ウマ娘世界が地獄でも、住めば都です。   作:ジョンゲスト

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そろそろ、下着とかブルマとか、あんたも好きねぇ~って感想が飛んできそうな今日この頃です~

ニーズと必然性の為には時として理性も恥も捨てる必要があると思うのですよ~(白目


そうび:ブルマ(呪

さて、久しぶり、な気がするトレセン学園だ。

理事長より、午後イチでトレセン学園に来るように、とのことだったが、たづなさんがどうせ来るなら購買で靴や体操服の試着をしてきたらどうですか?というので、ちょっと早めに来ている。

 

朝起きたら、着て行こうと思っていた普段着ではなく、トレセンの制服が畳まれて鎮座していた。

これを着て行きなさい、という、たづなさんの無言の圧を感じる。

たづなさんは、距離感が近くなってきたな、と思ったら結構ぐいぐい来るタイプらしい。

だんだんウマホとかでの言伝も減って来たし。

 

学園には、てくてく歩いて1時間ほどでついた。

怪我も治り、幾度かの筋肉痛を経て多少は身体の鈍りがとれたのか、途中の休憩もいらなかった。

 

どこから見てもトレセン生の俺は、堂々とトレセン学園の校門をくぐったわけである。

 

そして飛んでくるドラ声の怒声。

 

「こらぁ!サボりかぁ!午前の座学はどうしたぁ!」

 

・・・まあこういうこともある。

午前中はほとんどの学園生は教室で授業中。

誰もいないはずの校内でうろうろしていればこういうこともあるだろう。

見るからにいかにも筋肉バカ、といった感じのジャージ姿のゴリラみたいなおっさんが、猛ダッシュでこっちに走ってきていた。

 

・・・・・

 

・・・

 

 

「いや~スマンスマン。

 葦毛でサボり・脱走の常習犯がいてな。

 遠目じゃわからんかったわ。」

 

怒鳴り散らかしながらこっちに来たゴリラみたいなおっさんが、豪快にガハハと笑う。

逃げなかったのが幸いしたらしい。

そのサボり・脱走の常習犯とは別人とすぐに理解していただけた。

近づいてから誰だお前?みたいな顔してたけど。

この人は、午後の合同トレーニングを担当する教官だそうだ。

ゴリラ教官と名付けよう。

午前中は機材や練習に使うグラウンドのチェックなんかでこうして外で作業していることもあり、そこにのこのこと歩いてきたのが俺、ってことらしい。

ここにいた理由なんかをかいつまんで話しながら校舎の方に二人して向かう。

 

「しかし、この時期に中途入学か。

 何か事情があったんだろうが、ちょっと厳しくなるぞ?」

 

「厳しくなる?」

 

「いや、トレーナーだよ。

 もう選抜レース始まっているからな。

 いいトレーナーから順に埋まっていってる。

 お前さんがとんでもない逸材だってなら無理してでも枠を空けるとは思うが。」

 

そうじゃなければ、苦労するぞ、と。

 

そういえば、なんかそのうち俺のトレーナー候補と顔合わせするとかそんな話があったような?

どのみち、まだ走ることすらおぼつかない俺にはたぶん選抜レースなんか関係ない。

走っても大差でビリになるのがオチだろう。

せいぜい、優秀なトレーナーの指導力のおこぼれに預かって、普通のウマ娘レベルに引っ張り上げてもらえるのを祈るのみだ。

 

「購買は、この先の食堂ってわかるか?

 その隣にあるから見ればわかるはずだ。」

 

誤解が解けてからは見かけによらず、優しく接してくれたゴリラ教官に礼を言って別れる。

購買はすぐに見つかった。

 

学校の購買らしく、文房具を中心の品ぞろえが・・・ないな。

入り口の横に、山のように積まれた野太いスポーツドリンクのペットボトル。

容量4.5リットル。

そして、専用のどでかい陳列棚に色とりどりに積まれたサイズが異常なエナジーバー。

一本がコンビニの巻き寿司くらいある。

そしてフレーバーの種類が50種類とか・・・

あ、不人気なフレーバーは半額とか7割引きになってる。

倒木の皮味とか誰が食うんだよこれ。

そんな食料品が購買の半分くらいを占めていた。

 

そんな山積みの食料品の隣には、『熱血トレーナー限定!』のポップとともに、『売り切れ』表示だらけの空の棚と、対照的に埃をかぶった猫缶やら小さな冊子が山積みになっていた。

うん、見なかったことにしよう。

俺には関係のないものだ。

トレーナーしか買えないものらしいしな。

 

あとは服飾関係や衛生用品、そして学校のはずなのに一番小さい文房具コーナー。

おっかしいなー、俺の知ってる学校の購買って、他に参考書とかもっと勉学に関わるものも扱っていたと思うんだけど。

 

レジのところには誰もいなかったので、中を覗いてみると、品出しをしているらしい小柄なウマ娘の店員さんがいた。

鹿毛のショートな癖っ毛でメガネのウマ娘が、エプロン姿でせっせと段ボールを開けて商品を引っ張り出している。

 

「すいませ~ん、こちらで学園指定の靴と体操服の試着ができると聞いてきたんですが。」

 

「は~い、奥へどうぞ~。」

 

声をかけると、店員さんは手を止めて、すぐに購買の奥の部屋に案内してくれる。

・・・学園生じゃないのかな。

ぱっと見年齢の予想がつかないけれど、成人していそうな雰囲気を感じる。

 

 

案内された奥の部屋は倉庫みたいなものらしく、在庫がそこかしこに積んであったけれど、衝立やらパイプ椅子やら姿見なんかもあって、試着するための用途にも使われているみたいだ。

 

「靴と体操服でしたね?

 サイズとかって教えて貰えますか~?」

 

「靴が22cmで、体操服はMですかね?」

 

少々お待ちくださいね~、と店員さんは在庫の山を漁り始めた。

 

「お待たせしました~。こちらが靴と、体操服になります~。」

 

間延びした声とともに差し出されたのは22cmの靴を中心に上下1サイズの3セット。

そして体操服の上と、短パン、ブルマの1セット。

 

「靴は、履いてみて、つま先が痛くないサイズをどうぞ~。」

 

蹄鉄シューズと違って全力で走ることをそもそも想定していないのか、靴のサイズよりも履き心地とか靴ずれを気にしてください、ってことみたいだ。

靴自体はこの学園指定の革のローファーは、横浜で買った普段使い用の靴に比べると靴底が固いような気はするけれど、大差ない。

普通の道路を歩き回るための靴だとあっちの世界の靴とあまり変わらなくなってくるのかもしれないな。

サイズは結局変わらずの22cmで落ち着いた。

 

さて、体操服だ。

渡されたブルマを手に取って眺めてみる。

柔軟性の高い厚手の生地でうす暗い赤色。

引っ張ると結構伸びる。

びよ~ん。

引っ張るのをやめると縮まる。

 

衝立の外で待っている店員さんに、びよ~んと広げたブルマを手にしながら聞いてみる。

 

「ねぇ、このブルマってやつ、厚手のパンツとかアンスコと何が違・・・」

「ストップ!」

 

一瞬で言葉を遮られ、両手を抑えられた。

 

「・・・それ以上いっちゃダメ。」

 

悟り切ったような顔で首を振られてもな・・・

 

「いやでも、これってスカートも何もなく剥き出しで履くん・・・」

 

最後まで言葉を紡ぐ前に店員さんの握る手にウマ娘パワーがこもる。

 

イテテ!

手を握りつぶさないで!

 

「いい?

 これは、堂々と着てもいい体操服。

 昔の偉大なウマ娘が言いました。

 『パンツじゃないから恥ずかしくない!』

 はい、一緒に唱えて!

 『パンツじゃないから恥ずかしくない!』」

 

ぐいぐいと迫られて、根負けして呪文を唱えさせられた。

 

「・・・パンツじゃないから恥ずかしくない・・・

 ・・・パンツじゃないから恥ずかしくない・・・

 

 ・・・いや、やっぱ恥ずかしくない?!」

 

「いいから!

 どっちみち、短パンがダメならそれしか履けないんだから!

 さっさと履きなさいって!」

 

地団太踏まれても、そう簡単に洗脳されないってば店員さん。

そういえば、たづなさんが短パンとブルマは合わないとものすごくむずむずするって言っていた。

どういうことなのかね。

普段着にしてるズボンの類じゃそんなもの一つもないのに。

体操服の下だけに呪いでもかかっているんだろうか。

 

出来ればこんなパンツ丸出しみたいな格好は避けたいところだけど。

 

ブルマを手放して短パンを履いてみることにする。

 

スカートを履いたまま、短パンに足を通して股下まで上げたところで気づいた。

 

・・・スカートを一旦脱がないと尻尾を短パンに通せない・・・

 

なまじあっちの世界で学生時代に同級生の女の子が帰り際にそうやってスカートの下にジャージ履いてたのを覚えていたせいで、尻尾の存在をすっかり忘れていたよ。

 

スカートのホックとファスナーを開けて尻尾を抜いてスカートを下に落とす。

尻尾を二つ折りにして短パンの尻尾穴に通し、短パンを引き上げると、尻尾の付け根からぞわっとするようなむずがゆさが襲い掛かって来た。

 

「うひゃっ!」

 

思わず上げた悲鳴に、店員さんがドヤ顔で言った。

 

「ブルマ同盟へようこそ~」

 

俺の体操服に、ブルマが確定してしまった瞬間だった。

 

いや、しかし、これはちょっと長く履いていられない。

一刻も早く脱がねば!

むずむずどころじゃない、へたしたらなんか漏れる。

いそいそと短パンを脱ぐ俺に、ニッコリとブルマを手渡す店員さん。

・・・何か負けた気分だ。

 

ブルマの履き心地は、高校生の時水泳で履いたブーメランパンツにどことなく似ていたよ・・・

 

 

 

 

「バッグをお持ちでないなら、こちらはいかがですか~?」

 

サイズ合わせが終わった俺に、店員さんがバッグを勧めてくる。

紺色を基調とした化繊のボストンバッグだ。

 

「これは指定のバッグですかね?」

 

「いえ、特に指定ってわけじゃないですけれど、トレセンのバッグて言ったらこれですね。

 丈夫で長持ち、ウマ娘が手荒に扱っても6年くらい平気で保ちますよ?」

 

値段を聞いたら12000円だという。

スポーツマンが持ち運ぶボストンバッグの類としてはメーカー品だったとしてもちょっと高めな気がする。

あっちの世界に生きていた時はこの類の鞄が5000円でも悩んでいたからな~。

 

「鞄の類は何使ってもいいですけれど、変なの使うと浮きますからね~。

 ここ結構いいとこのお嬢様とかいますし。」

 

「・・・買います。」

 

ただでさえ目立ちそうなのにこれ以上悪目立ちの材料は増やしたくない。

 

「靴と体操服もお持ち帰りしますか~?」

 

「そうですね、バッグのタグ切って、そのまま中に詰めてください。」

 

体操服の上も用意されたけどそれはあると断って、ブルマ4着、靴2足を買ったボストンバッグに詰めてもらう。

 

「締めて56000円になります。」

 

うっ、意外と高い。

そういえば奨学金の返済に苦しんでいた卒業生のねーちゃんが体操服結構するような話してたな。

財布の中を見ると現金が4万円弱しかなかった。

 

「・・・カードとか使えます?」

 

「はい、使えますよ。

 

 ・・・カード持ちとか実はいいところのお嬢さんとかだったりしますか?」

 

軽口をたたきながら、カードをレジに通す店員さん。

 

「学園でカード使うのって、いいところのお嬢さんか職員ですからね~。

 学生で家族カードもたされるって結構お金持ちの家じゃないですか。

 さすがにそんなにいませんよ~。」

 

生えてきたレシートを手渡されサインをして返す。

そういえば俺の学生時代も、同年代でカードで支払いしてる奴なんて見たことなかったな。

しかし、これも悪目立ち要素か。

入学したらカードを人前で使うのはちょっと考え物だな。

 

またよろしく~という店員さんの声を背にして購買を出た。

去り際に、売れないからと、店員さんからタンポポ味のエナジーバーをおまけに貰ったけれど、これを開封する日は来るんだろうか・・・

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