ダンまちの世界にヴィマーナは世界観壊れるどこの騒ぎでは無いので無い設定で行かせていただきます。
御了承ください。
ーーーメーテリアの息子!?アルフィアの旦那!?認めるわけ無いでしょう!!その息子も私のものよ!!返せぇぇぇぇ!!
「ギル。ヘラのところに行くぞ。」
「アルフィアの主神だったか?しかしいきなりだな。理由はあるんだろうな?」
ベルがいつかオラリオに行くことには反対はしない。しかしギルもオラリオに行くとなっては私もついて行く。だがこのままだとヘラファミリアだから追放されていてオラリオに入る事すら出来ない。
だから今のうちにヘラの所に行ってコンバージョン待機状態にしてもらい、元ヘラファミリアという大義名分を得たいとのことだ。
確かにそうした方がいい。それにお互いが倒れる寸前まで何度も模擬戦と言う名の殺し合い一歩手前をしている。
恐らくステイタスも上がっているだろうしあのスキルがどうなったかも気にはなる。
場所も分かるようなのでベルとザルドも連れて行くことにする。
「わ、わしはちょっと遠慮しておこうかの。行きたいのは行きたいんじゃよ?でもほら誰か留守番しないと。」
あーはいはいと慣れているザルドはゼウスの戯言を右から左に流して旅の荷物を用意してくれた。
ベルはまだ10歳だが日頃の鍛錬の成果かレベル1の冒険者と同等の基礎能力ができていた。やはり恩恵前に蓄えるトレーニングは大切だと再度認識する。
道中はザルドの料理が美味しいのとアルフィアが愛らしいことぐらいしかなかった。
山中にはゴブリンなどのモンスターもいるらしいがレベル8と7、そしてザルドとアルフィアの鍛錬だけでレベル3までランクアップしている我がいるので怖がって出てこなかった。
「この村にヘラはいるらしい。未だに壊滅したことで子供らが亡くなったことを憂いている……とのことだ。」
「超絶残虐破壊衝動女がいるのか。我相手にどこまで通用するのか楽しみではあるな。」
ーーー王様だけだ。あの女神に会うのを楽しみにできるのは。
ーーーお祖父ちゃんのお嫁さんってことはお祖母ちゃんだよね?くふふ。楽しみだなぁ。
ザルドよ。ベクトルは違うが楽しみにしておるのは我1人ではないぞ。
ヘラの居る住居に着くと門の前に2人立っていた。
「久しいな。ヘラはいるか。」
「「あ、アルフィア様!?おられます!!どうぞお入りください!!」」
「
門番をしていた女2人は白目を剥いて気絶した。ふははは。これでこそ我のとびきりの宝よ。
「もう!!お義母さん!!なんでそういう事するの!!大丈夫ですか?うう。完全に気絶しちゃってるよ……」
ベルに怒られてシュンとなるアルフィアは見ていて可愛い。怒っているベルも可愛いがな。しかしベルは本当に優しい子よの。
門番を寝かして中に入ると唸り声なのか泣き声なのかわからん声が聞こえてきた。アルフィアはズカズカと入って扉を開く。
「おい。ヘラ。私をコンバージョン状態にしろ。」
ヘラの事を気にすることなく自分の用件を簡潔に告げる。ヘラはアルフィアの声を聞いて泣いていた顔を上げて見る。
するとまた涙を目に溜めてアルフィアに抱きついて泣き始める。
しばらくそっとしておこうと思ったのだがアルフィアはさっさと用件を済ましたいのかヘラを1ミリも気にしなかった。
「私の用件だけ済ませてあとは好きなだけ泣け。」
「お義母さん!!お祖母ちゃんですよね??その、僕はベル・クラネルです。えっと、アルフィアお義母さんとメーテリアお母さんの息子です。
お祖父ちゃんのお嫁さんがお祖母ちゃんと聞いてて…」
ベルの言葉を聞いて神だから嘘がない事が分かりバッと顔を上げる。
「め、メーテリアの息子??そんな!!そ、そっくりじゃない!!アルフィア!?」
「その言葉通りだ。ベルは私の息子でもある。それとそこに居るハイエルフは私の旦那だ。」
ヘラはキョトンとするが脳が理解をしたのか物凄い形相で我の胸ぐらを掴んできた。
「私の可愛い子供を貴様なんぞにやるかぁぁぁ!!この子だって私が育てるんだ!!返せ!!そして帰れぇぇぇぇ!!」
ほう。これが超絶残虐破壊衝動女というわけか。ふははは。中々に面白いではないか。さてどこまでできるのか楽しみだ。
「ふむ。育てる?ひたすら泣き喚いて嘆き、可愛い子供が子を産んでいる事すら気づかずにいた愚か者がか?
アルフィアの病は何故完治している?まさかヘラという女神が泣き喚いていたから治ったのか!?」
ザルドは顔を背けて震え、ベルはヘラの言い分に怒っているのかムスッとしており、アルフィアは隠す事なく笑っている。
「か、完治!?アルフィア!?貴女の病気はスキルにまで出てた筈よ!?どういうこと!?」
「私の旦那と息子が治癒魔法と勇気で治してくれた。」
アルフィアの言葉に嘘はない。
呆然とするがだからといって許したりはしない。
「そう。あなたの役目はもう終えたわ。お疲れ様。さっさと消えなさい。アルフィアは私の可愛い子なの。ぜぇっっったいにあげない。それにベルはメーテリアの子。
なら私の子よ!この部屋から出さないでずーっと私と暮らすの。」
うーむ。これが超絶残虐破壊衝動女か。中々に面白い。言葉は通じぬか。さてさて次はどうするかな。
我の宝に手を出そうとするのだ。相応の覚悟は見せてもらう。
ベルに触ろうとするヘラの手に天の鎖を巻きつけ身動きが取れないようにしてやる。
「な、何よこの鎖!!外せ!!神威で廃人にしてやる!!………え?な、なんで!?なんで神威が出ないの!?」
あたふたしているヘラの前にゴッドスレイヤー系の武器を波紋から先だけを出す。
「さて。我の宝に手を出そうとしたのだ。相応の覚悟は見せてくれるのであろう?
アルフィアのコンバージョンが認められないのなら送還するしかあるまい。
大神の嫁だ。神格もさぞ高いのであろう?ならば神威の無い状態でこれらの武器で殺されても復活できるだろうさ。」
ーーーまずいまずいまずい!!あの武器はまずい!!この状態で受けたら送還どころか消滅する!!
どういう事よ!!なんで下界の子がこんな武器を!
結論から言えば大泣きしながらもアルフィアのコンバージョンは許可された。そしてベルの事も諦められないのだろうが手紙を書く事で納得した。
というかベルのお祖母ちゃん、あんまりわがままいうと僕だって怒るよ?の一言でしょんぼりして謝ってきた。ベルが強すぎる。
「女神ヘラよ。ベルも外に出ておるから言うが下半神の居場所を教えてやろう。あの下半神は何度言っても我のとびきりの宝のアルフィアにセクハラをしようとするのだ。
毎回福音で吹き飛んでいるがあれはヘラの旦那だろう。泣く気持ちも嘆く気持ちもわかる。それほどに貴様の愛が深く、本物だと言う事だ。
だがまだ生きて貴様を母と慕っている子の事を考えてやれ。子の人生は貴様の瞬きに等しい時間に始まり、終わる。
だからこそ貴様だけは忘れてやるな。忘れた時に本当にその子は死ぬと我は思う。だからさっさと立ち直ってあの下半神をどうにかしろ。」
それだけ伝え、帰路についた。
ーーー何よ何よあの子!この女神である私に対して脅して、説教して!!
……忘れた時に本当に死ぬ、か。そんなこと考えたことも無かったわ。
私達神は天界で魂に会える。そして巡り巡ることも知っている。でも、それでも私と同じ時を過ごした事は事実だわ。
そうよね。もう十分泣いたわ。悲しんだわ。
良しっ!ベルも私にお手紙くれるって言ってたし!
……ん??ベルの手紙が来る所にゼウスがいる??アイツ私に黙ってあの子とアルフィアとギルガメッシュとザルドと住んでるわね?
……ふふ。ふふふふふふ。私が泣いてるときに楽しんでアルフィアにセクハラしてた?うふふふふ。
お仕置きしなくっちゃね。
ーーーアルフィアの件もどうにかなったな。さて、我は先にオラリオに向かうとするか。アルフィアはどうする?一緒に行くか。
オラリオに行く話を家でするとベルはお義母さんとギルお兄ちゃんは結婚するのにずっと僕の面倒を見てくれてるからちょっと寂しいけど2人の時間もある方がいいと言ってくれた。
ザルドはオラリオでは未だに闇派閥の一員だと思われているからベルを鍛え、田舎でゆっくりする。だが俺の力が必要になったら呼んでくれれば王の為にすぐに飛んで行くという。
やはり我は人に恵まれている。そして伴侶にも恵まれた。では行くとしよう。迷宮都市オラリオへ。
アルフィア。オラリオに着いたら貴様とメーテリアの思い出の場所を案内しろ。メーテリアのおかげでベルにも貴様にも出会えた。
ならば王としてメーテリアへの褒美を賜わねばなるまい。
そういうとこが好きなんだよ。ギル。
何故こうなる。検問で槍やら剣やらを向けられる覚えはないのだが??
アルフィア。まぁ落ち着け。雑種共の顔色が悪くなるところを見たいだろう?
「一度目は許そう。雑種共も仕事をこなしているだけだ。そこを許せぬようでは王としての我の器が疑われるというものよ。」
「ふ、ふざけるな!!ゼウスファミリアの生き残りだと!?暴喰が何をしたか知らないのか!!オラリオをめちゃくちゃにしたファミリアが!!」
「ほう?何をしたかだと?オラリオの冒険者、トップを掠め取ったやつらを育てようとしただけだろう。それとも何か?暴喰が相手をした冒険者は皆殺しにでもなっていたのか?」
その一言にうっ。と言葉に詰まる憲兵。
「……武器を下ろせ馬鹿者共。暴喰が関わっている事で死人は1人も出ていない。すまないエルフと……せ、静寂?」
「……誰だ貴様は?生憎オラリオの雑音共の事はあの年増くらいしか覚えていない。」
「……ガネーシャファミリア団長の象神の杖。レベル5のシャクティ・ヴァルマだ。」
「そうか。雑種。早く我とアルフィアを案内せよ。」
門で揉めていると見覚えのある2人のエルフが来た。
「な、なんでフレイヤファミリアの黒妖の魔剣と白妖の魔杖がここに!?」
2人は我の前に跪き頭を下げる。
「お久しぶりでございます。こうして再びお会いできたことを光栄に思います。王の中の王。ギルガメッシュ・リヨス・アールヴ様。」
「お、おひ、お久しぶりでござます!!あう。」
「ふははは。久しいなヘディン。ヘグニ。なるほどな。貴様らはあのメッセージに気づいたか。しかしヘグニ。まだまだあがり症は治っておらぬか。良い良い。それもヘグニの愛らしい所よ。」
「はっ。我々の不徳の致すところでございました。王にあのような事を気にさせること自体が我々の汚点。それに気づく事なく過ごす有象無象など相手にしておれません。」
「ぎ、ギル様!!ありがとう、ございます!!」
オラリオでも屈指の実力者の2人が跪き、そしてヘディンから出た名前で武器を構えていた門番達は顔を真っ青にしている。
特に何もしていないシャクティまでもが真っ青になる。
2人が挨拶に来てくれたおかげでスムーズにオラリオに入ることができた。2人にはアルフィアを紹介しておく。
「「は、伴侶ですか!?」」
「ふははは。我の隣に並び立つのはアルフィアのみよ。それに世界中のエルフがアルフィアに突っ込んでいっても返り討ちに会うだけだろうよ。なんせアルフィアはレベル8だからな。」
これには2人も絶句してしまう。オラリオ最高レベルの冒険者ですら届いていないレベル8。
五月蝿いのが苦手なアルフィアだがギルの声と話は好きなので黙って聞いている。
そのまましばらく話をして別れ、アルフィアの案内でとある廃教会へと辿り着く。
ーーーここはメーテリアの好きだった場所なんだ。よくせがまれて連れて来ていた。
そう呟き、手をぎゅっと握られる。ギルは改めてベルを産んでくれたこととアルフィアに出逢わせてくれたことを天に感謝する。
それから2人で教会を綺麗に掃除していく。幾ら廃教会といえど思い出の場所が汚いのは嫌だろうから。
それから2人は宿を取り、今後の予定を話し合ってから就寝した。
ーーーだからリヴェリアを出せと言っている。言葉も理解できんのかオラリオの雑種共は。
ーーー面倒だ。福音。
いきなりギル様の好感度チェック
アルフィア、ベル、ザルド、リヴェリア、アイナ>>ヘディン、ヘグニ、極東の神と命を含む子供達>>民(子供を含む)>>下半神、ヘラ>>オラリオの冒険者>>神々
ギル様なんやかんやで好き嫌いはっきりしてます。神々はそもそもギルの民でも下界の存在でも無いので普通に優先順位が最下位。
オラリオの冒険者は一部を除いて雑種です。
民は庇護すべき対象です。その中でももちろん順位は子供が上で大人は下です。