我の進む道こそ王道なり   作:ごーたろんす

22 / 27
更新が遅くなって申し訳ありません。

皆様の暖かい感想やコメント、本当にありがとうございます。
後押しをしていただきました。

転職して田舎に帰って、家族を支えようと決心できました。

ゆっくりにはなるかもしれませんが、更新は続けていくつもりです。

今後ともよろしくお願いします。


なるほどな。つまり貴様は迷い子か

ーーーリリは助けを求める目をしてたんだ。お義父さんやお義母さんからすれば許せないって思っちゃうかも知らないけど、それでもリリだって民だと思う。だから僕は助けるよ。

 

 

 

 

 

 

ベルとヘスティアが我が家に訪れ、どうしても話したいことがあると言うのでギルドからエイナも来て5人で話し合う。

 

 

そこでベルのサポーターをしている小人族の話について、ベルの考えとこれからどうするかについて聞いた。

 

 

 

「…。ベル。お前は被害を受けた。それでもそのサポーターを助けるのか?私はそのサポーターが別のとこでも同じことをしていると思うぞ?」

 

 

 

 

 

アルフィアは良い顔はしない。あれほど溺愛しているベルが被害を受けたのだから当然と言えば当然か。

 

 

 

「アルフィア君。君の気持ちはよくわかるよ。ボクだって最初は同じ気持ちになったさ。でもね、ベル君は君達の英雄になると覚悟して進んでるんだ。

 

ならボクはベル君の考えを支持してあげたい。それにサポーター君は本当に孤独なんだと思う。親から貰えるはずの愛情を受け取れず、神酒のせいで狂わされてる。」

 

 

エイナがソーマファミリアについての書類を見せてくれる。パラパラと見ていくと己の眉根がよるのがわかる。

 

 

 

「神酒か。それは構わん。このソーマとやらも恐らく褒美として作り、与えたのが始まりだろう。

 

それにハマり、抜け出せなくなったのがファミリアの崩壊に繋がり、この愚物の団長が利用しているといったとこか。」

 

 

「はい。その通りかと思います。ギルド長が独自のルートで調べたみたいなので間違いないかと。」

 

 

「…あの豚。私が言うのもおかしいがベルに対して過保護すぎないか?」

 

エイナもこれには苦笑いしてしまう。ベルは頭の上に疑問符を飛ばしているが。

 

 

「あのねお義母さん。リリはさ、少し違えば僕がそうなってたかもしれない未来のような気がするんだ。

 

僕もずっと一人でお義母さんやお義父さん、ヘスティア様に出逢えなくてオラリオで産まれてたらそうなってたかもしれない。

 

時々リリって何もかも諦めたような目をする時があるんだ。僕はそんな目をお義父さんの民がしてるのが本当に嫌だ。

 

そんな目をさせているこの世界が嫌だ。なら偽善者って呼ばれようと傲慢って呼ばれようと僕がお義父さんの代わりに引き上げたい。

 

 

華々しく怪物と戦ったり、お姫様の為に戦う英雄になりたいんじゃない。もっと近くの、商店街のおばちゃんやおじちゃん、子供達が笑顔で過ごせるように理不尽と戦って勝つ英雄になる。」

 

 

 

ベルの顔は、瞳はアルフィアを救ってみせた時のように覚悟を決めた一人の漢の顔をしていた。

 

 

ヘスティアとエイナは見惚れ、我とアルフィアは懐かしいと微笑む。ザルドと下半神、ヘラは羨ましいだろうな。

 

 

「…そうか。なら私は何も言わん。お前なら必ずできる。そのサポーターを救ってやれ。」

 

 

ありがとうお義母さん!!と抱きつかれ、ニマニマするのを我慢しながら頭を撫でるアルフィア。二人共本当に可愛いものだ。

 

 

「ならそのサポーターを救うのは我らの英雄様に任せよう。エイナ。ロイマンに今後の動きは報告する。貴様等ギルドが不利益にならぬようどう立ち回ってほしいのか策を立てろと伝えよ。

 

今回に限りロイマンとエイナの働きに免じて我とアルフィア、ヘスティアは貴様等の駒として動いてやろう。」

 

 

「ぎ、ギルガメッシュ様…。ギルド長倒れてしまいますよ…。」

 

 

「ふははは!!何、ロイマンならできるだろう。」

 

 

 

 

エイナにそれを聞かされたロイマンは真っ青になりお腹に手を当てて必死で書類と睨み合い、ソーマファミリアについて全てを洗い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーということがあってな。ロキよ、我が配下の優秀さは素晴らしいであろう??

 

 

 

ーーーいやいきなり来て自慢されても。つーかロイマンあいつホンマ誰なん?って感じやねんけど。そーいやアルフィアは?

 

 

ーーーベルが心配らしく、影から見守ると言ってベルを追いかけて行ったぞ。

 

 

ーーー…。ヘラファミリアの静寂のキャラ崩壊すごいやん。完全におかんやん。まぁメーテリアの実の息子やししゃーないか。

 

アルフィアがメーテリアをほんまに大切にしとったんはあの時代を生きとるオラリオにおった冒険者からしたら誰でも知っとるくらい有名やったしな。

 

 

 

 

ロキと2人で話をしていると何やらロキに客が来たらしく、部屋から出て行った。ふむ。暇だ。ロキの部屋を我好みに変えるか。

 

 

 

王の財宝から黄金を取り出して部屋中を金ピカにしたり、気に入って購入した椅子や机を置いて遊んでいるとロキが呼んでいると団員が呼びに来た。

 

 

 

「ぎ、ギルガメッシュ様!?」

 

黒髪の同胞がバッと膝をついた。その横には男神がいる。

 

 

「良い。楽にせよ。ロキ。何があった?」

 

 

極彩色の魔石や怪人、モンスターについてその男神、ディオニュソスから聞いた話をこちらに伝えてくる。

 

 

「ロキ。彼が下界の王と呼ばれているギルガメッシュかい?」

 

 

「我の名を気軽に呼ぶな雑種。」

 

 

「ちょい待ちギル!こんなやつでも神やねんて!」

 

 

「そんなことはわかっている。我が信を置く神に対しては構わんが民でも無い雑種に真名を呼ばれる程不愉快なものはない。

 

それに…。いやこれは良い。それで?」

 

 

ロキはヒラヒラと紙を見せてくるので読む。

 

 

 

 

 

「あの阿呆は…。姉上が怒り狂うぞ。」

 

 

「やんなぁ。悪いけどベートとレフィーヤくらいしか幹部おらへんからギルも行ってくれん?ちゃうファミリアの子に頼むんはお門違いやと思うんやけどなぁ。」

 

「構わん。アイズは姉上の寵愛を受けている。ならば我が面倒を見るのも当然とも言える。」

 

 

「ならフィルヴィスも連れて行ってくれ。ウチの団長でレベル4だ。役に立つ。」

 

 

ディオニュソスの話は無視してベートとレフィーヤを待つ。フィルヴィスとやらは所在なさげにしている。

 

 

 

ーーー同胞。貴様の出来ることは?

 

 

 

この問いに膝をついて魔法も全て答えていく。しかしこいつらの気配は何かおかしい。雑種は気配が反転している。穏やかそうに見えるが反転しているということはそういうことだろう。

 

 

そしてこの同胞。モンスターに近しい気配がある。我が民に何かをしたやつがいる。それが許せんが今は事を起こすには早い。ロキにだけ伝えるようにするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーえ、えっと、ギル様??これって・・・

 

 

 

 

 

リヴィラの街についてからボールズ達に情報を聞くと下に行ったと教えられ、ベート、レフィーヤ、フィルヴィスはポーションやエリクサーなどを渡されていた。

 

そのまま下の階層に行進し続けると24階層にて肉壁のようなところがある。

 

 

 

「ふむ。ボールズ達の話によればヘルメスファミリアとやらの雑種共とアイズと共にいるらしい。

 

先頭は我が行こう。前方に見える敵は殲滅する。次にレフィーヤ。貴様が我の左右を見ろ。信頼しているから期待に応えよ。

 

その後ろに同胞だ。貴様の防御魔法でレフィーヤを守れ。

 

最後尾にベート。本来であればベートを最前線に置きたいとこだが縦隊で進むに当たって挟撃は面倒だ。

ベートの鼻と耳なら対応できるだろう。前方は我なら面でも線でも対応できるからな。

 

質問は?」

 

 

「やることを絞ってくれてんだ。問題ねぇ。ノロマとクソ雑魚エルフ。テメェらは互いに守り合ってろ。

ノロマはクラネルに負けてられねーんだろ。ババアと音ババアにあんだけやられても立ったんだ。意地見せろ。」

 

 

レフィーヤはベートの言葉でハッとして目に炎を焚べらせて頷く。リヴィラの街にいる時にベートにだけ伝えておいたのでこの編隊の意味に気づいたのだろう。

 

 

 

 

ーーーベート。我のスキルを教えたな?この同胞とあの神は警戒しておけ。ロキにも帰ってから伝えるが気配が反転している。

 

出身が同じヘスティアに天界でのことを聞いてみるが警戒しておくべきだと我の直感が告げている。

 

今回の件もタイミングが良すぎる。幸いにも同胞ということで我の言うことを聞いているから指示をするから合わせよ。

 

 

ーーー……。わかった。ギルは好きに動け。俺がノロマはフォローする。

 

 

 

 

 

王の財宝から武器をブッ放して目の前の見える範囲を更地にしながら進んでいく。レフィーヤと同胞は目が点になりながら後ろをついて行く。

 

 

 

 

「ギル!!前の道から大人数の匂いがしやがる!!」

 

 

 

ベートの声を聞いて全員走ってルームに行くと女冒険者が首を掴まれ、今にも殺されそうになっていた。

 

すぐさま武器を射出し、腕を切り落とす。そのまま女冒険者を掴んで後ろに投げる。

 

 

「う、腕がぁぁぁぁぁぁぁ!!なんだ貴様ぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 

無視して大量の武器を射出し続ける。轟音が鳴り響き、全員が動きを止めて固まっている。

 

 

「おい。テメェらヘルメスファミリアだろ。アイズはどこに行きやがった。」

 

 

「ヴァ、凶狼……。剣姫は分断されました。別の通路の方で赤髪の女と戦っています。」

 

 

「ああん?この前リヴィラで戦ったってやつか。問題ねぇな。おい!ギル!!どうする!?」

 

 

射出を止めるとズタボロになりながら煙を上げて修復しようとしている男がいた。

目を離して女冒険者にコイツは誰だと質問する。

 

 

「ゲホッ。すみません。助かりました。その男はかつて27階層の悪夢で死んだとされていた闇派閥のオリヴァス・アクトです。

 

どうやら怪人となって生きていたようです。」

 

 

「ふむ。知らんな。闇派閥とは我の庭で民や子らに悪影響を及ぼす塵屑のことであろう。女冒険者。殺してしまっても構わんのだろう?」

 

 

「…ヘルメスファミリア団長のアスフィ・アル・アンドロメダです。できれば生かして情報を得たいとこですが…。」

 

話をしていると立ち上がろうとしていたので近くに行き、四肢に剣を刺して地面に縫い付ける。

これからどうするかと考えていると壁を壊してボロボロになっている赤髪の女と擦り傷のアイズが出てきた。

 

 

「……ギル??」

 

 

きょとんとしているアイズがテクテク歩いてこちらに近づいてきた。ベートは呆れ、レフィーヤはアイズさん……。とジト目で見ていた。

 

 

「れ、レヴィス!!助けろ!このエルフは桁違いだ!!」

 

 

「ぐっ。アリアがここまで力をつけているとは。」

 

レヴィスと呼ばれた女がオリヴァス・アクトとやらに近づいて胸の魔石をとり、食べ始めた。

 

「ちっ。回復しきれんか。ここは引いてやる。この支柱を壊すとアリアは無事でも他のメンバーはどうなるかな?」

 

 

その瞬間に武器を大量に射出するとギョッとして避けるが避けきれない数本が腕などを斬り飛ばす。

 

「ぐぅぅぅぅ!!な、なんだ貴様は!!」

 

 

「下界の王だが??とりあえず死ね。」

 

 

「おぃぃぃぃぃ!!ギル!!支柱壊れてんじゃねぇかぁぁぁぁ!!テメェら逃げろ!!!動けるやつは怪我人抱えて走れぇぇぇ!!」

 

 

ベートの大声で全員慌てて外に走って行く。我はレヴィスとやらを見て波紋を大量に出す。そこにフードを被った同胞と気配がそっくりなやつが現れ、レヴィスを逃す。

 

 

「逃げられるとでも?我は貴様等を天井ごと粉々にできる。」

 

 

「……王ノ民ハ羨マシイナ。モットハヤクニ会イタカッタ。ワタシハモウ戻レナイ。」

 

 

「……貴様もまた迷子か。どうして我が民はこうも迷子になるのか。どうせまた会うだろう。貴様にはまた会うだろう。このまま戻ってすぐにでもな。

どうするか考えよ。貴様の人生は貴様のものだ。そして下界の者ならば我が民草だ。

 

あんな愚神に己の人生を操らせるな。」

 

 

フードを被った同胞はビクッとしてこちらを見て少しだけ頭を下げる。意味は理解したのだろう。

 

ため息を吐き出して落ちてくる天井を粉々にしながら歩いて外に出るとレフィーヤが泣きながら走ってきて座ってアルフィアさんとベルになんて言えば良かったんですかぁー!!と大声で喚く。

 

 

どうも中に取り残されて潰されたのでは!?と想像して大泣きしていたようだ。頭をよしよしと撫でてやる。うむ。レフィーヤもベルと同じく可愛いやつよの。

 

それからヘルメスファミリアを連れて地上に戻る。

 

 

「馬鹿娘。姉上に全て伝えるからきっちり怒られよ。今回の件に関しては我は助けん。」

 

がーーーん!!とアイズはしょんぼりするがベートはもちろんレフィーヤですらアイズさん。流石にこれは無いです。と言う始末。

 

ベートとレフィーヤに逃げられないように掴まれてロキファミリアに連行されていった。

 

「ギルガメッシュ王。今回は本当に助かりました。ヘルメスファミリアを代表してお礼申し上げます。」

 

「よい。貴様等はアイズのついでだ。とりあえず情報の整理と精査をしたいから落ち着いたら貴様等の主神を連れてロキファミリアに行け。」

 

 

返事をもらってヘスティアの屋台に行く。

 

「いらっしゃいませぇぇぇぇぇ!!いらっしゃいませぇぇぇぇ!!」

 

 

「…なんという声を出しているのだ。」

 

 

「ギルくぅぅぅぅぅん!!!あと3つ買ってくれたら今日のノルマが終わるんだぁぁぁぁ!!お願いだよ!!買っておくれ!!!」

 

 

「う、うむ。ならば買おう。10個もらおう。そのままバイトが終わるなら家で家族で食べようではないか。」

 

 

パァっと華やくヘスティアを横目にお金を払って待っていると嬉しそうに笑ってやってくる。

 

今日どんなお客さんが来た、商店街の子らとこんな話をしたなど会話をして家に向かう。

 

 

 

ーーー???ディオニュソスかい??あーあの子は何だろ、病気みたいだったなぁ。

僕らって同郷でさ、えーと、12神って称号みたいなのが与えられるって時にディオニュソスは選ばれなくってさー。

 

それですっごい荒れてたんだよね。ボクは別にそんなのいらないしめんどくさそうだったからディオニュソスに譲ったんだよね。

 

だからなんだろ??ギル君の話を聞いてるとボクはなんだか怖いなぁ。だって天界の時とは真逆だよ?

 

気配が反転してるっていうのはよくわかんないんだけど天界の時とは真逆だしそれが反転してるってことなのかなぁ??

 

 

 

ーーーやつは酒が好きなのか?

 

 

 

ーーーんーワインを作るのが得意だったと思うよ?下界でも呑んでるのかは知らないけど、葡萄から拘ってたのは覚えてるなぁ。

 

え?葡萄?たぶんで良ければだけどデメテルじゃないかな?デメテルとも同郷だし顔見知りだからねぇ。

 

ううん!こんなのでよければいつでも聞いておくれ!

 

 

 

 

やはりヘスティアの顔の広さは情報として武器になるな。というかそんな称号を貰うくらい神格が高いのか。

 

なのに本人、いや本神はグータラ。ヘスティアらしいというかなんというか。

 

しかし誰かに操られている可能性も否定できんな。神も酔うような酒で酔わせ、操る。これも可能か…。

 

同胞の件もある。とりあえず監視対象ではあるな。それにデメテルとも関係があるか。

 

ペルセフォネ達は戦闘力が皆無だ。闇派閥に襲われたらどうしようもなくなるな。ちょくちょく様子を見に行くしかあるまい。

 

とりあえずロキ達と相談すべきだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとまてアルフィア。そこの小人族の目が死んでおるぞ。」

 

 

「リリルカも私の娘にする。この子はまだ15歳だ。あんなクソファミリアに任せておけん。」

 

 

椅子に座っているアルフィアの膝の上に座らされて頭を撫でられ続けるリリルカとやらとそれを微笑ましそうに見ているベルがいた。




フィルヴィスってどうすれば良いんだろう

好きだから助けたい。でも助けるのムズカシイ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。