我の進む道こそ王道なり   作:ごーたろんす

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いつも読んで頂き、ありがとうございます。

今日は余裕あったので2話あげます

2話目は予定通り20時です。

ベル君ってなんやかんやヘスティア様との相性抜群ですよね。


お義母さんっ!お義父さんっ!結婚おめでとう!

号外が流れてからしばらく経ち、ギルとアルフィアはオラリオへと帰還した。エルフの森では未だに賑わっており、それを面白がったギルがアルフィアを連れて参加する。

 

王家、ハイエルフと飲食をするなど永い年月を生きてきた大人エルフは考えられず困惑していたが、子供達はギルがエルフの森にいた時に既に経験済みなのか嬉しそうに酒を注いでいく。

 

 

ーーーふははは!今日は無礼講よ!エルフ族が気品を持ち王家を崇拝してくれているのは良くわかっておる。

 

だがな、王は民の目線から物事を見ねば、意見を聞かねば生活をよくするためにどうしていいのかわからんのも事実よ。

 

文面だけで民のことをわかった気になるなど愚かの極み。それに我が伴侶、アルフィアも元々は民だ。

 

子供達のように気軽に接せよとは言わん。貴様らにも貴様らの考えと誇りがあるだろうからな。

 

だが祝いの席での遠慮は無用!そこの貴様!我が酒を注いでやる。来い。

 

 

 

 

 

 

 

この言葉により大人エルフも楽しそうに会話をしていく。子供達は王様とアルフィアに抱きついたり膝の上に座ったりしている。

 

アルフィアは子供が大好きである。前までは騒がしい子供が苦手だったが、ギルに会い、ベルと暮らし、オラリオでマリアと親友とも呼べる仲になり孤児院の子供達と過ごすうちにギルと同じく宝だと思うようになった。

 

 

 

そしてギルとマリア以外知らないがかなりの可愛い物好きだ。花も好きだし、兎のぬいぐるみが特にお気に入りで家では抱きしめて座っているところが高確率で見ることができる。

 

 

 

ちなみに民は、自分達の子供がオラリオでギルとアルフィアにした事を知り、全員が全員手紙を送った。

 

 

 

 

 

 

 

【お前(愚息・愚娘)帰って来い。ギル様とアルフィア様になんて事をしている。再教育だ】

 

 

 

 

おおむねこの様な手紙の内容のためにしばらく傷心して俯きながら歩くエルフ達がオラリオで散見された。

 

 

 

 

 

ギルとアルフィアはオラリオに到着してからそのまま、ロキファミリアに足を伸ばす。

門番の1人は即座にリヴェリアを呼びに行き、もう一人は申し訳無さそうに少々お待ちくださいと伝える。

 

 

過去に大暴れしたアルフィアとハイエルフどころか王になったギルガメッシュに恐縮しまくっていた。

 

 

 

 

「そうビクビクするな。貴様は門番という責務を全うしているだけだ。我は責務を全うしている民をいたずらに辱める愚王ではない。」

 

 

その言葉を聞いて少し肩の力を抜く門番。自分達の副団長の言う通りできたお方だとも思う。

 

 

「だがアルフィアは分からんがな。アルフィアは知っての通り元ヘラファミリア。貴様らロキファミリアとフレイヤファミリアが下界の悲願である三大クエストに挑み、壊滅したのをいい事におらぬ間に追放したのだからな。

 

 

本当に恥知らずよのぉ?そうは思わんか?門番よ。

 

 

貴様ら程度では挑む事すら烏滸がましい下界の最難関の、救済をしてくれていたファミリアを自分達の自尊心を満たすためだけにその様な不様なことをしていたのだぞ?

 

 

挙げ句の果てに7年前にザルド一人にやられてランクアップを果たす始末。そこからランクアップをもう一度したのは姉上、ヘディン、ヘグニだけときた。

 

 

ああ、愚かしい。」

 

 

 

 

大仰な仕草で嘆かわしい嘆かわしいと笑いを堪えながら門番を揶揄う。その門番は不幸中の幸いと言おうか。

新人とまではいかないが二年程前に入団した人物であった。

 

だからこそ、え?え?そんなことあったの??とオロオロするだけですんだ。

 

 

「つまらん。この雑音は知らんみたいだな。ギルの言ってることは事実だ。だが別に貴様ら雑音を恨む、憎むなどの気持ちは全く無い。

 

 

むしろ追放してくれてありがたい。だがその後の怠慢は許しがたいものがある。最強の座に座るならそれに相応しい存在になるべきだ。」

 

 

その言葉が終わると共にリヴェリアとフィン、そして主神のロキが門から出てきた。リヴェリアは苦笑いし、フィンはいつもの凛々しい顔が崩れ、険しい顔をしていた。ロキは苦い顔をして頭をかいている。

 

 

「久しいな。ギルにアルフィア。まったくもって耳の痛い話だ。だが余りウチの若いのを虐めてくれるな。

 

その話は事実だ。アルフィアの視点からすればその通りだと言わざるを得ん。だがこちらからの視点では、また話が変わる。」

 

 

 

「姉上。確かにそちらの視点を我は考えてはいなかったな。では述べてみよ。そこの小人族が指示をしたのだろう?」

 

 

目線をフィンに送ると険しい顔のままフィンは口を開く。

 

 

 

ーーーふぅ。とりあえず挨拶だけ先にさせてもらうよ。エルフ族の王。ギルガメッシュ・リヨス・アールヴ殿。僕はロキファミリア団長のフィン・ディムナだ。

 

君の姉には世話になってるよ。さて、先程の話だが間違いは無いよ。それは勇者の二つ名をもつ冒険者としてでは無い。

 

フィン・ディムナ個人として嘘偽りないと誓う。

 

 

 

 

 

ーーーほう?冒険者として追放した事を冒険者だからと言わずに己の真名に誓うとは。面白い。

 

 

 

 

 

フィンの覚悟を決めた瞳を見て一つ評価を上げる。目線で続けろと言い、この小人族がどの様な説明をするか楽しそうに見る。

 

 

 

 

ーーーアリス。そこの門番の子なんだけど君も聞いたからこちらの目線も聞いておいてほしい。それから君自身でこのファミリアについてくるのか、移籍するのかは決めてほしい。

 

 

まず僕らは当時の二大派閥が敗走、壊滅したと聞いて正直なところ時代が変わる、いや、変わったと確信した。

 

その次代を担うのはロキファミリアとフレイヤファミリアだと。フレイヤファミリアはヘラファミリアに何度もやられ、僕らはゼウスファミリアに煮湯を飲まされた。

 

アルフィアじゃないけど憎む気持ちや恨む気持ちは全くなかった。理由は僕らにとって高い壁として聳え立ち、強くなる理由をくれたからだ。

 

 

だからこそ追放しなくてはならなかった。あの時代はヘラファミリア、ゼウスファミリアがいて一時的とはいえ、平和が成り立っていた。

 

壊滅、敗走した二大派閥をそのままオラリオ最強に据えて置くと異分子、闇派閥が大きく動く事になってしまう。

 

奴らを押さえつけていた二大派閥が弱体化したとなると奴らは狡猾に主力のいなくなったとこを狙う。

 

だからすぐに動いた。これが僕達の視点だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小人族の話を聞いてなるほどなるほどと頷く。だがまだ足りん。何故ならばその後の怠慢を聞いていないからだ。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーそこに関しては事実レベルの上がっていない僕はなんの反論もできない。実際ウチはリヴェリア以外が停滞していると言わざるを得ない。

 

確かに次代を担う子達が今、メキメキと実力を伸ばしているがそれに焦るでもなく育てなければと思ってしまっているよ。

 

 

 

 

「ギルは王として民を導くだろう?街でのお前の行動も見た私は子供達の事を本当に大切にしているのがわかる。

 

だが我々もロキファミリアという大手のファミリアの幹部なのでな。次代を育てるのもギルの言う責務というやつなのだよ。」

 

 

 

「それはわからんでも無いが、姉上。姉上は別だが貴様らは冒険をするために冒険者となったのだろう?

 

次代を育てる、ファミリアの運営をする、その上で自らの冒険者としての格を上げるなど我からすれば全て当然の責務よ。

 

その器があるか無いかだろう。事実我はファミリアに入っているが鍛錬を欠かさず、稼ぎ、民や子供達の交流もしているしできておる。

 

アルフィアもそうだ。ヘディンもファミリアの書類や運営方法を全てこなし、ヘグニも戦うだけじゃダメだと手伝っておる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何より姉上。姉上が出来ている以上その言い訳は見苦しいぞ。」

 

 

 

 

ロキは、あちゃーと顔を手で覆い天を仰ぎ、小人族はその通りだよと呟いて肩を落とす。姉上に至ってはニヤッと笑って我、アルフィアを見て横目で小人族を見た。

 

 

 

ーーなるほどな。我を使って現実を見せるつもりだったのか。姉上も強かになったものよ。

 

 

 

 

「別に我は貴様ら雑種が何をしていようと、どうなろうとどうでも良いがな。さて姉上。報告と、アルフィアが個人的に話をしたいそうだ。

 

どうせオラリオ中に知れ渡っているのだ。ロキも小人族も来たければ着いてこい。」

 

 

 

そこから4人と1柱で話をするべく、応接室に向かう事になった。

名実共にエルフの王となり、アルフィアを伴侶に迎えた事。同胞達がオラリオにいる息子、娘にブチ切れていることなどを話す。

 

 

「あははははは!!!それでちょい前からあんなにエルフが落ち込んで歩いとんか!!めっちゃおもろいやん!」

 

 

 

「そうか。それは仕方ないな。私も姉として思うところはあったからな。しかしウチのファミリアの同胞は誰一人参加していなくて良かったぞ。

 

ティオナに感謝せねばならんな。ああ、ティオナがギルに迷惑をこれ以上かけるなら許さんと内門番をしていてな。

 

ふふ。弟が色々な人に好かれていて私は嬉しいよ。」

 

 

 

アルフィアもそれは予想外だったのか片目を開き、意外そうに姉上を見ていた。

 

 

 

「…年m、リヴェリア。私も名実共にギルの嫁となりエルフ族の王妃になった。敬語使え。」

 

 

 

姉上の額に青筋が入る。そして部屋の空気が凍る。小人族とロキはギギギという音が聞こえるのではないかと思うくらいゆっくり姉上を覗き見る。

 

 

「…アルフィア。貴様が王妃以前に私はギルの姉だ。義姉に対して敬う態度を見せろ。」

 

 

「私の旦那と旦那の配下にケツを叩かれなければ冒険できない雑音に対してどう敬えと?」

 

 

「冒険者として敬えとは言っていない。静寂という二つ名の通り、静かなとこに居すぎて人の言葉も聞こえなくなったみたいだな。

 

目上に対して敬意を払えと言っているんだ小娘。」

 

 

「ああ…。なるほどな。それはすまなかったな。私達ヒューマンからすれば100歳など死にかけのババアなものでな。

 

おや?行き遅れで口うるさいババアのどこを敬えば良いのだろうか?

先達として若輩者の私に教えてくれないか?」

 

 

 

フィンは後にこう語る。

 

 

 

ーーーもう二度とあの二人が揃う場には同席したくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

ロキファミリアの応接室は粉々に吹き飛び、館の一部分が燃え、凍り、衝撃波か何かに晒されて文字通り吹き飛んでいた。

 

 

止めようとした団員は巻き込まれてボロボロにされ、やめやがれクソババア共!と言った口の悪い狼人族はハイエルフから杖でボコボコにされた挙句、別のファミリアの女に手刀で己の相棒ともいえる専用武装のフロスヴィルトを粉々にされた。

 

 

その上身体の内側から音が衝撃として蹂躙してきて血を吐いて白眼を向いて倒れた。戦闘が終わって片付けをしていた団員により、館の塔に引っかかったまま気絶しているところを見つけられ救助された。

 

 

 

 

 

 

ーーーははは!!姉上と伴侶が本気でやり合うとは!何という素晴らしい余興よ!

 

ロキ。貴様は姉上の主神よ。我の後ろに座っていろ。守ってやろう。

 

酒はいける口か?ならばこの様な余興をぼーっと見るなど王の名折れ。共に酒の肴として愛でようではないか。

 

 

 

 

ロキを連れ、2人で酒を呑みながら戦いを見る。

 

 

「しっかし静寂は当たり前のように強いけどリヴェリアもめちゃくちゃ強いな。最近ってかギルが来たくらいからフレイヤんとこの白黒エルフとなんや鍛錬しとる言うとったけど。

 

あ、ベートや。うわ、あの子もレベル5やで?あの専用武装、ファイたんとこの椿に作ってもらった一級武器やのに。手刀で粉々ってどないなってんねん。」

 

 

 

「ほう?椿か。あやつも我が民よ。己の責務を全うすることのできる女よ。そういえばロキ。姉上が面倒を見ているアイズという女子は巻き込まれておらぬか?

 

 

む。ティオナ!貴様とアイズとやらはこちらに来い!我が守ってやる!」

 

 

 

目についたティオナを呼びつけ、金髪の女を連れてきた。子供に酒はいかんな、王自ら紅茶を淹れてやろう。

 

 

「ギル様ー!こんにちは!リヴェリアとアルフィアさん凄いねー!」

 

 

「え…?こ、こんにちは?アイズ・ヴァレンシュタインです…。」

 

 

 

ティオナが説明している間に紅茶を淹れて渡してやると嬉しそうにティオナは飲んでアイズはオロオロしている。

 

 

「アイズ。ティオナが言った通り、我は王で姉上の弟だ。貴様は姉上の寵愛を受けている。ならば我が守るのも当然よ。」

 

 

こくりと頷くアイズを見ると何かを感じる。これは精霊か?加護?いやこの娘……。

まぁ良い。我には関係ない。これは姉上の管轄だ。

 

 

 

その後も続く戦闘を笑いながら見ているとようやく終わりそうになるが、あの2人は阿呆か。ここを更地にするつもりか。

 

互いに魔力を練り上げ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

ズドッっと剣を2人の間に射出して止める。

 

 

 

 

「それ以上はやり過ぎだ。多少の怪我は多めにみるが大怪我は許さん。それに姉上。もう限界だろう。

 

アルフィアは……問題無さそうだな。」

 

 

姉上は苦い顔をしてジトっとアルフィアを見る。アルフィアは涼しい顔をしてこちらに歩いてくる。

 

 

「中々楽しめた。ギルの姉だけはある。」

 

 

それだけ言って横に座り紅茶を飲み始めた。姉上は恐らく内臓は傷ついていないが肋骨が折れ、腕にもヒビが入っている。

 

プロミネンス・ウェスタで完全回復してやり、姉上にも紅茶を淹れてやる。

 

 

「ありがとうギル。……次は勝つぞ。アルフィア。」

 

 

 

 

「いやいやいや。次とかやめてや。マジで。やるんやったらダンジョンでやってや?これ修繕費なんぼかかるねん。」

 

 

 

「我の個人資産から出す。」

 

 

「ギル…。」

 

 

 

波紋からデカい袋を出してロキに渡す。おっっも!!と持ち上げられず地面に落としたのを見てティオナが手伝っていた。

 

 

中には大量のヴァリスと余興の礼として財宝から金塊を出して入れてやった。

 

 

「それで直せ。我の伴侶と姉上のした事だ。それに良い余興であった。ではな。アルフィア。帰るぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーここがオラリオかぁ。よーし!えとギルドってとこに行って探索系のファミリア?を探して面接だっけ?

 

ファミリアに入ったらお義母さんとお義父さんに会いに行こっと!

 




原作に辿り着いたけどほんとに辿り着いただけだった

そしてベートきゅん。止める時にクソババア共!とか言っちゃダメだよ。

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