我の進む道こそ王道なり   作:ごーたろんす

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すみません昨日予約投稿したと思っていましたができてませんでした。


皆様本当に感想・評価ありがとうございます。


こ、これは!!

ダンジョンに潜り始め、18階層のボールス達の鍛錬(アルフィア無双)を繰り返して、商売をする為に地上での仕入れについてや、やるべき事を明確にさせる。

 

そうすることでボールス達にも変化ができたのか、リヴィラの街の人に助けてもらった。ボールスさんは救助の達人だ!など地上でも噂を耳にすることが増えた。

 

 

ちなみにギル様、姐さん!と呼ばれるようになり、アルフィアはとんでも無く嫌がっていた。

甥っ子に叔母さんと呼ばれるのが嫌で会うことを躊躇うやつだ。

 

自分より歳上でむさくるしいオッさんに姐さんと言われるのも嫌なのだろう。だが何度ゴスペってもある種の馬鹿ばかりのリヴィラの冒険者は、次会うと姐さんに呼び方が戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーアルフィア。我は商店街に行くが貴様はどうする?

 

 

 

 

 

ーーーすまないギル。私は今日マリアにお茶をしようと誘われている。それにマリアには聞きたい事もある。

 

 

 

 

 

珍しく予定のあるアルフィアと別れ、商店街で子供達と遊び、肩車をして色々な話をしながら歩いていると頭からすっぽりとフードを被った人物が歩いてきて我を見て止まる。

 

 

 

 

 

 

「……ギル?」

 

 

 

 

「ああ。姉上か。久しいな。ロキファミリア以来か。」

 

 

 

フードを取り、翡翠色の髪があらわになる。うむ。姉上と我はなんというか全然似てないな!!

 

 

子供達が誰ー?とぺちぺち頭を叩いてくる。

 

 

「ふははは!ルーダよ。この前もそれをして怒られたであろう?我は構わんが、怒られるということはいけない事をしているのだ。

 

それを忘れてはならんぞ?さてそこのハイエルフは我の姉よ。

 

リヴェリア・リヨス・アールヴだ。二つ名は確か、九魔姫だったか?」

 

 

 

ーーーおおー!!おねぇちゃん!!すっごく綺麗だね!ギル様!

 

 

ーーーえー綺麗だけどアルフィアお姉ちゃんの方が綺麗だよー!

 

 

きゃっきゃとはしゃぐ子供達を宥め、あいさつをさせる。

 

 

 

 

「あ、ああ。こんにちは。ギルの姉のリヴェリアだ。みんなはギルと仲が良いのだな。」

 

 

 

子供達は満面の笑みと共にギル様大好き!アルフィアお姉ちゃんも大好きなんだよ!と必死に言う。

姉上もそれを聞いて微笑む。

 

 

 

子供達を家に送って、ずっといる姉上に顔を向ける。

 

 

「さて。我に何か用か?」

 

 

姉上は難しい顔をしながら頷き、喫茶店に入ろうと提案してくる。

エルフが経営しているらしい喫茶店に入ると畏まられるので気にするなと伝えて紅茶を頼む。

 

 

 

「……ギル。色々言いたい事、聞きたいことがあるんだが時間は大丈夫か?」

 

 

「構わん。アルフィアも今日は予定があるからな。」

 

 

 

姉上はアルフィアの名前を出すと少し苦い顔をする。

ゆっくりと紅茶を飲んで口を開く。

 

 

 

 

「……本当にアルフィアを伴侶とするのか?

市井での同胞達の暴走とそれに対するギルの対応は耳に入ってきた。故にギル本人から聞いておきたい。」

 

 

 

「うむ。我にとってアルフィアは伴侶たる人物であり、至高の宝よ。義理の息子、アルフィアの甥もいる。」

 

 

 

ーーーアルフィアの甥?まさかメーテリアの子か?まぁそれは良い。そうか…。私の義妹にアルフィアか…。

仲良くしている想像がまったくできんな。

 

 

 

「ギルは知らないと思うがアルフィアとはヘラファミリアの時から何度か争ったことがある。

確かにやつの実力は桁違いだ。ああ、勘違いしないでくれ。私個人、厳密に言えば姉としては歓迎するし祝福もしよう。

 

 

だがアルフィアと仲良くできる気はせん!」

 

 

 

 

「???別に姉上がアルフィアと仲良くする必要はなかろう?

アルフィアも姉上とは何度もやり合った仲だ。家族になるなら当然挨拶(手刀)も深くせねばなるまい。と言っていたぞ。」

 

 

 

 

ーーー何故そんなにアルフィアもギルも戦闘寄りの考えなのだ。だが奴と久しぶりにやり合うのも楽しみだな。

 

 

 

 

「それと別の話だがアイナの件だ。ありがとう。私の親友を助けてくれて。」

 

 

 

「馬鹿を言うな。アイナは我の民。ならば守護するのは我の責務。我は責務をこなしたにすぎん。

 

……今から王としてあるまじき事を言う。姉上だからこそ言える。」

 

 

 

 

 

そう言って紅茶を一口飲んでゆっくりと口を開く。

 

 

 

 

「元気すぎるアイナを導くのは無理だ。」

 

 

 

 

その言葉に思わずリヴェリアは笑いを堪えれず口から音を立てて笑ってしまう。

 

 

 

 

 

ーーーあのギルが!王の中の王と言い続け、その通りだと私も認めたギルが。アイナには勝てなかったか。

 

そういえばアイナもギルを弟のように扱っていたな。というかギルが泣かされたのアイナだけではないか?

 

 

「っっふふ。ギルは相変わらずアイナには弱いか。」

 

 

 

 

「笑い事ではないぞ。元気になったアイナが家族とゆっくり過ごしたあとどうすると思っている。

 

 

ロキファミリアに突撃して姉上を振り回すのは想像に難くないであろう。これで私も冒険者と言っておったぞ。」

 

 

 

 

「…………え?」

 

 

 

リヴェリアは己の背中に冷たい汗が流れるのを自覚する。あの親友はとても良い友人だが、行動力という一点だけは尋常ではない。

 

ハイエルフの己を森から出すために逃げ出す算段をつけ、当時すでにエルフの頂点に立っていたと言っても過言ではないギルを脅すという暴挙に出た。

 

 

 

 

 

 

ーーーギ〜ルさまぁ?お姉ちゃんのこと大切ですよね?それに私もいるんですよ?

追手が来ないようにしてほしいなー。

 

 

 

ーーー何故我が手伝わねばならん。別に我は反対はせん。だが事を成すならば己の手ですべきであろう。

 

 

 

 

ーーーそれはそうなんですけどねー。おっと泣いてるギル様の写真が落ちちゃいました。

 

 

 

ーーーなぜそんなものを持っておる!!!!寄越せ!!!

 

 

 

 

ーーーあ〜あ。追手が来たらこれいっぱいあるからこれで気を逸らさないとダメだなぁー。

 

 

 

 

 

あの時のギルの顔は極東における鬼のようだったな。そしてアイナは英雄譚に出てくる魔女のようだった。

 

 

 

 

ギルにここまでしたアイナが恩恵を得てロキファミリアに来る?

 

 

 

リヴェリアは遠くを見ているような目になり、何かを悟っていた。ギルも同じような目になり、ハイエルフ姉弟は完全に黄昏ていた。

 

 

それから少し近況を話して解散した。解散した後にギルはぶらぶらとオラリオを散策していると声をかけられた。

 

 

「あら。貴方は王様ね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーこいつは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふははは!!なんという素晴らしい野菜達だ!!さすがはデメテルファミリアよ。これが我が民の血となり肉となる。

 

良い仕事をしている。褒美だ!受け取れ!」

 

 

 

ドカッと大量のヴァリスの入った袋を王の財宝から出して机に放り投げる。

 

 

 

声をかけてきたのはデメテルファミリアの主神である女神デメテル。ヘスティアから聞いていた善神中の善神。

怒らせるととんでもないことになるらしいが普段はおっとりとしていて、とても良い神とのこと。

 

 

話をかけた理由は民(下界の子供達)の為に王自ら動き、そして守護をしているという噂を聞いたこと。

孤児院に多額の寄付をし、綺麗に改装された孤児院を狙った権力者をねじ伏せてオラリオから追い出した事を聞きたかった。

 

ホームへ招待し、話を聞きつつデメテル印の紅茶を淹れるとそれに興味を持って畑の見学もしたいと言われて許可を出した。

 

 

 

ハイエルフなのに半袖になって眷族と共に野菜の収穫を始めてしまった。眷族達はハイエルフという事でかなりビクビクしていたが、ギルガメッシュの人となりを知って今ではこれもどうぞ!と果実を薦めている。

 

 

 

「ほう!これはまた美味だな。良い良い。ペルセフォネ。これとこれとこれを使い、パフェを作ろうではないか。

 

デメテルファミリアの栄養満点パフェだ。それに野菜ジュースを作れ。子供達の中には野菜嫌いもいる。

 

だが甘みのあるジュースならば飲めるやもしれん。」

 

 

「はい!ギル様!前に考案したパフェも作りますので食べ比べしましょう。

 

野菜ジュースですか…。果実をジュースにしたことはあっても野菜をジュースにしたことは無かったですね。

 

あ、そうか!果実の甘味に野菜も混ぜちゃえば良いですね!」

 

 

「ふははは!それは良いな!よし。女神デメテル!厨房に行くぞ。貴様の野菜と果実だ。

 

ならば貴様も食さねばなるまい!」

 

 

 

大笑いしながら歩いて行くギルをみてデメテルはおっとりと微笑む。恩恵がありながら、非戦闘員の多いデメテルファミリア。

その眷族を見下す愚かな冒険者もそこそこ多い中、ギルガメッシュは自分の目で確認して、それを認める。

 

 

 

 

 

 

ーーー本当に王様ね。天界にいた時のあのすけべジジイにも見習ってほしいわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー見下す?馬鹿を言うな。民として、そしてデメテルファミリアとしての責務をしっかりと果たしている此奴らを見下す理由がどこにある。

 

今の我にはここまでの農業は決してできん。

 

ペルセフォネ。他のデメテルファミリアの眷族達に伝えよ。

 

 

 

誇れ。貴様らはダンジョンに潜って強くなる。ただそれだけを考え、漫然と過ごしている雑種。停滞してその場から動かぬ雑種共より遥かに優れている。

 

己の責務が何かを理解して、行動している。ひいてはこのオラリオ中の民の生活を支えているのだ。

 

 

農業しかしていない?裏方の仕事?ダンジョンに潜っていない?この英雄王が認めてやる。このファミリアの眷族はオラリオ、我が民にとって欠かせぬ程貴重な者達だ。

 

 

励め。これからも我は期待している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー私達は王様に認められたんだ!!他の冒険者なんか知らない!!さぁみんな!今日も頑張ってオラリオを、ギル様の大切なみんなを支えて行くよー!!

 

 

 

 

 

 

 

ーーーおうっ(はいっ)!!!!




日常回なんだよなぁ。

次何にしよかな。


今日の20時にもう一話出します!

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