真面目に考察する馬鹿転生者は、やっぱり一夏とバカ話をする。   作:目此

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まさかの続き


02

02 真面目に考察する馬鹿転生者は、やっぱり一夏とバカ話をする。

 

「やはり一夏か……いつ考察する?私も同行する」

「考察より勉強教えてくれ、普通に補習なんだ」

「乗ってくれよ」

 

【ISについて①】

 

「んで何が聞きたいんだ?」

「全部」

「ふむ、長くなるぞ?」

「ごめん、嘘です。触りの触りだけで」

「正直でよろしい。どちらにしろ、理論的なものはあとからだ。一夏は感覚派だからそこを補強するぞ」

「よろしくお願いします!」

「まず、ISがなぜここまで世界から注目されてるかだ」

「え、歴史の……授業?」ガクブル

「違う違う。もっと単純だ。一夏、ISを見てどう思う?」

「えっと、ロボット……?」

「確かに見た目がメカメカしいが、そうじゃない。……ISはどこに()()()()?」

「あっ、そういう事か。空に立ってるというか宙に浮いてるな」

「そうだ。ISはほぼ人のサイズで宙に浮くことができる。ここは分かるな?」

「ああ!ハイロボ(スー〇ー■ボット)に出てくる機体みたいだな!」

「間違ってないが遠すぎる。間をこれから詰めていくぞ。なぜ空を飛んでるのかと言うとPIC(パッシブ・イナーシャル・キャンセラー)、日本語で言えば慣性を打ち消す装置のおかげだ」

()()を打ち消す?」

()()な。(ボール)を投げた時にそのまま物が進む(ボールが飛んでいく)だろ?」

「確かに飛んでくな」

「投げるという力を加えて、手放した物には投げた時の力がこもる、こもった力のおかげ進み続ける。これが慣性だ」

「なんか中学校で聞いた覚えがある」

「理科の授業で習ったはずだ。坂の上で手を離した車が坂を降り終わっても進み続けるのを観察しただろ」

「あー、なんかした覚えがある」

「(一夏が納得したならいいか)……朧気でも覚えてるならそれでいい。慣性……その力を打ち消すからISは宙に浮かんでいられるんだ」

「え、でも別にISには力とか加わってなくないか?」

「常に加わってるだろ、拳を胸の前で作ってくれ片手で構わん」

「こうか?」グー

「そのまま位置を維持してくれ」

(拳の上に手を乗せて下に押す)

「お、結構難しい」ウギギ

「拳にかかってる下への力。これが俺たちが地面に……いや地球にいる限り受け続ける慣性、“重力”だ」グググ

「ちょ、そろそろ疲れてきた」ウググ

「そしてこれを打ち消すのがPICというわけだ」テヲハナス

「ああ、なるほど。重力を打ち消すから宙に浮く」

「だからISは空中で静止する。ISの背中に生える翼みたいなスラスター類で力を加えることで自在に空を移動できる寸法だ。さしずめうちわで自立移動するシャボン玉ってところかな?」

「おお、なるほど」

「ここまで理解できたなら、なぜ現代兵器を凌駕したかわかるぞ。さて一夏、なぜISはそう言われるんだ?」

「んー?わ、わからん……」

「落ち着いて考えろ一夏」

「自由に飛べるから?」

()()自由に飛べるんだ?」(紙を取り出す

「…………悪い、限界」

「正解は上下前後左右、()()()に飛べるからだ」紙飛行機を作る

「飛ぶなら飛行機もできるんじゃないのか?」

「全方位、というのがミソなんだよ。現代兵器は基本“前”と“斜め前”にしか動けない」紙飛行機を手に傾ける

「前と斜め前?」

「そうだ、飛行機は前と斜め前に進めるから、後ろを向くには進みながら機体を傾けて少しずつ後ろへ方向転換が必要だ。だが、ISはその場で反転するだけでいい」

「???」

「……俺と一夏が鬼ごっこで遊ぶとしよう。一夏は前に進むことしかできない。俺はそういう縛りがない。どちらが勝つ?」

「あ、なるほど(´・ω・`)」

「これがISが恐ろしいと言われる現行兵器を超越した“機動性”だ。その根幹を成すのがPICという慣性を打ち消す装置のおかげ」

「おお、ガン〇ムのAMBACってやつか」

「(AMBACはむしろ慣性を利用したものだが、一夏が混乱するから)似たようなものだな」

「おおー!」

(もっとも本当に全ての慣性を打ち消したとしたら、地上から見れば西へ飛翔し続けることになる。重力に並ぶ慣性の“自転”によってな。それらをISが取捨選択してる事もISという装備のやばい所なのだろう)

「もうひとつ大切なISの特徴がある。ここまで言えばわかるな?」

「わかりません!」

「《絶対防御》だ、馬鹿者」

「うぇ、千冬姉!?」

「俺の声真似だ。んで、絶対防御は言葉の通り、ISの搭乗者の生命維持をする絶対の防衛機構のこと」

「絶対?」

「ああ、“絶対”だ。衝撃、熱、圧力、その他もろもろ。呼吸も代行してくれる」

「呼吸もなのか?」

「ISは元々宇宙で活動するパワードスーツだぞ。図鑑にでも載ってた宇宙服を想像してみろ、酸素ボンベも厚ぼったい生地の全身スーツもないだろ?それらの役割を全て賄って、かつスポーツ競技としてあれだけドンパチしても平気なんだから、絶対防御がどれだけ凄いか分かるだろ」

「……なんか凄すぎて言葉でない」

「そうだ、“PIC”と“絶対防御”。このふたつが凄すぎるから、ISは兵器()()()()()()破格の性能を誇る」

「なるほど」

「これに世の中が気が付くきっかけとなったのが十年前の“白騎士事件”だ」

「白騎士事件……」

「ざっと概要を説明すれば、どこぞの()()によって世界中の基地や軍施設がジャックされる。その時大量のミサイルが日本へと撃ち出されるもISによって全弾撃墜され事なきを得た。だが、ISを捕獲しようと各国が戦艦やら戦闘機やらを派遣するも捕まえることできず次々と撃破されISの逃亡を許した。というものだ」

「改めてISの性能を知ってから聞くとどんだけすげーか分かる」

「故に世界はISに注目を集めた。始まりはどうであれ、ISを蔑ろにすることができなくなってしまうのは至極当然。ダイナマイトが掘削用の道具であったのに石の代わりに人を吹き飛ばすことに使われるのと同じだ」

「なんか儘ならねえな」

「ああ……さて、まとめるぞ。なぜISを世界が注目するのか、それは“白騎士事件”をきっかけに兵器を凌駕する機動性と防御性を併せ持った宇宙服から戦争の道具という側面を見出してしまったからだ。今では戦争で使うことを禁止し、スポーツ競技の道具として()()()利用をされている。と言ったところだ」

「宇宙服を兵器に、スポーツの道具にする……かぁ。複雑すぎる」

 

 




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