我の進む道こそ王道なり   作:ごーたろんす

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ギールさまっ!ギールさまっ!

※この作品のギル様は神性がありません。

御了承ください。

質問で基本的なミスに気づかさせてもらえたので年齢について説明させていただきます。

原作ですとリヴェリアは71歳で森を出ます

そして原作時点で99歳です。

ギル様が15の時に森を出るので71

ベルが4歳の時の話なので原作10年前ですのでリヴェリアは89歳。

森から出て18年経つということでそれにリヴェリアが出て行った時の年齢の15歳をプラスして33歳に変更します。
27歳→33歳


白兎本当にアルフィアの血族か?

その日、僕にとって決して忘れられない日になった。

 

僕にとって全てを決める日になったんだ。

 

 

 

 

僕はなりたい。英雄になりたい。誰よりも大切で大好きな貴方達の誇りに思える英雄に……

 

 

 

 

 

 

 

こんな片田舎に訪ねてくる人はいなかった。だけど今日は違う。ドアがノックされ出てみるととてもカッコ良くこの世の者とは思えないエルフがいた。

 

ポカンとして見惚れているとそのエルフは頭を撫でてくれた。お祖父ちゃんに聞いていた話と違う。

 

エルフは極端に他種族との接触を拒むって聞いてたのにこの人の手はとってもあったかい。

 

えへへと顔がにやけてしまい手にグイグイと頭を押しつける。

 

「可愛い子よ。良い良い。我はギルガメッシュ・リヨス・アールヴ。可愛い子よ。名前を教えてはくれぬか?」

 

あっと思いギルガメッシュさんの目を見てちゃんと自己紹介する。

 

「べ、ベル!ベル・クラネルです!4歳です!」

 

「そうかそうか。ちゃんと自己紹介できて偉いぞベル。我のことはギルと呼ぶが良い。おい。いつまでそうしている。貴様らは4歳のベルに出来ることも出来んのか。」

 

そう言うとギルお兄ちゃんの後ろからすごい鎧を着て顔に傷のあるおじさんとなんか鎖でぐるぐる巻きにされている綺麗なお姉さんがいた。

 

ーーーなんで鎖でぐるぐる巻き???

 

真っ赤な目をぐるぐるさせてアワアワとなるベルを見て忘れてたとギルは指パッチンをして鎖を消す。

 

誰が消したのか分かったのかキラキラした目でギルを見るベル。

 

 

それを見てムッとするアルフィア。ずいっとギルの前に立ってベルをジーッとみる。

メーテリアそっくりだ。この深紅の瞳は気に食わないがギルと同じ瞳だと思えば我慢できる。

 

こてん?と首を傾げて鎖でぐるぐる巻きにされていた綺麗なお姉さんを見上げる。

 

ぐっと心に気合いを入れてベルと目を合わせて頬を撫でる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私をお義母さんと呼べ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スパンッとアルフィアの頭を引っ叩いてやる。このたわけめ。何を訳のわからんコミュニケーションをしている。

 

ザルドを見ろ。顔を手で覆って天を見上げてるではないか。

 

 

 

 

 

「ふぇ??お母さん??お母さんなの??」

 

 

ベルは涙目でアルフィアを見る。アルフィアはうぐっと唸る。

 

 

ーーーこれはダメだ。なんという純粋無垢。4歳といえどここまで純粋だとは。仕方あるまい。この王がフォローしてやるか。

全く世話のやける民よ。

 

 

「ベルよ。こやつはアルフィア。ベルの母の双子の姉だ。ベルが祖父と2人で暮らしていると聞いて義母としてベルを愛する為に来た。

 

ほら存分に甘えてやれ。」

 

ベルの背をポンっと叩いてやるとベルは涙を堪えて走ってアルフィアの胸に飛び込んだ。

 

 

 

「うわぁぁぁぁん!!おかあさぁん!!」

 

抱きつかれたアルフィアは固まり、しかしぎゅっとベルを抱きしめた。

アルフィアとベルの姿を見て我とザルドは共に外に出る。

 

ーーー子供の涙くらい我等に勝てるものは無いな。存分に義母との時間を楽しむが良い。

しかし本当にベルはアルフィアの血族か?こう言っては悪いがあの女王気質のアルフィアとは似ても似つかぬがな。

 

 

「王よ。礼を言わせてほしい。俺がいくら言ったとこであいつは、アルフィアはベルに会わなかっただろう。

アルフィアは十分にヘラファミリアの冒険者として、そしてメーテリアの姉として責任を果たしたと俺は思っている。

 

これからは片田舎のここでベルとゆっくり余生を過ごしていける。

あまり長い時間は共にいられないだろうが、ベルにとってもアルフィアにとってもかけがえの無い時間になるはずだ。」

 

 

ザルドはそう言って頭を下げてくる。しかし引っかかる文言があった。

 

 

「ザルド。長い時間共に居られないとはどういうことだ。」

 

 

そこから語られるアルフィアを蝕む病。ステイタスに出現する程にアルフィアに対しての呪いかの様な病の話。

 

ーーーそういうことか。モヤが見えていたのは病。ではザルドはどうなのだ?ザルドも病を患っている?

 

 

ザルドに聞くとベヒーモスの毒を食べて侵されているとのこと。

 

 

ーーーううむ。此奴はアホなのか?いや、戦場に居なかった我が言っても意味はない。しかし此奴らは2人とも我の民と認め、我に実力を持ってして認めさせた冒険者。

 

我がどうにかせねばなるまい。王として民を守るのも当然の責務。

 

 

 

「……ザルド。我は英雄王。王の中の王だ。ならばこそ貴様ら民を守り、導かねばならん。

 

それこそ我にとっての王としての責務だ。

 

猶予はどれ程ある。」

 

 

ザルドは大きく眼を開いてこちらを見て、そして泣きそうな顔をして頭を下げてくる。

 

もう永くはない。恩恵で抑えてはいるが持って後5年も無いと。正直にかの王様に伝えた。

 

 

「よかろう。神々の恩恵を授かるつもりは無かったが、我は言葉を違えん。適当な神に恩恵を授かり、我の魔法を最大限発揮出来る様にする。

 

ザルドは冒険者であったな。適当な神を紹介しろ。」

 

 

「い、いやしかし王!俺達の為に王の道が違えるなどあってはなら「馬鹿め。我は下界の王。下界の王たる我の進む道こそ覇道にして王道よ。

 

たかが1人や2人の民を背負うこともできずして何が王か。

 

それにこれによって我が民草を導ける範囲が今以上に広がると考えよ。

 

我の進む道に間違いなど無い。」」

 

 

ザルドは言葉が出なかった。ヒューマンである自分より歳下のハイエルフの王様が、下界の頂点に立つことが産まれながらにしてわかっている王様の覚悟と勇気、そして大きすぎる器に涙すら流れ、止められない。

 

 

 

落ち着いたザルドは再び頭を深く下げ、自らの主神のゼウスについて説明した。この片田舎に居る大神ゼウス。

追放された理由も過去にオラリオ、そして三大クエストで何があったかも。

 

「……なんだその下半神は。下劣極まりないが……選り好みはできぬ状況か。仕方あるまい。

 

ん?ちょっと待て。その下半神に育てられたベルが何故あれ程純粋無垢に育っている!?」

 

 

「……すまない王。俺にもまったくわからん。とにかくメーテリアの血がかなり濃いのだろうさ。

メーテリアは本当に、ほんっっっっとうにヘラファミリアの中でも唯一と言って良いほどの良心の塊だった。」

 

 

「……メーテリアとやらには我が宝物庫からとびっきりの宝をくれてやりたいぞ。

 

まぁわかった。とりあえずは恩恵を受けて1年間はコンバージョンとやらが出来ず、動きようが無いのだな。

 

とにかく1年かけて貴様らを治療する。我の魔法はもう3つ埋まっているからな。そこに治癒魔法もある。これを鍛え上げ、貴様を完治させた後に近接の鍛錬といこう。」

 

 

今後の予定を立てながら良い時間になったので家に戻るとベルがぎゅっとアルフィアの服を握って膝枕ですやすやと寝ていた。

 

アルフィアは微笑み、ベルの頭を撫でていた。

 

 

ベルを起こさないように今後の予定を伝えると閉じていた瞼を開いてザルドと同じように固まってしまった。

 

そして理解したのか頭を下げて薄っすらと涙を溜める。

 

まったく世話の焼ける民草よ。しかしベルの笑顔を曇らすわけにはいかん。王として言葉を違えるわけにもいかん。

 

これからは時間勝負となる。帰ってきたゼウスにザルドが全て説明をしてゼウスは下半神としてではなく大神の、父の、そしてベルの祖父としての一面を見せて頭を下げてきた。

 

 

恩恵を授かる為に上半身裸になり、ゼウスの前に座ると唖然とするザルド、ゼウス、それにアルフィア。

 

 

「なんだ。我が肉体に見惚れたか。」

 

 

冗談で言ったつもりがザルドはコクコクと頷き、アルフィアは頬を染める。ゼウスはワシの知っとるエルフと違うんじゃが…と呟く。

 

 

「今更だが言っておく。我は下界の王にして英雄王。そして王の中の王だ。ならば民を率い、守り、導かねばならん。

 

エルフ族だけではない。全ての種族を導ける王だ。ならばその全ての種族に認められなければならん。

 

つまりはそう言うことだ。」

 

ゼウスは大笑いしたのでぶん殴って黙らせる。ベルが起きるだろうが。

涙目になりながら恩恵を刻んでいくゼウスと笑いを必死で堪えているザルドとアルフィア。

 

 

「お、終わったぞい……。え?エルフってなんだっけ?ぎ、ギル。お主は本当に王の中の王じゃわい。」

 

震える手でステイタスを渡してくるのでそのまま見る。

 

 

 

 

 

 

ギルガメッシュ・リヨス・アールヴ

 

 

LV1

 

力: I 0

耐久: I 0

器用: I 0

敏捷: I 0

魔力: B 795

王気(カリスマオーラ) A

直感(センス) A

 

【スキル】

[黄金律]

どんなことをしても金銭に困る事はない。

金銭を稼ぐ際、どれが一番効率が良いかわかる。

 

全知なるや全能の星(シャ・ナクパ・イルム)

星の輝きの如く地上の隅々へと行き渡り、万象を見通す。

ギルガメッシュの精神性、知性が上昇する度に解析度も上昇する。

 

【魔法】

王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)

幾年の時、幾つもの次元を通して貯められた宝物庫。

全ての世界、次元を通しても持主は1人。

貯められた宝具の使用可能。

現在の所有者 ギルガメッシュ・リヨス・アールヴ

 

王の誇り(プライド・オブ・キング)

詠唱

我は王なり。エルフの王 下界の王 英雄王。全ての民を守り 全ての民を導く。我に敗北は無し 故に続け。 幾千の未来は我の手の中。我が名はギルガメッシュ。

 

固有結界。結界内の率い、守り、導く民は常に守られる。発動者はステイタス超補正。階位2段階上昇。

 

[プロミネンス・ウェスタ]

詠唱

我が民は病無し 怪我無し 呪い無し。全てを守ろう。全てを癒そう。我が名はギルガメッシュ

 

炎属性浄化治癒魔法。

全ての病、怪我、呪いを焼き尽くす聖火。

 

詠唱破棄時効果減少。死者には効果無し。

 

 

 

 

 

 

ザルドとアルフィアに紙を渡すと2人とも絶句。

何も言えずに紙を見て我を見ての繰り返しをしている。あまり動くとアルフィア。ベルが起きるぞ。

 

「なんにせよこれで貴様らの病と毒には目処がついた。固有結界を張った中で治癒魔法をすればどうにかなるだろう。

ならなければなるまでレベルを上げるまでだ。だが我の直感が言っている。問題ないとな。」

 

 

2人は呆然としていたが、ベルと共にあれることに気づいたのだろう。アルフィアは静かに泣きながらベルを起こさないように抱きしめた。

ザルドも嗚咽を漏らしながら泣いていた。

 

ゼウスは2人を優しく見て、頭を静かに下げてきた。

 

 

落ち着いてからはザルドに食事を作らせ、ゼウス自ら書いたらしい英雄譚を読ませてもらった。

我は英雄の中の王となると決めた。ならば過去の英雄にすら届かない位置に行かなければならん。

 

あの2人を治したら鍛錬をするとしよう。

 

 

 

そう決めてふと笑う。外の世界へ出て正解だった。これからの楽しみも増えるというものだ。民を守り、子の成長をゆるりと見守る為にもまだまだ努力は欠かせんな。

 

 

む?ベル。なんだ?一緒に読むか?うむうむ膝の上に座ると良い。

ふはは!我とベルは瞳の色が一緒だと?お揃いだな。

ん?我は父では無いぞ?耳を見てみよ。お父さんがほしいだと?ふむ。まだ我はエルフとはいえ若いのだ。

 

今年で33だぞ。アルフィアが21?だからなんだと言うのだ。お似合い?たわけ。我に似合う女などそうはおらん。

 

な、なんだアルフィア?何故怒っている。

 

やめ、ベルが居るんだぞ!!やめんか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルお兄ちゃんはハイエルフだけどアルフィアお義母さんとお似合いだとおもいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

福音(ゴスペル)しゅごい……。




ヒロインアルフィアになりそうなんだがどうしよう

怠惰のファルシオン様からのコメントで気づいたので追記として書いておきます。

本家ギル様の千里眼について

全知なるや全能の星にギルが強くなったり知識を加えると解析度が上がるという仕様にした上で直感スキルをつけたので千里眼つけませんでした。

この作品の都合で本家ギル様のスキルをちょいちょい変えてしまうと思いますがちゃんと説明できるよう努力します。

コメントで質問していただきありがとうございます。


圧倒的感謝!!!

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