ウマ娘世界が地獄でも、住めば都です。   作:ジョンゲスト

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え~、お気に入り登録がまもなく2000に届きそうなので、記念に上げて下げる閑話回を差し込んでみようかと~

プロットにも何もなく、ウマ娘アプリのアレに説明つけたりバカ話にしたらこうかなーくらいの感じで、でっちあげましたん~

時系列的に、この話は入学前の1シーンぽいですけど実際には存在しないかもしれない、そんなお話ですね~

七夕?知らないお話ですね~(すっとぼけ

7/9 安倍元首相の事件を受けまして、主人公の名前を変更しました~


靴トロフィーとガチャ扉

「照覧ッ!ここが我が学園の誇る学園史展示ホールだッ!」

 

トレセン学園理事長秋川やよいが磨き抜かれた厚いガラスの扉を押し開ける。

 

入学手続きのためにトレセン学園を訪れた折に、たづなさんとともに現れた理事長が、座り仕事ばかりでは脚が萎えるッ!と先に立って学園内の案内を買って出てくれたのだ。

要するに、書類仕事に飽きたから散歩させろ、という話である。

案内されたのは、学園生が滅多に訪れない来賓を迎えた際の応接施設が集中した棟。

その学園史展示ホールだった。

 

落ち着いたワイン色の絨毯が敷かれたかなり広めの部屋に、トレセン学園ができてから半世紀間の栄光。

当時最高の人気を誇ったウマ娘の勝負服の数々。

レース靴の変遷や蹄鉄の進化。

そして、この学園の生徒が獲得したGIレースの優勝レイやトロフィーのレプリカ達が、四方全ての壁に沿って設置されたガラスケースの中にずらりと並んでいた。

 

「・・・圧巻ですね。」

「そうだろう、そうだろう!」

 

理事長が『愉悦』の文字を扇子に掲げて満面の笑みを浮かべる。

 

「一部はレプリカではなく本物なんですよ?」

 

たづなさんが指し示す方には、初期の頃のものであろう勝負服が並んでいる。

半世紀ほど前のものであるから、多少生地は白さを失っているものの、華やかさでは決して今には負けない見事なドレス調の勝負服。

どこか欧米への憧れが込められたようなシックな上着でありながら、ワンポイント日本の絹織物を差し込んだ、パンツを合わせた勝負服。

流行が一周回ってもうそろそろこれが次のニューデザインです、と言われてもおかしくない時代を超えた造形の勝負服たちが、静かにそこに眠っていた。

 

ガラスケースの年代を追うにつれ、徐々に、勝負服も、優勝レイの色彩も色あせたものから鮮明なものに変わっていく。

 

そして、最近新しく追加されたらしいガラスケースに、どこかで見た奇妙なトロフィーが並んでいた。

 

「着目ッ!それは学園での努力の後を後世にも伝えようと始めたものだッ!」

 

「なんで勝負服の靴なんですかね・・・」

 

そう、勝負服の靴をトロフィーに加工したアレである。

 

「これは、分割して中を見ることができるんですよ。」

 

たづなさんが手の中の靴を僅かにスライドさせると、靴底部分と靴上部分が分離してインソール部分が露出する。

 

外見は、若干革生地に皺が寄ったりはしているものの、一見きれいに見える。

しかし内部は、指が当たる部分と親指の根元が激しくえぐれてインソールなどは大穴が開いていた。

穴の周囲が黒く変色しているのは、血痕だろうか。

かかとの内装は、表面は剥げて芯の革材が露出し、擦れて磨かれて艶すら出ている。

靴の内側だけではない。

よく見れば、靴ひもを通す穴は長く伸びて変形しきっている。

靴底に強固に打ち付けられているはずの蹄鉄はねじられるように靴底からずれ始めており、とてもではないがこれ以上の使用に耐えるようには思えなかった。

 

「全身全霊をかけて出るGIレースなどでは新品の靴でも保って2レース、1レース保たないなんてことも結構あります。」

 

以前聞いた、オリジナルデザインの勝負服の価格を思い出す。

予備の靴、とはいえ一品物、まず安くはないだろう。

それを1~2回で履き潰す。

ウマ娘の脚力を受け止められるように、材料も設計も吟味して作られたものですらその程度。

改めてウマ娘の脚力の人外さを再確認させられる。

 

「学園生の、全てを懸けた走りの爪跡をせめて残してやりたくてな・・・」

 

理事長が愛おしそうに、手渡された靴のトロフィーをそっと展示棚に戻す。

きれいなままの勝負服からも、優勝レイやレーストロフィーからも、それを勝ち取ったウマ娘の姿は見えてこない。

この、ぼろぼろになり歪んだ靴を乗せる、奇妙なトロフィーだけが、そのレースの過酷さを、ウマ娘の努力を叫んでいた。

 

「ウマ娘達の、血も、汗も、涙も、全てがこのレースを走り切って役目を終えた靴に宿っている気がしてならんのだ・・・」

 

ウマ娘がレースで輝ける期間は短い。

長い人生の中で、ほんの10年にも満たないティーンの多感な時期のみ。

その時期の全てを、トレーニングに費やし、得られるかすらわからないナンバーワンの称号を目指してひたすら突き進む。

 

その栄光の先にたどり着けなかった者もいる。

 

全てを費やしてもなお、たどり着けなかった者が、自分はこんなにも強く、賞賛すべき相手と戦ったのだと誇れるように。

その勝者の生々しい爪跡を、トロフィーに変えて、残す。

勝者がなぜ勝者であったのか、敗れた彼女らが納得できるように。

 

レース靴のトロフィーとは、奇妙なことをする、という最初の思いはもうなかった。

 

これは、残り火なのだ。

レースに全てを懸けた、ウマ娘達の生き様の残り火。

 

暮れゆく時代の夕陽の中に去っていく、かつてのウマ娘達の幻影を焼き付けたモニュメント。

 

「所望ッ!貴女もここに並べるよう努力せよッ!」

 

同じくらいの年頃の彼女の瞳が、こちらをじっと見据える。

 

・・・無茶を言ってくれる。

 

並んでみせる、なんて軽々しくは言えない。

僅かに、歯を噛み締めて。

俺は、答えない。

 

「・・・今はそれでよい。」

 

表情を緩め、ふんす、と鼻息をついて、たすたすと絨毯を踏み締める理事長に続いて展示室を出た。

 

 

 

 

展示室の隣の廊下には、木製の重厚な観音開きの扉がいくつか並んでいた。

金糸のあしらわれたレッドカーペットがその扉の先へと歩む者をいざなう、ものすごく既視感のある扉。

一番奥の扉には、過度、とも思われる金色の蹄鉄を模した装飾が施され異様な雰囲気を放っている。

 

「来賓用の観戦ルームですよ。」

「刮目ッ!トレセンはおろか、全国のレース場のカメラと接続できる我が学園自慢の観戦施設だッ!」

 

たづなさんが、たたたっと扉に駆け寄り、開ける。

 

ルーム内の巨大スクリーンには、ちょうどゲートインしたばかりのどこかのレース場のスタート直前のシーンが映し出されていた。

一つ一つゲートを舐めるようにカメラがパンして行く。

 

ガシャリ、とゲートが開いてレースがスタートした。

 

見覚えのあるウマ娘はいない。

全員体操服だ。

 

グロい!グロすぎる!

1枠金は虹!1枠金は虹!・・・なんでだよぉ~!

昇格しろっ!昇格しろっ!しょうか・・・ぐっううう・・・

あっ、あっ、あっ、あっ、・・・ああ~!最低保証とか・・・

看板光ってない!オワタ・・・

やめろ!俺を天井まで連れて行かないでくれ!

虹なんて幻だったんですよ!

天井まで回せば実質無料!

今月の家賃ないなった・・・

 

・・・幻聴だろうか。

何か黒いドロドロした思いが周囲に満ちている気がする。

にょわぁ~、と理事長の頭の上の猫が珍しく声をあげる。

 

「ここで、来賓の方たちに大画面でレースを観戦していただくわけです。」

 

・・・いいのか、こんな淀んだ怨念のこもった場所にVIP呼んで・・・

フクキタルもシラオキ様も裸足で逃げるんじゃないか?

 

一際目立つ、金色の蹄鉄を模した装飾の施された扉に視線をやる。

 

「故障ッ!そこは建付けが悪く使用を停止しているッ!」

 

理事長が扉に駆け寄って、扉を引くものの、びくともしない。

俺も軽く引っ張ってみたが、つるつるの金属製の取っ手に手を滑らせて尻餅をつくハメになった。

 

「たまに、扉の機嫌がいいと開くんですよね。

 でも何度修理しても開かなくなってしまうんです。」

 

「断念ッ!このポンコツ扉にこれ以上経費をかけるわけにはいかぬッ!」

 

憤懣やるかたなしといった風情で扉に蹴りを入れる理事長。

 

「隣には、卒業アルバム編纂室がありますが、ご覧になりますか?」

「いえ、結構です。」

 

目を向けられたその編纂室とやらからは、更に濃厚などす黒い怨念を感じる。

きっと白い付箋がびっしり貼られた選別中の写真の入った冊子が並んでいるに違いない。

手に取ると、きっと呪われる。

 

 

 

 

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あっちの世界 ウマ娘ガチャ掲示板

 

 

318 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:16:40

 

うぉぉぉ!金扉キター!しかも見たことない演出の理事長!

 

 

319 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:16:58

 

レア演出?

 

 

320 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:17:07

 

扉開かねえ!

 

チビゴルシと一緒になって扉引っ張ってる!

 

チビゴルシ転んだ!

 

・・・え?ナニコレ・・・

 

 

321 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:17:15

 

どうした?

 

 

322 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:17:17

 

kwsk

 

 

323 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:17:27

 

画面真っ暗になってハングった・・・

バグかよ!

 

 

324 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:17:42

 

あ、俺もやわ。

ハングる前も扉開いてないな。

これ残念演出じゃね?

パチスロとかによくある激熱からのスカ、みたいな。

 

 

325 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:17:55

 

ゴルシ出てきた時点でお察しなんよ

 

 

326 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:17:55

 

 

 

327 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:17:57

 

 

 

328 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:17:57

 

チビゴルシはちょっと見たい

 

 

329 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:17:58

 

芝。

 

 

330 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:17:58

 

(-人-)ナムー

 

 

331 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:18:13

 

マジかよ・・・

ちょっとサ〇ゲに凸ってくる

 

 

332 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:18:20

 

バグならジュエル配布来るか?

 

 

333 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:18:25

 

1500!

1500!

 

 

334 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:18:37

 

そんな太っ腹なわけねーだろw

 

 

335 名無しの爆死王 202X/XX/XX(火) 14:18:40

 

あっても50とかじゃね?

 

 

336 [システム] 202X/XX/XX(火) 14:18:45

この書き込みは不適切な表現が見られたため削除されました。

 

 

・・・・・

 

・・・

 

 

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後日

 

「盗難ッ!わたしの個人菜園の宝石人参がごっそりなくなっているッ!」

 

「またですか?セキュリティもあるのにおかしいですね。」

 

時々どこへともなく消える理事長謹製の宝石人参。

これもまた、ウマ娘世界の謎なのである。

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