我の進む道こそ王道なり   作:ごーたろんす

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遅くなりました。

皆様体調にはお気をつけくださいね?


閑話 ヘスティア様の1日

太陽が昇ると共に自分の可愛い眷族のベル君は両親と鍛錬する為にホームを元気に出て行く。

 

まだもう少し寝れるや……おやしゅみぃ……

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!!!ち、遅刻だぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

急いで準備して走っていつもの屋台に向かう。おばちゃんに怒られてしょんぼりしながらじゃが丸君を揚げていく。

 

 

ちらほらと冒険者達が屋台の前を通り過ぎてバベルの方に向かっていく。今日もベル君はダンジョンに潜ってるのかなぁと考えながら仕事をこなす。

 

 

「ヘスティア様!!おはようございます!今日はねー、えっとプレーンと抹茶クリーム味2つ!」

 

 

「おや!サリアくんじゃないかい!おはよう。今日の髪型可愛いね。ちょっと待ってねー」

 

 

「えへへ!あのね!お母さんにヘスティア様と同じ髪型にしてってお願いしたの!アルフィアお姉ちゃんの髪型はできないって言われちゃった!

 

アルフィアお姉ちゃんに抱っこしてもらったんだよっ!」

 

 

相変わらずアルフィア君とギル君は商店街で子供達と交流しているみたいだ。ボクも子供達が大好きだから嬉しいな。

 

サリア君の頭を撫でてお揃いだねと伝えて商品を渡すと嬉しそうに笑って帰っていく。

 

昼時には商店街のみんなや、ダイダロスにあるマリア君が運営している孤児院の子達も遊びに来てくれる。

 

みんな話す内容はウチのギル君とアルフィア君、それにベル君のことばかりでとても誇らしい。

 

 

 

「…ヘスティア様。こんにちは。小豆クリーム味3つください。」

 

 

「アイズ君じゃないか。毎回ここに来てくれるけどロキのホームからなら別の屋台の方が近くないかい?ちょっと待ってておくれよー?」

 

 

「ヘスティア様の、じゃが丸君が一番……です。ギルもアルフィアさんもベルも言ってました。」

 

 

どこも同じじゃないのかいっ!?と思いつつも自分の眷族らがそう言ってくれてるのを教えてもらいご機嫌になる。

 

 

「ヘスティア様は、じゃが丸君を司る女神だって。ヘスティア様の屋台で買うといつもの2倍美味しいって。」

 

 

「アイズ君…。きみ、騙されてるよ。ボクは炉の女神だよ…。あの子等は本当に!!ボクのこと紐の女神とかじゃが丸君の女神とか!!」

 

 

がびーん!!となるアイズ君には申し訳ないが嘘は良くない。

 

 

「で、でもヘスティア様のじゃが丸君が一番美味しいのは、なんで?」

 

 

えー?他の屋台のじゃが丸君なんて食べたことないんだよなぁ。

 

 

「そ、そうかい?まぁいつでもおいでよ。ボクがいる時はボクが作るしね。アイズ君がそう言ってくれるならボクも自信が持てちゃうよ!」

 

 

コクコク頷き、商品を渡すとすぐに食べ始め、とても美味しそうにたべてくれる。剣姫と呼ばれ、レベル6の第一級冒険者と言えどボク達神々からすれば可愛い女の子だ。

 

それからロキファミリアのティオナ君、ティオネ君、レフィーヤ君など主力メンバーが来て買っていってくれる。そのおかげでこの屋台のじゃが丸君を食べるとランクアップするなどと噂されているらしい。

 

挙げ句の果てにフレイヤファミリアのヘディン君やヘグニ君も買いに来てくれる。この2人はじゃが丸君と言うよりフレイヤが迷惑をかけてって感じだけどね。

 

 

「そういえばヘディン君、ヘグニ君。ベル君はどうだい?ギル君はボクの眷族になってくれた時点で強かったしアルフィア君は、ほら、ヘラのとこだったから今のオラリオのファミリアとはちょっと違うんだろ?

 

ボクも最近下界に降りたから普通がわかんなくてさ。フレイヤに聞きたくてもすぐに酔っちゃうからさ。」

 

 

「本当に申し訳ありません女神ヘスティア。他の神々と争うことはあっても仲良くすることがあまり無かったようで。

 

そうですね。御子息は英雄足る人物であるのは間違いありません。有象無象の冒険者とは一線を画しています。」

 

 

「えと、えと、ベル君はそのぅ、成長が早いのはもちろんですけど、技術が普通じゃないです。」

 

 

「あはは。ボクも美の女神と2人で飲んだりするとは天界の時には思っても無かったよ。

 

うーーん。やっぱりベル君はすごいなぁ。ただ純粋すぎて騙されたりしないかなーとか女の子に対して免疫無さすぎじゃ無いかなーとか思っちゃうんだよね。

 

ボクもだけどギル君もアルフィア君もあの子には甘々なんだよね。」

 

 

 

苦笑しながら思わずずっと思っていたことを口にしてしまう。

 

 

 

「……申し訳ありませんが正直私もそこに対しての懸念はあります。」

 

 

 

「うん。ベル君すごく優しくて純粋だと思う。でも俺も人苦手だし…」

 

 

 

実際のところ悪意という悪意に相対した時、ベル君はどうなってしまうんだろう。下界は決して光の部分だけではない。

 

これがギル君やアルフィア君ならわかるだろうから心配していない。でもベル君はどうなんだろう。

 

 

うんうん唸っているとヘディン君が何か考え、メガネを直して口を開く。

 

 

「私がギルガメッシュ様とアルフィア王妃に進言してみましょう。御子息については私もヘグニも、そしてフレイヤ様も認めております。

 

だからこそ甘やかすだけではいけません。厳しくすべきところがあるのは間違いありません。」

 

 

「うーん。で、でもギル様とアルフィア様が、問題をそのままにしておくかなぁ??」

 

 

「ならばその理由を聞けば良い。ギルガメッシュ様とアルフィア王妃も下界の子。王と王妃といえど間違うことがあるかもしれない。

 

ならば配下である我々が進言しなければなるまい。王が道を作ってくれ、その後ろを何も考えずに歩くなど配下ではなく有象無象だ。

 

我々はそうなりたくないだろう?」

 

 

なんだか壮大な話になってきたぞ!?この2人は敬いすぎなんだよな。ギル君なんて悪戯好きの王様だよ??

 

この前なんてボクに風呂を薦めてくれて嬉しくって浴槽に飛び込んだらドライアイスの浮かんだ冷水だったんだぞ!?

 

悲鳴あげてたら大爆笑してるんだからなっ!!すぐにベル君がファイアボルトで熱湯にしてくれたけど。

 

 

とりあえずヘディン君とヘグニ君に任せよ。この子等もベル君のことすごく大切にしてくれてるしね!

 

 

店仕舞いを始めるとデメテルとペルセフォネ君がやってきた。どうも野菜のお裾分けに来てくれたみたいだ。

 

 

「デメテルじゃないか!ペルセフォネ君も!うわぁ!デメテルのとこの野菜本当に美味しいからボク大好きなんだ!ありがとう!!」

 

 

「うふふ。いいのよ。いつも王様にはお世話になってるもの。それに私もヘスティアのこと大好きだしね。」

 

 

「そうですよヘスティア様!私達はみんなギル様もアルフィア様もベル君ももちろんヘスティア様も大好きですもん!」

 

 

「いやぁ!そんな熱烈な告白されるとドキドキしちゃうよ!もうそろそろギル君が迎えに来てくれるから一緒にご飯でもどうだい??」

 

 

「あら?良いのかしら?私はとっても嬉しいけれど他のファミリアよ?」

 

 

「今更だよ。それにギル君にはこの前デメテルも呼びたいって言ったらオッケーもらったし!そうだ!ヘファイストスとミアハも呼ぼっと!」

 

 

それからギル君が迎えに来てくれてオッケーをくれたのでベル君がミアハとナーザ君を、ギル君がヘファイストスと椿君を呼んで来てくれた。

 

ギルの嫁の私以外キッチンには立たせんと言うアルフィア君がみんなの分のご飯を作ってくれる。どうも一度こっそりとザルド君を呼び出してご飯を作らせて覚えたらしい。

 

一回見れば覚えられるってなんだよ。才能の権化とか言われてたみたいだけどその通りすぎないかい??

 

 

眷族達は眷族達で楽しそうにしており、ボク達神々はいつもの部屋に行く。プレートに【老人ホーム】と書かれているのはもう何も言わない。

 

デメテル、ヘファイストスは顔を引き攣らせていたけどね。ミアハは大笑いしてたけど。

 

 

「そりゃ、あの子らからしたら私達は老人になるんでしょうけどこれは無いわよ…」

 

 

「うふふ。王様とアルフィアくらいよね。私達にこういう悪戯できるの。」

 

 

「うむ。だが事実だからな。それに私はギルに頭が上がらない。借金を肩代わりしてくれ、ナーザの腕を治してくれたのだからな。」

 

 

「あー。ディアンケヒトが大声で喋っててベル君が気づいてアルフィア君が五月蝿いって魔法ぶっ放したんだよね?」

 

 

そう。ベル君はミアハのとこのポーションを使っており、アルフィア君もナーザ君とだけはよく話をしていた。

 

理由は簡単でミアハは駆け出しのベル君に対して無料でポーションを渡しており、ベル君はベル君で貰ったならお返しするのが当たり前だとその日ダンジョンで無事だったからとお菓子やじゃが丸君を持ってお礼を言いに行ったそうだ。

 

それからナーザ君がベルはいい子だから居なくなっちゃダメだよ?とダンジョンの情報やポーションを持っておく必要性をアルフィア君より先に教えていた。

 

その結果可愛い息子を大切にしてくれてる奴らというポジションになったみたいでアルフィア君もナーザ君を可愛がるようになった。

 

 

 

そこにディアンケヒトが馬鹿みたいな大声で喋っていたから魔法で吹き飛ばされる事件が起こった。アミッド君とは別件で知り合っていたみたいでベル君が止め、ディアンケヒトは泣きながら帰った。

 

 

それからベル君に聞いたギル君が息子が世話になったと借金を肩代わりし、冒険者としての先達が隻腕になっても他を助けている。ならば両腕があれば倍助けられるだろう。

 

よって王が褒美を取らす。といって何か波紋の中から出した物で腕を治したらしい。訳がわからない。

 

それを聞いた時は誇らしいと共に胃痛も連れてきた。

 

 

 

「うふふ。王様は本当に王様よね。私もね?探索系じゃないからペルセフォネ達がちょっと気後れしてたのよ。

 

でもあの王様が私も一緒に掬い上げてくれたのよ。デメテルファミリアはオラリオどころか王様の統治する下界全てに必要だって。」

 

 

「そうねぇ。私のとこも椿の腕が一段階どころか二段、三段と上がってるのよね。ギルが持ってる武器を見せて作らせて、それを椿自身の作品とすべく技術として落とし込めってね?

 

あの子の持ってる武器って竜殺しや冒険譚に出てくるような魔剣や神殺しの武器まであるのよね。」

 

 

そんな話をしているとドアがノックされ、フレイヤが入ってきた。

 

 

「「「フレイヤっ!?」」」

 

 

 

「ヘスティアー!ワイン持ってきた……。ひ、ひどいわよヘスティア!デメテル達も呼んでるならもっと早く呼んでくれてもいいじゃない!」

 

 

 

「あー。忘れてたや!」

 

 

フレイヤを含む全員がずっこけた。フレイヤとはいつもこの部屋で飲んでることをみんなに教えて、デメテルはフレイヤに友達ができたことを喜んでいた。

 

 

「そ、それでね!デメテル!兎さんとっても可愛いのにカッコいいのよ!そしたらヘスティアがいっつも呼んでくれるの!」

 

 

 

「うふふ。私もフレイヤが楽しそうで嬉しいわよ?ヘスティアじゃないとフレイヤのこの笑顔引き出せないのは前からの友達としては悔しいけどね?」

 

 

「あんたフレイヤまで落としたわけ?私もあんたに落とされたみたいなもんなんだけど?」

 

 

「え?え?ぼ、ボクかい!?そ、そりゃ、ヘファイストスは天界の時から大好きな大神友だけどさ。それにヘファイストスはアフロディーテと「それ以上言わないで。」あ、ご、ごめん。」

 

 

「うむ。ヘスティアは本当に尊敬する女神だ。私もフレイヤは美しいと思っていたが今のフレイヤは可愛いが似合うかもしれぬな。」

 

 

「そもそもミアハ。あんた女神ばかりのとこに男神1人で堂々とできるのすごいわね。それもフレイヤとデメテルが同席してるのに。」

 

 

「はっはっは。ヘファイストス。君も含めて皆美しいが私は何より神友のヘスティアがどんな種類でもオラリオトップと呼ばれるファミリアの主神に認められているのが嬉しくてな。

 

ヘスティアがどれ程1人で辛い思いをしてようやくベルという素晴らしい眷族と暮らせるようになったかを知っている。

 

ギルやアルフィアがヘスティアを気にしているのは分かっていたが新婚生活の中にヘスティアを入れるというのもおかしな話であろう?

 

 

だがこうして認められていつもの笑顔で過ごせている。それを特等席で見られる私はとても運が良い。」

 

 

嬉しい!嬉しい嬉しい!!ミアハもヘファイストスもデメテルもフレイヤもみーーんな大好きだぜっ!

 

 

「ミアハがモテる理由分かったわ。私はお断りだけど。」

 

 

「うふふ。やっぱりミアハは素敵ね。私もお断りしちゃうけれど。」

 

 

「ミアハ?今夜一緒に……いや私それよりここで飲む方がいいわ。」

 

 

「ミアハはモテるけど天然だからなぁ。それにナーザ君を大切にしないとボクも怒るぜ?」

 

 

なぜが肩身が狭くなるミアハ。む?と首を傾げ、目を逸らしてゆっくりとグラスを煽る。

 

それを見て女神4人は大笑いしながらまた飲み始める。天界にいた時は自分の領地からほぼ出ない引きこもりだったが、大切で大好きな眷族ができた。

 

そしてその眷族達のおかげでこんなに大好きな神友が増えて、天界にいた時より遥かに楽しく過ごせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボクの眷族はオラリオトップの可愛い子達さ!!

 




なんかヘスティア様書きたくなった。

次は続き書きます!

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