機動戦士ガンダムSEED ~哀・戦士~   作:モノアイの駄戦士

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嬉しさでハイテンション!()
そんな訳で初連続投稿。若干無理した感覚が否めないけど、一度書いたら最後まで書き上げたい性分なんで許して………
前話の分も忘れずに見てね!

というかメンタルが低迷してて、何がやりたいのかわかるなくなってきたぜぃ………
唐突に投稿スピードが今より遅れる可能性があるので留意してくれると助かります。



番外編 頭上の悪魔

宇宙でサンダース軍曹を助けてから数ヵ月。

二度の出撃を行い、帰ってきた俺達はその過程で部隊の仲間たちと仲良くなれた気がする。

事実、初出撃の際は舐めてくれた態度を取っていたカレン・ジョシュワ曹長は今ではある程度俺に信頼を寄せている様子だし、エレドア伍長も俺を侮蔑するような目をすることは無くなった。

ミゲルは恋人のBBという女性に手紙を書いては送る毎日だ。

故意はないのだが、彼の手紙の内容を見たときは誇張が多くて失笑してしまったのは永遠の秘密だ。

東南アジアの密林地帯での戦いはまさに緑の海の戦いだ。

俺が率いる第08MS小隊には三機のモビルスーツが配備され、後方支援のホバー車両があるが上の睨み会いのせいで中々予備パーツや物資が届かない。

文句の一つも言いたいが、そうすれば俺はブルーコスモスの連中にしょっぴかれる可能性もあるし、尚且つコーディネーターのある女性に惹かれている等、悟られるとかなり不味い。

そもそも、戦場でラブロマンスなんてやってる暇なんてないのだ。

しかし、どんなに否定しても俺は彼女を諦める事はできないようだ。

昨日の夜、彼女に借りて借りっぱなしのペンダント型の時計はロケットとしての機能もあり、そこには恋人らしき男性がいたのだから。

痩身のイケメン、というのが第一印象だ。

どこかやつれているが………

まあ、この失恋は一方的なのだから吹っ切るしかない。

そんな気持ちで三回目の出撃を俺達08小隊は迎えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼らに与えられた任務の内容はどうやら大型モビルアーマーが渓谷地帯にて、ザフトが即席の射撃場で試射を行っているらしいとのこと。

そこで捕獲、もしくは撃破の任を受けた08小隊は防塵処理を施された【陸戦型テスター】任務を遂行する事となった。

陸戦型テスターはマウス隊の運用データから胸部への被弾率と脚部への大きな負荷への対策を施された激戦区に優先されて配備されているモビルスーツである。

宇宙で見かけたGとは違い、ビーム兵器は扱えないが、しかしモビルスーツがあるだけでとても心強い。

OSの癖は大きいが、コーディネーターよりは動かせれるという話を聞く限り、ナチュラル用の初期OSはもっと酷かったのだろう、とシローは試験を担当した部隊へ内心で敬意を払う。

 

「死神サンダース、か………」

 

頼もしい仲間からの突然の告白、そして願いはようやく一つに纏まりかけていた08小隊をバラバラにしかけるような出来事だった。

エレドア伍長は大怪我で後方に送られ、人員が足りない中の出撃。

特に索敵を担当していたエレドアが抜けたのが大きく痛い。

奇襲をかけるこちらがわが奇襲される側になってもおかしくないのだ。

ゲリラの少女、キキ・ロジータの協力もあって今は出現する確率がとても高い位置に伏せているが、それでもここ最近の出来事に頭を抱えてしまう。

ミゲルをモビルスーツの関節部のシリンダーで挟み殺してしまうところだったし、ミゲルを一時的にパイロットととしてサンダースと交代したり、色々ありすぎて彼は今のところは何も考えたくなかった。

 

 

 

 

 

潜伏してから夜が明けた。

夜の寒い空気とはうって変わってまた暑い灼熱の世界になり、機体に備え付けられている小型クーラーがコクピットを冷やす。

そして、そのときは来た。

 

「十一時の方向!巨大な何かが来ます!」

 

ソナー手のサンダースからの報告によって、小隊全員の気が引き締まる。

 

「作戦通りに行くぞ!各機、セーフティ解除!」

 

その方角から現れたその巨大な姿は、シロー達を雰囲気だけで圧倒した。

護衛なのかディンが二機、件のモビルアーマーに引っ付くようにいる。

そしてモビルアーマーは下降して試射を始めるようだが……

 

「いきます!」

 

カレンの陸戦型テスターが立ち上がり、ネットランチャーの弾頭を発射。

完璧な奇襲だったが、モビルアーマーはその巨体に見合わず機動性が高いようでギリギリ避けられた。

展開されたネットは谷の端と端に引っ付くが、それだけでシローらには充分。

退路を塞げたのだから。

元々、この任務は撃破を想定している。

たかがモビルスーツ三機と小さな輸送機で捕獲など、最初から期待していないだろう。

東南アジア戦線の隊長たるコジマ大隊長もそのような事を言っていた故に、彼らもそうした。

戦「線」ではなく「点」。

緑の大海で、戦ってきたシローにはその言葉の意味が解った。

まあ、それはさておき戦況は小隊が有利であった。

ディンはミゲルとシローの180mmキャノンによる攻撃で撃墜し、カレンはモビルアーマーにマシンガンで牽制する。

しかし、敵の動きはかなり早かった。

胴体に埋め込まれたような、巨大な穴から収束される光が運悪く近くにいたミゲルを狙う。

 

「ヒッ!?う、うわぁぁぁぁぁ!?」

 

余りの近さと、その威圧にミゲルは腰が抜ける。

しかし、シローのカバーによってビームは地面に向けられた。

 

「うおおおおおおおぉぉぉ!!!」

 

180mmキャノンの砲撃が、モビルアーマーの上部に当たり、射角が下にずれミゲルのテスターが立つ地面を破壊する。

ミゲルはフットペダルを押し込み、スラスターを点火して空へと逃げるが、追撃とばかりにモビルアーマーの体当たりを諸にくらった為、ミゲルのテスターは地面を削りながら着陸した。

 

「追撃はさせないっ!」

 

カレン機のマシンガンによる牽制射で気を引かせるカレンの思惑は成功するも、ビームの矛先が向いてしまう。

 

「マズイッ!?」

 

だが、そうはさせじとモビルアーマーに貼り付いた一機のテスター。

 

「死なせるもんかぁぁぁぁ!!」

 

イーゲルシュテルンと大型化してしまったビームサーベルを、モビルアーマーに叩き込んだシロー機。

しかし、モビルアーマーは冷静に対処し、崖に擦り付ける。

猛スピードで削られる機体は、あっという間にテスターの左腕を破壊し、ウェポンコンテナを懸架するためのパック【ウェポンパック】もバラバラに壊れ、機体の各所からエラーが吐き出される。

 

「こんなところで……!終われるかッ!!」

 

何とか打開策を探すシロー。

だが、接触通信回線から聞こえた声に、シローは動きを止めてしまう。

 

「……貴方はシロー・アマダ少尉ですか?」

 

「なっ!?何故……いや、その声は!?」

 

そんなまさか、そんな感情が両者の間にあった。

一度限りの出会い、戦争後か二度と会えないだろうと思っていた二人の無念は戦場で再会を果たすことで、その願いを叶えた。

あまりにも、その再会は唐突で戦場に合わない再会だ。

その直後、モビルアーマー【アプサラスII】が大量のエラーを吐く。

モニター一杯に広がる通知画面と警告音は、アプサラスのパイロット【アイナ・サハリン】を現実に引き戻すのに充分であった。

そしてまた、シローも突然上昇を始めたモビルアーマーに現実に引き戻された。

しかし、それを知らない08小隊の面々は隊長であるシローの喪失に恐怖を感じた。

 

「た、隊長ぉぉぉぉぉ!」

 

ミゲルのそんな悲鳴は、その場にいた部隊の面々の気持ちを表していたのかもしれない。

銃座に座っていたキキ・ロジータは、その光景に想い人であるシローの死を想像させるには充分だった。

 

「どこに行っちゃたんだよ、シロー………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機体解説

 

【陸戦型テスター】

武装/マシンガン、ショートシールド、大型ビームサーベル、ウェポンコンテナ(180mmキャノン砲、連装ミサイルランチャー、ネットランチャー他)

 

原作08小隊でいう陸戦型ガンダムや陸ジムに相当する機体。

激戦区に間に合わせで配備されている、陸戦に高い適性を持たせたテスター。

コクピット位置は変わらないが【コア・ブロックシステム】を採用しており、パイロットの生存性を高め、後継の量産機開発のためのデータ回収の目的や経験者確保のためもある。

大型ビームサーベルは、本来のコンパクトなサイズには収まりきれなかったテスターのビームサーベルで、元々ビーム兵器を運用できないテスターに無理矢理使えるようにしたため、ビームサーベル使用時には火器との同時使用はできない。

粗悪品も良いところの燃費の悪いビームサーベルだが、威力は耐ビームコーティングされた盾を焼き斬れる程高い。

陸戦能力においてならば、ジンには一歩前を行く性能だが、高い走破性を持つバクゥには劣る。

胸部の装甲を強化したため、機体重量は増えたが品質が高いパーツを用いているため、ウェポンコンテナ装備時でもやや高めの運動力を誇る。

ダガーの系譜を持つため、ストライカーシステムを利用可能だがもっぱらはウェポンパックを常備。

高価ながらそれに見合う性能はやや足りなかったが、最前線において幅広い活躍をしており、戦後の数年間も運用されていた経歴がある。

バリエーション機も豊富であり、ロングダガーやデュエルダガーといった機体とはまた違う展開を見せている。

 

 




一応、念のために親父が買っていた小説のSEEDの勢力図を参考に反映してます。
まあ、基本的には宇宙世紀の一年戦争と変わらないから大丈夫だったけどw
原作小説はラブロマンスがありながら、結構鬱な場面も多いからアニメとの温度差で風を引きそうですわw

また気が向けば番外編書いちゃいます。
感想よろしくです!

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