた。

ガトリングスマッシュストライカー。

それはガトリング砲による圧倒的高火力、殲滅力を積載したトリガーハッピーには堪らないパッケージである。

四つの大きいドラムマガジンとそれに繋がれたデカイガトリング砲とガトリング・スマッシャーユニットが、まるで新しい腕のように存在している。

腰部に近いガトリング砲の持ち手をマニピュレーターに保持させ、ガトリングユニットは回転を始める。

陸上戦艦【レセップス】から既に帰還信号を出されていたため、バクゥたちは撤退を開始するが少々、バルトフェルドの判断は遅かった。

 

「ガトリングフルオープン!ファイアーッ!」

 

「ミダレウツゼ!ミダレウツゼ!」

 

ガトリングユニットは上を向けられ、上空のディンは回避に専念するも追加にムウのアグニによる狙撃で更にパイロットの混乱を引き起こし全て鉛の雨によって鉄の肉塊にへと変化した。

バクゥらは残るガトリング砲で追い討ちされ、判断を間違えた者から犠牲となっていく。

 

「あ…」

 

残りの三機の内、隊長機がジャンプによる回避で着地狩りでスカイグラスパーからのビーム砲撃でビームは機体の胴体を貫通。

引火を引き起こして爆散した。

次はアムロと同い年くらいだろう少年の面影を残す青年。

 

「…なんで穴が……?」

 

避け損ねた一つの弾丸がバクゥのケツを貫き、コクピットまで到達する。

体に穴を開けた青年は、突然モニターに穴が空いて見える外の景色を不思議に思いながら炎に焼かれた。

最後の一機は後ろ足にダメージを負いながらも、何とか撤退に成功した……かに思われたが。

 

「こ、こんなときにゲリラがぁっ!?」

 

ゲリラ【明けの砂漠】による奇襲。

いや、漁夫は機動力の要である足を破壊されているバクゥには、ロケットランチャー一発でも足に入れば転倒させるには充分だった。

 

「た、隊長……ガッ!?」

 

転倒の衝撃で四肢がバラバラに弾け飛び、最後には沈黙した。

パイロットは頭部を激しく強打して脳内出血でゆっくりと死の世界に誘われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルトフェルドは己の失態をはっきり自覚した。

少々、いやかなり胡座をかいてたツケがやって来たようだ。

そうバルトフェルドは感じた。

全滅した部下たちに内心で謝罪しつつ、バルトフェルドは最後に余計なことをしたゲリラに然るべき処遇をすべく静かな怒りをぶつける事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲリラ達は連合のGの強さに震撼していた。

畏敬と畏怖の視線がガンダムに向けられていた。

まるで神を崇めるかのように、彼らはその姿を見ていた。

しかし、その場には似つかわしくない少女とどこぞのベトナム帰りを連想させる男は違った。

その揺れる目には、複雑な感情がガンダムを見据えていた。

 

 

 




ジョンの階級については記憶が曖昧になってたのと【そうちょう】の「そう」の部分が3DSで書いているため、出てきてくれないからこの作品では伍長にしました。
違ってたら申し訳ない……

時間軸が少しズレたりとかしてるので、バルトフェルドが口内炎して吹いてたりとかしてもいいよね?って感じでコメディを添えてみた。
そして短気なお姫様の理不尽パンチを、アムロはどうするか……!?w





ガンダム伝説は始まった。
白い悪魔、狂戦士、悪夢……たった一人の少年に与えられるその二つ名はザフトの兵士に恐怖を与え、連合の兵士は頼りがいのある味方となる。
しかし、件の少年には目の前の出来事で精一杯であった。

次回、【共同戦線】!

伝説は始まったばかりだ、ガンダム!

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