機動戦士ガンダムSEED ~哀・戦士~   作:単眼駄猪介

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遅れましたが誤字報告ありがとうございます!
まだまだ脇が甘いですねぇ………
というか前回のを見直したらやっぱり酷い有り様だぁw
特に最後の茶番なんてミンチよりひどいや。

尚、マウス隊の登場によってアルテミスの司令とか色々宇宙世紀と若干混ざってます。まあ、しなくとも元々混ぜるの前提な物語だったけど。
とはいえ、原作から大きく離れる事はしないので、あくまでC.E.が主体です。

ちなみにマウス隊には試験運用部隊と面と、とある面も合わせ持つ部隊です。
ヒントは……外伝作品のとある連邦の部隊ですね。
コアな人なら読んでいるうちに解るかも。



ep6 到来する寒き時代

 

 

 

「貴殿らはタイミングが良いな」

 

アークエンジェルはアルテミスに招かれ、マリュー達は司令との対面になった。

ムウも珍しく緊張した面持ちで司令代行を見る。

 

「本来ならば、大西洋連邦の管轄ではないこの基地に来るのは愚策だ。物資もある程度揃っているのだから、アークエンジェルは大気圏を越えられるその性能で直接アラスカに辿り着くべきだった」

 

そう、冷酷に話す司令にマリューは思わず反論をする。

 

「し、しかし、避難民を乗せておりましたし、残りのGをクルーゼ隊に奪われる訳にもいかず………」

 

そんな彼女の言い訳を「まあ、それは過ぎた事だ。気にするな」と切り捨て、彼は告げる。

 

「アークエンジェルには物資の補給が完了次第、アラスカに降りてもらう。これは決定事項だ」

 

それに流石に、とナタルはそれに反論する。

 

「なっ!?せめて避難民を下ろさせて下さい!ワッケイン司令!」

 

そう、彼はワッケイン少佐。

マウス隊の直属の上司であり、連合内でも頭は固いが有能という評価で通っている連合内では珍しく有能な佐官である。

そして、彼にはもうひとつの面もあるのだが……それは後としておこう。

 

「我々も余裕がないのだよ。前司令が少々、お痛が過ぎたので後方送りになってな。恐らく二度と復帰できまいが、それでも彼の配下だった者達の統一がまだなのでな。そちらに引きさく人員が足らん」

 

「それでは、一体どうすると…っ!?」

 

「今の有り様ではクルーゼ隊の襲撃の対応はままならんだろう。マウス隊も一部はオーバーホールだ。戦力が低下している時点で聡明な諸君らならば、どうするべきか解るだろう?」

 

その問いに、マリューは答える。

 

「つまり……出ていけと」

 

「勿論、先程も言った通り物資の補給はさせる。しかし、民間人の保護は現段階では厳しい」

 

「………了解しました」

 

マリューは渋々ながら、承諾した。

彼の言っている事は正しく、今も小さいが銃声が聞こえる。

ここらは既に安全が確保されているから通されているのだろうが、それでもここに来る道中にあった生々しい血痕や死体袋はその激しさを物語っていた。

そこまで目に見える証拠があれば、流石に無理は言えない。

道中を見てきたムウは苦々しい顔だが、しかしワッケインの最低限の配慮に感謝をする。

そうして、退室する間際になってワッケインはあまりマリューたちにとって、触れられたくない事を口に出した。

 

「ああ、そうだ。ストライクのパイロットを呼んできてくれないかね?彼は民間人でありながら、コーディネーターに勝ったと聞いてね。彼を見ておきたい」

 

「っ…………了解です」

 

「では下がってくれ」

 

退室するマリューらを見届けたワッケインは、隣に立つ己の信頼できる部下、アジェに声をかける。

 

「彼女たちを、どう見る?アジェ少尉」

 

その問いにアジェは上官に砕けた口調で話す。

 

「少なくとも、エンデュミオンの鷹以外はまさに垢抜けない軍人って感じね。まあ、元々後方でG兵器作るだけの任務だっただろうし、そりゃ当たり前なんだろうけどさ」

 

そんなアジェに、ワッケインは溜め息をつきながら毎度恒例の注意をする。

 

「アジェ少尉、何度も言っているが上官には敬意を払えと……」

 

「解ってるさ。実際、公の場所じゃちゃーんと敬語だろう?ダーリン?」

 

ダーリン、と呼ばれて気恥ずかしくなるワッケイン。

丸っきり童貞感を出している彼に、実のところアジェは確かに惹かれている………が、それを自覚するのはまだ先の話だ。

ワッケインはワッケインで、年甲斐もなく「まだ恋人でもないだろう……」とか細く文句を垂れる。

というかその険しい顔を若干赤らめているというホモしか得しない状況であった。

こんなことがよく部隊内で起きるので、知る人はコーヒーを飲んでたりとっととくっつけと内心では愚痴ってたりするが、当の本人達の問題なので今のところは何とも言えないだろう。

そう微妙な空気になっていた彼らだが、扉の向こうからアムロを連れてきた旨を伝えてきた。

空気をスッパリと切り替えた所は流石は軍人というべきか。

甘い空間はすぐに軍隊らしい冷たい空気に変わった。

 

「入りたまえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの戦闘の後、僕はハロを置いてきたことも忘れて睡眠を貪っていた。

初めて、自分の意思で人を殺そうとした時、僕は撃てなかった。

討つことができなかった。

それに安堵している自分もいれば、もう一人の僕は倒せよ!と怒っている。

 

「もう………戦いたくない………っ」

 

それが許されないのは理解している。

だから、きっとまた敵が、ザフトが来ればまた僕はガンダムに乗ってアスランと戦うだろう。

もしかしたら、マウス隊と名乗っていたあの人たちに殺られるかもしれない………そう思うと、僕は身震いが止まらなくなる。

戦わなきゃいけない。

でなきゃ、僕もアスランも死んでしまうかもしれない。

 

 

 

 

 

 

そして、夢を見た。

それはとても鮮烈で、でもどこか僕はその人に憧れを抱いていた。

 

«貴様の腕で勝ったのではない。モビルスーツの性能のお陰であることを、忘れるなっ!»

 

蒼い、巨大な星が僕にそう告げた。

解らない。

何故、僕はあの人を憧れるのか。

どうして僕はコクピットの中にいるのか。

そして、乗っているモビルスーツの名前が【ガンダム】であることを知っているのか…………

解らないことだらけだ。

でも、一つ解った。

 

«僕は……僕はあの人に勝ちたい………!»

 

その人に強い憧憬を抱いていた。

男として、戦士として。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢から戻り、僕に待っていたのはアルテミスの司令代行との面談。

民間人の僕に何のようなのだろうか、と疑問に思いながらも、綺麗に掃除されていた廊下を無重力の中で進む。

時折、大きな、人が一人くらい入りそうな大きな袋があったがせわしなく動く軍人の人達によって片付けられていた。

何だかよくわからないが、気にしても意味はないのでワッケインさんの所へと向かった。

 

「入りたまえ」

 

そんな声に誘われるように入れば、冷酷そうな男性が一人、そしてその人に寄り添うように黒人の女性がいた。

話はワッケインさんから切り出された。

 

「君はG兵器の一つ、ストライクのパイロットをしていた。違うか?」

 

嘘をついても意味はないだろう。

というかつく理由もない。

 

「はい」

 

迷いもなく、答えた。

 

「フム………君が……」

 

考え込むワッケインさん。

そんな彼を誘うようにしている隣の女性はいないものとする。

 

「アムロ・レイ君、君は今から少尉としてストライクのパイロットをしてもらう。既にその為の物は用意してある。受け取りたまえ」

 

「……え?」

 

意味がわからない。

たかが一人の子供に機密を任せるなど、正気の沙汰じゃない。

でも、彼は僕に軍人である証明書と除隊届の書類を僕の目の前に置いた。

 

「私とて子供に機密を預けて戦わせたい等とは思わん。しかし、軍人としては君をそうしなければならない。許してほしいとは言わない。ストライクのパイロットを辞める時が来たならば、いや、戦うことが嫌になればそれをつきつければいい。ここではできないが、後々、第八艦隊が君達アークエンジェルの補給のために来るだろう。その時に降りるのも良いだろう」

 

「………随分と優しくしてくださるんですね」

 

「余裕がなければ私は君とこうして会って、それを渡すことなど無かっただろうな。それに個人としてはこれからも君にはストライクのパイロットとして、戦ってほしいとも思っている。優しい等とはほど遠い人間だよ、私は」

 

その言葉に嘘はない……そう思った。

置かれた書類を受けとる。

今の僕には戦うことしかできない。

ならば、それをするしかないのだろう。

 

「ありがとうございます」

 

そういって、僕は退室した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アムロとの短い面談から数時間後。

パオロ元艦長が死亡した。

そう聞かされた時、ワッケインは隣に立つアジェに呟くように問う。

 

「ザフトとの戦いがまだまだ困難を極めるという時、我々は学ぶべき人々を次々と失っていく。寒い時代だと思わんか?」

 

それに対し、アジェは答える。

 

「確かに寒い時代よね。でも、いつか暖かい時代が来る。そう期待した方が良いと、アタシは思うよ」

 

その答えに、ワッケインは満足そうに言う。

 

「確かに、その心掛けが一番良いだろうな………」

 

ワッケインは目を閉じて、アムロ少年の姿を思い出す。

 

「いい目をしていた………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、クルーゼは己を越えるかもしれない存在に内心狂喜乱舞していた。

何なら裸で踊っても良いと思えるくらいに。

優しすぎるあの妬ましい自分を倒しうる少年ではなく、どことも知れぬ強者へと成長する事を確定されたストライクのパイロット。

クルーゼは想像する。

クルーゼを憎悪しながらクルーゼを殺し、そして世界の滅びに絶望する姿を。

親族であるムウなど、もう既に視界にすら入っていない。

ただ、あの時感じた強烈な気配。

自分と言う忌まわしい存在を塗り潰す存在に潰されたい。

最後の扉を開いた後の彼をこの手で殺したい。

憎悪と狂気によってトチ狂った思考は倒錯しつつも、世界の滅びを求める。

それしかこの世界へ復讐する術はないのだから。

 

「クルーゼ、珍しく良いことでもあったのか?」

 

モニターの向こうに映るパトリック・ザラが、何時もと様子が違うからか問い掛けてきた。

コイツもまた、狂気によって動く人間。

クルーゼのいい操り人形である。

故に、心配したような声のパトリックに内心舌打ちしながらも、感情を殺して「いえ、特段何も」と答える。

 

「そうか。しかし、足付きとモビルスーツ一機にここまで苦戦するとはな……クルーゼ、あまり失態を晒してくれるなよ」

 

地上でモビルスーツに全ての役割を任せようとしているバカに言われたくない、そんな考えが頭によぎるが「はい、ザラ議員」とだけ答えて通信を閉じる。

 

「……ククッ…グッ………ッ!」

 

最後の扉への道が一歩進んだ。

愉快な気持ちになるが、間が悪くいつもの発作が起きてクルーゼは顔を苦痛で歪めながらも棚から薬を取り出す。

急激な老化の進行を防ぐ程度にしかならないが、既にこれを飲むしか延命できない今、クルーゼに残された時間は少ない。

 

「せいぜい、地上で強くなってくれたまえよ?ストライクのパイロット君?」

 

破滅願望者の笑みは、どこまでも醜い嘲笑であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミゲルの戦死、捕獲したGの内、二機が損傷。

イザークは脳震盪や激しい打撲以外は無事であったが、クルーゼ隊の面々は重々しい空気だった。

これまで負け知らずだった。

彼らのプライドはズダズダにされた。

敗因を挙げれば、やはりマトモな連携をしなかった事だろう。

コーディネーター特有の才能によるゴリ押し。

ここからどう彼らが成長し、アムロに立ちはだかるか。

これから紡がれる物語に、描かれるだろう。

 

 

そして、アムロは葛藤と戦いへの不安や恐怖によって次第に追い込まれる。

常にギリギリであるアークエンジェルの面々は、生き残れるか。

それは彼らの努力次第だ。

 

次に待つのは砂漠にて牙を研ぐ虎。

アムロの運命は、まだ動き出したばかりだ。

 

 




………正解を書くとレイス隊です。
というか投稿遅れましてすみません。
若干燃え尽きてたので、ゲーム脳になってたんです………APEXが楽しいんだよ……MH:IBが楽しすぎるんだよ!
カービンお帰り!さようなら!ウイングマン!CAR!レプリケーターで会おうね!ランページ?知らない子ですねぇ……
後、導きの地に行ってきたけど、ムフェトヤバすぎぃ!(語彙力消失)
タイトルモンスの勢揃いに興奮しましたよ、私。
フルアダマンαとイシュワルダの刀でジンオウガを殺ってやる……殺ってやるぞぉ!(島田兵)

ちなみにワッケインの将来は自分でも解らん。
原作の様にフラグ立たせて死なせるかもしれんし、黒御禿様の様に唐突にさりげなく死んでるかも。

以下、修正部位。

というかさりげなく次回予告忘れていたw
てな訳でどうぞ。


アムロは進む道を示され、しかし戦いの道が彼に立ちはだかる。
クルーゼは最後の扉を開くべく暗躍し、名も知らぬパイロットの成長を望む。

次回、【歌姫】!

プラントの姫を守れ、イージス!

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