我の進む道こそ王道なり   作:ごーたろんす

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我は言った筈だ。右頬を叩いたら左頬も叩けと。

アルフィアとザルドの体調が順調に回復し、鍛錬にベルも参加して毎日を過ごすようになっていた。

 

ザルドは腕を鈍らさない為と我の強化の為に毎日模擬戦をしてくれ、アルフィアは魔法ありで固有結界の中で戦っていた。

 

ベルはずっと横に座って戦いを見ては目をキラキラさせてあれはどうやったの??見えなかったところゆっくりやって!と甘えつつも家族を守れるようになる為に努力を惜しまない。

 

我が言えることではないがザルドもアルフィアもベルに対して甘すぎないか?下半神も豪快に笑って甘やかすだけではないか。

 

そうこうして早くも2年が経とうとしていた。ベルは6歳になってもずっと家族を守れる英雄になると言い続けて毎日の鍛錬を欠かしたことはない。

 

風邪を引いたにも関わらず鍛錬をしようとした時は、アルフィアが鬼のようになっていて英雄王である我ですら正直怖かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんなとこにいたのか。ザルド。アルフィア。」

 

 

 

 

 

 

そう言って神が訪ねてきた。どうも下界の終末が近づいているのをどうにか伸ばす為に2人をオラリオの礎にしようとしているみたいだ。

 

だが2人はとても微妙な顔をしている。

 

 

「……エレボス。そのなんだ。正直それは無理だ。」

 

 

ザルドの言葉にエレボスは首を傾げる。

 

 

「俺はベヒーモスの毒が解毒されてレベル8になった。」

 

 

「私は不治の病が完治してレベル8のザルドを相性もあるが本を読む片手間で倒せる。私達が闇派閥に行けばオラリオの雑音共は確実に全滅するぞ。

 

ザルドも私も時間制限があったが今はもう無い。」

 

 

エレボスは口を開けて固まり、しばらくして頭を抱えてしまった。どうすんだよ。いやどうしようもないぞこれ。

そんな事をブツブツと呟きながら必死に考えを巡らせている。

 

 

アルフィアは言うべき事はもう言ったと紅茶を飲みつつ読書に戻り、ザルドはとても気まずそうにしている。

 

「つーかさ、どうやって完治したんだよ2人とも。俺の記憶が正しかったらディアンケヒトとミアハですらどうしようもないって匙を投げてなかったか?」

 

 

その言葉で2人は我を見る。我はどうでも良いと紅茶を飲みながら寝ているベルの顔を眺める。

 

ザルドはため息を吐いて我に許可をもらい、魔法のとこはぼかしながら何があったかを話す。別に魔法を教えても良いのだがな。

 

 

「マジかよ。いや俺も下界の王のことは風の噂で聞いてたぜ?でもよそんなバグキャラみたいなやつが都合良くお前ら2人に会ってると思う?

 

ゼウスも知ってたんなら教えてくれよ!つかどーすんだよ。俺は下界の子供達が大好きだ。だから色々策を練ってたのに……」

 

 

本気で頭を抱えているエレボス。ゼウスは笑いながらすまんすまんと謝り、ザルドは何かを考えていた。

 

 

ーーーふむ。下界の終末か。我の庭を害するものなど我が許さんがな。それに我には配下のザルド。それにアルフィア親子がいる。

 

そういえば姉上は結構前にオラリオに着いたと文が届いていたな。姉上の事だ。今やアルフィアくらいにはなっておろう。

 

む?我の直感がピクリともせん。まさかまだレベル6か?いや反応せん。

ま、まさかとは思うが、この我と血を分けている姉上がだぞ?

 

王族のハイエルフの姉上がレベル5だなんてこと?

 

………反応した、だと?

 

 

ガタッと立ち上がる。我が急に立ち上がったものだからエレボスもザルドもそしてアルフィアすらもが我の方を見る。

 

「……エレボス。嘘偽りなく答えよ。良いな?」

 

波紋から剣先を360度包囲し突きつけながら問う。エレボスは真っ青になってコクコクと頷く。

 

ーーーえ?目、目の前の剣、なんかすげーやな感じするんだけど!?

 

目の前の刃先はミストルティンとロンギヌスの神殺し筆頭の宝具だ。これだけ脅せば嘘は言うまい。

 

「まさか、まさかとは思うが、この我の姉上。リヴェリア・リヨス・アールヴがまだレベル5などという雑種でもなれて恩恵のない我に一方的に処刑されるような雑魚ではあるまいな?

 

いや、分かっている。分かっているとも。我の直感スキルが不具合を起こしているだけだとな。

 

だが聞かねばなるまい。エレボス。どうなんだ。」

 

 

ーーー俺神だからさ、空気読まないで好き放題言える自信あったけどこの子相手にはできないのわかるよ。

 

つーかこれ正直に言っても嘘言ってもアウトじゃね?

 

スキルの不具合なんかこの子レベルの自我があると起こるわけねーじゃん。

 

この間わずか0.2秒という長い神生で一番の頭の回転をみせたエレボスだが救いはない。ここにアルフィアがいなければ。

 

 

 

「はぁそこの雑音を殺しても意味はないぞ。ちなみにだが年m、九魔姫は、あぁギルの姉の二つ名だ。あいつはレベル5だ。恐らく変わりないだろうな。」

 

エレボスもコクコクと頷く。波紋を消して頭を抱える。

 

ーーー我が姉上が、あの気高く、だが我を1人の弟として、王の責務を忘れさせてくれた姉上が雑種共と同レベルだと??

 

 

気の毒そうにアルフィアが見てきてザルドはため息を吐き、エレボスはゴクリと唾を飲んで深呼吸する。

 

「なんじゃギル。お前さんシスコ「福音(ゴスペル)」ぎゃぁぁぁぉ!!」

 

ゼウスが吹き飛んでいったがどうでも良い。これはまずい。いや不味くはないが我が雑種共と姉上が一緒なのが嫌だ。

 

 

 

「あー。王様。俺が行って暴れてきてやろうか?討伐は無理だろうが格上相手に闘う気概をみせてベルのように立ち向かえば経験値は入る。

 

俺は王様に本当に感謝してるんだ。この俺を使ってくれ。」

 

 

「ザルド…。いや、だがこれは我のワガママだ。それで一生の十字架を背負わせたくはない。」

 

 

「王様はもっとわがままを言って良いと思うぜ。王様はいつだって俺ら民や配下の事を考えてる。

 

たまには自分のことを考えても良いんじゃねぇか?何よりこれは俺からオラリオにいるガキ共への試練だ。

 

成長も何もしない生ぬるいあいつらのおかげで王様が悩むなんてことはあっちゃいけない。

 

それが配下としての俺の覚悟と想いだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー配下にここまで言わせてしまうとは我も王としてまだまだか。だがこのまま行かすわけにはいかんな。

 

 

 

 

 

波紋から一つピアスを取り出す。黄金の中に深紅(ルベライト)の宝石が入っている。それを放り投げる。

 

 

「これは我の宝物庫の中に6つしかない。我の認めた者にしか渡さん。姉上と姉上の友の2人にしか渡していない。

 

我が家族となったザルド。そしてアルフィア。時が来たらベルに渡す。

 

ザルド……。王の勅命だ。オラリオの冒険者のケツに火をつけよ。」

 

 

ザルドはピアスを付けて膝をついて平伏する。

 

 

「王の勅命たしかに聞きました。必ず達成してみせます。……こんな感じでいいのか?俺王族とか無縁でわからん。」

 

 

 

ーーー格好のつかんやつだ。しかし我の信頼する配下だ。必ず達成するだろう。ザルドはピアスをつけてエレボスと旅立った。

 

 

とりあえず必ずしてほしい事は伝えた。右頬を殴って逆頬もぶん殴れと。

 

オラリオの雑種共め。我が配下に、先達に泥を塗りおってから。

 

 

 

 

ーーーなんだアルフィア。ずっと我を見て。なんだその手は。んん??

 

ああ。これか。良い良い。アルフィアも我の家族よ。つけておけ。何?姉上と同じやつ?先程も言ったであろう。同じだ。

 

何故また手を出している。何?アルフィアだけの物を寄越せ?貴様はそんな物つけているのを見たことが無いぞ。

 

良くわからんがまぁ、アルフィアならば我が宝物庫の宝をくれてやる価値はある。何よりベルを産んだメーテリアの褒美も貴様が受け取るべきだろうよ。

 

ちょっとまて。うーむ何をやるか。アルフィアは剣を使うのか?何?女心を理解しろ?我は男だ。女心なんぞわかるわけがないだろう。

 

毎日身につけるもの?お!ならこのネックレスをくれてやろう。

 

ふはははは!!喜べ!我が財をアルフィアだけにくれてやったのだからな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルのバカめ。私をこんなに惑わすのはお前だけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーふう。エレボス助かったぞ。アルフィアが王様のことを好きなのは一目瞭然なんだがな。王様はそういうことには超がつくほど鈍感だ。

 

それにアルフィアもアルフィアでこう、なんだ。遠回し遠回しに言うせいで全然進まん。

 

ベルが居るからまだマシだったが年がら年中謎のやり取りを見せつけられるのは独り身にはかなりきつかった。

 

ぶっちゃけあのガキ共をぶん殴るのは八つ当たりも含めてだ。

 

下界の終末??

 

王様と俺とアルフィア、そして確実に来る次代の英雄のベルの4人でどうにかなりそうな気がする。

 

黒竜に関しても王様のドラゴンスレイヤー系の宝具ぶっ放しまくれば多分勝てるぞ?

 

そうだな。王様に会った時、下界は救われると思ってた。王様こそ救済の要だとも。

 

だが違ったんだよエレボス。

 

 

俺もアルフィアも、そして王様でさえもベル・クラネルという英雄が出てきて下界は救われると確信してる。

 

はっはっは!!あの姿を見ていないエレボスからすれば当然そう思うだろうさ。でも俺達は見た。

 

真の英雄の姿をな。アルフィアあたりは危険なことをさせたくないから複雑だろうけどな。

 

 

さぁて。オラリオのガキ共をぶん殴りにいくか。王の勅命だってな。

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい!ゼウスファミリアの暴喰じゃねぇか!レベル7がこっちにつくなら確実にあいつらをぶっ殺せるぜ。」

 

 

「……オラリオのガキ共をやるのは良い。だが一般人に手を出してみろ。貴様ら闇派閥を丸ごと喰い散らかしてやる。」

 

 

ビリビリと圧力がかかり、闇派閥のメンバーは唾を飲み込み震えている。

 

 

「そゆこと。俺らもオラリオの冒険者に思うところはあるよ。でも一般人は一般人だ。それに手を出すならザルドも俺も許しはしない。

 

絶対悪にも絶対悪なりのプライドがあるのさ。」

 

エレボスの言葉に全員がゆっくり頷く。ザルドはピアスを光らせてゆっくりと闇の中に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーさて、踏ん張れよオラリオの冒険者。これから始まるのは君達に与える絶対悪からの史上最高の試練だ。

 

ここを乗り越えられないと次代の英雄が出て来た時に置いていかれ、恥ずかしい思いをしてしまうぜ?

 

老婆心になっちまったか俺からのプレゼントを受け取ってくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー何が一般人に手を出すなだ。知ったことか。あたしゃ気に食わないやつは幸せそうなやつは全部ぶっ壊す為にここに居るんだ。

 

レベル7がなんだ。お前も所詮闇派閥に入った、黒竜に負けた負け犬だ。

 

くくく。楽しいことになりそうだぜ。クソ偽善者がよ。




とりあえずザルドだけオラリオ行かせてみた。

ギル様出れないし大抗争カットするかも。

結果だけ書くかザルド目線で書くか悩み中

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