強欲者の目指すヒーロー? 作:強欲同盟下っ端
正直、入試はなんら問題なく突破できた。むしろぬるすぎたぐらいだぞ。
筆記試験の場合、自分は1度覚えればその知識は忘れないから殆どの教科がただの流れ作業と化し、実技試験に関しても最初に食べた女……八木のオジサンが言ってた奴の記憶が正しいなら志村 奈々だったかな? 彼女の個性で浮いて移動。んで、標的を探してこれまた吸収した馬鹿力でロボの仮想敵を先割れスプーンでぶっ叩いて粉砕。なんかめちゃくちゃ頑丈なんだよな、私のスプーン。
途中、何人か仮想敵に叩き潰されそうになっていた奴を助けて、進行ルートにいた0Ptの頭部を先割れスプーンでぺしゃんこにし、レスキューポイントなるもので加点されて、ヒーロー科の首席となった。
……そこまでは良かったんだ。問題はここからさ。私の在籍しているA組の担任の相澤 消太がまぁ〜気難しい奴でね。入学式を堂々と踏み倒して個性把握テストをすると言い、私がソフトボール投げで計測不能を出した後に、他の奴の『楽しそう』という言葉に反応。トータル成績最下位を見込みなしとして除籍すると宣言した。
そこから私以外の他のやつは一気に顔が青ざめて、ソフトボール投げの成績で目をつけられたのか、徹底的に私の計測をそれぞれの個性で妨害。それでも一応全力を出したんだが、高重力、麻痺、倦怠……もう数えるのも面倒な程の重ねがけされた個性による妨害のせいで、流石の私でも個性ナシでの成績と大して変わらなくなり、唯一まともに計測できたソフトボール投げの計測不能だけではダメだ。多分、トータル成績で最下位になった。
「んじゃ、成績発表な。1位、高原、2位、怠田、3位、黄……………………最下位、同率で不和と八木だ」
まぁ仕方ないかと思いながら私は周りを見る。私の隣で暗い顔になっている同じ最下位の子、不和 真綿って奴以外はクスクスと笑っている。
「……さて、先程、トータル成績最下位の者は除籍と言ったな……あれは嘘だ。最下位の不和と八木以外は全員除籍だ」
……おろ?
「待って下さい! トータル成績最下位の人が最下位が見込みなしとして除籍と言ったじゃないですか!」
「……俺が言ったのは見込みなしなら誰でも除籍すると言う意味で言った。お前らは論外だ。他人の妨害ばかりにかまけて自身の個性を工夫して使おうともしない、周りへの妨害になる事も考えずに個性をぶっぱなすだけ……足を引っ張る奴はヒーローどころか、ヒーローの卵としても失格だ。……出直してこい。そして……」
「……こんのおぉぉぉぉぉ!!」
高原とかいう奴が怒りに任せて相澤先生に飛びかかる。……が、相澤先生が首に巻いていた布であっという間にぐるぐる巻きにされて捕縛された。個性を使おうとしていたが、相澤先生の髪が逆立って、そいつは個性を使えなくなっていた。
「生半可な気持ちでヒーロー科に在籍しても悪い結果だけが残る。お前らがヒーローになった所で無駄だ」
そう言って相澤先生は除籍された奴らを布で巻いて引き摺りながらグラウンドを立ち去る。なんちゅう怪力なんだよ……
……しっかし、これからどうするんかね? クラス、2人になっちまったぞ? 隣のB組で授業受けるのか?
「……うちら、2人だけになってしもうたね。これからどげんなるっちゃろう……」
「知るか。全力でやりゃいい話だろ? あいつらは有名なヒーローになるならない以前の問題だった。それだけだ。……ん、もう飯の時間か。じゃあな、不和。私は食堂でたかりに行ってくる」
私は校舎にあった時計を見て、それから立てかけておいた先割れスプーンを持って、荷物のある教室に向かう。
◇◇食堂◇◇
入学式の日だろうが食堂は忙しい。だが、これから1人の生徒によってとてつもなく忙しくなる。
「よう、ランチラッシュ。これから毎日になるが、飯をたかりに来たぞ。ほれ、食券だ」
尤魔がお札を何枚か入れて食券を買い、クックヒーロー・ランチラッシュに渡す。尤魔の事を見たランチラッシュは顔を青ざめさせる。……彼の顔は一体どこなんだというツッコミは受け付けていないそうだ。
「げ! 出たな妖怪食堂荒らし!」
ランチラッシュが驚くのも無理はない。尤魔の胃袋は某桃球や桃髪亡霊のように際限なく食べれるようになっている。
1度オールマイトが校長に尤魔の事を紹介するからと雄英に連れてきた時に、加減を忘れてしまい、食堂の在庫の半分を一人で食べてしまったのだ。
慌ててオールマイトが買い出しに出たので生徒の分を確保できたが、その後、『オールマイト、買い出しに奔走する!?』という大きな見出しが新聞に出たそうな……
「ヒトを食い逃げみたいに見るなっての。今回からは自重してやる。よく見ろ。今日は和定食3つに唐揚げ超盛り2皿だ」
「いや、それでも生徒7人分くらいはあるからね!? ……えぇい!唐揚げ超盛り2皿は時間かかるから先にこの和定食を食べていてくれ!」
ランチラッシュはすかさずツッコミを入れるが、己のプライドである職人魂にだけは背けず、食券を受け取って、和定食を渡しながら、これから超ハイペースになる調理場へ向かった。
「ん〜……美味い!」
尤魔は舌鼓を打ってガツガツと和定食を食べる。その後出てきた唐揚げ超盛り2皿に周りの生徒が唖然としたのは言うまでもないだろう……
不和は後にこう名言を残した。
「尤魔に金を渡せば、その周辺の飲食店は在庫が全て無くなる」と……
不和ちゃんは……
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2年生になる
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1年B組に在籍して留年
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1年A組に在籍して留年